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2011/01/31

Wザッカーバーグ登場

現在、オスカー戦線まっただなか。土曜日のアメリカではとりわけ『ソーシャル・ネットワーク』陣営が大きな仕掛けに打って出た。というのも、あの長寿コメディ「サタデー・ナイト・ライブ」のオープニング・スケッチにて『ソーシャル・ネットワーク』の主演ジェシー・アイゼンバーグとこの物語のモデルとなったfacebook創始者マーク・ザッカーバーグがついに初対面を果たしたのだ。

このニュースの威力は抜群だった。エンタメ系ニュースサイトはどこも、最終日を迎えたサンダンス映画祭の受賞速報を早々に下段へと追いやり、横一線でこの「初対面」ニュースを報じた。米NBCは自社の放送番組を公式サイトにてアーカイブできるようになっているので(ただし米国内限定)このニュースは一気にアメリカ中に、そしてYouTubeなどを使って世界中へと浸透していった。

なぜ『ソーシャル・ネットワーク』側はSNL侵略をこの日に据えたのか?

それはこの日のオンエアから数時間後に発表される米監督協会(DGA)賞の勢いを援護するためではないだろうか。プロデューサー協会賞では『英国王のスピーチ』にお株を奪われたものの、監督部門に関してはトム・フーパー(英国王)よりもデヴィッド・フィンチャー(ソーシャル)に分がある。下馬評では誰もがフィンチャーに軍配が上がるものと予想してやまない。

仮にここでフィンチャーが勝利すると、エンタメ紙上ではフィンチャー写真、それに先のW(ジェシー&マーク)ザッカーバーグ写真が2段連続で踊るというレイアウトになる。そこで完成する3人のトライアングルは、『英国王』に傾いた空気を一変するのに十分なインパクトを放つことだろう。

これは翌日(日曜)に控える俳優協会賞に向けての対策でもある。こちらでは『ソーシャル』の受賞はほぼ不可能とされており、本作の影が薄まることは免れない。この最も重要な時期に本作の存在感を示すためには、土曜日の打ち上げ花火をできるだけセンセーショナルに演出したほうがいい。。。

とまあ、こんな宣伝戦略上の予測が立てられていたのではないか、と勝手に想像するわけだが、ご存じの通り、ここで大波乱が巻き起こった。

なんと監督協会賞を制覇したのはフィンチャーではなく、『英国王のスピーチ』のトム・フーパーだったのだ。まさかの大逆転劇。同賞は過去90パーセントの確率でアカデミー賞監督賞と直結しているだけに、このお墨付きの威力は大きい。かと言ってこれで賞レースがジ・エンドというわけではないのだが、少なくともこの瞬間、陣営が思い描いていたであろう“最高のトライアングル”は夢の藻屑となって消えた。

一時期は追い風に恵まれた『ソーシャル・ネットワーク』だが、これから数日間は耐え忍ぶ時間が続くかもしれない。だが賞レースとはオスカーに向けた前戯のようなもの。このシーソーゲームの揺れが激しいほど観客が熱狂するであろうことは、自らがハリウッドの仕事人として生きる投票者たちにとって百も承知の鉄則だ。

この先、再び『ソーシャル・ネットワーク』に良い風が吹きレースを最高に面白くしてくれることを期待している。

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