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2011/02/28

フランコ&ハサウェイの作品賞候補めぐり

アメリカの業界紙では非常に手厳しい評価を受けているアカデミー賞授賞式ホストのアン・ハサウェイ&ジェームズ・フランコ。僕はふたりのフレッシュな進行ぶりに例年にない微笑ましさを感じましたが。みなさんはどうだったでしょうか?

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遅咲きの脚本家

デヴィッド・サイドラーが、『英国王のスピーチ』で脚本賞オスカーを獲得した。

受賞のスピーチで彼はこう言った。

「父は私によく言い聞かせたものです。『お前は遅咲きなんだよ』って。おそらく私は歴代の(脚本賞)受賞者の中で最年長でしょう。でもこの記録がすぐに、そして度々塗り替えられていくことを願わずにはいられません」

デイヴィッド・サイドラー、73歳。この業界で長いキャリアを持つ彼にとって『英国王のスピーチ』は初めてのヒット作となった。そして英国王ジョージ6世と同様、幼いころ吃音を患っていたサイドラーにとって、この物語は自らの原点を探りだすかのような素材だったに違いない。父はきっと幼い息子を励ます意味をこめて「遅咲きなんだよ」と語ったのだろう。

Seidler
ふと、目を通したばかりのニューズウィークの記事が頭をよぎった。

それによると、第二次大戦下のさなか、サイドラー一家はロンドンからNYへと移住した。そこで彼はラジオ放送を耳にする。ジョージ6世が英国民に向けて戦争到来を告げるスピーチだった。映画のクライマックスに描かれる、まさにそのスピーチ。これを耳にしたデヴィッド少年は「わ!王は吃音を克服したのか!」と大きな勇気を貰ったという。

デイヴィッドの吃音もトレーニングによって徐々に解消されていった。また吃音だと思われないような話し方を体得していった。しかし話し方は変わっても、心の中にふきだまる「誰も自分の言うことに聞く耳をもってくれないのではないか」という想いはなかなか治らなかったという。

それから数十年、フランシス・フォード・コッポラの同級生でもある彼は『タッカー』などの脚本を担当したり、とにかく食っていくために、仕事は何でもこなした。そんな中で自分の原点でもある「英国王」のアイディアをずっと温め続けていた。

そしていつの日か、彼は本作の主要人物、スピーチ矯正家ライオネルの息子に辿りつく。彼は「もしも(ジョージ6世の妻)エリザベス皇太后が脚本執筆のお許しをくださるならば、父の残した資料をみせましょう」と堅く約束。ついに来るべき時が来た。そして幸運にも皇太后にお目通りの叶ったサイドラーは、恐る恐る皇太后に尋ねる。

しかし彼女の答えは、

「自分が生きているうちには作品にしてほしくない。辛い思い出だから」。

それから30年あまりの月日が流れた。あの時70代だった皇太后は、結局101歳までご存命だった。そしてこの約束を律儀に守り通したサイドラーに、満を持して物語をカタチにする機会がめぐってきたというわけだ。彼が胸に宿し続けてきた想いが、ようやく声となって、作品となった。そして世界中の多くの観客が、彼の物語に耳を傾けてくれた。

受賞スピーチで彼は最後にこう言った。

"We have a voice. We have been heard."

彼の父親はある意味、預言者だったのかもしれない。そして本当にサイドラーは、ようやく遅きに咲いたのである。

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デヴィッド・サイドラーに関する記事はニューズウィークのこの号に掲載してあります。右側はデヴィッド・サイドラーによる『英国王のスピーチ』の撮影用脚本を収録したもの。

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オスカー受賞作、レーティング引き下げ

このたび晴れてアカデミー賞作品賞を受賞した『英国王のスピーチ』。

どこからどう見ても清廉潔白な装いの本作だが、実はアメリカではR指定(17歳以下は保護者の同伴必要)で公開されている。暴力シーンがあるわけでもなければ、過激なセックスに満ちているわけでもない。ただ、吃音を抱えた王子が思い通りにいかない自分の発話能力を呪い、思わずf-wordを連発してしまう。これがアメリカでは観賞制限の対象となってしまった。

米配給会社ワインスタイン・カンパニーは当初これを不服として幾度となく再審査を求めてきた。が、オスカー本命視の声が高まるにつれ、思わぬ方面からの問い合わせが相次ぐようになった。教育関係や教会関係の団体が口をそろえて「どうにかして子供たちに見せてあげられないだろうか?」と言うのである。これは『英国王のスピーチ』が映画ファンのための映画から、一般市民のための映画へと移行しつつある兆しだったに違いない。

これを受けて本作の製作総指揮も務めるハーヴェイ・ワインスタインはトム・フーパー監督らと協議を重ね、再編集版をこしらえることで合意した。ただし技術的な問題もあり、映像を丸っきり差し替えることは不可能との答え。フーパー監督は自らの手掛けた映像はそのままに、問題となったf-wordの連発シーンの発音を消すことでこれに対処することにしたという。これがどの程度のものなのか、その詳細は完成品を観ないと分からないが(どれほど自然な形で音を消しているかによって作品の在り方も変わってくる)、音はなくとも王子がf-wordを口にする映像だけは相変わらずはっきりと映し出されているという。

そしてこの再編集版を審査にかけたところ、これがめでたくPG-13(13歳未満は保護者の同意が必要)を獲得。これでオスカー授賞式で本作に興味を持ったアメリカの観客は家族で劇場へ足を運ぶことが可能となる。ワインスタイン・カンパニーにとってもこれは更なるビジネス・チャンスとなる。彼らはすみやかにこのフィルム移行を実施していく所存だと言う。

update:オスカー授賞式の舞台裏で語られたコリン・ファースの発言によると、今のところ彼はこの修正版について「賛成しない」という個人的スタンスを持っているそうです。

ちなみに『英国王のスピーチ』の日本でのレーティングはf-wordをものともせず、「G(一般)」、つまり「お年寄りからお子様まで誰でも観賞可能」である。

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オスカー最高のシーン

今年の授賞式がいちばん湧いた瞬間だったろう。
94歳、カーク・ダグラス。

幾つになってもエンターテインナー。ユー・ノウ。
来年のアカデミー賞でも、ぜひ華を添えていただきたい。

この映像の中でダグラスは「いつも敗北だった!3回ともだ!」と語っているが、これは彼が過去に『チャンピオン』('49)、『悪人と美女』('52)、『炎の人ゴッホ』('56)で主演男優賞にノミネートされながらいずれも無冠に終わったことを指す。

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北米興行成績Feb.25-27

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Feb.25-27 weekend 推計 確定

01 Gnomeo and Juliet Hall Pass $14.2M $13.5
02 Hall Pass Gnomeo and Juliet $13.4M $13.4
03 Unknown  $12.4M

04 Just Go With It  $11.1M
05
I Am Number Four  $11.03M
06 Justin Bieber: Never Say Never $9.2M
07 The King's Speech $7.6M
08
Big Mommas:Like Father,Like Son $7.5M
09 Drive Angry  $5.1M
10
The Roommate $2.0M

■アカデミー賞授賞式を目前に控えた週末3日間。当初の予想を覆してボックスオフィスの王冠に輝いたのはディズニー・アニメ"Gnomeo and Juliet"だった→興収確定の結果、2位へ降格。毎年オスカー生放送中は映画観客数が激減するため、ファミリー層に人気が高く昼興行に強い本作の特色が主要因となった。

公開3週目にして頂点を勝ち取るというパターンは最近ではサンドラ・ブロックが主演女優オスカーを獲得した『しあわせの隠れ場所』、今年の作品賞オスカーにノミネートされているコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』などが記憶に新しい。なお、"Gnomeo and Juliet"の累計興収入は7515万ドルい達している。

2位にはファレリー兄弟監督、オーウェン・ウィルソン主演のR指定コメディ"Hall Pass"の観客層は25歳以上が72パーセントを占める。対して20歳前後の若者たちの動員が予測を下回ったことで、全体的にもやや低めの興収となった。→興収確定の結果、逆転1位となった

■先週の覇者『身元不明』(Unknown)は3位に。2週目の下落率は43パーセントほどとかなり下げ止まりが働いている(2週目では平均して50パーセント下落する)。累計は4200万ドル超。製作費は3000万ドルほど。ベルリンの街を舞台にリーアム・ニーソンならではのストイックなストーリーが繰り広げられる。また、本作の中盤ではあのブルーノ・ガンツが登場するのだが、かつて『ベルリン・天使の詩』で街を見守る天使を演じた彼だからこそ添えられる絶妙な味わいにニヤッとしてしまう観客も多いはず。

■ティーンに大人気のジャスティン・ビーバーをフィーチャーした"Never Say Never"は、3Dシアター限定で40分の新映像を加味した"Derector's Fan Cutバージョン"をスタートさせた。それが功を奏してか、先週と順位変わらず、興収は30%落ちに留まった。累計興収は6300万ドルほど。製作費は1300万ドル。

■さて、アカデミー賞作品賞オスカーに輝いた『英国王のスピーチ』は先週より17パーセント増。アメリカでは今後すみやかに現在上映中のR指定バージョンを編集したPG-13バージョン(主人公が口にするf-wordを消し去ったもの)へと差し替えていく予定だという。オスカー効果もあってさらに大きな興行結果が期待できそうだ。累計は1億1450万ドルに達した(製作費は1500万ドル)。

おなじくオスカー絡みで話題になっている『ザ・ファイター』(累計9000万ドル/製作費は2500万ドル)、そして『ブラック・スワン』(累計1億0360万ドル/製作費1300万ドル)も興収を微増させている。

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作曲賞部門でオスカーに輝いたのは『ソーシャル・ネットワーク』のトレント・レズナー。ナインインチネイルズ名義でも有名な彼だが、ロックバンドリーダーがオスカーを手にしたのは『ラスト・エンペラー』でトーキング・ヘッズのデイヴィッド・バーンが受賞して以来のこと。『ラスト~』の作曲陣は坂本龍一だけではなかったんですね。

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2011/02/25

RED

時代はめぐる。かつて肉体派の俳優たちが想像を絶するアクションを自力で体現していた時代があり、やがてCGIが彼らの奮闘にとって代わり自由自在に劇画的な描写を施せる時代が訪れた。そして観客がそれらのギミックに飽き始めると、今度はこの手のジャンルとは階級そのものが違うと思われていた当代きってのいぶし銀名優たちが、背後に漂うオーラと、歌舞伎の見栄のごとき所作だけでアクションに挑む新時代がやってきたのである。

その代表格と言えるのがこの『RED』ということになるのだろう。

Red_2
物語は仕事をリタイアしたばかりの中年男の日常からスタート。家族はおらず、自宅にひとりぼっち。ヒマを持て余し、年金受給のホットラインに電話しては、いつものオペレーターの女性に愚痴を聴いてもらう。そんな日々が続く、はずだった。黒づくめの特殊部隊が彼の自宅を襲撃し木端微塵に破壊するまでは…。しかし冒頭10分で彼の素顔が判明する。あまりにあっけなく敵を粉砕し、全員を返り撃ちにした挙句、相手が次にどんな手に出るのかも素早く読みこみ、迅速に行動へ移す。そう、現役時代の彼は世界が恐れるCIAの凄腕エージェントだったのだ。しかしそんな彼でもなぜ自分の生命が狙われたのか見当がつかない。彼は唯一の頼れる存在を求めて、今では全米に散らばって生活するかつての仲間たちをロードムービーよろしく、ひとり、またひとりと訪れ、共に真相を解き明かそうとするのだが・・・。

まず、見ていて、実に爽快。なにがって、原作がDCコミックなだけあり、劇画をもとにしたアクションのカット割りが小気味良いのは当然として、チームを組むことになる名優陣の“所作”がとにかく魅せるのである。もちろんモーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンといったオスカー常連俳優たちが取っ組み合いの格闘など出来るわけがない。彼らは実質的にはセリフの応酬、軽妙なやり取り、表情の変化という、いつもながらのメソッドを踏襲しているに過ぎず、そこにせいぜい、銃を構え、撃つ、という行為が加わったくらいなのだが、しかしそこではキャラと所作とが連動した強烈な個性が刻印される。彼らは特殊スーツや仮面などを用いなくとも、もはやそのままの姿でヒーロー映画のキャラクター然とした存在感を香らせ、他者を圧倒しうるのだ。

とりわけ“撃つ”で象徴的なのは、終盤のヘレン・ミレンだろう。『クィーン』ではタイトル・ロールのエリザベス女王を演じて主演女優オスカーを手にした彼女が、真っ白いドレスにブーツを履き込み、沈着冷静に機銃を構えて一心不乱に敵を粉砕してかかる。その光景はまるで女王が御自ら戦場へご出陣あそばしたかのような衝撃を伴うものだ。

翻っていうなれば、ここに集いし超ベテラン俳優陣は、誰もが所属事務所などからの依頼を受けてこれまでおびただしい数のミッションを遂行してきた者たちなのである。その存在感は変幻自在、なおかつ瞬時に大人数の心を掴み取ったり粉砕する特殊能力は、まるで本作で描かれるスペシャリストとかなり近似した職務と言っていい。

ひとり、またひとりと現場から去っていく。生命を散らしフェイドアウトする者もいる。そして次なるミッションでも再び火花の下を掻い潜る者もいる。彼らは再び同じ現場で出逢うこともあるかもしれないし、もう二度と再会しない可能性だってある。過去に敵だった者が今は仲間ってことも大いにあり得る。

劇中では言及されないものの、この辺にオーバーラップを禁じえない自分がいた。俳優とはかくも特殊な職務領域である。『RED』はその延長線上にぶちまけられたアクションだからこそ、演じる俳優たちのキャリアも含めて、極めて楽しく嬉々として映えるのだろう。

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2011/02/24

『ボディ・ガード』リメイク始動

映画の周期はだいたい20年くらいという証明だろうか。1992年公開された『ボディー・ガード』のリメイク企画が始動していると言う。監督、主演などはまだ決まってはいないが、ワーナーブラザーズはまず、ジェレミア・フリードマン、ニック・パルマーという二人の脚本家を起用し、その可能性を慎重に探ろうとしているようだ。(ふたりが執筆した"Family Gateaway"という脚本は2010年の「(映画化できなかった)ブラックリスト」に入っているという)

ケビン・コスナ―、ホイットニー・ヒューストン主演のオリジナル版は世界で4億ドルを超える興収を記録しており、ワーナーブラザーズにとっても多大な恩恵を授かった存在といえる。が、実はこの構想自体はもっと古く、70年代中ごろにはダイアナ・ロス&スティーヴ・マックイーンという2大スターを擁しての映画化が企画されていたとか。70年代後期にはダイアナ・ロス&ライアン・オニールで再度持ちあがるも、このときも実現には至らなかった。つまり、『ボディー・ガード』の原液はすでに40年物のビンテージなのである。

Stevekevin
その後も幾度となく提案されては差し戻されてきたこの企画だが、ようやく92年版で実現に漕ぎつけたときには、『用心棒』を意識して執筆したという脚本家ローレンス・カスダンの感慨もひとしおだったことだろう。構想中のアイディアでは、リメイクの主人公の役どころも「イラク戦争からの帰還兵」という現代風の肩書きに変わるとのこと。ツイッターやらグーグルマップやら動画サイト経由のゴシップ流出などによりスターの生活がどんどん可視化されていく中で、ボディガードたちの職務遂行にも以前とは大幅な戦略が必要となるようだ。

ちなみに92年版が公開された当時は、ケビン・コスナ―のショートヘアが話題を呼んだわけだが、これについてはスティーヴ・マックイーンのヘアスタイルをオマージュ的に採用している、との説もある。

ケビン・コスナ―といえば、つい先日には製作クリストファー・ノーラン×監督ザック・スナイダーで進行中の新「スーパーマン」に何らかの役でコスナ―の出演が打診されているという情報も飛び交ったばかり。これもワーナー作品だ。最近はあまり映画ヒット作に恵まれず落ち目なのかなと思っていたら、メキシコ湾の原油流出事故の折に公聴会で「こんな機械を開発しました」と石油と海水を分離させる特殊なメカについて紹介していた光景が記憶に新しい。知らぬ間にこんなことやってたなんて!

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松方弘樹主演、島谷ひとみ主演の『ザ・ボディガード』もお忘れなく!

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2011/02/21

北米興行成績Feb.18-20

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Feb.18-20 weekend 推計

01 Unknown $21.7M
02 I Am Number Four $19.5M
03 Gnomeo and Juliet $19.4M
 
04 Just Go With It  $18.2M
05
 Big Mommas:Like Father,Like Son $17.0M
06 Justin Bieber: Never Say Never $13.6M
07 The King's Speech $6.5M
08
The Roommate $4.1M
09 The Eagle $3.5M
10 No Strings Attached $3.1M

■アメリカは月曜日が「大統領の日」でお休み。よって、新作の封切日となる金曜日には連休狙いの話題作が一挙に並んだ。そんな中で一歩他より抜きんでたのは、リーアム・ニーソン主演のアクション・スリラー『身元不明』(Unknown)。この作品を目当てに劇場に足を運んだ年齢層もやや高めで、89パーセントが25歳以上、54パーセントが50歳以上だという。彼の大ヒット作『96時間』(Taken)と比べてみると以下のようになる。

『身元不明』…製作費3000万ドル、オープニング週末2180万ドル
96時間』…製作費2500万ドル、オープニング週末2470万ドル、累計興収1億4500万ドル

■『ディスタービア』のD.J.カルーソ監督による製作費5000万ドルの"I Am Number Four"はやや出遅れた感がある。アレックス・ぺティファー、ティモシー・オリファント、テレサ・パルマー、それに「Glee」のダイアナ・アグロンを起用しスタジオ側としてはティーンの動員、そして女性客をも巻き込んだ興行を期待したようだが、蓋を開けてみれば54パーセント以上の観客が25歳以上、57パーセントが男性客だった。

■3位はファミリー・ムービー"Gnomeo and Juliet"。先週と比較しての下落率23.5パーセントという強さを見せており、月曜日を含めた4日間の興行成績では"I Am Number Four"を追い越して2位に浮上するものと見られている。

■先週首位の"Just Go With It"は4位に。10日間の興収は6000万ドルほど。製作費は8000万ドル。マーティン・ローレンス主演の"Big Mommas~"はかつての人気シリーズの面影はやや薄れ、5位スタートとなった。ジャスティン・ビーバーをフィーチャーした"Never Say Never"は4ランクダウンの6位。10日間の興収は4800万ドル。製作費は1300万ドルと見られている。

■なお、今回のタームにて『英国王のスピーチ』(13週目)と『ブラック・スワン』(12週目)が共に1億ドルを突破した。すでに大方で上映を終えている『ソーシャル・ネットワーク』は興収9670万ドルとギリギリのラインで1億ドルを超えられていない。

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2011/02/18

ポスルスウェイトの追悼式

今年の初頭に癌のため64歳で亡くなった名優ピート・ポスルスウェイトの追悼式がロンドンで行われ、ケヴィン・スペイシー、ダニエル・デイ=ルイス、ジュリー・ウォルターズらが参列し故人を偲んだ。

スピーチに立ったデイ=ルイスは、古巣オールド・ヴィック・シアター・スクールで始まるポスルスウェイトとの交流について「彼の下で過ごした修業時代は私にとってかけがえのない財産です」と振り返った。この頃、彼は舞台に立つポスルスウェイトの演技の虜となっていたそうで、今をときめくデイ=ルイスのプロとしての初仕事はポスルスウェイトの代役だったと言われている。これらの縁もあり、後に『父に祈りを』(93年)の父親役をキャスティングする際に、すでに主演に決まっていたデイ=ルイスは真っ先にポスルスウェイトの名を提案したという。

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『父に祈りを』では父子の役を演じる二人だが、実際には10歳ほどしか離れていない。というかポスルスウェイト自身、90年代から最新作にして最後の作品となった『ザ・タウン』に至るまで、ほとんど印象が変わっていないことにも驚かされる。

この日の式典では『ブラス!』(96年)に登場する炭工夫たちのブラス・バンドのモデルとなったグリムソープ・コリアリー・バンドが「ダニー・ボーイ」を演奏する一幕も。本作の中でポスルスウェイトは楽団のリーダー兼コンダクターを務めている。

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スピルバーグをして「同時代で最高の役者のひとり」と言わしめたピート・ポスルスウェイト。決してスクリーンで主演を張れるような二枚目の役者ではなかったかもしれない。だが彼のような名バイ・プレイヤーがふとこの世からいなくなってしまうと、心の中にポッカリと穴が空いたように寂しさが募って止まらなくなる。それは昔、僕が「映画祭にピート・ポスルスウェイトが来る!」と浮足立って渋谷の会場に長時間並んだものの、実際にはその日の来場が知らぬ間にキャンセルとなっており、肝心の彼は翌日の舞台挨拶に登場・・・などといったインターネットが充分に普及する以前の“行き当たりばったり”な悔悟を未だに引きずっているせいかもしれない(多分、彼の来日はあれ一度きりだったと思う)。

昨年、『インセプション』では病床の父親役としてほぼ寝たきりの演技を披露した彼(あの頃は既に病魔と闘っていたのだろう。寝たままだったのはクリストファー・ノーランの配慮か。しかし実際には寝たきりの演技は意外と体力を使うのだ)。そして最後の作品はベン・アフレック監督作『ザ・タウン』となった。

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この映画での役柄は花屋さん。ほら、バラを手にして、気のいいおじさんぶりを披露・・・と思っていたら、いきなり豹変。「オマエ、殺したろか!?」と鬼気迫る勢いで啖呵を切る。このギャップに仰け反った。このときはもうかなり痩せ細ってはいたものの、ベン・アフレック監督は最後の最後で、役者としての彼の素晴らしい怪演を抽出してくれた。まだご覧になっていない方はぜひスクリーンで。この映画は日本であまりヒットしていないかもしれないが、アカデミー賞作品賞候補にあと一歩のところで入閣の叶わなかった、しかし疑いようのない傑作です。

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でも最後はやっぱり元気な舞台写真のスチールで。
そしてもう一度、あらためて、"Rest in Peace."
 

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2011/02/17

チャンドラー夫妻の再会

「ロング・グッドバイ」をはじめ数々のハードボイルド小説を世に送り出してきたレイモンド・チャンドラー。50年代に逝去したこの伝説の作家にまつわるニュースが飛び込んできた。彼とその妻シシー(彼女もまた50年代に亡くなっている)がカリフォルニア州サンディエゴの墓地にて待望の再会を果たしたというのだ。それも互いに土の中で。

Raymondchandler
事の始まりはレイモンドだった。妻の死後、ショックのあまりアルコール漬けにまでなったと言われる彼は、生前「私が死んだら亡き妻のすぐ側に埋葬してくれほしい」と口にしていたという。しかしこれに必要な書類が揃わないうちに彼もまた亡くなってしまい、哀しいかな、ふたりは別々の場所に埋葬されることとなった。

それから五十有余年、事態打開のために動き出したのはチャンドラーのファン・グループだった。彼らは地方判事にレイモンドの想いを叶えてくれるよう説得&懇願を続けた。そして熱意の甲斐あって、昨年ようやく判事の認可を得ることができたのだった。

夫婦の再会はバレンタイン・デーに実現した。具体的には妻の遺灰を夫の墓地に再埋葬するというかたちで。近くの霊廟に納められていた妻シシーの遺灰は「聖者の行進」のバンド演奏にいざなわれながらビンテージ・カーにて夫の墓地へと送られ、100名を超える参列者がこの佳き日のヒロインを出迎えた。式典には80年代にチャンドラー作品お馴染みの私立探偵フィリップ・マーロウ役を演じた米俳優パワーズ・ブースの姿もあったという。

40年代に『三つ数えろ』(原題はThe Gig Sleep)でこれまたマーロウ役を演じたハンフリー・ボガードの姿はさすがになかったようだが、彼もまた天の上か、あるいは土の中で、夫婦の再会のときを温かく見守っていてくれたことだろう。

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2011/02/16

ターミネーター再起動に脈あり?

東国原英夫と時期を同じくして知事職を退いたアーノルド・シュワルツェネッガーがツイッター上で俳優復帰への意欲を滲ませたのがつい数日前のこと。すると今度はそれに呼応するかのようにこんなニュースが飛び込んできた。Deadline Hollywoodが報じるところによると現在、大手映画スタジオのユニバーサルが『ターミネーター』の再始動に興味を持ち始めているという。

しかもその監督候補として『ワイルド・スピード』シリーズのジャスティン・リン監督の名前までもが挙がっている模様。スタジオは他にも脚本家クリス・モーガン(Fast Five, 47 Ronin)をもこの企画に参加させたい思惑らしい。とはいっても『ターミネーター』の映画化権は現在ヘッジファンド会社パシフィコーが所有しており、スタジオが単独で進めるわけにはいかない。

リン監督は人気シリーズ最新作"Fast Five"の全米公開を4月末に控えているユニバーサルのお気に入り監督。仮にこの『ターミネーター』の可能性が実現にむけて動き始めたとして、電光石火のレースシーンは描けても、はたして彼に終末的SFの世界でその才能を開花できるのか・・・?

『ワイルド・スピード』シリーズも今回で5作目ゆえ、今後『寅さん』形式で延々と続編を重ねていくのかどうか、まさに思案のしどころと言える。ユニバーサルにとってもリン監督にとっても、新たな“賭け”への参入が迫られているときなのかもしれない。

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GIジョーの監督候補

パラマウントは現在、2012年公開予定の『G.I.ジョー』続編の監督選び真っただ中。ハリウッド・リポーター情報によると、製作者はこの数週間のうちに大勢の監督候補と面接を行ってきており、その中から『完全なる報復』のF.ゲイリー・グレイ監督、そしてジャスティン・ビーバーをフィーチャーしてティーンの間でヒット中の3D映画『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』やダンス映画『ステップ・アップ』シリーズの2&3を手掛けたジョン・チュウ監督のふたりが最有力として浮上してきているという。→ジョン・チュウ監督に決定しました(2・26)

前者であればかなり手堅く骨太な演出とアクション描写が期待でき、もし後者であればそれとは真逆のリズム感と軽快さ、いや、もういっそのことキャスト全員で踊りだし、歌いだすくらいの新機軸を求めてもいいんじゃないだろうか。脚本は『ゾンビランド』のレット・リース&ポール・ワーニックが務めることだし。

ちなみに当初は第2弾にも乗り気だったスティーヴン・ソマーズ監督は、いつの間にかこの企画から退いている。きっといろいろ思うところがあったのだろう。

批評などではコテンパンに叩かれたソマーズ版第1作だが、実は興行的には世界興収3億ドル(米国内1億5000万ドル/国外1億5000万ドル)を超える成功を手にしている。それゆえパラマウントもこの企画を簡単には手放さず、大規模な改良・施術を加え、批評家も納得できる人気シリーズに育てあげようとしている様子が伺える。またパラマウントは2012年公開予定の「アベンジャーズ」の配給権をディズニーに売却しており、穴のあいたこの時期を強力なラインナップで補完したいという目論見もある。

とはいうものの、先日お伝えしたように、2012年は"The Amazing Spider-Man"も"The Dark Knight Rises"も控えており、これに"The Avangers"と"G.I.Joe 2"、そして"Star Trek 2"なども加わり、ほんとうにとんでもない年となりそうだ。

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Dark Shadowに新たな参加者

ティム・バートン&ジョニー・デップがまたもやコンビを組む"Dark Shadows"。この60年代のお昼のTVドラマを基にしたヴァンパイア物をめぐっては、現在急ピッチでキャスティングが進行中だ。そして新たにミシェル・ファイファーが交渉入りしたとの情報が入ってきた。彼女はコリン家の女家長エリザベスを打診されているものとみられる。

ファイファーといえばバートン作品『バットマン・リターンズ』(’92)のキャットウーマン役が印象深い。クリストファー・ノーランによる「バットマン」最新作ではアン・ハサウェイがこの役に決定し、ファイファーの名前はその都度“むかし話”として添えられる機会が多くなっていたが、ここにきてようやくバートン&ファイファーのコラボレーションがほぼ20年越しに更新されることになりそうだ。

そしてキャスティング情報、もうひとり。バートン作品においてジョニー・デップと並んで重要なヘレナ・ボナム=カーターがホフマン医師役の候補に挙がっているという。

その他、これまでに決定している出演者は、ジョニー・デップ以下、エヴァ・グリーン、ジャッキー・アール・ヘイリー、ベラ・ヒースコートら。

TV版の"Dark Shadow"は1966年~1971年に渡って1225話が放送されており、今回のバートン版の映画でいったいどのあたりが取り上げられるのかといった詳細はまだ分かっていない。それゆえ本作についての紹介文では「吸血鬼バーナバス・コリンズを主演に、狼男、ゾンビ、魔女、幽霊といった多種多様なモンスターが織りなすゴシック・ドラマ」という決まり文句が飛び交うばかり。とはいっても「高慢と偏見とゾンビ」を著したセス・グレアム・スミスが脚本を手掛けているだけに、バートン&デップの持ち味と融合した、かなり素っ頓狂な物語になることが期待される。

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2011/02/15

コティヤールも参戦か?

前々からあった噂がいよいよ実現に近づいてきたようだ。ハリウッド・リポーターによると、クリストファー・ノーランが進めるバットマン3部作"The Dark Knight Rises"のキャストに、『インセプション』組からマリオン・コティヤールまでもが加わる可能性が強くなってきたという。妊娠中の彼女が来夏の撮影に参加できるかどうか等のスケジュール調整も含めて交渉が続けられている模様。代理人はコティヤールの交渉入りを認めながらも、「まだなにも決まってはいない」とコメントとしている。

気になるのはその役柄だ。そもそも本作をめぐっては以前よりふたりの主要な女性キャストが登場すると伝えられてきた。ひとりは悪役(すでにキャットウーマン=アン・ハサウェイが決定済み)、そしてもうひとりはバットマン=ブルース・ウェインの新たな恋愛対象となる人物。噂ではこの女性は『バットマン・ビギンズ』に登場した宿敵ラーズ・アル・グールの娘タリアなのではないか、とも言われているが、コティヤールが打診を受けている役がこれにあたるかどうかを含めて真相はまだ闇の中だ。またこの役をめぐっては、ケイト・ウィンスレット、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツなどもリーディングや面接を受けていたとの情報もある。

The Dark Knight Risesには『インセプション』組のトム・ハーディが悪役(ベイン)として出演することが決定しており、つい先日には同じく『インセプション』出演者のジョゼフ・ゴードン=レヴィットの交渉入りのニュースが伝えられた。またキリアン・マーフィーと渡辺謙は『バットマン・ビギンズ』にてすでにシリーズ出演済み。これにコティヤール、ディカプリオ、エレン・ペイジが加われば、もはや『インセプション』の続編さえ始動できそうな勢いだ。

また、今はアカデミー賞キャンペーンにおけるラストスパートの時期ということもあり、作品賞候補の『インセプション』にとっても非常に大事な季節といえる。もしかするとスタジオ&ノーランは、映画ファンならば誰もが気になるこれらのThe Dark Knight情報を『インセプション』に絡める形で小出しにすることによって、オスカーのありうべき行方を人々の心の奥底へインセプション(植え付け)しようとしているのではないだろうか。

それにしても、つい数時間前にタイトル発表のあった"The Amazing Spider-Man"の全米公開が2012年7月3日、そして"The Dark Knight Rises"の封切日が同年7月20日。どうやら来年はとんでもない年になりそうだ。

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2011/02/14

ジョニー&ビーバー奇跡的コラボ?

ジョニー・デップが声優のみならず、モーションキャプチャーにて身体や表情の動きまで取りこんだというアニメーション作品"Rango"。この映画のプレス・ジャンケットがLAにて開催され、その会場の脇には謎の人影が…!?

映像を見ればお分かりのように、実はこれ、現在アメリカをはじめティーンに大人気のジャスティン・ビーバーなのだ。グラミー賞ノミネートでも話題を集め、全米公開中の3Dドキュメンタリー"Never Say Never"も大ヒットを記録する中、同じパラマウント作品のPRに一役買った、あるいは自らの主演映画の便乗宣伝をも果たしたというわけだ。

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ちなみにジョニー・デップは我が子と一緒にジャスティン・ビーバーのコンサートに足を運んだこともある。ジョニーに言わせれば我が子のみならず、彼自身も"Belieber"(←ビーバーの熱心なファン)なのだそうだ。

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MYFFF受賞結果

わたくし牛津も審査の片棒を担がせていただきました、フランス主導の完全オンライン映画祭「第1回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルの受賞結果が発表されました。

Myfff_usa
ちなみに牛津は長編部門『もうひとりの私』、短編部門『壊れた車』に票を投じたのですが、さて結果はいかに。。。?

Myfavorite
これしかない!これこそ名作だ!これが受賞しなくてどうする!と自信に充ち溢れた1票を下したものの、結果を概観すると他の審査員の嗜好性は全くもって別の作品へ向いていたようです。

これは私の「見る目のなさ」か、「国民性の違い」か、それとも「多様性のあらわれ」なのか。牛津は非常に興味深くこれらの結果を受けとめました。

そして、他者と自分の好みが究極的に違うのだというごく当たり前の事実を噛みしめられた経験に喜びを覚え、なおかつ今あらためて考えてみると以下の受賞結果にも自分と好みを同じくする部分が少なからず見受けられるのも事実です。

こうやって自分と他者とが描く嗜好性や審美眼の不器用な円の交錯部分を探っていくことこそ、このようなコンペテション審査における最も意義深いところと言えるのかもしれません。

Three awards presented

The festival’s Audience Prize was awarded to All That Glitters by Géraldine Nakache and Hervé Mimram (feature film) and to Mémoires d'une jeune fille dérangée by Keren Marciano (short film).

観客賞は長編部門『きらきらしてる』、短編部門『倒錯した若い女性の追憶』

Tout
The International Press Award (voted by 20 journalists from 20 different territories) was given to Silent Voice by Léa Fehner, with a Special Mention for The Wolberg Family by Axelle Ropert (feature films) and Babel by Hendrick Dusollier (short film).

プレス審査員賞は長編『堕落への道連れ/声なき声』、スペシャル・メンション『ヴォルベルグ一家』、短編『バベル』

Jury

The Bloggers' Prize awarded by 35 foreign bloggers was presented to both Espion(s) by Nicolas Saada (feature film) and En attendant que la pluie cesse by Charlotte Joulia (short film).

ブロガー審査員賞は長編『スパイ』、短編『雨が連れてくるもの』

Espions

続きを読む "MYFFF受賞結果"

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北米興行成績Feb.11-13

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Feb.11-13 weekend 推計

01 Just Go With It $31.0M
02 Justin Bieber: Never Say Never $30.2M
03 Gnomeo and Juliet $25.5M

04 The Eagle $8.58M
05
The Roommate $8.4M
06 The King's Speech $7.4M
07 No Strings Attached $5.6M
08 Sanctum $5.1M
09 True Grit $3.7M
10 The Green Hornet $3.6M

■バレンタイン直前のアメリカ映画興行は、かろうじて大人たちのラブ・コメが勝利を収めた形となった。各スタジオによる推計ではアダム・サンドラー&ジェニファー・アニストン主演の"Just Go With It"が、ティーンに大人気のジャスティン・ビーバーをフィーチャーした3D映画"Never Say Never"をかわし首位に立った。ただし両者の興収はかなりの僅差ゆえ、月曜日(現地日付)以降の順位変動もあり得る。

■施策費8000万ドルともいわれる"Just Go with It"。その客層は、58パーセントが女性、60パーセントが25歳以上とのこと。アダム・サンドラーといえば男性客が多かったはずだが、最近ではやや客層に変化が見られるようだ。ちなみにアダム・サンドラー主演作の米興収TOP3は次の通り。1位『ビッグ・ダディ』1億6348万ドル、2位『ウォーターボーイ』1億6149万ドル、3位"Grown Ups"1億6200万ドル。

■とにもかくにも"Never Say Never"は予想を上回る大ヒットぶりで、同じ音楽(ライブ)ドキュメンタリー物としては2008年の"Hannah Montana&Miley Cyrus:Best of Both Worlds Concert"のオープニング記録3110万ドルに迫る勢いを見せた。女性客が84パーセントで、全体の67パーセントが25歳以下とのこと。グラミー賞での受賞は叶わなかったが映画興行では十分な活躍を果たしたと言っていい。

■小人版ロミ&ジュリともいうべきディズニー・アニメ"Gnomeo and Juliet"は3位スタート。エミリー・ブラントとジェームズ・マカヴォイが声優を務める。一方、ラストキング・オブ・スコットランド』や『消されたヘッドライン』、最近では画期的なドキュメンタリー企画"Life in a Day"でも脚光を浴びたケヴィン・マクドナルド監督の最新作"The Eagle"は勢いを削がれ、興収858万ドルに留まった。

■なかなかの盛り上がりを見せたボックスオフィスだが、それでも昨年同時期("Valentine's Day""Percy Jackson""Wolfman"など封切)の成績に比べると27パーセントほど落ちる。

■先週の覇者"The Roommate"は5位へランクダウン。製作費は1600万ドルと安上がりで、現時点での累計興収はすでに2600万ドルに達している。ジェームズ・キャメロン製作総指揮の3Dアドベンチャーサンクタム』は製作費3000万ドル程度ながら興収は1750万ドルほど。

■今週はオスカー候補組が鳴りをひそめている。6位『英国王のスピーチ』は累計9300万ドルに(製作費は1500万ドル)。日曜日に開催された英国アカデミー賞では作品賞を含む7部門を獲得し、ますます勢いに乗っている。オスカーまでに世界興収2億ドルを突破するものと見られている。9位『トゥルー・グリット』は1億6000万ドルに。13位ザ・ファイター』は興収8520万ドル。14位『ブラック・スワン』の興収は9900万ドルにまで達しており、1億ドル突破はもう時間の問題だ。

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2011/02/09

サンシャイン夫婦監督の新作が始動

『リトル・ミス・サンシャイン』の夫婦(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス)監督が5年ぶりに新作長編に着手することになりそうだ。

Helovesme
そのタイトルは"He Loves Me"。若くして成功を収めた小説家がスランプにおちいり、それを乗り越えるためのアドバイスに従って、とあるフィクショナルな女性像を描き始める。すると、いつしか彼は虚構と現実の枠を超えて彼女本人に逢いたいと強く思いはじめる。。。なるほど、『アダプテーション』や『主人公は僕だった』を思わせるメタ・フィクション的要素の香る作品となるのかも。

主演には『リトル・ミス・サンシャイン』でニーチェかぶれの沈黙お兄さんを演じたポール・ダノが決まっている。さらには本作の脚本をてがけるのはダノの実生活の恋人であり女優のゾーイ・カザン。彼女は出演(おそらく小説の中の”彼女”ではないだろうか)も果たす予定だ。
ちなみにゾーイはかの有名な故エリア・カザンの孫娘にあたる。

まずはゾーイが書きあげてきたものを夫婦監督とゾーイの手でブラッシュアップしていくところから始めるようだ。これまでにも2つほど企画が立ちあがってはいつの間にか霧消してしまったジョナサン&ヴァレリーだが、今度は巧く上昇気流にのっていけることを期待したい。

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スパイク・ジョーンズの短編コラボ

『マルコヴィッチの穴』や『アダプテーション』でお馴染みのスパイク・ジョーンズ監督が2月10日より始まるベルリン国際映画祭に短編映画を出品する。
タイトルは"Scenes from The Suburbs"。カナダのロック・バンドThe Arcade Fire(彼らはジョーンズの『かいじゅうたちのいるところ』の予告編に楽曲を提供している)が昨年発表したアルバム"Suburbs"に端を発したコラボ企画であり、バンドのメンバーらもストーリー創作にたずさわっている。下の動画はその抜粋。

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メリル・ストリープがサッチャーに!

昨年のこの時期は賞レースに参戦して大忙しだった女優メリル・ストリープだが、今年の彼女はロンドンにて"The Iron Lady"の撮影に明け暮れている。

あのメリルが本作では“鉄の女”ことマーガレット・サッチャー元首相の役を演じている。と言われても、このサッチャーというのが時代に強烈なキャラクター性を刻印した女傑ゆえ、果たしてこれがどんな絵ヅラになるのか、なかなかピンとこないのが実情だろう。

Ironlady
と、そんな映画ファン心理を察したのか、撮影中のイギリスから我々のイマジネーションを大いに助けるスチール写真が世界に届けられた。

これが"The Iron Lady"からの初出し画像である。メリル版サッチャーはこんな具合になっているようだ。

Theironlady

さすが、というか、なんというか。あまりのインパクトにメリルであることを忘れてしまいそうだ。『プラダを着た悪魔』のアナ・ウィンター(役名は違うが、「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンターがモデルだと言われている)、『ジュリー&ジュリア』の料理研究家ジュリア・チャイルドに続く、メリル伝説の新たな1ページが更新されそうな予感。

本作は『マンマ・ミーア!』でメリルと組んだ女性監督フィリダ・ロイドがメガホンを取っている。順調にいけば今年のカンヌでフッテージがお披露目される予定だという。

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2011/02/08

リトル・ベイダーはこの子でした

スーパーボールから一夜明け、やはり登場しました。フォルクス・ワーゲンCMでリトル・ベイダーを演じていたのは、弱冠6才の男の子、マックス・ペイジくん。撮影している頃にはまさかこんなセンセーショナルを巻き起こすとは思ってもみなかったようです。ペイジくんは『スター・ウォーズ』など観たことがなく、事前の予習はベイダーの写真をネットで目にした程度だったそう。

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"The Force"

アメフトの頂上決戦“スーパーボール”といえば、そのテレビ中継がアメリカにおける年間最高視聴率を記録することでも知られている。もちろん視聴者の楽しみは試合だけではない。毎年、この国民の多数が同時に目撃するCM枠は高額で取引され、たとえばブロックバスター系映画の最新予告編などが視聴者にガツンと衝撃を与えるのにはまさにもってこいのアピール合戦場ともなっている。

というわけで今年のスーパーボールで登場した最新予告編は『トランスフォーマー3』『カウボーイズ&エイリアンズ』『スーパー8』『ソー』『パイレーツ・オブ・カリビアン4』『キャプテン・アメリカ』"Rio""Fast Five"など数知れず。しかし様々なエンタメ媒体を反応をチェックしてみたところ、この枠で最も注目を集めたのは残念ながら映画予告編の類ではなく、とある企業CMだったようだ。

それがこれ。タイトルは"The Force"。featuring リトル・ベイダー。

まったくセリフを使わず、あの誰もが勝手知ったる音楽とリトルベイダーの可愛らしい傍若無人ぶり、それにちょっとしたマジックを加味して、所要時間の60秒を痛快な世界共通言語へと仕立て上げている。

そして今回のスーパーボールで顕著だったのが、このフォルクスワーゲンに代表される「インターネット先出し」の手法。実はこのCM、YouTube上ではすでに2月2日の時点でお披露目されており、現在すでに1500万ビューを越えているのだ。

つまり、プランナーが試みたのは本番に先んじて早めにインターネットでの話題性を高めておこうということであり、このCMにとってみればスーパーボールでの初出しというのはいわば「事前の仕込み」と「一般視聴者のファースト・インプレッション」とが融合し大きなうねりを巻き起こした瞬間となったわけだ。

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2011/02/07

北米興行成績Feb.05-07

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Feb.05-07 weekend 推計

01 The Roommate $15.6M
02 Sanctum $9.2M
03 No Strings Attached $8.4M

04 The King's Speech $8.3M
05
The Green Hornet $6.1M
06 True Rite $5.5M
07 The Mechanic $5.4M
08 True Grit $4.7M
09 The Dilemma $3.45M
10 Black Swan $3.4M

■アメリカで最も高い視聴率を叩き出すアメフトの頂上決戦”スーパーボール”の季節がやってきた。中でも男性視聴者がテレビ中継に夢中になるという傾向が強いようで、街の映画館ではスポーツに興味のない女性客の姿が目立つことに。よって毎年この時期には女性層をターゲットにした映画が封切られがち。昨年はニコラス・スパークス原作の"Dear John"が3000万ドル以上を売り上げヒットを記録した。

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■今年この戦略で勝利を収めたのはソニー・ピクチャーズ作品"The Roommate"。客層は65パーセントが女性で、61パーセントが21歳以下だという。公開3日間で製作費とほぼ同額の1600万ドル弱を回収したことになる。

■ジェームズ・キャメロン製作総指揮の3Dリアル・アドベンチャー『サンクタム』は3Dのプレミアム料金を持ってしても興収1000万ドルに満たなかった。このうち17パーセントはIMAXシアターからの売り上げ。本作は製作費3000万ドルと言われている。スーパーボール明けの男性客の動向に注目したいところ。

■ナタリー・ポートマン主演のNo Strings Attached"(邦題『抱きたいカンケイ』)は興収が製作費のダブルスコアとなる5000万ドルを突破。同じくナタリー・ポートマンがオスカー女優賞&作品賞候補にもなっている『ブラック・スワン』は10位に落ち付いた。本作の興収は9500万ドルを超えており、来週の今頃には念願の1億ドルを突破している可能性も高い。

■オスカー最有力と名高い『英国王のスピーチ』は徐々にスクリーン数を拡大しながら、累計興収8400万ドルまで到達。オスカー授賞式までに1億ドルを超えられるかに注目。そのオスカーの司会を務めるジェームズ・フランコがノークレジットでカメオ出演する『グリーン・ホーネット』は興収8700万ドル。製作費は1億2000万ドル。世界興収においては1億7000万ドルに達している。

■先週の覇者『ザ・ライト』は先週と比べて興収62パーセント減。通常の2週目の下げ幅が平均50%ということを考えると確かに甚だしいが、もともと男性客が多かったこともあり、これもまたスーパーボールの影響が強かったものと考えられる。累計興収は2400万ドルほど。製作費3700万ドルまではまだ遠い。

■一方、こちらもオスカー作品賞候補に掲げられている『トゥルー・グリット』は8位に留まった。西部劇というジャンルの中では『ダンス・ウィズ・ウルヴス』に続く歴代2位の興収を記録中。ただいまの累計は1億5500万ドル。コーエン兄弟らしいとも、らしくないとも言われる本作だが、ラストはオリジナルの『勇気ある追跡』とは全く違ったオチが用意されており、この1点においてコーエンらしさに打ちのめされることになる。すごく気持ちのいい作品です。オスカー主演男優賞候補のジェフ・ブリッジスと、助演女優賞候補のヘイリー・スタインフェルドの存在感はもちろん、そのほか一緒に旅を続けるマット・デイモンも凄く良い味を出しています。

■なお、昨年の同時期と比較すると、ボックスオフィス全体の売り上げは23パーセントほど減少ているとのこと。

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2011/02/03

『英国王のスピーチ』サントラ視聴

アカデミー賞12部門にノミネートされている『英国王のスピーチ』。もちろん作曲賞も例外ではない。これを手掛けたアレクサンドレ・デスプラットは3年連続、4度目のオスカー戦線に挑む。さて初の獲得なるか?

久々の英国勢によるオスカー来襲なだけに、英国内での盛り上がりも尋常ならざるものがあるようだ。オスカー・キャンペーンもいよいよ終盤。ここにきて本作を力強くバックアップすべく、英国の映画誌EMPIREはそのサイトにて本作サントラの無料視聴を実施しはじめた。しかもコードをコピーして自分のブログにも貼り付けられるようなので、さっそく我がブログにもお持ち帰りさせていただきます。

デスプラットといえば、これまでにも『ハリー・ポッター』最終章(ただしメインテーマはジョン・ウィリアムズ)、『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』、『ファンタスティックMr.FOX』、テレンス・マリック最新作"The Trees of Life"などなど数々の話題作を手掛けてきた、いま最も注目されている劇判作曲家のひとり。今回はピアノを基調とした優しいメロディで国王の勇気と挑戦を温かく見つめる。ちなみに彼が英国王室ドラマを手掛けるのは2006年の『クイーン』以来。

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