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2011/02/17

チャンドラー夫妻の再会

「ロング・グッドバイ」をはじめ数々のハードボイルド小説を世に送り出してきたレイモンド・チャンドラー。50年代に逝去したこの伝説の作家にまつわるニュースが飛び込んできた。彼とその妻シシー(彼女もまた50年代に亡くなっている)がカリフォルニア州サンディエゴの墓地にて待望の再会を果たしたというのだ。それも互いに土の中で。

Raymondchandler
事の始まりはレイモンドだった。妻の死後、ショックのあまりアルコール漬けにまでなったと言われる彼は、生前「私が死んだら亡き妻のすぐ側に埋葬してくれほしい」と口にしていたという。しかしこれに必要な書類が揃わないうちに彼もまた亡くなってしまい、哀しいかな、ふたりは別々の場所に埋葬されることとなった。

それから五十有余年、事態打開のために動き出したのはチャンドラーのファン・グループだった。彼らは地方判事にレイモンドの想いを叶えてくれるよう説得&懇願を続けた。そして熱意の甲斐あって、昨年ようやく判事の認可を得ることができたのだった。

夫婦の再会はバレンタイン・デーに実現した。具体的には妻の遺灰を夫の墓地に再埋葬するというかたちで。近くの霊廟に納められていた妻シシーの遺灰は「聖者の行進」のバンド演奏にいざなわれながらビンテージ・カーにて夫の墓地へと送られ、100名を超える参列者がこの佳き日のヒロインを出迎えた。式典には80年代にチャンドラー作品お馴染みの私立探偵フィリップ・マーロウ役を演じた米俳優パワーズ・ブースの姿もあったという。

40年代に『三つ数えろ』(原題はThe Gig Sleep)でこれまたマーロウ役を演じたハンフリー・ボガードの姿はさすがになかったようだが、彼もまた天の上か、あるいは土の中で、夫婦の再会のときを温かく見守っていてくれたことだろう。

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