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2011/02/28

オスカー受賞作、レーティング引き下げ

このたび晴れてアカデミー賞作品賞を受賞した『英国王のスピーチ』。

どこからどう見ても清廉潔白な装いの本作だが、実はアメリカではR指定(17歳以下は保護者の同伴必要)で公開されている。暴力シーンがあるわけでもなければ、過激なセックスに満ちているわけでもない。ただ、吃音を抱えた王子が思い通りにいかない自分の発話能力を呪い、思わずf-wordを連発してしまう。これがアメリカでは観賞制限の対象となってしまった。

米配給会社ワインスタイン・カンパニーは当初これを不服として幾度となく再審査を求めてきた。が、オスカー本命視の声が高まるにつれ、思わぬ方面からの問い合わせが相次ぐようになった。教育関係や教会関係の団体が口をそろえて「どうにかして子供たちに見せてあげられないだろうか?」と言うのである。これは『英国王のスピーチ』が映画ファンのための映画から、一般市民のための映画へと移行しつつある兆しだったに違いない。

これを受けて本作の製作総指揮も務めるハーヴェイ・ワインスタインはトム・フーパー監督らと協議を重ね、再編集版をこしらえることで合意した。ただし技術的な問題もあり、映像を丸っきり差し替えることは不可能との答え。フーパー監督は自らの手掛けた映像はそのままに、問題となったf-wordの連発シーンの発音を消すことでこれに対処することにしたという。これがどの程度のものなのか、その詳細は完成品を観ないと分からないが(どれほど自然な形で音を消しているかによって作品の在り方も変わってくる)、音はなくとも王子がf-wordを口にする映像だけは相変わらずはっきりと映し出されているという。

そしてこの再編集版を審査にかけたところ、これがめでたくPG-13(13歳未満は保護者の同意が必要)を獲得。これでオスカー授賞式で本作に興味を持ったアメリカの観客は家族で劇場へ足を運ぶことが可能となる。ワインスタイン・カンパニーにとってもこれは更なるビジネス・チャンスとなる。彼らはすみやかにこのフィルム移行を実施していく所存だと言う。

update:オスカー授賞式の舞台裏で語られたコリン・ファースの発言によると、今のところ彼はこの修正版について「賛成しない」という個人的スタンスを持っているそうです。

ちなみに『英国王のスピーチ』の日本でのレーティングはf-wordをものともせず、「G(一般)」、つまり「お年寄りからお子様まで誰でも観賞可能」である。

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