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2011/04/09

米メジャー・スタジオ、新戦略の行方

現在、アメリカの大手スタジオ各社と劇場チェーンとのバトルが勃発している。

そもそもの原因は、映画ファンの観賞スタイルの変化によってDVD販売が極度に伸び悩んでいることにある。この閉塞感に風穴を空けるべく、メジャー・スタジオのオーナーたちは半ば強引にビデオ・オン・デマンドとの蜜月を推し進めているのだ。

この横並びの戦略に名を連ねるのは大手スタジオ6社のうち4社(ユニバーサル、ソニー、ワーナー、フォックス)。DirecTVと組んだ彼らは、劇場で封切られたばかりの新作映画を、その60日後にビデオ・オン・デマンドで配信するという新たな流れを作りだそうとしている。

このシステム下では、ユーザーはひとたび視聴を始めると自宅のテレビ画面で2日両日の自由な観賞が可能となる。これは遠い未来の話ではない。サービス開始は4月下旬ごろ。その料金、30ドル。

もちろんこの料金は劇場での1人分のチケット代と比較するとかなり割高だ。しかし家族4人で劇場へ足を運ぶことを考えると、新サービスのほうが料金的にも労力的にもリーズナブルとみられるケースも多々あるかもしれない。つまり、これはスタジオ側から利用者への「ひとつの映画鑑賞スタイルの提案」ということになる。

だが、これらスタジオ首脳陣のたくらみは、これまでスタジオを共闘者と信じて戦い抜いてきた興行(劇場)主たちを完全に欺くものだった。劇場公開日とビデオ・オン・デマンドのリリース日が接近していれば、劇場に足を運ぶ観客を奪うことにもなりかねない。スタジオは劇場側に何の相談もなくこの流れを推し進めようとしていたのだから、大手劇場チェーンの怒りは大きなものとなっている。

そもそもDVD/ブルーレイの場合、この暗黙の不可侵期間を4カ月として、長らくバランスが保たれてきた。

しかし最近ではDVD売り上げが落ち込みが激しいことからこの絶対ラインを緩和し、劇場公開から3か月でDVDリリースされてしまうケースも多々見られるようになってきている。この劇場公開→DVDリリースまでの期間を業界では「ウィンドウ」と呼び、昨年の『アリス・イン・ワンダーランド』においては、この期間の短縮を求めるディズニーとこれを死守しようとする劇場側との間で激しい攻防が繰り広げられ、ヨーロッパ諸国では上映ボイコットを示唆する劇場チェーンまで現れたくらいだ。

その流れの中での新サービス登場だ。今回のビデオ・オン・デマンドでは「ウィンドウ」が不可侵期間にグッと食い込み、「60日」に短縮されるというわけだ。

大手チェーンの中には現時点ですでに上映ボイコットなども含めて対決姿勢を露わにするものもある。業界の論客や有名監督なども様々な立場でこの業界の岐路にコメントを投げかけている。

果たしてこのバトルは映画界全体に利益をもたらすような枠組みを創造しうるだろうか。そして同じくDVD/ブルーレイ販売のみならず洋画興行自体が落ち込む日本の映画界でも、間もなく、アメリカと同じような流れが巻き起ころうとしているのだろうか。

今後もこのニュースを追いかけていきたいと思います。

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