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2011/05/20

追放処分のトリアー語る

Trier ツイッターでも再三にわたりお伝えしてきたカンヌでの大事件。

コンペティション部門に新作『メランコリア』を出品したデンマークの奇才ラース・フォン・トリアー監督が、公式記者会見中に「監督自身のドイツ系のルーツについてどう思われますか?」という質問にジョークまじりで「僕はナチだ、ヒトラーにも少しは共感できる」などと発言してこれが大問題化。

後になってトリアー側から謝罪のコメントが発表されたものの、プレミア上映後のパーティーは中止となり、すでに取引を結んでいた企業にも配給契約をキャンセルする動きさえ現れた。

事態を重く見た映画祭首脳陣は緊急会議を招集。投票の末、トリアー監督に"persona non grata"(招かれざる者)の烙印を押すことを正式発表した。

各メディア共に最初はこれが何を意味するのか、映画祭側がどの程度の意味を込めてこのラテン語を用いたのか掴みかねていたが、少しずつこれが事実上の映画祭からの「追放」を意味するものと気づき、騒ぎは一段とおおきくなった。今のところこの処分が今回だけのものなのか、それとも永久に効力を発揮するものなのかは分かっていない。

さて、こんな大問題を引き起こした当のトリアー監督なのだから、さぞやショゲかえっているだろうと思いきや・・・

Melancholia ハリウッド・リポーターの取材に対し彼は、「僕が言ったことは愚かだったと思ってる、がしかし、僕は(以前、反ユダヤ的発言をした)メル・ギブソンとは違うんだ…」と口にした挙句、しまいには「実を言うと"persona non grata"と名指しされたことがちょっと誇らしくもあるんだ」などと、またもや本音ともジョークともつかない発言を繰り広げている。

一方、トリアーの追放は決まったとして、彼の作品『メランコリア』はどうなるのか?本作もコンペ参加権をはく奪されてしまうのだろうか?

これについてトリアーは「そうであってほしくない」と言い、こう続ける。

「仮に僕がヒトラーだとして、実際にはヒトラーではないと言っておくけれど、万が一にそうだとして、そんな僕が素晴らしい作品を作り上げたのだとしたら、カンヌはその作品を選考すべきだよ」

また、カンヌにまさかこのような混沌が待ち受けていようとは誰も予想だにしない頃、トリアーは巨匠マーティン・スコセッシと共に進める興味深いプロジェクト"The Five Obstructions"についておおやけにしいてた。今回の一連の発言がこの企画にとっても大きな足かせとなることはまず間違いないが、そもそものスコセッシの反応はどうだったのだろうか?それについて問われると、彼は、

「マーティンとはまだ話してない。でも彼はとても心の広い人だから」

いや、問題はスコセッシじゃない。

この広い広い映画界を取り巻くあらゆるところにユダヤ系の有力者が存在し、彼らにとってトリアーのキャリアを地に落とすことなど赤子の手を捻るより簡単だ。はたして彼の映画人としての未来はどうなってしまうのか。その代償は彼がいま感じているよりもかなり高くつきそうだ。

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