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2011/06/30

"Tinker,Tailor,Soldier,Spy"トレーラー登場

ひさびさに、ドキドキする新作トレーラー(予告編)が降臨した。スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレ(ほかに映画化された作品には『ナイロビの蜂』『テイラー・オブ・パナマ』など)原作による"Tinker,Tailor,Soldier,Spy"。老スパイ“スマイリー”にはゲイリー・オールドマン、その他共演者にコリン・ファース、トム・ハーディ、ベネディクト・カンバーバッチ、マーク・ストロング。英国映画においてこれ以上のキャスティングがあろうか。また、監督が『ぼくのエリ/200歳の少女』の才人だけあって、前作で印象的&象徴的だった“壁紙”が、ここのスパイ部屋でもとても素敵に映えている。UKでは9月、USAでは11月に公開。

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【レビュー】マイティ・ソー

60年代にコミック・デビューしたマーヴェル・ヒーローが新たに映画界へと殴り込みをかけてきた。彼の名は“ソー”。彼のタイプを類別するのはいささか困難だ。突然変異型でもなければ、特殊能力型とも言い難い。かといってアイアンマンみたく自作自演型というわけでもない。なにしろ彼は神なのだ。全知全能の神、の息子の、やがて後を継いで神界を治めることになるであろう、まだ若くて横暴なプリンス。そんな彼が父の逆鱗に触れ、地球へと追放されたことから、地球上での“ヒーロー”たるきっかけが生じていく。

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アメコミに興味のない人には触手の動かない作品かもしれない。見てくれもやや野暮ったい。「これを観たから人生が救われた!生きてるって素晴らしい!」と感動するタイプでもさらさらない。しかし常にあらゆる作品をいったんは肯定的に受けとめることを自分に課した筆者にはとても面白く感じられた。今どき小学生も使わない表現を駆使すれば、ドキドキワクワク。なぜだろう。どうしてなんでしょう。

やっぱり僕は監督名でこの映画を観てたんだと思う。シェイクスピア俳優として、また自らも映画や舞台の演出を手掛けるケネス・ブラナーがいったいこのジャンルをどのように料理するのか?と。

確かにケネス・ブラナーは神々の世界においてまるでシェイクスピア劇に登場する王宮のような荘厳さを付与した。彼が「シェイクスピア劇に長けている」ということは、裏返してみるとアップデートの名手ということにもつながる。そういうコスチューム・プレイの面白さを、現代へと伝える策に長じているということだ。アンソニー・ホプキンスが片目に眼帯はめて腹の底からセリフを響かせたり、馬にまたがりその前足をヒヒヒンと上下させたりする威厳あふれる光景を、単なるオモシロ映像としてではなく、それなりの整合性を持って伝えられるのは、ちゃんと型を知ったブラナーならではだろう。少なくともジョン・ファヴロー(『アイアンマン』)やジョー・ジョンストン(『キャプテン・アメリカ』)、マーティン・キャンベル(『グリーン・ランタン』、こちらはDCコミックだが)にはできない芸当だ。

そうやってひとつの“神の世界”を成立させる一方で、ブラナーはもう二つの全く気色もテンションもスケールも異なる世界の創出にも挑む。ひとつは氷に閉ざされた敵地。ここでは神殿でのフラストレーションをぶちまけるかのように過剰なほどCG満載のバトルが無尽蔵に繰り広げられる。そしてもうひとつは我々の勝手知ったる地球(ここでようやくヒロイン役のナタリー・ポートマンが登場するわけだが)。そもそもこの三角関係こそ原作コミック「マイティ・ソー」の持ち味たる世界観なのだろうが、それをいざひとつの作品としてスクリーン上に成立させるとなると、これはかなりの至難のワザとなる。

また終盤のメインとなるこの地球では、今後のヒーロー総出演ムービー『アベンジャーズ』へと連なる人々もうごめく中(弓矢を持った隊員にも注目)、その3世界(これを伝統性、カタルシス性、現代性とでも言おうか)をいっしょくたに放り込んだかのような温度感の衝突が描かれる。

とりわけシェイクスピア的演技を地球人(現代人)の文脈で「ちょっと、どうしちゃったの…?」と不安気に見つめるシーンが多く見られる。実はこの『星の王子様ニューヨークへ行く』的な、「ハムレット、アメリカの田舎町へ墜ちる」こそ、実はケネス・ブラナーのいちばんやりたかったことではないだろうか。そこで加えられる「あの人、変わってるよね」的な笑いこそ、ブラナーが自分に捧げたセルフ・パロディ、つまりはシェイクスピアを現代に受け継ぐ表現者としてのメンタリティのように感じられた。

シェイクスピア劇のみならず、あらゆる劇作品で重要なのもそこだと思うのだ。伝統性とカタルシスと現代性、この三者が拮抗するところに物語は宿る。ただし、この領域を自在に行き来する際には、両者を隔てる開閉門の管理がとても重要となるのは言うまでもない。『マイティ・ソー』を観終わった後、無性にあの盲目の門番のことが思い出される理由も、実はそこのあたりにあるのかもしれない。

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ローランド・エメリッヒが新作に着手

『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トモロー』、それに『2012』。ディザスター・ムービーの第一人者として知られるローランド・エメリッヒ監督がまた新企画を立ち上げ、ソニー・ピクチャーズと製作契約を結んだようだ。"Singularity(特異性)"というタイトルなのだが、その中身についてはまだ“SF”ということくらいしか分かっていない。気の早いことにすでに米公開日まで決まっていて2013年の5月17日とのこと。監督&脚本ともにエメリッヒが務める。

そんなエメリッヒの公開待機中の新作は、なんと"Anonumous"という時代劇。「シェイクスピア=オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア説」をベースに、稀代の劇作家が作品を通じて成し遂げようとした“とある計画”に迫る。エリザベス女王当地下のロンドンの猥雑ぶりを再現すべく折々にエメリッヒのトレードマークたる壮大なVFXが施されているものの、それでも製作費は通常よりもかなりお安く見積もられているようだ。脚本家名にエメリッヒの名はなく、製作・監督のみの担当となっている。

これまでにエメリッヒはその監督作のほとんどで脚本や原案を手がけてきた。例外として挙げられるのは『ユニバーサル・ソルジャー』『パトリオット』、それに"Anonymous"。どれも莫大な製作費を投入した他のエメリッヒ作品に比べると安価なものばかりだ。つまりは次回作"Singularity"も相当な予算をつぎ込んだものになると予測する。

といっても、『2012』のような作品だけは、日本人として金輪際、御免こうむりたいところだ。

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ディアブロ・コディが監督デビュー

Diablo 映画『JUNO ジュノ』やTVドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」の脚本家ディアブロ・コディがついに映画監督デビューすることになった。

そのタイトルは"Lamb of God"。保守的で信仰熱心な若き女性が、飛行機事故をきっかけにその信仰を失い、ラスベガスへ乗り込んで罪人の生活に身を浸そうとする。が、その破天荒な日々は逆に彼女の信仰を取り戻すきっかけになっていく・・・。なんとコディらしい破天荒かつオーソドックスなプロットだろう。

元ストリッパーという肩書(その頃のことを綴った自叙伝"Candy Girl"の文体が映画スタジオの重鎮たちにも注目され、彼女は成功のきっかけを掴んだ)を持つ彼女は、2007年、ジェイソン・ライトマン監督と組んだ『ジュノ』で米アカデミー脚本賞を受賞。同作は世界で2億3000万ドルもの興収を記録している。その後も『ジェニファーズ・ボディ』、そして公開待機作としてはライトマンとの2度目のコラボレーションとなる新作"Young Adult"がある。後者は今年のトロント映画祭(毎年ここからオスカー候補が続々と発掘。『スラムドッグ』『英国王』もここで名を上げた)でのお披露目が決定している。

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2011/06/29

業界コンベンションにて『タイタニック3D』フッテージ披露

Imagescai2zxvq ハリウッド・リポーターによると、アムステルダムで開催中のヨーロッパ興行主たちのカンファレンス"CineEurope"の壇上にジェームズ・キャメロンが登場し、自らの紹介で製作中の『タイタニック3D』より15分間フッテージを初披露したそうだ。

これはアカデミー賞作品賞を含む11部門を制覇したあの1997年の金字塔を、キャメロンの監修により3D映像化するもの。完成までにはまだ長い時間がかかるとみられるが、今回はいちばんの見せ場を盛り込んだ抜粋版の上映となった。とりわけ主演のふたりがタイタニック号の船主にて繰り広げるあのダイナミックなロマンス・シーン、また船の心臓部たるエンジン・ルームのド迫力のイメージには会場から大きな歓声と喝さいが送られた。

かねてより「もしタイムマシーンがあれば過去に戻ってもういちど3Dカメラで撮り直したい。その方が手っ取り早い」と語っているキャメロン。ハリウッドが試みる生半可な3Dコンバージョン(2Dで撮ったものを後に3D化する作業)に対し大批判を展開してきた彼だけに、いざその作業に自らが従事するとなると、その気の引き締まり方も相当なもののようだ。

実はこのCineEurope、キャメロンにとって人生の節目を飾ってきたイベントと言える。1997年、彼はこの場所で『タイタニック』のプロモーション映像を初披露した。2005年には初めて3D映画の可能性について言及し、そして今から3年前、彼はやはりこの場所で、自らがこしらえた3D革命映像を初披露した。それが『アバター』のフッテージだった。

「私がこの場で『タイタニック』のフッテージを披露したとき、あれは人生における過酷なひとときでした。マスコミからは「結末の分かりきった、3時間もの女性向けロマンス映画」なんて批判されたんですよ。しかしこの興行主協会はそこに何かの可能性を感じとってくれた。そして20世紀フォックスと共に、この映画を世界的なヒットへと導いてくれました」

キャメロンは最後にこう呼びかけた。

「『タイタニック』はすべての常識と記録を破りました。みなさん、もういちどすべての常識を打ち破りましょう。そして再び、あらゆる記録を塗り替えましょう」

本作は、タイタニック号の悲劇からちょうど100年目にあたる2012年4月、世界の劇場で封切られる。

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スピルバーグ監督作"War Horse"予告編、登場

スティーヴン・スピルバーグ監督作"War Horse"の予告編が到着した。原作はマイケル・モーパーゴによる同名小説(翻訳本タイトルは「軍馬ジョーイ」)。気性の激しい仔馬ジョーイと徐々に心を重ね合わせる少年アルバート。やがて第一次大戦の影が忍び寄り、彼の居ぬ間にジョーイは軍馬として売られていく。引き離される親友同士。ジョーイのことが忘れられないアルバートは、意を決して愛馬を探す旅に出るのだが…。

この原作は映画化の前にいち早く舞台化されており、ロンドン・ウェストエンドにて大絶賛で迎えられた後、満を持してニューヨークのブロードウェイにも進出。ここでも賞賛の声は鳴りやまず、今年のトニー賞では最優秀演劇作品賞に輝いている。

"War Horse"の米公開日は12月28日。実はこの前週12月23日には同じスピルバーグによる初の3Dアニメーション監督作『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が米公開を迎える。スピルバーグの監督作が2週連続で封切られるとは、なんて贅沢な年の暮れだろう。ただし『タンタン』の日本公開はこれより一足早い12月1日。

ちなみに舞台版はこんな感じです。

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『ミッション:インポッシブル4』予告編

正式タイトル『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の予告編が登場。今回はアメリカでの不人気ぶりが顕著となってきたトム・クルーズを支えるべく『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナーが参戦。予告編における2人の対比バランスに注目です。監督は『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード。本作は彼にとって初めての実写映画となる。日本での公開日は、アメリカと同じ2011年12月16日。

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モンティ・パイソン再集結

つい先日にも、BBCでモンティ・パイソン主演作『ライフ・オブ・ブライアン』公開当時の大論争を綴ったTVドラマが製作されるとお伝えしたばかり。だが、今度は“再現”などではなく、本人たちが集結を果たすという。しかも今では遺灰に成り果てた故グレアム・チャップマンまで引き連れて。

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というのも現在、グレアム・チャップマンが1980年に出版した自伝"A Liar's Autobiography: Volume Ⅵ"を原作とした3Dアニメーション映画が鋭意製作中なのだ。

Gc 本作は15のアニメ製作会社が参加し、それぞれが3~12分のチャプターを独自のスタイルで描くことになっている。またその中ではチャップマン自身が1989年に死去する少し前に録音したという肉声朗読が使用され、これに加えてパイソンズ・メンバーも声優として本作に参加。ただし現時点でエリック・アイドルだけは参加していない(製作陣と彼のエージェントとの交渉はなおも続いている)。完成版は85分ほどになる模様。

ケンブリッジ大学卒のエリート、しかもメンバーで唯一、医師の資格を持つチャップマンは、学生時代に所属していたコメディ・サークル“ケンブリッジ・フットライツ”にて盟友ジョン・クリースと出逢い、後にBBCで1969~74年に放送された大人気コメディ番組"Monty Python's Flying Circus"の正式メンバーとして参加。一世を風靡することとなる。が、このころよりすでにアルコール依存症の気が出始めており、収録中に立っていられなくなる状態のことも。

放送終了後のパイソンズは3本の映画製作に挑み、チャップマンは『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』でアーサー王を、『ライフ・オブ・ブライアン』では救世主と間違えられる可哀想な主人公を演じている。また彼は自分が同性愛者であることをいち早く世間に公表した芸能人でもあった。その後、彼の身体は癌に侵され、48歳という若さでこの世を去った。このときの葬儀でメンバー全員によって読まれた弔辞は会場を爆笑の渦で包み込み、今でも伝説として語り継がれている。

同作の劇場公開は来年の春頃を予定している。

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2011/06/28

【レビュー】BIUTIFUL ビューティフル

重ね合わせる手、一面の雪景色、懐かしい声の響き。男は言う。
「むかし、海のさざ波をずっと聴かせるラジオがあった。すごく怖かったんだ」
海の音、ざざざん。風の音、びゅうびゅう。
どう違う?
そして、あの向こうには何がある?どんな世界が待ってる?
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冒頭のシーンから心掴まれる、この2時間半の長い旅路。スペル間違いの英単語が、世界でただ一つの想いを形成する。そこに魂が息づく。するともはやBIUTIFULはひとつの概念や経験、遍歴、宿命ですらあるかのごとく身を貫く響きを持って、一概には言い切れない染みや汚濁さえ伴った“美しさ”を照らし出す。

さながらスペイン、バルセロナがひとつの身体のようだ。サクラダファミリアが顔ならば、その脚や手先の部分では影の社会がうごめく。ハビエル・バルデム演じる主人公もその影の住人だ。外国人の不法就労、闇市を斡旋し、パートタイムで死者の残した言葉を伝える。そう、彼はどういうわけか、そういう能力を与えられている。だが、彼自身、先が長くない。自分の生をどうすることもできない。死にゆく自分の言葉は、自分で伝えるしかすべがない。愛する子供たち。元妻。肌の色の違う外国人。兄。霊魂。そして自分が幼いころに死んだ、父―。

これまでギジェルモ・アリアガの脚本によって物語を織りなしてきたイニャリトゥ監督が、今回は彼の力を借りず、しかもトレードマークだった複数のエピソードを立体的に組み立てる手法から脱してみせる。じっとこの街から離れず、たったひとりの男の肉体から逃げ出すことなく、呼吸を刻んでいくのだ。

たしかに彼の作品を見続けてきた者にとっては多少なりとも不安がよぎるかもしれない。だが、いざ始まってみるとどうだろう。これまでに比べて大幅に狭められたこの場所で、カメラはむしろ世界にも増して広大な人生のフィールドを彷徨い、さらには世代から世代へ、魂を越えて受け継がれていく絶えまない連鎖をも浮かび上がらせていく。いわば、シンプルかつ強固な縦軸と横軸によって荘厳な神殿をこしらえたかのような、静かな圧倒が心に押し寄せる。

また各シークエンスの成り立ち方がどれも胸を揺さぶってやまない。決してトリッキーな手法を用いることなく、その場を構成するひとりひとりが個の足で立ち、それぞれの放出する空気を互いに絡ませることによって俄かな化学変化が生成されていく様を、実に粘り強い演出力で記録していく。ここではスタートの位置や終着地は大した問題では無い。要は、そのシークエンスにおいて各々がどれだけ心の変移を歩んだのか、それをいかに映像中の空気として映し取るのか。この一枚一枚、入念な層を織りなしていく生の迫力に、意識がくらむほど体力を奪われたし、深く傷も負った。それでも観客として長い長い旅を終えて、いま、ついにこの場に立ってる。そんな言い尽くせぬ到達感こそ、この映画の証なのだ。

僕の知っていたイニャリトゥは…かつて僕が臆面なく映画祭で出待ちしながら無惨にも無視されたイニャリトゥは、その手中にとんでもない微熱を讃えながら、今や僕の知らない、壁の向こう側へと行ってしまった。

海の音ざざざん、風の音びゅうびゅう。

どう違う?

そして、次はどんな世界が待ってる?

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ミシェル・ヨーが入国拒否に

ビルマの民主化運動のシンボルとして知られるアウン・サン・スー・チーの半生を、『グラン・ブルー』『レオン』で知られるリュック・ベッソン監督が描く最新作"The Lady"。

その主演を担うミシェル・ヨー(『007/トゥモロー・ネバー・ダイズ』『グリーン・デスティニー』)が、6月22日、訪問先のヤンゴン空港でビルマ入国を拒否され、同日、強制出国させられた。ヨーの広報担当、ビルマ当局もこの事実を認めている。

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また当局によると、強制退去の理由は「彼女の名前がブラックリストに載っているから」。なぜブラックリスト入りしたか、その根拠については明らかにしていない。ヨーは昨年の12月に同国を訪問し、スーチー女史との対面を果たしている。

タイなどで行われた"The Lady"のアジア・ロケはすでに完了しており、本作は現在のところポスト・プロダクション段階へ。年内公開を予定している。

*当ブログではあえてミャンマーではなく、欧米メディアに合わせて“ビルマ”を使用することにします。その理由に関しては、 『ビルマVJ 消された革命』レビュー末尾にてご確認ください。

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スピルバーグ「リンカーン」に新たな参加者

David この夏の話題作『SUPER 8』や『トランスフォーマー3』のプロデューサーを務め、年末には『タンタンの冒険』"War Horse"という監督作の連続公開を控えるスティーヴン・スピルバーグ。動きを止めることを知らない彼は、今やそのまた先の監督作"Lincoln"のキャスティング作業の真っただ中。すでにリンカーン役にダニエル・デイ・ルイス、その妻にサリー・フィールドが起用される中、また新たにデヴィッド・ストラザーンの出演が決定した。

ジョージ・クルーニー監督作『グッドナイト&グッドラック』で主演男優賞オスカー候補となり、『ボーン・アルティメイタム』 でも鮮烈な存在感を魅せたストラザーンの役どころは、ウィリアム・スワード国務長官。彼は南北戦争下でリンカーンを支える強力な奴隷廃止論者として活躍し、内閣の要となった人物だ。

上記3人のほかに出演決定済みの俳優陣には、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、トミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・スペイダー、ジョン・ホークス。ブルース・マッギル、ティム・ブレイク・ネルソン、ハル・ホルブルックなど。

本作"Lincoln"は、ピュリッツァー賞受賞の女性歴史家ドリス・カーンズ・グッドウィン著"Team of Rivals"(翻訳版タイトルは「リンカン」。中央公論社刊。オバマ大統領の愛読書でもあるそうだ)をもとに、「エンジェルス・イン・アメリカ」でピューリッツァー賞を受賞し、スピルバーグ作『ミュンヘン』にも参加したトニー・クシュナーが脚色を担当。今年の秋、ヴァージニア州にて撮影を開始し、劇場公開は2012年の暮れごろとなる見込み。

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レオがイーストウッド次回作にも?

Leo Deadlineによると、クリント・イーストウッド監督は鋭意製作中のFBIフーバー初代長官にまつわる伝記映画"J.Edgar"に主演するレオナルド・ディカプリオに対し、「次の映画にも出ないか~?」とモーションをかけているようだ。

その次回作というのは、"A Star Is Born"。スターを夢見る若き女性が大物ミュージシャンと結婚し、その後、自分の力でスター街道を突き進んでいくものの、ふと気付くと愛する夫はもはや人気下降の過去の人と成り果ており…。

物語の原型となった1930年代の『栄光のハリウッド』(原題"What Price Hollywood")を数えれば、実に4度目のリメイクとなる。また、今年のカンヌで主演男優賞を受賞したフランス映画"The Artist"もこの系譜に連なるように、同様のプロットは世界中に星の数ほど根付いている。

今回のミュージカル映画版ではウィル・フェッターズが脚本を書き、ワーナー・ブラザーズは長らくこの企画の実現に向けて動いてきた。主演にはビヨンセが決まっており、対する男性パートには一時期ウィル・スミスの名前も挙がっていたが、今回の突然の「ディカプリオ」案浮上。まだまだ初期の話し合いでしかないらしいが、過去にマット・デイモンを『インビクタス』と『ヒア アフター』に連続起用したイーストウッドのことだ。全くありえない話でとは言い切れない。

一方のディカプリオは"J.Edgar"に続いて、この夏、『ロミオ&ジュリエット』で組んだバズ・ラーマンのもとで3D版「グレート・ギャッツビー」の撮影に入ることが決まっている。また、クエンティン・タランティーノの新作"Django Unchained"の悪役としても出演が噂されているが、まだ正式決定はなされていない。

余談だが、つい先日放送されたNHKの「アクターズ・スタジオ・インタビュー」で『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンクが出演した。

彼女はイーストウッド監督との初対面の瞬間(まだ彼女が主演に決定していない段階)を事細かに再現してくれた。まず、ホテルのドアが開き、背の高いクリントが入ってくる。そして優雅に腰をおろして、近くにあったテーブルに足を両方乗っけて、あの独特の掠れ気味のダンディーな声で「ハ~イ」と切り出す。彼らはいくつかの話題について言葉を交わす。そして徐々に打ち解けてくると、クリントはまたダンディーな掠れ声で「じゃあ、トレーニングをはじめて」。この瞬間、彼女の起用が正式決定し、同時に、アカデミー賞主演女優賞獲得へと続く門が押し開かれたというわけだ。

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2011/06/27

北米興行成績Jun.24-26

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Jun.24-26 weekend 推計

01 Cars 2 $68M
02 Bad Teacher $31M
03 Green Lantern $18.3M
 
04 Super 8 $12.1M
05 Mr. Popper's Penguin $10.3M
06 X-Men: First Class $6.6M
07 The Hangover 2 $5.9M
08 Bridesmaids $5.4M
09 Pirates of the Caribbean 4 $4.7M
10 Midnight in Paris 
$4.5M

■ディズニー&ピクサーの放つ『カーズ2』が6800万ドルを売り上げて首位獲得。このオープニング興収は、『トイ・ストーリー3』(1億1030万ドル)、『Mr.インクレディブル』(7050万ドル)、『ファインディング・ニモ』(7030万ドル)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(6810万ドル)に続く、ピクサー5番目の成績にあたる。前作の同記録は6000万ドル。公開前にピクサーらしからぬ「それほど絶賛ばかりではない評」に悩まされてきたディズニー&ピクサーとしては面目躍如と言えるだろう。観客層は53パーセントが男性、56パーセントが25歳以下、さらには36パーセントが11歳以下だった。つまり本作は『トイ・ストーリー』のような幅広い客層をターゲットにしたブランドではないことが伺える。

Cars
なお、米観客の3D離れは本作興行によってますます深刻となってきた。本興収における3D上映によるシェアはたったの4割。『カンフー・パンダ2』『パイレーツ4』『グリーン・ランタン』などをも下回り、昨年同時期の『トイ・ストーリー3』の6割に比べるとさらに圧倒的な低さと言える。

この3D低迷の動きをなんとは食い止めようと、6月29日に3D超大作『トランスフォーマー3』を世に送り出すマイケル・ベイ監督は、声高にメッセージを発し続けている。まずは劇場チェーン主や映写技師らに対し「昨今の3D作品は映像の暗さと不鮮明さが指摘されています。本作の上映にあたってはそうならないよう、最大限に明るさを強めてほしい。ともに3Dへの信頼を取り戻しましょう!」と協力を求めている。またファンに対しても「これは撮影後に3D化されたものではなく、端から3Dカメラで撮影された作品です。ぜひあなたの近くの最高の劇場で、この3D技術を堪能してほしい」と呼びかけている。

Badteacher ■今週第2位となったのはキャメロン・ディアズ主演のコメディ"Bad Teacher"だ。G(誰でも観賞可能)指定の『カーズ2』が首位獲得することを織り込み済みの“カウンター・プログラム”というべきR指定作品だが、それにしては興収3100万ドルという、あまりに好調な出だしを見せた。観客層は57パーセントが25歳以上で、63パーセントが女性客。ユニバーサル作品"Bridesmaids"以降、女性をターゲットにしたR指定コメディが大きな力を持ち始めているようだ。

■さて、先週の覇者『グリーン・ランタン』は3位へ。先週末に比べると65パーセントの興収下落となった。通常の新作2週目は平均して50パーセントほどの下落にとどまるので、これはやや落ち過ぎか。累計興収は9000万ドル弱。製作費の2億ドルまでの道のりは遠い。

■3週目の『スーパー8』は4位。製作費5000万ドルと伝えられているが、累計興収はその2倍近い9500万ドルに達している。5位の"Mr. Popper's Penguins"は公開週末に比べて44パーセント減と下げ止まりが働いている。累計興収は4000万ドル弱。X-Men ファースト・ジェネレーション』は興収1億3300万ドルほど、ハングオーバー2』は2億4394万ドルに達した。その『ハング2』、『バッド・ティーチャ―』と並び3大R指定コメディの座に君臨する"Bridesmaids"は、すでに製作費の4.5倍ほどの1億4700万ドルを稼ぎ出している。

■なお、10位の"Midnight in Paris"は、興収が『それでも恋するバルセロナ』『マッチ・ポイント』を越え、ウディ・アレン監督作としては過去25年で最大のヒットとなった。製作費3000万ドルのところ、早くも米興収だけでそれを回収しきらんばかりの2850万ドルに達している。

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2011/06/26

【レビュー】兄兄兄妹

かつて『シンク』という作品でPFFグランプリを受賞した村松正浩監督の中編『兄兄兄妹』と『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』が、シネマート六本木にて開催中のインディーズ映画祭「映画太郎」にて上映される(6月26日、19:30~)。

とっておきの映画、知る人ぞ知る映画を見つける喜びとは、このようなことを言うのだろう。

2年ほど前、僕は渋谷で行われた上映会でこの『兄兄兄妹』を観て、なんだこりゃ!と仰け反った。物語は「ある日、自分の兄が3人に見えるようになった妹」を語り手に進んでいく。「お兄ちゃん」と声をかけると、いっせいに振り返る3人の男。いや、実質的には一人なのだが、見える人には3人に見えるのだ。そして彼らはどうやら3者それぞれに役割を持ち、相談したり、シチュエーションに合わせて代わる代わる前に出たり引っ込んだりしながら日々の暮らしを送る。つまりはその総和が“お兄ちゃん”ということらしかった。

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ひとの心の奥底は誰にも見えないもの。が、これをあえてスクリーン上に手のひらを拡げるかのように見せてしまうのが『兄兄兄妹』の類稀なるマジック・リアリズムだ。このジャンルにおいては、あくまでリアルを追究する手法として“超現実”のスイッチが押される。この境界線が滑らかであればあるほど、観客はそれがこっち側なのかあっち側なのか判別がつかず、その蛇行する線上において滑らかにリアルの間口を広げ、心地よく受け入れてしまう。

これは古典的に見れば舞台上の役者が自問自答したり、善なる自分と悪なる自分とを闘わせたりすうようなごく伝統的な表現方法なのかもしれない。しかし、この製作から数年の月日が経過し、ひとりの人間がインターネット上で「フェイスブック」「mixi」「ツイッター」とその都度“複数の自分”を使い分けるようになった昨今、この概念・設定が以前にも増して、よりリアルに社会を映し出していることにハッとさせられる。

そしてどうやらこの世界では、お兄ちゃんのほかにも大勢のひとたちが、それぞれの“複数の自分”を引き連れて生きているらしい。とくに村の集会所で開かれる合コンの場面は出色だ。畳部屋にまばらにしか存在しない参加者の姿を映し出し、カメラが玄関口へとパンする。そこで参加者のやり取りがいくらか盛り込まれたあと、再びカメラが元の場所にパンすると、今度は単眼から複眼へと切り替えられたかのように、畳部屋に入りきらないくらいの人々が大勢ひしめきあっている。個人戦は突如として団体戦となる。複数の自分を抱えた者どうしが、まるで群舞のように身体を駆使しながら、擬人化された細かなディテールの衝突を描き込んでいく。

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またこんな荒波の中で、気の弱そうな“3人の兄”が最もありえない女性に恋をする。会社の陸上部に所属し、ライバルに勝てないからという理由で「あの子、車とかで轢いちゃわない?」とか平気で言う女だ。あだ名をつけるなら、「泥棒猫」とか「いちばん口汚い女囚」とか、そんな感じだ。どうしてこんな子を好きになっちゃったのか。ふと口にされる妹の推察が鋭い。なるほど、と得心した。人間の相性なんてパズルのように複雑かと思いきや、一方でこんなにまで単純明快に噛み合ってしまうのか。ここの描写も実にリアルだ。

かつて香港アクション映画の巨匠ジョニー・トーは、『マッド探偵』という作品で“個人の複数性”を描いた。が、当の村松監督にしてみれば、この映画を観た経験はないそうだ。これはむしろ村松監督が講師を務める映画講座の生徒を大量に活用するという名目で生み出された苦肉、転じて画期的な策(つまり、主役級が増える)と言えるのだろう。

観客にとっても一目で理解可能な、それほどまでに我々の感覚に沁み込んだ手法でありながら、その複眼性について従来よりもさらに突き詰め、人間社会を構成する最小単位の、更にその先を切り開いてみせる力作。

そこに何か声高に訴えかけたいテーマがあるわけではないが、むしろそのささやかな“気づき”が、静謐な透明性を讃える映像と相俟って、とても心地よく、また有意義な映像体験として胸に沁み込んできた。

*『兄兄兄妹』はシネマート六本木にて開催中の「映画太郎」という映画祭の中の、6月26日(日)19:30~のGプログラムで上映されます。同時上映は村松正浩監督の『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』と、今年のカンヌ映画祭短編部門で日本からエントリーを果たした若干24歳の田村恵美監督による『ふたつのウーテル』。この貴重な機会をお見逃しなく!

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2011/06/25

【レビュー】SUPER 8

1979年、夏―。悲しい事故が起こった。オープニング・シークエンスがセリフなくしてそのことをさりげなく観客に伝える。そのとき、側にいるべき保安官の父は、少年との間に距離をおこうとした。いま少年の心の隙間を埋められるもの、それは同じ学校の親友同士でつくる8ミリ映画でしかありえなかった。

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「映画祭に出そうと思うんだ!」と誰かが声をあげる。オーソン・ウェルズにも似た太っちょが仲間を扱き使いながら監督を務め、メガネ君はセリフを覚えるのに必死で、もうひとりの男の子は笑うと矯正歯がニュッと突きでる。そして今夜の撮影には新たな仲間が。女優として美しい女の子が参加を快諾してくれたのだ。

線路わきのロケ地でスタンバイ中、主人公の少年は少女にメイクを施す。筆ごしに触れる彼女の透き通るような肌。その視線の漂い。「アクション!」の掛け声と共にリハーサルがはじまる。彼女がセリフを口にした瞬間、少年の心は魔法にかかり、どこか遠い世界へ浮遊して飛び出したかのようだった。息が止まる。瞬きもせずにじっと見つめる。

そしていざ迎えた本番。フィルムが回り始めると、今度は遠くから電車の近づく気配が伝わってくる。オーソン・ウェルズが気を狂わさんばかりに叫ぶ。「いいぞ!状況に奥行きが増す!」。接近してくる電車の姿を盛り込みながら撮影は進む。轟音がセリフをかき消す。風圧が髪を逆立てる。そしてようやく過ぎ去ったかと思ったその矢先、先頭車両の付近で大爆発が巻き起こる。

大破する車両、燃え盛る炎。うごめく謎の生命体。

それはこの、もう二度とは戻ってこない夏休み数日間の、ほんの幕開けに過ぎなかった―。

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彼らのことを昔から知っている。次に踏み出す第一歩も、いまその表情で何を考えているのかも手に取るように分かる。J.J.エイブラムス監督の描く主人公たちの遺伝子は間違いなく、かつて70年代~80年代のスピルバーグ系の映画によって、視覚的に僕らの体内に組み込まれたものであり、それゆえ映画の面白さとはまた別に、まるで遠い昔の自分を眺めやるような不可思議な感覚を禁じえない。

髪や肌の色もまったく違うし、あんなスイートな恋物語なんて縁もゆかりもなかったはずだが、それでも彼らを媒介として、今の自分と昔の自分とが映画の中で対峙を果たす。本作に付随するノスタルジーは恐らくそのような場所からふっと滲みでるものなのだろう。

期せずしてスピルバーグ(『SUPER 8』のプロデューサーでもある)の『未知との遭遇』を見直してみると、かの有名な宇宙との交信音を耳にしたヒロインが、ふと懐かしい情景を再訪するかのように"I know・・・(知ってる)"と口にする。その表情は『SUPER 8』を体感した僕らが浮かべる特殊な柔らかさに包まれていたかもしれない。

『未知との遭遇』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『宇宙戦争』『グーニーズ』・・・この映画を的確に伝えるためには、感想よりもこれらの作品名を連ねるのがいちばん手っ取り早い。さながら心の痛みを抱えた主人公は、『グーニーズ』のマイキーか、『E.T.』のエリオット少年のようだ。彼らの存在は、かつて僕らがあんなに巨大で、その暗闇が無限に続くかに見えた映画館で感情移入し、その体内に入り込んで自ら大冒険を繰り広げた―そんな思いを可能にしてくれた、まさに“アバター”のような存在だった。

この3D全盛期、なぜJ.J.エイブラムスはこの作品を3Dで撮らなかったのかとの声を聴く。しかし思い出してほしい。あの列車事故にまつわるリアルな現場を“背景”に、少年たちはその“前景”でカメラを回しフィクションを紡ぐ。同一のフレームに二種類の次元が同居する、この不可思議な二重性。つまりはすべてあの太っちょオーソン・ウェルズ少年が言うように、この時点すでに「奥行きが増す!」ということなのだろう。すでに立体的である構造に、3D技術なんて必要ない。

また、このシーンに象徴されるように、主人公の心の痛みは同一フレームで“リアル”と“イマジネーション”を拮抗させ、この通過儀礼を乗り越えることで、いつしかカメラのレンズを通さない形でキュアの次元へと導かれていく。ある意味、この物語は少年の心象風景をSFとしてスクリーンに投影したもの。と同時に“怪物”に込められた意味も限定されるべきものではなく、あらゆる可能性に向けて開かれている。究極的には一番遠い存在、なおかつ一番近い存在=少年自身でさえあり得るのだろう。

そして、夢のような2時間が過ぎ去り場内が明るくなって、ふうと一息呼吸をおいてから、自分の両手を見つめる。さっきまでスクリーンを駆けまわっていた自分が、もはやあの頃の少年ではないことに打ちのめされる。むしろあの子供たちの親たちと同じ世代になっている。

いつのまにか僕は、あの子たちの想像も及ばないような遠く遠く、それこそあの光が飛翔していく、その更にずっと先まで、やってきてしまったようだ。

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【訃報】ピーター・フォーク

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「刑事コロンボ」ことピーター・フォークが、長きにわたるアルツハイマーとの闘いの末、ビバリーヒルズの自宅にて息を引き取った。83歳だった。もうあの名推理を見せてくれることもないのかと思うと胸が張り裂けそうです。

心よりご冥福をお祈り致します。

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2011/06/24

フランス映画祭開会式

映画祭オープニング・セレモニーでは、リュック・ベッソン団長、ユニ・フランス代表、それに今回の上映作品の監督たち、総勢8名が一人ずつ登場しました。

"Chantrapas"を出品したオタール・イオセリアーニ監督(77歳)は、その持ち前の存在感で観客を魅了しつつ、ゆっくりと、詩でも吟じるかのような響きをたたえながら、次のようなスピーチを披露しました。

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こちらに来ることができてとてもうれしく思ってます。遠く離れたところに居ながら、ずっと日本のことが頭から離れませんでした。今の状況の中で、はっきりいって、映画に関して申し上げることは何もありません。この大震災に際し、これほど冷静に、誠実に振る舞われた日本の皆さんについて心から感銘を受けています。この地球上に、日本の皆さんのような方々が存在してらっしゃることを誇りに思っています。人は「不幸なことは自分では無く、他人に起こる」と思いがちですが、それは誤りです。誰だって不幸に見舞われます。日本の洗練された、そして愛されるべき文化は世界中に知られています。また、日本人の気遣い、礼儀正しさも世界中に知られてます。ほんとうに、みなさんに「ありがとう」と申し上げたい。(深く、一礼)

また、続く『セヴァンの地球のなおし方』のジャン=ポール・ジョー監督は、今回の滞在中に福島と祝島にも行かれたそう。スピーチの途中に、こんなハチマキをおもむろに取りだし、額に巻かれました。

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ところが、あとで他のゲストのスピーチ中に会場から笑いが起こり、なんだろうと視線をやると、

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いつの間にかイオセリアーニ監督まで、反対派の旗手となっていました。ほんと、お茶目な人です。

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最後に登場したリュック・ベッソン団長。「なんて書いてあるんだい?」といった感じで覗きこむ様子が印象的でした。

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フランス映画祭、開幕!

今年もフランス映画祭が開幕しました。
6月23日~26日の4日間、東京・有楽町の朝日ホールにて日本公開前のフランス映画にどっぷりと浸かり込めます。大震災と原発事故の影響でハリウッドをはじめ世界中の映画人たちが来日キャンペーンを見合わせる中、リュック・ベッソンをはじめとするフランス映画代表団が(なぜかレディ・ガガと同じタイミングで)日本に乗り込んできてくれることは、多くの映画ファンにとって何にも代えがたい喜びです。

記者会見でベッソンが語った言葉を掲載しておきます。

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今回の来日が叶ってとても嬉しく思います。30年来のお付き合いとなる日本の皆さんにその変わらぬ友情の気持ちを示すためにやってきました。「苦しい時こそ、真の友人が誰かが分かる」という格言があります。フランスの多くの国民はいま、日本の皆さんのことを、心から思っています。このひどい災害にあたり、日本の皆さんの深い威厳に満ちた行動を取られたことは、世界中に感銘を与えました。これがもしもフランスだったら、まさに世紀のパニックとなったことでしょう。人々は怒りに駆られ、たとえばトマトなんかを投げつけあってしまったかもしれません。私たちには大きな支援など出来ませんが、それでもこの映画祭を通じて、少しでも楽しんで頂ければと思っています。



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ダニー・ボイル新作にジェームズ・マカヴォイ?

Macavoy127時間』のダニー・ボイル監督が進める新作企画"Trance"の主演候補としてジェームズ・マカヴォイの名前が挙がっている。これまではマカヴォイではなく、彼と『X-Men:ファースト・ジェネレーション』で主演を張ったマイケル・ファスベンダーの名前が取りざたされていたのだが、いつの間にかスイッチしてしまったようだ。すでにマカヴォイとボイルはごく初期の話し合いに入っている模様。

本作は絵画泥棒モノ。マカヴォイの打診されているギャング役と、彼とチームを組む相棒役が要となり、オークション・ハウスからの強奪を試みるも、その後いろいろあって、相棒は頭を強打されて記憶がぶっ飛んでしまい、その絵画がいったいどこに隠されているのか分からなくなってしまう。そこでギャングは催眠術を用いて彼の脳裏に隠された絵画のありかを導き出そうとするのだが・・・。

プロットを聴くからに、『トレインスポッティング』のテンションと『127時間』の脳内イマジネーションの世界とが融合したかのような情景が浮かび上がってくる。

ボイルは9月にこの映画の撮影をはじめ、その後、彼の喫緊の課題である2012年ロンドン・オリンピック開会式の芸術監督としての仕事に取りかかる。この間、映画はとりあえず寝かせた状態となり、オリンピックの決着がつき次第、編集作業を再開。2013年の3月ごろの公開を予定している。

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2011/06/23

アレン新作、ここ25年最大のヒットに

Allen まさかこれほど大ヒットするとは。ウディ・アレンの最新作"Midnight in Paris"がこの水曜、木曜中にも彼の『それでも恋するバルセロナ』と『マッチ・ポイント』の米興収(それぞれ)2300万ドルを追い抜き、ここ25年のうちで最もヒットしたアレン作品となる見通しとなった。

アメリカでは5月20日より、たったの6館で封切られた本作は、オープニング週末の1館当たりのアベレージ興収10万ドル弱という、見たこともないような猛スパークを記録。

その後も客足にあわせて徐々に上映館が増え、今では全米に1000館以上という規模に膨れ上がり、3000~4000館規模がひしめくTOP10ランキングにもグイグイと食い込んでくる粘り強い強さを見せつけている。

ハリウッド・リポーターはこのヒットの要因を3つ挙げている。ひとつは「パリ」という場所が持つ魅力。かつてそこを訪れた人も、これから訪れたい人をも魅了する土地柄。もうひとつは、いつもは“憂鬱”を抱えた変人ばかりがひしめくアレン作が、今回ばかりは“ごく普通の人”を主人公に据えているということ。これにより万人にとってアクセス可能な作風が出来あがっている。そして最後に、アレンのお膝元、ニューヨークの批評家のみならず、アメリカ全土の批評家たちが"Good!"と激賞していること。

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ちなみにアレンの過去の興行数値を振り返ると、1986年の『ハンナとその姉妹』がアレン作としては最高興収となる4000万ドルを記録している。またそれ以前には1977年の『アニー・ホール』が3825万ドル、1979年の『マンハッタン』が3995万ドルを記録。

現在の勢いだと、"Midnight in Paris"は7月1日までに3000万ドルに到達するものと見られる。アメリカでは独立記念日にあたる7月4日が映画興行的に重要な集客シーズンとされることから、ここでどれほどの観客が動員できるかが(とりわけ、『トランスフォーマー3』のカウンター的要素としてどれだけ客足が延びるか)に期待が集まっている。

この結果次第では『ハンナとその姉妹』の4000万ドルを凌駕する、アレン最大のヒット作となる可能性もまだまだ残っている。

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タランティーノ新作はジェイミー・フォックス主演か?

Fox 主演最有力候補の座が入れ替わった。現在、タランティーノが進めている新作マカロニ・ウェスタン"Django Unchained"は、当初の第一候補とされてきたウィル・スミスの獲得を断念し、新たにジェイミー・フォックスにターゲットを絞っての交渉がはじまったようだ。

ただし、スミスと同じくフォックスもこのジャンゴ役に多少のリスクを感じている節があるようで、現在、この交渉は非常に重要な局面を迎えているとも言われる。

本作は元奴隷ジャンゴが、ドイツ人バウンティ・ハンターの力を借りながら、極悪非道プランテーション主に囚われた妻を救出しようとする物語。

主演をめぐってはウィル・スミス、ジェイミー・フォックスの他にも、イドリス・エルバ、クリス・タッカーらの名前が挙がってきた。エルバに至ってはつい今朝ほどギレルモ・デル・トロ最新作"Pacific Rim"への出演決定の報が飛びこんできたばかりだ。

また本作の共演にはクリストフ・ヴァルツ、サミュエル・L・ジャクソン、それにプランテーションのあるじ役としてレオナルド・ディカプリオの名前が挙がっている。

突如として飛び出した『Ray』のオスカー男優フォックスと鬼才タランティーノという新たな顔合わせ。今度は相思相愛になれるかどうか、注目が集まる。

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デル・トロ新作に実力派の黒人俳優が参加

Thorこの人は覚えておいた方がいかもしれない。

いま注目の黒人俳優、イドリス・エルバ。もう間もなく日本公開となる『マイティ・ソー』では神界と下界とを隔てる橋の“盲目の番人”として鮮烈な印象を残し、他にも『ゴーストライダー』続編やリドリー・スコット監督作『プロメテウス』に出演。さらにはクエンティン・タランティーノ最新作"Django Unchained"の主演候補にまで躍り出ている彼(タランティーノ的にはウィル・スミスを一番指名しているのだが、この交渉がなかなか思うように進まず、エルバやジェイミー・フォックスの名前が取りざたされている)。

そんなエルバが、ギレルモ・デル・トロの新作"Pacific Rim"に出演することが決まった。

『ヘルボーイ2』以降、手を出す作品がことごとく暗礁に乗り上げるという悪夢を体験してきたデル・トロだが、今回挑むのはモンスターVS地球人防衛軍(そう呼ぶかは知らないが)との壮絶なバトル。しかもここでは獰猛な敵に対抗するために、人類は巨大ロボットを操縦して戦うのだとか。どうやら日本の伝統芸とも言うべき“ロボット物”の影響も強く刻まれているようだ。

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本作にはすでにチャーリー・ハンナムの参加が決定済み。これに加わるエルバの役どころも"lead roles"のひとつとされている。この人物、"Sensei"と呼ばれること以外まだ何も分かっていないのだが、これが指し示すのはどう考えても日本語の「先生」以外にありえないだろう。もしかすると格闘技か何かの師匠役だろうか。またこのSensei役はもともとトム・クルーズのために書かれたものだったとも言われている。

脚本を手掛けるのは『タイタンの戦い』とその続編にも参加しているトラヴィス・ビーチャム。秋ごろの撮影開始を予定している。

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2011/06/22

F1映画の監督にロン・ハワード?

つい先日まで“ジェイソン・ボーン”シリーズのポール・グリーングラスが興味を示していたと言われるF1映画に、『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるロン・ハワードの名前が急浮上してきた。

Niki_2 "Rush"と銘打たれた本作は、70年代半ばに熾烈なライバル争いを繰り広げた英国人レーサー、ジェームズ・ハントとオーストリア人レーサー、ニキ・ラウダに焦点をあてた物語だ。

中でもハイライトとなるのは1976年の出来事。ハントをポイントでリードしていたラウダは、ニュルンベルク・グランプリでマシンをクラッシュさせ、生死の狭間を彷徨うほどの大怪我を経験する。顔面には痛々しい火傷の跡が残り、もはや選手復帰は絶望的かと誰もが噂する中、彼は事故からたった6週間後のレースで奇跡の復活を遂げ、しかも堂々と入賞を果たしたのだ。

不死鳥のごとくトラックに舞い戻ったラウダとハントの激突はなおもつづく。そして両者とも一向に譲らぬまま、勝負の行方は富士スピードウェイで開催された最終戦に託された。しかもこの日の天候はレースの続行が不可能と思えるほどの豪雨。この最高にドラマティックな舞台で、男たちの見せた死闘の果てとは…?

脚本を手掛けるのは、『クイーン』『フロスト×ニクソン』『ヒア アフター』のピーター・モーガン。彼は同時進行でQueen(こっちは女王でなく、バンド)のボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画も手掛けており、フレディ役には『ボラット』のサシャ・バロン・コーエンが決まっている。

一方、本作の初期交渉に入っていると言われるロン・ハワードは、『フロスト×ニクソン』で既にピーター・モーガン作品は経験済み。おなじ70年代の史実を描いたこの作品でかなりの相性の良さを見せつけた間柄だけに、二度目のコラボレーションの成就を期待せずにいられない。

なお、ハワードに関しては、ユニバーサルと共に進めるスティーヴン・キング原作「ダーク・タワー」シリーズ企画が現在のところ資金不足で「ちょっと待った」状態となっている。"Rush"が決まるかどうかもこの辺の兼ね合いが大きく関わってくるのではないだろうか。

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モンティ・パイソン論争がTV映画に

Montypythons_2  BBCによると、英国が誇るコメディ集団モンティ・パイソンにまつわる伝説的逸話がTV映画化されるそうだ。タイトルは"Holy Flying Circus"。彼らが1979年に発表した映画『ライフ・オブ・ブライアン』が英国全土、いや世界を巻き込んで大きな論争の渦を巻き起こしていく顛末が描かれるという。放送は秋ごろを予定している。

『ライフ・オブ・ブライアン』は西暦33年のエルサレムを舞台に、イエス・キリストとおんなじ日に生を授かり、民衆にすっかり救世主だと勘違いされてしまう男ブライアンの物語。本作の公開をめぐっては各地のキリスト教信者が「冒涜だ!」として大批判を繰り広げ、海外では上映禁止に処する国まで現われたとか。

またメンバーのジョン・クリースとマイケル・ペイリンは今ではBBCのディベート番組"Friday Night"や"Saturday Morning"に出演して、彼らに敵意あらわに噛みついてくる有名司教や牧師らと「この映画はキリスト教信仰に対する攻撃か否か」について大激論を交わした。(この映像は、僕の手元にある『ライフ・オブ・ブライアン』DVDの特典映像でも少しだけ紹介されている)

BBC製作陣は今回のTV映画について、「検閲というものの性質とモンティ・パイソンの描く世界、双方について巧みかつ機知に飛んだ視点で描いた作品」と語っており、パペットやアニメーションをも取り入れた作風になるようだ。"In the Loop"や"The Thick of It"で知られるトニー・ロッシェが脚本を手掛け、"Misfits"や"Diary of a Call Girl"のオーウェン・ハリスが監督を務める。

キャストはというと、メインとなるジョン・クリースをダーレン・ボイド、マイケル・ペイリンをチャールズ・エドワーズが演じ、エリック・アイドルをスティーヴ・パント、テリー・ジョーンズをルファス・ジョーンズ、テリー・ギリアムをフィル・ニコル、今は亡きグレアム・チャップマンをトム・フィッシャーが演じる。

つまりは、こういうことです。

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2011/06/21

『ハングオーバー2』訴訟に決着

Hangover 『ハングオーバー2』の米公開直前、それを差し止めようとする訴訟が持ち上がったことは既にこのブログでもお伝えしたとおりだが、長らく本作の関係者を悩ませ続けてきたこの問題についに終止符が打たれた。現時点ではワーナーの広報担当者、原告の代理人ともに「双方は友好的に和解した」と発表するにとどまり、和解の中身については一切明らかにされていない。

『ハングオーバー2』拙ブログのレビューはこちら

流れをもう一度整理しておこう。すべての発端は、本作で泥酔状態に陥ったエド・ヘルムスが翌朝目覚めると顔面に施されているタトゥーだった。誰がどう見てもマイク・タイソンのトレードマークたるタトゥーそのもので、それゆえ上映中も爆笑を誘うシーンなのだが、このデザインについて、かつてタイソンの顔にタトゥーを施した掘り師(タトゥー・アーティスト)S.ヴィクター・ウィットミルが「異議あり!」を唱えたのだ。デザインの考案者たる自分の許可なく使用された劇中のタトゥーは著作権侵害にあたる、と。

双方の主張は真っ向からぶつかり、ウィットミル側は映画の公開差し止めを求めるという強硬手段に出たものの、これには裁判所が公開2日前に「その必要はなし(そこまで事態を大げさにする必要なし)」との結論をくだし、スタジオ側もホッとひと安心。

しかしこの後も著作権侵害に関する審議が続くことには変わりはなく、もしもこのまま訴訟が長引けば、今度は『ハングオーバー2』のDVDリリースのタイミングに大きな影響を及ぼすことになる。ワーナー側はこれを深刻に受け止め、「DVDでは問題のタトゥーをCG処理して別のデザインにする」と驚愕の提案も口にしてはいたものの、結局は今日になって双方の「和解」という結論に至った。具体的な内容は分からないが、恐らくスタジオ側がそれなりの慰謝料を支払うという形で折り合いがついたのではないかと想像する。

というわけで、エド・ヘルムスの顔面タトゥーは今後もCGではなくそのままのデザインで世界中を席巻することになりそうだ。

『ハングオーバー2』は現在までのところ、アメリカだけで2億3300万ドルを売り上げ、この数値はまだ前作の2億7700万ドルには及ばないものの、米興収を含めた「世界興収」では前作(4億6700万ドル)を凌ぐ4億8900万ドルに到達。これはR指定作品として歴代最高となる数値だそうだ。

本作は日本をはじめ、これから封切られるマーケットを幾つも残している。今回の訴訟問題をむしろバネにしてまだまだ数字を伸ばしていきそうだ。

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クルーニー監督作、ヴェネツィア開幕作に

Clooney ジョージ・クルーニー最新監督作"The Ides of March"がヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に決定したと数々のメディアが報じ始めている。ハリウッド・リポーターDeadline Hollywoodはそれぞれ関係者の確証を得たとして、映画祭の公式発表に先んじてこのニュースを速報している。

ボー・ウィリモンによる戯曲"Farragut North"を基にした今回の作品は、オハイオ州における大統領指名選挙をめぐってあの手のこの手で策を仕掛け、相手を出し抜こうとする両陣営の影のプロフェッショナルたちを描いたポリティカル・サスペンスだ。

クルーニー自身も大統領候補を狙う州知事役で出演。彼を支える陣営として、ライアン・ゴスリングが若き広報担当者を、フィリップ・シーモア・ホフマンが選挙対策本部長を演じる。またその対抗馬の選挙対策マネージャーにポール・ジアマッティ。そのほか、エヴァン・レイチェル・ウッド、マリッサ・トメイなどを擁し、どんな銃撃戦よりも熾烈な演技合戦となることが予想される。

クルーニーと、『ヤギと男と男と壁と』の監督&脚本グラント・ヘスロヴが共同で脚色を手掛けている。

アメリカではソニー・ピクチャーズの配給で、10月7日より公開。時期的に見て、確実にアカデミー賞狙いの気配が濃厚だが、さて4作目となるクルーニーの監督ぶり、まずはヴェネツィアの観客たちを大いに湧かせることができるだろうか。

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ウォーレン・ビーティ、復活

Beaty どうやら耕作の季節がやってきたらしい。伝説の映画監督と呼ばれたテレンス・マリックが『ツリー・オブ・ライフ』以降も精力的に映画作りを行っているように、こちらの大物、ウォーレン・ビーティ(74歳)も久しぶりに映画製作へと復帰することが明らかとなった。パラマウントのもとで耕す新作コメディで、ビーティは製作、監督、オリジナル脚本、主演をこなすという。現在、すでにキャスティングも進行中。

ビーティは1998年の『ブルワース』以降、監督作がない。また彼がパラマウントに返り咲くのは78年の『天国から来たチャンピオン』(オスカー9部門候補)、81年の『レッズ』(オスカー12部門候補/監督賞、助演女優賞、撮影賞受賞)以来のこと。

同社のCEOブラッド・グレイは「映画史に残る偉大なアーティストのひとりが我が社のもとに帰ってきてくれるのはたいへん光栄なことだ」と表明し、これから具体的に進めていくことになる彼の脚本について「まさにビーティー節。優雅な筆致であり、たいへん面白い」と語っている。その内容はまだおおやけにされていない。

本作は今年の暮れに撮影開始の見通し。

はたしてウォーレン・ビーティの名が、この激変してしまった時代に訴求力を持つのかどうか。大御所の新たな一手に期待したい。

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アレン新作の全キャスト発表

Allen ウディ・アレンの次回作"The Bop Decameron"のフル・キャストが発表された。主演にはアレック・ボールドウィン、ロベルト・ベニーニ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デイビス、ジェシー・アイゼンバーグ、グレタ・ガーウィッグ、エレン・ペイジ、それにウディ・アレン本人も。

また共演には、アントニオ・アルバネーゼ、ファビオ・アルミリアータ、アレサンドラ・マストロナルディ、オルネラ・ムッティ、フラヴィオ・パレンティ、アリソン・ピル、リカルド・スカマルチオ、アレサンドロ・ティベリ。

ボッカチオによるユーモアとエロティシズム溢れる「デカメロン」の現代版(風)といわれる本作。この著作にインスパイアされた映画には1962年の『ボッカチオ’70』(フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカほか共同監督)などがある。レッティ・アロンソン&スティーヴン・タネンバウム率いるグラヴィア・プロダクションズ・フィルムが製作を担い、イタリアの映画製作・配給会社メドゥーサ・フィルムが資金調達を行う。

撮影は7月11日よりローマで行われる。ロンドン、パリと続いてきたアレンの首都巡礼シリーズに、また新たな一作が加わることになりそうだ。

ちなみに現在アメリカで公開中のアレン最新作"Midnight in Paris"は、これまでに2200万ドルを売り上げ、まだまだ記録更新中。ここ最近でのアレンの最高傑作に推す声も多い。

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あなたがいちばん好きなアレン作品はどれですか?僕は大学生の時に出逢った『ブロードウェイと銃弾』。とりわけアイディアの煮詰まった脚本家に、マフィアの男が素晴らしいアドバイスをどんどん与えてくれる展開が大好きです。

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2011/06/20

コービン監督、ル・カレの原作に挑む

Anton_2著名な写真家であり、ミュージック・ビデオの演出、はたまた『コントロール』や『ラスト・ターゲット』の監督としても名を知られるアントン・コービンが、新たにジョン・ル・カレ原作"A Most Wanted Man"の映画化に挑むことが分かった。

2008年に発表されたこの原作は、テロの渦巻く現代を舞台に、チェチェン出身のイスラム青年がハンブルグで身柄を拘束され、本国へと強制送還されようとする事件を描く。

これを受け、ひとりの女性弁護士が彼の人権を守ろうと動き出すのだが、その過程で青年の驚くべき過去が明らかとなっていく…。

かつてドイツに暮らすトルコ系の男性がドイツ政府の認識のもとアメリカ当局に身柄を拘束され、グアンタナモ収容所で4年間の生活を送ることを余儀なくされた事件に着想を得て執筆された作品という。

撮影は今年の冬、ハンブルグで開始予定。『復讐捜査線』のアンドリュー・ボーヴェルが脚本を務める。

原作者のジョン・ル・カレといえば、自らの英国諜報部(MI6)時代の経験を元に、絵空事ではないリアルな“スパイ小説”を世に送り出してきたこのジャンルの大御所だ。映画化された彼の作品は『テイラー・オブ・パナマ』、『ナイロビの蜂』、それから"Tinker,Tailor,Soldier,Spy"も今年の公開待機作だ。この作品ではゲイリー・オールドマンが老スパイ“スマイリー”を演じ、トム・ハーディ―、コリン・ファースらが共演。『ぼくのエリ 200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソンが監督を務める。

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北米興行成績Jun.17-19

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Jun.17-19 weekend 推計

01 Green Lantern $52.7M
02 Super 8 $21.25M
03 Mr.Popper's Penguins $18.2M
 
04 X-Men: First Class $11.5M
05 The Hung Over 2 $9.63M
06 Kung Fu Panda 2 $8.7M
07 Bridesmaids $7.49M
08 Pirates of the Caribbean 4 $6.2M
09 Midnight in Paris $5.24M
10 Judy Moody and the NOT Bummer Summer 
$2.2M

Green_lantern_2 ■DCコミックの伝統ヒーローが映画界に参戦。『バットマン』シリーズのワーナー・ブラザーズが放つ『グリーン・ランタン』が金~日の推計興収5270万ドルを売り上げ、首位を獲得した。日本人にはあまり馴染みのないこのヒーローだが、コミックに初登場したのは1940年。スーパーマンの1938年、バットマンの1939年に続く大御所ヒーローなんですね。多くの新参者ヒーローにとっては「ランタン先輩!」って感じでしょうか。ちなみにザ・フラッシュとは同級。

さて本作の興行はどうだったかというと、まずは初日の金曜日になかなかの順調な滑り出しを見せたものの、通常ならば興収が上がるはずの土曜日になるとガクンと数字が落ち、当初5800万~6000万ドルとの興収予測は結果的に下降修正を迫られることとなった。観客の内訳をみると、64パーセントが男性客、63パーセントが25歳以上。

またこのところ業界全体が注視している3D興行(とくにアメリカの)については、『グリーン・ランタン』全興収の45パーセントにとどまった。また通常ならば3D興行で圧倒的な強さを見せるロシアでは、首位を『スーパー8』に譲る結果となった。全体的な観客数が減り、そこで生じる減収分を3D追加料金でカバーしている映画業界だが、3D技術がすでに「ものめずらしさ」から「成熟期」に入っている現在において、大幅な戦略見直しが必要とされそうだ。またこの低迷に『トランスフォーマー3』がいかに太刀打ちできるかで今後の勝負が決定づけられるだろう。

■先週の覇者『スーパー8』は2位となった。ミドル・エイジが客層の中心ということもあり(構成年齢が高まるにつれ、初日集中ではなくなだらかな集客傾向となる)先週末比40パーセント減という素晴らしい下げ止まりを披露(通常ならば50パーセントほど落ちる)。2週目の国内興収を7280万ドルとし、これに国外分を含めると、世界興収は9480万ドルとなる。製作費は5000万ドル。

Popper ■ジム・キャリーが世界に愛される児童書に挑んだ"Mr. Popper's Penguins"はやや弱い滑り出し。とは言っても、キャリー復活作として話題になった『イエス・マン』とほぼ同等の興収。『イエス・マン』はこの後、息の長い興行展開を呈して最終的に1億ドル目前まで辿りついたので、フォックスとしては本作でも同じことが2度起こることを願わずにはいられない心境だろう。観客の内訳は、58パーセントが25歳以下。56パーセントが女性客。Cinema Score(観客調査)における満足度は"Aマイナス"と高い。製作費は5500万ドル。

■4位のX-Men ファースト・ジェネレーション』は累計興収を1億2000万ドル弱とした。国外興収を合わせると世界興収は2億8310万ドル。製作費は1億6000万ドル。

5位の『ハングオーバー2』は国内2億3270万ドル+国外2億5600万ドルとなり、これらを合算した世界興収は4億8870万ドル。これは前作の世界興収4億6750万ドルを凌駕する数字だ。ただし前作はアメリカだけで2億7700万ドルを売り上げており、こちらを追い抜けるかどうかは今後の頑張り次第といえそうだ。

その『ハングオーバー』の妹分とまで言われている"Bridesmaids"は3000万ドル級の製作費ながら、累計興収を1億3700万ドルほどにまで押し上げている。

■なお、今タームにおけるボックスオフィス全収益は、『トイ・ストーリー3』が公開された昨年同時期に比べると24パーセント減にあたる。今週末からは米で『カーズ2』が封切られるが、この落差を埋められるか?

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2011/06/19

マイケル・シェイボンに注目!

Chabon 「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険」でピュリッツァー賞を受賞し、映画『ワンダーボーイズ』の原作者としても名高いマイケル・シェイボンをご存じだろうか。

ひとつ前の拙ブログ記事では彼がダーレン・アロノフスキーらと共にTVドラマ"Hobgoblin"に携わっていることをお伝えしたばかりだが、機を同じくして今度は彼が前から噂されていたようにディズニー作品"Magic Kingdom"の脚本家として契約成立させたとのニュースが入ってきた。

本作は『アイアンマン』シリーズのジョン・ファヴロー監督が、『アイアンマン3』の監督仕事を蹴ってまで手掛けたかった超大作。アメリカ、アナハイムにあるディズニーのテーマパークを舞台にしたファンタジー・アドベンチャーとのことだが、詳しいことはまだ明らかにされていない。(この発想にはフォックス作『ナイト・ミュージアム』の成功などがあるのだろう)

もともとTVシリーズ「ギャラクティカ」のロン・ムーアがドラフト(大まかなストーリーライン)を作成していたものの、ジョン・ファヴローが関わるようになって以降、新たな製作体制が敷かれ、現在の方向性は当初のドラフトとは趣向を異にしたものになっているようだ。

シェイボンはディズニーのもとで「白雪姫」をモチーフとした"The Order of the Seven"に携わったほか、『ウォーリー』『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントン監督がポスト・プロダクション中の"John Carter"の脚本や、ブロードウェイ・ミュージカル「ダンボ」を執筆するなど、何かとディズニーとのコラボレーションが続いている。

すべての面において規模が巨大になってしまうスタジオ作品。3D技術も台頭してその目線はより表層的、ビジュアル的なものに傾いてしまいがちですが、そんな時こそシェイボンのような人材による俯瞰的なストーリー構築力が必要になってくるということでしょうか。

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2011/06/17

アロノフスキー、TVドラマを監督か

『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督といえば、X-MENシリーズの『ウルヴァリン2』を離脱後、新たにノアの方舟をテーマにした映画を手掛けることが報じられたばかり。そんなビッグバジェットの新機軸に取りかかる前に、もう一本、今度は彼がTVドラマシリーズに関与する意向であることが明らかとなった。この企画が順調に進めばロノフスキーは製作総指揮とパイロット版の監督を務めることになるという。

Darren
それはHBOが長らく温めている"Hobgoblin"というタイトルで、第二次大戦中を舞台に、詐欺師たちとマジシャンとが手を組み、それぞれの持てるスキルを駆使してヒトラー&ナチス打倒に尽力していく・・・というもの。果たして『ワルキューレ』のように硬派に攻めるのか、『イングロリアス・バスターズ』のようにコメディ風にいくのかはまだ分かっていない。

脚本を手掛けるのは、『ワンダーボーイズ』の原作者であり、「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』でピュリッツアー賞を受賞したマイケル・シェイボンと、彼の妻アイェレット・ウォールドマン。彼らはアロノフスキーと共に製作総指揮も務める。キャスティングなどはまだ始まっていない。

このところ大物監督たちのTVドラマ進出が相次いでいる。巨匠マーティン・スコセッシはHBO製作のドラマシリーズ"Boardwalk Empire"でパイロット版の監督を務め、『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグローもHBOが手掛ける"The Miraculous Year"のパイロット版を監督(しかし本作の放送前にHBOはシリーズ開発を断念した模様)。一方、『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャーはリメイク版『ミレニアム』3部作の後にケヴィン・スペイシー主演のTVシリーズ"House of Cards"の製作&パイロット版監督を務める予定だ。こちらの作品は米ネット配信サービスNetflixで放送される。

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ベン・アフレックに新たな監督作

Ben 一時は役者としての没落を経験しながら、今度は実力派の監督としてみるみる頭角を露わにしてきたベン・アフレック。この夏にも撮影入りする"Argo"を前にして、またもや彼の新たな監督待機作が浮上してきた。

それはアメリカ人作家ハーラン・ベーコンによる原作"Tell No One"(邦訳版は「唇を閉ざせ」)のハリウッド版で、ワーナーブラザーズとユニバーサルが共同で権利を取得し、製作、配給を担う。また今回はこれにフランスからの血が加わる。というのも、本作はアメリカで映画化される前の2006年、ギョーム・カネによってひと足早くフランスで"Ne le dis a personne"というタイトルで映画化されており、今回の映画化はあくまでこのリメイクというカタチを取るというのだ。

主人公はひとりの小児科医ベック。かつて連続殺人魔によって妻を惨殺された彼は、その傷跡の癒えぬまま数年間を過ごしてきた。が、ある日、届いたメールに記載されていたURLを開くとライブカメラ映像が現れ、そこには死んだはずの妻が映っていた。時を同じくしてまた別の殺人事件が発生する。警察がベックの関与を疑う中、彼は事件の背後でうごめく真実を暴こうと動き出すのだが・・・。

18670905_jpgr_760_xf_jpgq_x20060907
コーベンの同原作をめぐっては2002年にソニーピクチャーズがアレックス・カーツマン&ロベルト・オーチーという『スタートレック』のコンビニ脚色を依頼したものの、その複雑怪奇な世界を生かしきれず頓挫してしまったという経緯を持つ。

ハリウッド版のキャスティングの詳細などは未定だが、唯一ベンと"Argo"で組むクリス・テリオが脚色を手掛けることだけは決定済み。『ゴーン・ベイビー・ゴーン』『ザ・タウン』と続いてきた作風をどう更新していけるのか。ひとつの鍵となる作品となりそうだ。

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ジェイソン・ライトマン監督作にケイト・ウィンスレットら主演

Kate 『JUNO』や『マイレージ・マイライフ』(原題"Up in the Air")で知られるジェイソン・ライトマン監督が目を付けた新たな作品にケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリンの出演が予定されている事が分かった。

ライトマンが脚本&監督を務める本作のタイトルは"Labor Day"。ジョイス・メイナードによる同名小説が原作で、労働者の日(祝日)を前にした週末、13歳の男の子とそのシングルマザーがひとりの逃亡犯と出逢い、母はたちまち恋に落ち、少年は意図せずして彼から人生について深く学ぶことになる・・・というカミング・オブ・エイジ物語。

ジェイソン・ライトマン率いるライト・オブ・ウェイとインディアン・ペイントブラッシュが製作を担う。撮影は来年を予定。

ライトマンは現在、シャーリーズ・セロン、パトリック・ウィルソン主演の新作"Young Adult"の撮影を終え、ポストポロダクションに入っている。本作は離婚したばかりの女流小説家が故郷に出戻り、いまや妻も子供もいる元カレとの仲を復活させようとする物語。『JUNO』のディアブロ・コディが脚本を手掛けている。

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2011/06/16

ウルヴァリンの監督にジェームズ・マンゴールド?

20世紀フォックスとヒュー・ジャックマンによって進められてきた『ウルヴァリン2』の監督選びだが、『3時10分、決断のとき』『ナイト&デイ』のジェームズ・マンゴールドが就任する可能性が高まっているようだ。

もともと『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーが監督を務める予定だった本作だが、家庭の事情により降板。Deadlineによると、その後、長らく続いていた監督探しは今週になって候補3名にまで絞られ(マンゴールドのほかには"Warrior"のギャビン・オコナー、『クロッシング』のアントワン・フークアなどが挙がっていた)、最終的にマンゴールドの名前が残ったとのこと。

交渉は現在もなお進行中だが、同記事の伝えるところでは、マンゴールド自身もこの話を受ける姿勢で臨んでいるという。

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ラッセル・クロウがスーパーマンの父に?

『300』や『エンジェルズ・ウォーズ』のザック・スナイダー監督が『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン製作のもとで進める新生「スーパーマン」こと"Man of Steel"に新たな大物出演者の可能性が浮上している。なんとラッセル・クロウがクリプトン星の父親ジョー・エル役で出演交渉に入っているというのだ。

Supermsanラッセル・クロウの前にはショーン・ペンやクライヴ・オーウェンらも候補に挙がっていたというこの役。かつて70年代の『スーパーマン』ではマーロン・ブランドがこの役を演じ、たった15分ほどの出演時間にも関わらず370万ドルものギャラが支払われたという伝説も残っている。

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レ・ミゼラブル主演にヒュー・ジャックマン?

Lesmiserables ハリウッド・リポーターによると、『英国王のスピーチ』のトム・フーパー監督が次回作として準備中のミュージカル映画「レ・ミゼラブル」の主演候補としてヒュー・ジャックマンが話し合いの席についているようだ。これが叶えばジャックマンはお馴染みジャン・バルジャン役を歌い上げることになる。

彼の歌とダンスの実力はブロードウェイ・ミュージカル"The Boy from Oz"でミュージカル主演男優賞&アカデミー賞の司会ぶりで世界中の知るところとなったものの、映画の中でそれらを披露する機会はまだ少なく、このキャスティングが実現すればファンにとってもジャックマンにとっても最高の場が用意されることになる。

トム・フーパー版「レ・ミゼラブル」はユニバーサルとワーキング・タイトル社が製作。『エリザベス/ゴールデン・エイジ』のウィリアム・ニコルソンが脚色を務める。

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『エクスペンダブルズ』の監督決定

Expendables Deadlineによると、『エクスペンダブルズ2』の監督に『コン・エアー』や『トゥーム・レイダー』で知られるサイモン・ウェストが決まったようだ。

撮影はこの夏に開始され、シルヴェスタ・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ジェット・リー、テリー・クルー、ミッキー・ロークなど前作の肉体派スターたちの再集結が予定されている。

エクスペンダブルズ』は米国内興収1億300万ドルを含め世界で2億7500万ドルを売り上げるヒットを記録。監督を務めたスタローンは、ずいぶん前より「次回作では監督は務めない」と公言しており、候補監督らとの長きにわたるミーティングが続いていた。

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2011/06/15

ミュージカル版「スパイダーマン」公演初日にジュリー・テイモア来場

Julie ブロードウェイ史上最高額の製作費7000万ドルを投入しながら幾多ものトラブルに見舞われてきたミュージカル版「スパイ―ダマン」がついに初日を迎えた(これまでのゴタゴタはすべて183回に及ぶ史上空前の回数のプレビュー公演での出来事だったのだ)。

この日の劇場には3月に本作の演出家の座から降板させられたジュリー・テイモア(彼女は映画『タイタス』『アクロス・ザ・ユニバース』『テンペスト』などの監督でもある)も顔を見せ、カーテンコールではキャストやスタッフらと共に並んで観客の喝采を浴びた。

さかのぼること数カ月前、プレビュー公演で酷評が乱立し、出演者の負傷や安全性確保の問題などで大わらわになっていた本作だが、製作者の出した結論は「事態を打開するにはジュリー・テイモアが現場を去り、外部のスタッフの力を注入することが不可欠」。今年の3月にはすったもんだの降板劇が繰り広げられ、それ以降、新演出家、新脚本家、新振付家による昼夜問わずの突貫工事が続けられてきた。

この件によって製作者とテイモアの間には深い溝ができたとも言われ、彼女自身、9年間も携わってきた本作を離れることに大きな精神的ショックを抱え込んだとも報じられていた。

そんな苦難を乗り越えてようやく辿りついた初日である。テイモアが会場に姿を現すなんて誰が想像しただろうか。マスコミが浮足立ったのは前日になってから。テイモアの広報担当者により「彼女も初日を楽しみにしています」とのコメントが出され、「テイモアも来るのか!?」とのニュースが飛び交った。

Spidy

そして当日。

レッドカーペットには、少し日焼けしたような、それでいて、いたって健康そうなテイモアが周囲ににこやかな表情を振りまきながら現れた。すかさず報道陣が彼女を取り囲む。ひとりのリポーターが質問を投げかける。

"Do you miss being  a part of this (Spider Man)?"

すると、テイモアはこう答えたそうだ。

"I AM part of this !"

このとき"AM"を強調していたという。つまり「私は離脱した今もなお、このミュージカルの一部で在り続けています」ということだ。

この人はなんと魂の強靭な人なのだろう。降板の折には大きな精神的屈辱も受けただろう。一部のスタッフに恨みも抱いたかもしれない。自分の芸術的才能に疑問さえ呈したかも。しかし彼女はすべてを乗り越えて、今日この場に立っていた。あるいはすべてのわだかまりを霧消させて幕を開けることこそSHOW MUST GO ON精神の真骨頂なのだろうか。

またこれには、キャストやスタッフらが事前に幾度となくテイモアに「一緒に初日を迎えましょう!」と誘い続けた背景もあるようだ。とくにテイモアとの友情厚いU2のボノらは、製作者と彼女の板挟みになりながらも誠心誠意動いてくれたであろうことは想像に難くない。

この日の公演には有名人も数多く訪れた。確認されただけでもビル・クリントンや娘のチェルシー、アンドリュー・ロイド・ウェバー、スパイク・リー、スティーヴ・マーティン、リーアム・ニーソンなどなど。

彼らを前にしたカーテンコール、テイモアは壇上でボノとジ・エッジを抱き締め、それからマイクを通して、「キャストとクルー、ミュージシャン、そして長きにわたって共に奮闘してきた素晴らしいクリエイティヴ・チームに心から感謝します!」と語ったという。

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【レビュー】127時間

『スラムドッグ・ミリオネア』からもっと遠く、ぶっ飛んだ景色を見るために、ダニー・ボイル監督はとんでもない素材に手を出した。それはひとりの若者アーロン・ラルストンの超絶的なメモワール。トレッキング中に落石によって手を挟まれ、身動きとれなくなった彼は、生還までの127時間、何を想い、どんな情景を心にめぐらせ、如何なる決意を持って最後の脱出を試みたのか―。

127hours

脚本サイモン・ビューフォイ、音楽A.R.ラーマンともに『スラムドッグ』のチームである。が、主な出演者はジェームズ・フランコひとり。ビューフォイにとってはひとり芝居か、あるいは密室劇の脚本を執筆するみたいな感覚さえあったかもしれない。しかしそれを束ねるダニー・ボイルに至っては、この極限の閉所感覚に驚くべきイマジネーションで立ち向ってみせるのだ。フィジカルを越えろ、イマジネーションを使え、人はその想像領域においてどれほどまでも羽ばたける、と言わんばかりに。

そもそも僕はオープニング・シークエンスからして腰が砕けそうになった。A.R.ラーマンによる壮大な楽曲(スラムドッグよりも数倍パワーアップしているように感じる)に乗せて映し出されるのは想像だにしない地球の鼓動だった。朝が来る。陽が昇り、人々が営みをはじめる。通勤ラッシュ。そしてスタジアムでは人々が諸手を挙げて全身全霊で歓喜を体現する。大歓声。『スラムドッグ』のエンディングでは出演者たちがインド映画おなじみの群舞を披露したが、本作では主人公に代わってカメラが、映像が、アクロバティックなダンスを披露し、意識を更なる高みへと飛翔させる。たかがメモワールかもしれない。だが本作には男の辿る悪夢と陶酔の8日間の心的葛藤を、地球レベルの歓喜の歌とシンクロしたかのような圧倒的高揚が刻まれている。

時に運命は絶望の中でユーモラスに微笑み、また朦朧とした中で残酷な決断を主人公に突きつける。スクリーンに映し出される肉体的な苦闘と、その創造性あふれる精神世界との振り子運動を、観客もラルストンと共に共有することになるだろう。それゆえ、かなりの精神的緊張を強いる場面もある。そしてふと気付くと、我々もいつしか傍観者ではなく彼と同じく体験者としてこの映画に顔をゆがめながら、懸命に参加してしまっている。

127hours02

手を頑なに食らい込んだ岩肌はひとつのきっかけに過ぎない。誰もが心に抱える精神的メタファーと捉えることだってできる。そこで自由を奪われながらもやがて想いの大部分を占めるようになるのは、これまでの人生と、仕事、恋人、友人、家族、そしてここを切り抜けさえすれば在り得るかもしれない未来のビジョンだ。ごく親しい佳き人たちがいま、記憶の側から自分の姿を見つめている。過去から現在へと連なってきた生命の連鎖がここにある。自分にはこの窮地を乗り越え、築かねばならない未来がたくさん残っている。そう確信したとき、彼の取るべき行動は一つしかない。

そして、そこから一気に解き放たれた瞬間のカタルシスと言ったら、今すぐ身体に羽根が生えて飛んでいってしまうかってくらいの高揚とエクスタシーと、そして忘れてはならない、沸々と湧きおこる“感謝の気持ち”を伴っていた。誰に向けて、とは言わない。自分を支えてくれるあらゆる人間、いや自然、地球、宇宙をも含めた、すべての万物に対しての感謝の気持ちであふれかえっていく。え?ネタばれしすぎだって?いやいや、こんなのほんの序の口ですよ。この映画は体験してみないと“あらすじ”などでは一切わからない。しかも劇場で、主人公と痛みを共有しながら見ないと、何の意味もない。

言葉が足りずに不甲斐ないが、『127時間』は僕にとってそんな映画だったのだ。

たぶん、あなたにとっても。

なお、アメリカの映画祭で初お披露目された折には「観客に緊張を強いるワンシーン」において体調を崩した観客がいたという。そして先日ツイッター上で伺った意見によると、日本の試写会でも気分が悪くなった方がいらっしゃったようだ。アメリカでのレーティングはRなのにもかかわらず、日本の映倫審査では「G」(誰でも観賞可能)となっている。これでは観客の心構えに隙を作ることになるので、あえて「心臓の悪い方や精神的な刺激に過敏な方はご用心を」と書き添えておきたい。

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2011/06/14

【レビュー】テンペスト

「テンペスト」がこの世に生を受けるのは、映画の発明から遡ること300年前。その後、幾度となく舞台として上演され、映画の原作としても名を残してきたこのシェイクスピアの系譜に、新たな作品が加わった。それも「ライオン・キング」をはじめとする舞台作品で名高いジュリー・テイモアが監督を務めているのだから、観客としては古典の域にとどまらぬスタイリッシュな創造性を期待せずにはいられない。それこそ彼女の初監督作でシェイクスピア物『タイタス』が見事な映像的興奮を獲得していたように。

Tempest_2
物語は“テンペスト(嵐)”と共に始まる。手のひらに形作られた砂の城が雨に打たれ象徴的に崩壊する。雨粒はなおも激しく地を這い、それに抗おうと身をくねらせる洋上の船はやがて大きな破裂音と共に木端微塵となる。しかし命を落とした者はいなかった。高貴な身なりの男たちはバラバラに区分され、近くの島へと流れ着く。目を覚ましたその地で彼らは命拾いしたことに歓喜するかもしれない。だがここはかつて彼らに追放されし女王の住む島。彼女は魔法を使う。科学も使う。もちろん一連の嵐だって彼女が意図的に起こしたものだ。さあ、役者はすべて揃った。「LOST」のごとく不思議な現象の多発するこの島で、女王プロスペローが秘かにたくらむものとは―。

セリフはほぼ原文のままだという。だが決定的な違いとして、科学と魔法を操る主人公プロスペローは本作ではジュリー・テイモア監督と同じ“女性”となり(注意・性転換したという意味では無い!)、アカデミー賞女優ヘレン・ミレンがこの役を凄まじい執念で生ききってみせる。さすが英国俳優、シェイクスピアは基礎の基礎だ。身体にセリフが沁み込んでいる。吐き出すその一言に炎の揺らめきが見える。

また、原作では「怪獣」と称される奇妙な生き物を、ここでは黒人俳優のジャイモン・フンスウが演じる。おそらくアフリカ系の観客が本作を目の当たりにしたなら、やや表情を歪めてしまうだろう。テイモアはシェイクスピア以前も以降も人類が変わらず歩んできた植民地支配の略奪と憎悪の記憶を、ここにそのまま刻み込もうとしているからだ。やがてこの映画の出演者たちは大団円を迎えるかもしれない。だが、この怪物だけは蚊帳の外だ。最後まで掠奪者との間に和解が成し遂げられることはない。

が、ヘレン・ミレンが彼を見つめる視線に、僅かに感情の揺らめきが見えたのも事実だ。それは果たして贖罪だったのか、我が子を想うかのような親しみだったのか、あるいは人間になりきれない存在に対する憐れみか、永遠に相いれない絶望的な隔たりだったのか。個人的にはここらの曖昧な描写が意味深に思えたり、あるいは言葉足らずに感じられたり(しかしこれ以上描いてしまうと、本筋が原文から逸脱してしまう。ここがジュリー・テイモアが盛り込み得るギリギリの限界だったのだろう)。

かくもジュリー・テイモア版『テンペスト』は、シェイクスピア時代の通低観念に基づいて書かれたこの原作の細部を実験的に入れ替えることにより、そこを貫く言葉の槍でもって現代さえも見事に突き通してみせる。我々は過去のコスチューム・プレイを眺めながら、そこに自分たちにとってごく身近な観念さえもが乱反射して映り込む様を発見するだろう。そして嵐のあと、プロスペローが魔法と科学を駆使した怒りの矛を収め、皆が朗らかな笑顔に包まれる瞬間に、震災を経た日本の姿、近い未来そうなってほしいと願わずにはいられない姿さえもが映り込んでいる気がして、思わず胸が悲鳴をあげそうになった。

そこで「新世界へ!」という言葉が耳にこだまする。

シェイクスピアの作品ではお馴染みのこの言葉に、これほど希望を込めて心が呼応したのは今回が初めてだったかもしれない。

僕の耳にはこれが「新しい時代へ!」という意味に聴こえたのだ。

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トム・クルーズがハードボイルド作の交渉入り

トム・クルーズの主演作がまたも浮上してきた。今度はリー・チャイルド原作の"One Shot"(翻訳版なし)というハードボイルド小説の映画化で、パラマウント製作のもと、『ユージュアル・サスペクツ』や『ワルキューレ』などの脚本家としても名高いクリストファー・マッカリーの監督作として進められているという。

本作は歯ブラシと着かえとパスポートと軍人年金コードをバッグに詰めこみ、アメリカ国内を放浪する元軍人ジャック・リーチャーが、その強靭な肉体と明晰な頭脳を駆使して難事件を解決に導くハードボイルド・シリーズだ。小説中のリーチャーの体格はもちろん背丈も体重も人並み以上。一方、トム・クルーズは背の低いことでも知られ、不原作ファンからはイメージの乖離を危ぶむ声も聞こえてきそうだが・・・。

しかし原作者リー・チャイルドはこのキャスティングを歓迎しているようで、「原作でのリーチャーの体型は“突進したら止められない強靭な力”を表すメタファーのようなもの。映画ではクルーズなりのやり方で演じてくれればいい」と語っているとか。

『ユージュアル・サスペクツ』のブライアン・シンガー監督とのコラボレーションでも知られるマッカリーは、ヒトラー暗殺のために極秘ミッションを指導する男たちの戦いを描いた『ワルキューレ』(これも監督はブライアン・シンガー)で主演トム・クルーズと組み、その後のトム主演作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』でもメインではないものの脚本仕事の一部を担っているという情報がある(この件に関しては引き続き調査が必要)。またジョニー・デップがキャスティングされる前の『ツーリスト』はもともとトム・クルーズ主演で進められており、マッカリーはその初期段階における脚本執筆にも関わっていた。

トム・クルーズは『トロン』のジョセフ・コジンスキ監督の次回作"Oblivion"の撮影を1月に控えており、"One Shot"の撮影がこの前になるのか後になるのかは今後の調整次第のようだ。

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2011/06/13

北米興行成績Jun.10-12

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Jun.10-12 weekend 推計

01 Super 8 $37.0M
02 X-Men:First Class $25.0M
03 The Hungover 2  $18.5M
 
04 Kung Fu Panda 2 $16.6M
05 Pirates of the Caribbean 4 $10.8M
06 Bridesmaids $10.15M
07 Judy Moody and the Not Bummer Summer $6.26M
08 Midnight in Paris $6.14M
09 Thor $2.37M
10 Fast Five 
$1.7M

S8_3 ■スティーヴン・スピルバーグ製作&J.J.エイブラムス監督作『SUPER 8』が首位を獲得。当初の「2500万~3000万ドル」との興収予測を遥かに上回り、3700万ドルを売り上げた。これは『第9地区』とほぼ同じレベルで、スピルバーグ作品としては『マイノリティ・リポート』の興収にも近似している。

従来のビッグタイトルとしては物足りない数字だが、一方で「スターが登場しない」「徹底した秘密主義」「製作費は5000万ドル(ビッグタイトルとしては破格の安さ)」といった足枷を自ら課してマーケティング展開してきた本作ゆえ、観客らによる口コミ展開が期待される。実際、土日興行で予測を上回る伸びを記録したのもこの口コミの効果と見る向きも。

また興味深いのは本作に集った客層だ。ストーリーにも増して「スピルバーグ作品へのオマージュ」とのイメージを最前に打ち出し、『未知との遭遇』『E.T.』『ジュラシック・パーク』などの具体的なスピルバーグ作を遺伝子情報的に掲げてきたマーケティング戦略の賜物か、まさにスピルバーグ作品で育った世代、「25歳以上」が観客の7割以上を占める結果となった。また性別では男性客が56パーセントとやや上回っている。

加えて参考のために以下の数字も併記しておきたい。

●J.J.エイブラムス監督作
m:i-3 オープニング4774万ドル/総計1億3400万ドル
スター・トレック 7520万ドル/2億5773万ドル

●スピルバーグSF作
宇宙戦争 6488万ドル/2億3428万ドル
マイノリティ・リポート 3568万ドル/1億3200万ドル
A.I. 2935万ドル/7861万ドル
ロスト・ワールド 7213万ドル/2億2900万ドル
ジュラシック・パーク 4700万ドル/3億5700万ドル
E.T. 1183万ドル/1億7987万ドル
未知との遭遇 538万ドル/1億3200万ドル

■先週の覇者『X-Men ファースト・ジェネレーション』が2位へ。事前の興行予測では「『X-Men』によるV2の可能性もある」とされてきたのだが、結果的に1000万ドル以上の差が生じた。今タームでの売り上げは2500万ドル。オープニング週末よりも55%ほど下落しているものの、これは同じX-Menシリーズの中でいうと『X-Men2』に続く下支えの強さだという。本作の累計興収は9900万ドル。これに国外興収1億2420万ドルを加えると、世界興収は2億2250万ドルとなる。製作費は1億6000万ドル。

■3位の『ハングオーバー2』は3週目にして興収2億ドル越えを突破。最終興収2億7730万ドルの前作でさえ、2億ドル突破は5週目だった。このまま前作以上の伸びを記録するのか、やがて息切れしてしまうのか。いずれにしても製作費8000万ドルは楽々カバー。

■『カンフー・パンダ2』は4位。興収は1億2690万ドル。もっと近いと思われていた製作費1億5000万ドルまでの道のりが米国内だけではやや遠く感じられる。が、国外では中国をはじめヒットが続き、世界興収は3億3000万ドルを越えている。

■『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』も米興収2億ドルを突破。世界興収は8億8680万ドルと、依然として順調な航海を展開している。

■思わぬ伏兵ぶりでTOP圏内に居座り続ける"Bridesmaids"は累計興収を1億2400万ドルとした。製作費3250万ドルからすれば4倍近い利益を出していることになる。

■さて、6館→58館→147館と拡大上映を遂げてきたウディ・アレン監督作"Midnight in Paris"の勢いはなおも止まらず、金曜日からいよいよ994館での公開となった。これだけ拡大しても金~日における1館あたりのアベレージ興収は『X-Men:ファースト・ジェネレーション』とほぼ同等。各紙を概観すると配給担当のソニー・クラシックスはこの勝因を「パリという街が持つ、かつて訪れた人にも、訪れたことのない人をも惹きつける魅力」、そして「今回のアレン作品では、変人ではなく、ごく普通の人間が主人公」という点を挙げている。もちろんこれに加え、ウディ・アレンの脚本の筆致が相変わらず冴え渡っていることも理由として当然あるのだろう。

■カンヌ映画祭パルムドール受賞作ツリー・オブ・ライフ』も上映館数を4→20→47館と上げ、今週は11位にランキング。1館あたりのアベレージは1万8千ドルと、現在公開中の作品の中で最高値を叩き出している。

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2011/06/09

アロノフスキー、ノア方舟を監督か?

Darren1200万ドルで製作された『ブラック・スワン』が世界で3億1500万ドルもの興収を稼ぎ出し、いまやハリウッドで最も新作の待たれる映画監督のひとりとなったダーレン・アロノフスキー。

ヒュー・ジャックマン主演のX-Menシリーズ「ウルヴァリン2」を土壇場で降板してから、その後の動向に注目が集まっていたが、どうやらノアの方舟にまつわる一大巨編の映画化に向けて着手しはじめたようだ。

現在、アロノフスキーが執筆した脚本を『アビエイター』『グラディエイター』のジョン・ローガンがリライトしている。またすでに決定済みのニュー・レジェンシーとの共同製作枠をめぐってパラマウント、フォックス、サミット・エンタテインメントがしのぎを削っている状態だという(『ブラック・スワン』でも組んだフォックスが有利か?)。製作費は『ブラック・スワン』とは打って変わって1億3000万ドルほど。壮大なファンタジー的世界観の作品になる見込み。ファンタジーといえば、彼の『ファウンテン』もその種類の作品だったが、このときのダーレンはブレイク前ということもあり、ビジネス的にも作品評価的にもそれほどの成功を上げられなかった。

アロノフスキーはつい最近にも20世紀フォックスのもとでモーゼの出エジプトにまつわる"Exodus"への興味を示すなど、なにかと聖書関連の話題が続いている。

またこのニュースを報じるメディアが必ずと言っていいほど引き合いに出すのが『エヴァン・オールマイティ』(2007)のことだ。スティーヴ・カレル主演の本作はノアの方舟の現代版コメディ。破格の製作費1億7500万ドルをかけた野心作だったが、世界興収でそれを回収することもできず(そのうち米興収は1億ドル)、レビューにも酷評が目立った。

キリスト教圏では誰もが知る物語なだけに期待と共にリスクも高まる。『ブラック・スワン』以降初の一歩となる本作で再び観客を魅了することができるだろうか。

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レオがタラ新作の悪玉に?

Dic 以前からウワサはあったが、昨日になってあらためて各媒体で報じられたこのニュース(つまりある程度のウラが取れたということなのだろう)。なんとレオナルド・ディカプリオがタランティーノ新作"Django Unchained"に出演する可能性が浮上しているという。しかも主演ではなく、悪玉役として。

本作はアメリカ南部を舞台に、奴隷から自由の身になった主人公がドイツ人のバウンティハンターと手を組み、極悪非道な農場主に囚われし妻を救い出そうとする物語。セルジオ・レオーネのマカロニ・ウェスタン風のスタイルになるという。

この中でレオが打診されている役はカルヴィン・キャンディーという人物で、大量の奴隷を擁して“キャンディーランド”と呼ばれる大農園&一大遊技場を展開。そこでは女奴隷は性的な仕事に就かされ、男奴隷は死のバトルに身をやつす。

レオと製作陣は現在、かなりの初期段階の話し合いに入っている。レオもタランティーノとの初コラボレーション、そして『イングロリアス・バスターズ』のハンス・ランダ大佐にも匹敵するほどの強烈な役柄への挑戦に対して強い興味を示しているとか。

そもそも『イングロリアス・バスターズ』のこの悪役も、かなり初期の段階でディカプリオが演じる可能性があったという。しかしこのコラボが実現することはなく、結局クリストフ・ヴァルツのもとへ。ヴァルツはカンヌ映画祭で男優賞を、アカデミー賞では助演男優賞を獲得するに至った。ヴァルツは"Django"でも主人公を助けるドイツ人バウンティ・ハンター役で登場するものと見られている。

また、主役の“ジャンゴ”にはウィル・スミスが第一候補に挙がってはいるものの、この話し合いが長引いている、あるいはうまくいっていない、との情報もある(スミスは演じる役柄に関してかなり明確なラインを引く人で、たとえば黒人をニガーと呼んだり、奴隷時代をエンタテインメントとして描くことにはかなりの抵抗を示していることが予測される)。新たな主演候補にはジェイミー・フォックス、イドリス・エルバ、クリス・タッカーらの名前が浮上している。

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2011/06/08

エミネム主演のボクシング映画?

白人ラッパー、エミネムの『8マイル』以来となる主演作がひそかに準備中だ

タイトルは"Southpaw"。今回のエミネム『8マイル』で刻んだライムをコブシに置き換え、左利きのウェルター級チャンピオンを演じるという。彼の身にはやがて悲劇的な運命が降りかかり失意のどん底にたたき落とされるも、元チャンピオンはそこから必死でもがいて再び頂点を手にしようとする・・・。

またLAタイムズによると、この監督候補として『トレーニング・デイ』『クロッシング』のアントワン・フークアに話がいっているとか。ダークなサスペンス系のみならず『キング・アーサー』や最新作では楊貴妃にまつわる伝記映画さえも手掛けているという実に多彩なフークア。その才能がついにエミネムにも及ぶのか、注目が集まっている。

製作陣は今年の終わりにでも撮影を始めたい構え。

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ソルト続編始動?

Deadlineによると、ソニー・ピクチャーズはアンジェリーナ・ジョリー主演『ソルト』の続編企画を秘かに始動させているらしい。脚本家カート・ウィマーが前作に引き続き正式参加を決めており、はやくも執筆を開始しているという。おそらくこのクオリティ次第でアンジェリーナ・ジョリーがのるかそるかを決めることになるだろう。

ソニー・ピクチャーズ版“ジェイソン・ボーン”と言うべきストイックなアクションで魅せた前作は世界で興収3億ドルを記録。この出来にアンジーもかなり満足しており、彼女自身、これの続編製作を強く望んでいるという。ゆえにすべての条件がそろえば思いのほかスピーティーに製作展開していくこともありうる。

なお、アンジーをめぐっては、かつてユニバーサルで『ウォンテッド』の続編企画も浮上していたが、なかなか折り合いつかず、いつのまにか企画自体が立ち消えになってしまった。

一方、アンジーと『ツーリスト』で組んだ製作会社GKフィルムズは最近になって彼女の当たり役『トゥーム・レイダー』のフランチャイズ権を取得。シリーズ第3弾にして主人公“ララ・クロフト”再起動作の主演候補にはやはりアンジーの名前が挙がるのでは?との声も相変わらず根強い。

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2011/06/07

海外誌でも『大日本人』リメイク報

Nealmoritz 日本中を驚かせた『大日本人』ハリウッド・リメイクの報から一日が経ち、ようやく「リメイクする立場」のハリウッド業界紙でもこのニュースが掲載されはじめている。

リメイク&続編製作権はソニー傘下のコロンビア・ピクチャーズによって取得され、『ワイルド・スピード メガマックス』『グリーン・ホーネット』『ロサンゼルス決戦』やTVシリーズ「プリズン・ブレイク」をはじめその多作ぶりで知られるプロデューサー、ニール・H・モーリッツがこの企画の開発を司る。モーリッツは現在製作中の『トータル・リコール』リメイクにも参加している。

本企画はまだ具体的な監督などは決まっていないものの、脚本家だけは決定済み。『イーオン・フラックス』や『タイタンの戦い』でコンビを組んだフィル・ヘイ&マット・マンフレンディが執筆を手掛けるとのこと。

松本人志監督作『大日本人』(拙レビューはこちら)は2007年に日本で公開され、その2年後、アメリカでは『天使と悪魔』が公開された週に"Big Man Japan"という英題で封切られ、13週にわたって、最大5館でロングラン。ボックスオフィス・ランキングでは最高74位を記録。最終的な米興収は4万ドルほど。かなりの限定公開ゆえこれが興行的な成功か否かを判別することは難しいが、先述の業界紙では「カルト的ヒット」と表現している。

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2011/06/06

【レビュー】ハングオーバー2

こちとら先週、高校時代の親友をひとり送り出したばかりだ。あいつら3人組とまったく同じ心境、心情。それゆえたしかに多少のひいき目はあったかもしれない。しかし、それにしても欧米のレビューはこの映画について辛口だ。一方、これに反して劇場に詰めかけた観客の満足度ときたら、これがなかなか好調のよう。正直、ざまあみろと思う。世に批評家と呼ばれる人間は数多くいれど、コメディを評論する人間の「自分は笑いとは何たるかを知っております。ええ、私の笑点こそ、世界の笑いにおける唯一の標準値に相違ございません」という語り口にはウンザリなのだ。もう世界にいる何十億の人々それぞれが、それぞれの感性に任せて、好きな時に笑えば、それでいいじゃん!

と、このように多少取り乱した気持ちにもさせるのも、披露宴後の酒がなかなか抜けないせいだ。その勢いでこれを書いている。こんな気持ちに浸れるのは今しかない。逃すな。このシンクロニシティこそ『ハングオーバー2』の魅力なのだった。

Hangover
本作には独身仲間をひとり送り出す祝福と寂寥が渦巻く。このビミョーな気持ちは口にすると変な誤解を招くし、かといってなかなか埋められるものではない。だから俺たちゃ酒に走る。それで軽々と境界線を越えてしまう。そして気がつくと、ブラッドリー・クーパーが前回とほぼ同じ携帯電話でのセリフ、いや、そのグレードアップ版を口にしている。

「もう・・・最悪だよ…この前以上だ」

失われた記憶の奪還。それはかつてはサスペンスやミステリーで用いられてきた手法だった。ある者は全く同じプロットでサスペンスに振りきれて『アンノウン』を作り、トッド・フィリップス監督とその仲間たちはコメディの大草原で『ハングオーバー』の大合唱を奏でてみせるのだ。

そうして培われた糞爆弾のごときストーリーが今回はバンコクにて炸裂。闇の濃い、タブー知らずのこのテリトリーで、まさに『男はつらいよ』的なまでに要所要所をパターン化することで展開と終着地をあえてわかりやすくした、酔いどれどもの宴が爆走をはじめる。

前作の赤ん坊やショウガールはそっくりそのまま別要素へと置き換えられ、謎の中国人ミスター・チャウはもちろん、今回は『サイドウェイ』のポール・ジアマッティまで顔を出す。焦燥感は2倍、モザイク度は4倍、キャラの相性&コンビネーションは5倍。とりわけザック・ガリファナキスのコメディ・リリーフぶりときたら、行動は奇天烈なのに目だけは常に据わっていて、ポコンと飛び出したお腹も、まさにそこにあるべくして存在するカオスのようで安定感たっぷり。その安定が無性に心地悪い。

メガネ男も今回は自分の祝宴ということでメインを張る。ブラッドリー・クーパーは相変わらず無意味にイケメンだ。それ以上でもそれ以下でもない。かつて『ゴースト・バスターズ』で築かれたデブ、メガネ、崩れイケメン(ビル・マーレイは決してイケメンではなかったが)のトライアングルが、ここでもいくらか踏襲されているかのよう。そんな彼らが以前から知る友人たちみたく妙に馴れ馴れしく、あちら側から心の内側へと滑り込んでくる。

そうやって考えていると、この続編に組み込まれた“パターン”こそ儀式の象徴のように思えてきた。彼らは独身最後の数時間をあえていったん忘却し、それを後から必死に取り戻そうとすることによって、逆に生涯忘れることのない記念碑的瞬間を掘り起こす。彼らにとって、まさに結婚式の表裏一体ともいうべき無軌道きわまりない儀式。すなわち忘却&奪還。バカ騒ぎのうちにこうした人生の通過点がさりげなく描かれるのも、本作の魅力なのだろう。

きっと近いうちに3度目も必ずやってくる。そして苦難を乗り越えるごとに彼らの友情は強度を増す。その純度がホンモノでありさえすれば、このパターン化は『寅さん』的に息長くつづく映画シリーズとして、あるいはテレビドラマ化としても進化、存続することが可能なのだろう。

『ハングオーバー2』絡みの以下の記事も併せてご覧ください

有名俳優のカメオ出演が全カット?
公開直前に巻き起こったタトゥー訴訟

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北米興行成績Jun.03-05

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Jun.03-05 weekend 推計

01 X-Men:First Class  $56.0M
02 The Hangover 2 $32.4M
03 Kung Fu Panda 2  $24.3M

04 Pirates of the Caribbean 4 $18.0M
05 Brodesmaids $12.1M
06 Thor $4.2M
07 Fast Five $3.2M
08 Midnight in Paris $2.9M
09 Jumping the Broom $0.86M
10 Something Borrowed 
$0.83M

■先週の『ハングオーバー2』に続き、今週も注目のビッグタイトルが登場。『X-Men ファースト・ジェネレーション』が首位を獲得。実に2位から7位までズラリと興収1億ドル越え作品が並んだ今回のボックスオフィス成績は、昨年の同時期に比べて30%の興収アップを記録している。

Moviexmenfirstclass

■それでは『ファースト・ジェネレーション』の成績から詳しく観ていこう。本作の舞台は60年代。X-Menシリーズの重鎮とも言うべきプロフェッサーXとマグニートらが出逢い、共にキューバ危機をはじめ冷戦の影にうごめく悪へと立ち向かおうとする物語だ。『つぐない』『ウォンテッド』のジェームズ・マカヴォイが後にツルっパゲるプロXを、日本未公開"Hunger"が国際的に絶賛され『イングロリアス・バスターズ』にも出演したミヒャエル・ファスベンダーがマグニートを演じる。監督は『キック・アス!』のマシュー・ヴォーン。

■観客層は男性客が58%、25歳以下が46%となっている。『マイティ・ソー』の観客における25歳以下層が28パーセントにすぎなかったことを考えると、スタジオ側が目論む“若返り策”は少しは効果を発揮していると言えるのかもしれない。製作費は1億6000万ドル。

■このオープニング週末(金~日)興収5600万ドルは、果たしてヒットなのか不発なのか。過去のX-Menシリーズの興行結果は以下の通り。

X-Men オープニング5450万ドル/累計1億5730万ドル
X-Men2 8560万ドル/2億1495万ドル
X-Men3 1億280万ドル/2億3436万ドル
ウルヴァリン 8510万ドル/1億7988万ドル

また伝統シリーズの再起動作ということで以下の代表作を概観してみると・・・

バットマン・ビギンズ オープニング4870万ドル/累計2億530万ドル
スーパーマン・リターンズ 5253万ドル/2億ドル
007カジノ・ロワイヤル 4080万ドル/1億6740万ドル
スタートレック 7520万ドル/2億5773万ドル

これらの数字を踏まえると、市場はX-Menシリーズの最新作というよりは、「伝統シリーズの再起動」として本作を見つめているようにも思える(もちろん『スタートレック』という例外はあるものの)。米FOXもヒュー・ジャックマンが登場しない、まったくの新キャスト、新監督で送る本作の興収を肯定的に受け止めているようだ。

これらの「再起動」ヒット作に共通するのは口コミを連動しての「持久力」が極めて高いということ。その数字がなかなか落ちない。全ては次回以降"First Class"がこの興収をどれだけキープしつづけられるのかにかかっている。

Hangover ■先週の覇者『ハングオーバー2』の2週目は先週末に比べて62%落ち。平均的な下落率が50%であることを考えるとやや落ち過ぎか。それでもアメリカでの累計興収は順調に伸びており、現在までに1億8690万ドルまで達している。またアメリカ製コメディにしては国外でのウケも良く、世界各国で稼ぎ出した興収1億5150万ドルを加えると、本作の世界興収は3億3840万ドルとなる。製作費は8000万ドル。前作の最終的な米興収は2億7730万ドルだったが、果たしてこの壁を超えることは出来るだろうか?

■『カンフー・パンダ2』は3位。先週末に比べての下落率は49%だった。平均よりも約1%分の下げ止まりが働き、興収1億ドルを突破。製作費は1億5000万ドル。トップ10圏内の他作品に比べるとどうしてもインパクトに欠ける印象だが、国外ではすでに1億2500万ドルを売り上げており、米興収と合わせると世界興収は2億2650万ドルに達する。

■『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は4位。累計興収は1億9000万ドルを越え、国外では6億ドルを突破。それらを合わせて世界興収は7億9000万ドルほどとなる。

■大作ひしめくこの時期にあって伏兵のごとく存在感を放つコメディ"Bridesmaids"は製作費3000万ドルながら、興収1億ドルを突破。この冠を得て、名実ともに「大ヒット作」の仲間入りとなった。5週目のマイティ・ソー』は、累計1億7000万ドル弱。6週目のワイルド・スピード MEGA MAX』は2011年公開作の中で最速となる興収2億ドルを突破。

■ウディ・アレン監督作"Midnight in Paris"は依然として8位にとどまる。先週よりも90館ほど増やし150館レベルとなった興行だが、相変わらず1館あたりのアベレージが好調で2万ドル弱を維持している。伝説の監督テレンス・マリックによるカンヌ映画祭パルムドール受賞作ツリー・オブ・ライフ』は上映館数を4つ増やし20館となった。それでもアベレージは3万1千ドル強。

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2011/06/03

ゴズリング監督進出、白紙に

Goslingライアン・ゴスリングが初監督&主演を見込んでMGMのもとで調整中だった"The Idolmaker"リメイク企画。しかし事態は急転し、どうやらゴズリングはここからいったん降板することを決めたようだ。彼がスタジオに語った理由は「スケジュールの余裕がないため」。

ゴズリングは現在、『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督と再タッグを組む"A Place Beyond the Pines"を準備中で、その後ワーナーのもとでルーベン・フライシャー監督作"Gangster Squad"でショーン・ペン&ジョシュ・ブローリンと対決することが決まっている。

また、カンヌ映画祭で受賞を果たした"Drive"のニコラス・ウィンディング・レフン監督との再コラボ作として1976年製作の"Logan's Run"(邦題は『2300年未来への旅』)のリメイクを打診されているとの情報もある。

MGMは今後も"The Idolmaker"の製作を徐々に進めてはいくものの、しばらくはゴスリングの復帰の可能性を探りながら、の様子見の展開となりそうだ。

ちなみに"The Idolmaker"のオリジナル版は1980年、テイラー・ハックフォードの長編初監督作として公開された。フランキー・アヴァロンやファビアンを発掘したことでも知られる伝説のロック・プロモーターにして音楽プロデューサー、ボブ・マルクッチの半生に焦点をあてた作品。

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「ツーリスト」はヒット作?

ジョニー・デップ&アンジェリーナ・ジョリー主演のロマンティック・サスペンス『ツーリスト』といえば、大きな注目を集めながら公開後は各紙の酷評が相次ぎ、そしてなぜかゴールデン・グローブ賞の“コメディ&ミュージカル部門”に作品賞ほか候補入りし失笑を買ったことでも知られる。しかし世界各国での公開がひととおり幕を下ろしあらためてボックスオフィス結果を紐解いてみると、なかなかのヒット作であったことが分かってきた。

ハリウッドリポーターによると、アメリカでは興収7000万ドル弱と不発に終わった本興行だが、米国外での売り上げを合計すると世界興収は2億8000万ドルほどに昇る。これは製作費1億ドルの作品としてまずまずの数字と言え、アンジェリーナ・ジョリーにとっては『ソルト』『ウォンテッド』『Mr.&Mrsスミス』に続く4位、ジョニー・デップにとっては『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』に続くヒット作となる。

この中でも強さを見せたのは日本だった。米国外としてはトップとなる興収2250万ドルを記録。これに中国の2000万ドル、イタリアの1600万ドル、オーストラリアの1100万ドル、ブラジルの1010万ドルが続く。

専門家曰く「アメリカ国内興行に比べ、国外ではビッグ・スターによって興行結果が大きく左右されます。とくに日本のような国では」

ここ数年、邦高洋低と言われ続けてきた日本映画界だが、最近では『ブラック・スワン』が大ヒットを収めるなど洋画の復調も垣間見られるようになってきた。とくに『ツーリスト』ではジョニー・デップが自ら来日キャンペーンを行ったこともファンの心に火をつける起爆剤となったようだ。

現在公開中の『パイレーツ・オブ・カリビアン4』も相変わらずの好調ぶりを見せているが、もしも彼が来日を果たしていたなら、前作『パイレーツ3』を上回るド派手な興行が期待できただろうか。

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「ターザン」がまたも映画化

Tarzan ワーナー・ブラザーズはエドガー・ライス・バローズ原作の「ターザン」の映画化に関しクレイグ・ブリュワーを監督&脚本に起用する意向を固めた。本作は3部作として構想されているという。なお、ワーナーは以前、ブリュワーとは別にアダム・コザードにも「ターザン」の脚本執筆を依頼しており、これらがどう扱われるのかは未定のままだ。

クレイグ・ブリュワーといえば、白人監督ながら『ハッスル&フロウ』『ブラック・スネーク・モーン』というブラック・ミュージックのスピリッツがほとばしる瞬間をフィルムに活写してきた異色の才能だ。最新作にはパラマウント製作のリメイク版「フットルース」が10月14日に米公開予定。「ターザン」はその次回作となる見込みだ。

かくも一貫して“音楽”をモチーフにしてきた彼だが、新たに奏でる「ターザン」は一体どのような音色を響かせるのだろうか。

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DCコミックから新たな映画化?

ADeadline Hollywoodによると、パラマウント・ピクチャーズが新たにDCコミック"The Mighty"の映画化権を取得したそうだ。

本作はピーター・トマシ&キース・シャンパーニュ原作による2巻モノのグラフィック・ノベル。幼少期に“アルファ・ワン”と呼ばれるスーパーヒーローに命を救われた主人公が、いつしかこのヒーローの真の目的に気づき、彼の暗黒面を暴くべく直接対決を余儀なくされることになる。

通常、スーパーマンやバットマン、グリーン・ランタンに代表されるDCコミック物はワーナー・ブラザーズによって映画化されるのだが、この"The Mighty"に関しては原作者らが権利を管理しており、今回のパラマウントによる取得に至った模様だ。

メアリー・パレント、ケイル・ボイター、J・C・スピンクらが製作を担う。

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