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2011/07/19

「ダークタワー」からスタジオ撤退

Dark スティーヴン・キングのファンにとっては残念なお知らせだ。ロン・ハワード率いるイマジン・エンタテインメントが進めていたキング原作の「ダーク・タワー」の映画化プロジェクトから大手映画スタジオ、ユニバーサルが撤退することが明らかとなった。

この企画は7部作から成るキングの人気長編シリーズを、映画3部作とその狭間を縫ってのTVシリーズ2本という前代未聞のストーリーテリング体制で、なるべく原作の壮大なスケールに忠実な形で映像化しようというものだった。

すでにアキヴァ・ゴールドマンが脚本を手掛け、ハビエル・バルデムが主演を務める形で進行していた本作だが、かねてよりこの企画を共に温めてきたユニバーサルは、資金不足などを理由にこれらに最終的なゴーサインを出すことを渋り、再三にわたって規模縮小を提案。しかしハワードらがこれに首を振ることはなく、両者の溝は埋まらなかった。

今年に入って『ワイルド・スピードMEGA MAX』を大ヒットさせているユニバーサルだが、ならば業績好調かと思われる一方、同スタジオは現在、ピーター・バーグ監督作"Battleship"やキアヌ・リーヴス主演の"47 Ronin"などの大作を製作中であり、今後これらの製作費に加えマーケティング費などの拠出も余儀なくされることから、ある程度の財政的余力を蓄えておきたいという考えがあるようだ。

「ダークタワー」と同じ末路を辿った企画は他にもある。ギレルモ・デル・トロがトム・クルーズ主演で製作予定だったHP・ラヴクラフト原作の"At the Mountains of Madness"は、高額な製作費とデル・トロが望む「R指定スリラー」という方向性との折り合いがつかず、「低い年齢層でも観れるスリラーを」と望んでいたユニバーサルはこのプロジェクトに危機感を募らせ、結局のところ撤退の道を選んだ。

デル・トロがいまだ"At the Mountains of Madness"をあきらめず、いつか他スタジオのバックアップで製作続行したいと野心を燃やしているのと同様、「ダークタワー」のロン・ハワード一味も、これで完全に製作中止というわけではなく、今後も希望を捨てることなく、ガンスリンガーさながらにハリウッドの砂漠をさまよいながら他の提携先を探すことになる。

とりあえずは空いてしまったスケジュールを埋めねばならない。ハワードはすでに"Rush"というタイトルのF1映画へのコミットメントを決めている。これは1970年代に熱き火花を散らせたUKレーサー、ジェームズ・ハントと、不死鳥とも呼ばれたオーストリア人レーサー、ニキ・ラウダとの壮絶なデッドヒートを描いた作品になる。脚本は『クイーン』や『フロスト×ニクソン』、『ヒア アフター』のピーター・モーガン。関連記事は以下をご参照あれ。

・F1映画の監督にロン・ハワード?
・F1界伝説のライバル役にこの男?
・注目のF1映画、不死鳥ラウダ役は?

ちなみに、『ダーク・タワー」は以前にも、『SUPER 8』のJ.J.エイブラムス監督率いる製作会社バッド・ロボットが権利を取得し、映画化に向けて試行錯誤を続けたものの、あえなく挫折した過去がある。ファンの期待が高い一方で、なかなかどうして映画人泣かせの難関企画と言えそうだ。

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