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2011/11/30

【NEWS】ブライアン・シンガー、異色TVドラマのパイロット版を監督

Bryan 『ユージュアル・サスペクツ』や『Xメン』といった劇場映画のみならず、TVシリーズ「Dr.HOUSE」ではパイロット版の演出を手掛け、その後もシリーズの製作総指揮として名を連ねるブライアン・シンガー。

そんな彼が「プッシング・デイジー」のクリエイター、ブライアン・フューリーが新たに始動する60年代のTVドラマシリーズ"The Munsters"のリメイク企画にて、またもやパイロット版の監督を担うことになりそうだ。彼は同作のプロデューサーも務める。

Munster "The Munsters"の主人公は、とあるモンスター家族(本来、モンスターの綴りは"Monster"だけれども)。フランケンシュタインやら吸血鬼やらオオカミ男やらで構成されるその一家がこの地上でなんとかうまくやっていこうと奮闘する日常を描いたコメディ。そしてそこには「プッシング・デイジー」と同様、ブライアン・フューリー独特の華麗なるビジュアル・マジックを展開させていく予定だとか。

ちなみに「プッシング・デイジー」のパイロット版監督を手掛けたのは『メン・イン・ブラック』シリーズでもお馴染みのバリー・ソネンフェルド。この作品はエミー賞で受賞するほどの高い評価を受けている。

はたして今回のWブライアンはどんな映像世界を生み出してくれますことやら。

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【NEWS】ソダーバーグに新たな監督作浮上

Soder つい先日、ワーナーブラザーズが進める映画版「ナポレオン・ソロ」(原題"The Man from U.N.C.L.E.")を、製作費やキャスティングに関する意見の相違により降板したばかりのスティーヴン・ソダーバーグ監督。そんな彼が「ソロ」のスコット・Z・バーンズ(彼は他にも『インフォーマント!』や『コンテイジョン』でソダーバーグとコラボ)の手掛けた脚本を用いてまた新たな映画企画を起動させた。今回はワーナーから離れ、他スタジオと交渉を重ねているという。

ハリウッド・リポーターによると、そのタイトルは"The Bitter Pill"。もともとバーンズが自身の手で監督しようとしていた作品だが、「ソロ」を降りて引退前(最近では“引退”でなく単なる“休止”と言い換えているが)の貴重なスケジュールに空白のできたソダーバーグを見かね、彼に託すことを決めたようだ。

あらすじなどはまだ明かされていないが、「精神薬理学(psychopharmacology)にまつわるスリラー」なのだとか。さすが、一言で説明できないにも程がある。つまりはソダーバーグ作品として不足なしといったところか。

今後のソダーバーグの予定としては、アクション・ムービー"Haywire"を1月に、"Magic Mike"を夏ごろに公開する予定。また現在の予定ではこの"The Bitter Pill"を春ごろに撮影し、マイケル・ダグラス&マット・デイモンが出演するリベラ―チェの伝記映画"Behine the Candelabra"を夏頃に撮影(ただし劇場映画ではなくHBOのテレビ映画として)。これでいったん監督活動を休止する予定のようだ。

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【NEWS】ニューヨーク批評家協会賞

1935年に設立された伝統あるニューヨーク映画批評家協会賞がツイッター経由で今年の受賞作を発表。作品賞を手にしたのはフランス製サイレント&白黒映画"The Artist"だった。またこれを手掛けたミシェル・アザナヴィシウスは監督賞も受賞。

The_artist
そのほか、主演女優賞には"The Iron Lady"のメリル・ストリープ、主演男優賞にはブラッド・ピットが『ツリー・オブ・ライフ』『マネーボール』にて受賞、助演女優賞にはジェシカ・チャステインが『ツリー・オブ・ライフ』"Take Shelter"『ヘルプ』にて受賞、助演男優賞には『ドライヴ』のアルバート・ブルックスがそれぞれ輝いている。

スタッフ部門では『マネーボール』のスティーヴ・ザイリアン&アーロン・ソーキンが脚本賞、『ツリー・オブ・ライフ』のエマニュエル・ルベツキ。

ノンフィクション映画部門ではヴェルナー・ヘルツォーク監督作"Cave of Forgotten Dreams"、外国語映画賞にはイランの"A Separation"。

また、J.C.チャンダー監督作"Margin Call"が最優秀第一回監督作に選ばれている。

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【NEWS】トニー・スコット新作決定

Tonyscott 20世紀フォックスがデヴィッド・グッゲンハイムの脚本"Narco Sub"をお買い上げ。トニー・スコットを監督に迎え、この先、フォックスの優先課題として映画化が進められていく予定だ。とはいうものの、本作のストーリーラインについて分かっていることはまだあまりに少ない。南米を根城とするドラッグ・カルテルが潜水艇を使って巧妙にアメリカ国内へと密輸を決め込もうとする内容とのこと。南米ドラッグと潜水艇、そのふたつのキーワードから「『マイ・ボディガード』と『クリムゾン・タイド』の合わせ技になるか?」と予測するメディアも多い。

このデビッド・グッゲンハイムはいまやハリウッドで大注目を集める脚本家。"Santiago"はフォックスがお買い上げ、"Safe house"はデンゼル・ワシントン&ライアン・レイノルズ主演、"Medallion"はニコラス・ケイジ主演&サイモン・ウェスト監督、"Puzzle Palace"はマックG監督、"364"はロン・ハワード監督といった具合に様々な作品群が同時進行で動き出している。

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2011/11/29

【NEWS】ゴッサム・アワード発表、作品賞は・・・

アメリカにおけるインディペンデント映画の祭典といえば、西海岸のインディペンデント・スピリット・アワードと東海岸(ニューヨーク)のゴッサム・アワードが代表的だ。そのゴッサムの授賞式が行われ、その華やかな祝祭的空間が今年も賞レースの到来を高らかに告げた。

結論から言うと、作品賞に選ばれたのは2本。『ツリー・オブ・ライフ』と『人生はビギナーズ』だった。

Gotham
毎年、批評家やジャーナリストから成るメンバーが候補作を選出し、その中から審査員に選ばれた映画人らが受賞作を決定する。今年の作品賞審査の役目を担ったのはナタリー・ポートマン、ジョディー・フォスター、ニコール・キッドマン、アン・ケイリー、リー・パーシーら。ビデオレターにて選考過程を説明したポートマンによると、候補作の中からこの2本が残り、どちらにしようかと議論が続いたものの、最後まで答えが出なかったとのこと。よって今年は二つの作品が受賞ということになった。

『人生はビギナーズ』はマイク・ミルズが『サムサッカー』に続く監督第2作目として挑んだ作品。癌を宣告された父が「実は、わたしはゲイなんだ…」と予想だにしないカミングアウト。ミルズ監督の身に起こった実話がベースになっているという。

本作に出演するユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロランといった豪華キャストの面々はベスト・アンサンブル賞をも受賞。ゴッサムでは主演男優賞とか女優賞などという項目がなく、演技に関しては総合的な“アンサンブル”として判断されることとなる。

そのほかでは、最優秀ドキュメンタリー作品賞に"Better This World"、新人監督賞ディー・リース("Pariah"という作品での受賞)、新人俳優賞フェリシティ・ジョーンズ("Like Crazy"での受賞。本作はサンダンスでも最高賞を受賞)、そしてBest Film Not Playing at a Theater Near You Award(お近くの劇場では上映されていない作品賞)には"Scenes of a Crime"が輝いた。

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【NEWS】トム・ハンクスがナチス政権下の駐独大使役で主演?

Hanks ハリウッド・リポーターによると、ユニバーサルとトム・ハンクス率いる製作会社プレイトーンが共同でエリック・ラーソンによるノンフィクション作"In the Garden of Berasts: Love, Terror and an American Family in Hitler's Berlin"の映画化権を取得したそうだ。

今年の5月に出版されたこの原作は、1933年のナチス政権誕生時の駐独アメリカ大使ウィリアム・ドッドの目線を通して、その国家が徐々に怪物的なまでの変貌を遂げていく様を克明に描いた内容になっている。とりわけ娘のマーサはゲシュタポ将校やソビエトの諜報員などと恋に落ちるなど、原作のあらすじを読むだけでその波乱万丈の人生が伝わってきそうだ。いまのところ、トム・ハンクス自身がこのウィリアム・ドッド役で主演する方向性で調整が進んでいる。

ラーソンの著作が映画化に向けて動き出すのはこれで2作目。もう1作の"The Devil and the White City"(翻訳本タイトルは「悪魔と博覧会」)は、レオナルド・ディカプリオ率いるアッピアン・ウェイの手によって製作が進められている。こちらはアメリカが世界博覧会の盛り上がりに湧く中、ひとりの医師がとてつもなく残忍な殺人に手を染めていくノンフィクション。ディカプリオ自身が殺人鬼役で主演する予定だという。

ちなみにトム・ハンクスといえば、最新出演作『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』が今年の年末ギリギリの米公開に向けて(つまり明らかにアカデミー賞狙いってことですね)待機中。ジョナサン・サフラン・フォアによる世界的ベストセラー本を『リトル・ダンサー』や『愛を読む人』などでお馴染みのスティーヴン・ダルドリーの手で映像化。先日、『J.エドガー』の試写のときにようやく大画面で予告編を目にしたんですが、たったそれだけで感極まってしまいました。

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2011/11/28

【興行】北米週末Ranking Nov.25-27

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Nov.25-27 weekend 推計

01 Breaking Dawn Part1  $42M
02 The Muppets  $29.5M
03 Happy Feet Two  $13.4M

04 Arthur Christmas 
$12.7M
05 Hugo  $11.35M
06 Jack and Jill  $10.3M
07 Immortals $8.8M
08 Puss in Boots  $7.45M
09 Tower Heist  $7.32M
10 The Descendants 
$7.2M

Dawn ■11月の第4木曜日は感謝祭。米映画メディアもお休みモードに突入してしまう一方、ボックスオフィスは繁盛期とばかりにファミリー向け映画が大挙してやってきた。アメリカでは新作が金曜日に封切られることが一般的だが、今回は感謝祭の前日、水曜日に初日を迎えた新作がひしめいている。

■『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』の天下は変わらなかった。国内累計は2億2130万ドルに達し、これに海外興収を加えると、世界興収は4億8930万ドルとなる。製作費は1億1000万ドル。

■2位にはカエルのカーミットやミス・ピギーなどお馴染みの操り人形キャラたちが総出演する"The Muppets"。こちらは新作なので水曜に封切られており、5日間の累計は4200万ドルに昇る。製作費もこれとほぼ同額の4500万ドル。マペット・キャラの他にジェイソン・シーゲル、エイミー・アダムスらが出演している。女性客の方が若干多く、53パーセントを占める。

Themuppets_2 
■2週目の『ハッピーフィート2』は先週末比37パーセント減。10日間の累計興収を4380万ドルとした。ちなみに前作『ハッピーフィート』は同じ2週目末で早くも1億ドル近くにまで達していた。

■「ウォレスとグルミット」などでお馴染みの英“アードマン”による新作『アーサー・クリスマスの大冒険』。水曜~日曜の累計は1700万ドル。クリスマスをテーマにした映画なだけにスタジオ側はこれから1か月かけた息の長い展開を期待している模様。製作費は9500万ドル。3D上映による興収シェアは53パーセントに昇る。観客層は25歳未満が31パーセント、女性客が59パーセント。

■マーティン・スコセッシ監督作『ヒューゴの不思議な発明』はパラマウント側の判断により通常の全国公開作品の半分にも満たない1277館にて封切られた。(原作本のレビューはこちら

Hugo
なにしろ巨匠スコセッシ初となるファミリー向けアドベンチャー、そして3D映画。ターゲットとなるのはいつもの長年のファンとはかなり異なる層になるわけで、スタジオ側はとりあえず数字に左右されない上映規模で封切った上で、徐々に口コミを広げていきたい構えだ(12月9日から拡大公開)。先行逃げ切り型ではなく、先頭集団の背後でじっとタイミングを待つランナー状態といったところか。よって今回は順位もさほど上位に食い込めず、5位どまり。水曜~日曜の累計興収も1500万ドル程度にとどまっている。なお興収における3D上映シェアは75パーセントを占めた。

■『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督作"The Descendants"は劇場数を400ほど増やし、興行収入も先週末よりも500パーセント増量。現在までの累計興収は1000万ドルを超えたあたり。このようなかたちで賞レースに向けて徐々に上映規模を拡大させていくものと見られる。

■さて、TOP10圏外に目を向けると3本の注目作が封切られている。

3
そのうちの2本はワインスタイン・カンパニー配給作。一つ目の"My Week with Marilyn"は全米244館で上映がはじまり、1館あたりのアベレージは7270ドルほど。マリリン・モンロー役を演じるミシェル・ウィリアムズにはアカデミー賞主演女優賞への呼び声も高まっている。

二つ目は今年のカンヌで大絶賛を浴びたフランス製サイレント映画"The Artist"。全米4館にて先行上映のはじまった本作は、そのアベレージが5万ドル(こんな数字、過去に見たことがない)を超す大混雑ぶり。

そしてソニー・ピクチャーズ・クラシック配給のデヴィッド・クローネンバーグ監督作"A Dangerous Method"も同じ4館にて封切られ、こちらもアベレージが4万5千ドルを超える猛チャージぶりを披露している(それにしてもこのカット&ペーストのポスター・デザインはヒドイが)。いずれもアカデミー賞参入を狙った手探りの攻防を開始した様相だ。

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2011/11/27

【NEWS】TIFFグランプリ「最強のふたり」がフランスで大ヒット中

Intouchables02_2  東京国際映画祭でグランプリを受賞した「最強のふたり」(原題Intouchables)が11月2日より母国フランスにて封切られ、社会現象とも呼べる大ヒットを記録している。

オリビエ・ナカシュ&エリック・トレダノが共同で監督を務める本作は、職探し中の黒人青年が身体の自由の効かない富豪のヘルパーとして採用され、いつしか互いの存在を必要とし、互いの可能性を引き出し合い、何事にも代えがたい友情を温めていく物語。本当にあった実話を基にして作られている。主演にはフランソワ・クリュゼ、オマール・シー。ふたりは東京国際映画祭にて男優賞も獲得している。

「最強のふたり」のレビューはこちら

Intouchables_2  同作の登場は、前週にボックスオフィスNO.1デビューを飾ったスティーヴン・スピルバーグ監督作『タンタンの冒険』を圧倒。翌週には口コミ効果が加速し、興収57パーセント増しの大フィーバーを記録。その後は1週間も経たないうちに観客数のべ200万人、2週間で500万人、そして封切後4週間が経とうとしている今現在、その数は820万人に達しているという。これは『ハリー・ポッター』最終章、『パイレーツ・オブ・カリビアン4』、『タンタンの冒険』、そして仏映画"Rien A Declarer(Nothing To Declare)"を上回り、2011年におけるフランス公開作品NO.1の成績となる。

またフランス以外でも40カ国での公開が決定済み。アメリカでは3月に公開予定で、『英国王のスピーチ』などを送り出したことで名高いワインスタイン・カンパニーが配給を担当する他、同作のリメイク権も獲得しているとのこと。

また、本作に関するフランスでの反応を流し読みしてみると、「映画界における『アメリ』の再来」として国際的なヒットを期待する記事や、「フランス的というよりは、どちらかというとイギリス的な笑いのエッセンスが加味されている」との批評、また「オマール・シーはフランス映画界のエディ・マーフィーだ」などという主張も散見された。そして政治・社会的にはサルコジ就任後に国内で非常に深刻な軋轢を生んだ移民政策に対する市民からの返答だとする見方さえ存在するようだ。

さて、気になるのは日本で公開されるかどうか。個人的にはどこかの配給会社が英断を下してくれることを信じてやまないが、とりあえずは映画祭で本作を目撃された幸運な方々ひとりひとりが、そこで得た熱い想いをご友人や恋人、ご家族に伝えようとすることから何かが確実に胎動していくのだろうと思う。映画の中でふたりの主人公が互いを高めあっていったように、映画と観客も互いをより良いパートナーとして可能性の胚芽を育て上げていきたいものですね

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【レビュー】J.エドガー

年に一度、今年もイーストウッドが撒いた種が実り、収穫の季節がめぐってきた。昨年のスピリチュアル・ドラマ『ヒアアフター』とは一線を画し、今回はFBIの創始者にして50年以上に渡りその長官の座を守り抜いてきたJ.エドガー・フーバーの人生に焦点をあて、1910年代から70年代に至るむせ返るほどの時代の香りを醸成しつつ、その複雑怪奇な人間性、ベールに隠された私生活に迫っていく。

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物語はイーストウッド作品ではお馴染みとなったピアノ音の響きで幕を開ける。

冒頭、「私の物語を語る時がきた」というセリフに続き、執務室にて自伝を口述しはじめるエドガーの姿(室内にはそれをタイプし、話に相槌を加える広報係のみ)。その述懐の起点となるのはエドガーがまだ20代の頃、パーマー司法長官の自宅が何者かによって爆破された事件だった。その日アメリカでは同時刻、8か所にて同じ爆破事件が起こり、パーマー宅に自転車で駆け付けたエドガーは、現場を無惨に踏み散らし証拠物件を台無しにする警察の姿に「これではダメだ。この状況をなんとか変えなければ」と感じたと言う。当時はまだ科学捜査が浸透しておらず、警察が捜査のために拳銃を携帯することも許されていなかった。

やがて、共産主義の台頭に目を光らせる司法省は友人や妻子を持たない若きエドガーを新設部門のトップに据える。異例の抜擢だった。彼はFBIの前進として船出したこの部門の舵をとりながら、時にはやり過ぎとも思える強権を振りかざし、大物政治家の秘密さえも掌握しながら、激動のアメリカ史を突き進んでいくことになる。

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『ミルク』のダスティン・ランス・ブラックが手掛けた脚本は、この最初期からの回想の流れに加えて「自伝を語る現在の老エドガー(60~70年代)」をもうひとつの流れとして提示する。つまり本作は50年にも及ぶ彼の在職期間をふたつの時間軸を往来することによって網羅していく。これらの社会と文化の激変期をひとつの大河の流れのごとく重厚に移ろわせ、なおかつその深部に仄光る感情の沈殿にも視線を注ぐ。その手際の良さは、さすが30年生まれのイーストウッドのなせる技。これはその時代の空気を「知っている」という強みなのか、それとも彼の語り部としての熟練ぶりゆえなのか。

本作はこれらの史実に加えて、私生活で徹底した秘密主義を貫いたエドガーの感情面に深く分け入っていく。イーストウッド作品の中で主人公は常に孤独だ。愛に飢えている。人間性の影を讃えている。それを「アウトサイダー」と呼ぶならば、エドガーもそのひとりに編入されるのだろうか。

ただしここでは重要な守護天使が3人も絡まってくる。エドガーが多大な信頼を寄せた個人秘書ヘレン・ガンディ(ナオミ・ワッツ)、副長官として公私ともに彼を支えたクライド・ネルソン(アーミー・ハマー)。そして必要以上に「成功を掴みとれ」「弱音を吐くな」と叱咤激励する強靭なる母(ジュディ・デンチ)。

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とりわけ一つの見せ場となるのはクライドとのホモセクシャルな関係性だろう。間違ってもイーストウッド映画なのだから、ふたりの男が裸で抱き合ったりするくだりは用意されていないが、それにも増して濃厚な、なんだか観ているこちらが照れてしまいそうなくらい激しくも純愛なシーンが用意されており、会場のあちこちで笑いが起こっていた。が、それは一瞬の過ちなどではない。その関係性はずっと続くわけである。20年、30年、40年。彼らがしわくちゃのおじいちゃんになるまで、二人は一緒なのだ。そこまでいくと神々しさすら感じる。なんだかその光景を見ているだけで心が絆されてしまう。

なおかつ特殊メイクを施したディカプリオ演じる老エドガーが、時おり『グラン・トリノ』の頑固爺さんのように見えてくるホームドラマ的な瞬間も泣かせる。老いて具合の優れない相棒クライドとのやり取りの数々。「今日はどこが痛い」だの、「もぐもぐ言わずにちゃんと喋れ」だの、「すっかり老いぼれてしまいよって」だの。そういった些細なセリフのいちいちを受け入れてくれる相手がいることの尊さがとても胸に沁みた。

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その意味でも本作はアーミー・ハマーやナオミ・ワッツの存在が効いているのかもしれない。彼らは目撃者であり、併走者でもあった。ディカプリオの鋭い眼光がスクリーンを貫こうとも、それを脇で誠心誠意フォローする彼らの姿がクッションとなり、観客との橋渡しになってくれる。これは同じ伝記映画にしてディカプリオの単独飛行映画と化していたマーティン・スコセッシ監督作『アビエイター』では見られなかったことではないだろうか。

ただし、本作は良くも悪くも伝記映画である。

映画に対してなんらかのストーリー的緩急を期待する人にとってはどこに感情をチューニングしてよいのか若干戸惑いを感じる節もあるだろう。よって観客側がこれを充分に堪能するためにはJ.エドガー・フーバーに関する簡単な略歴なり、アメリカ近代史なり頭に入れておいた方が無難だ。時間があればマイケル・マン監督作『パブリック・エネミーズ』を観てその時代への理解を深めておくのもひとつの手だろう。

そのほうが大河の水流が昇ったり下ったりする中で自分の居場所を常に把握しておける。安心してその移ろいに身を任せていられる。

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2011/11/26

【NEWS】007 SKYFALL、ベン・ウィショーの役どころは"Q"

サム・メンデスが監督を務める007の新作"Skyfall"における出演者、ベン・ウィショーの役柄が判明した。

Ben
ここのところのウワサの高まりを受けてBBCがエージェントに確認したところ、やっぱり事実だった。彼はボンドの秘密道具の開発部門のトップ“Q”を演じる。『パフューム』(2006)で鮮烈なるスクリーン初主演を飾り、『アイム・ノット・ゼア』(2007)や『ブライト・スター』(2009)でその名を広めてきたウィショーだが、今回のキャスティングによってさらに多くの映画ファンにその名を浸透させることになる。

Qといえば、1962年の007第1作目『ドクター・ノオ』では“ブースロイド少佐”(ピーター・バートンが演じた)という本名にて登場し、1963年の『ロシアより愛をこめて』からはデスモンド・リュウェリン演じる飄々としたキャラクターとして定着し、長年にわたりファンに愛されてきた。

Q
リュウェリンの最後の登場は1999年の『ワールド・イズ・ノット・イナフ』。このとき彼は「わたしはもう歳だから、あとは後進に託した」というようなセリフを口にしてジョン・クリース演じる新担当を紹介したのち、昇降機を使ってゆっくりとフェイドアウトしていった(この後、リュウェリンは交通事故で85歳の生涯に幕を閉じている)。続く『ダイ・アナザー・デイ』(2002)でクリースがこのQを演じたのを最後に、ダニエル・クレイグ版ボンドに代わってからというもの、Qの出番はまだ一度もない。

現在、"Skyfall"は撮影の真っただ中。ダニエル・クレイグが3度目の007役を演じるほか、ジュディ・デンチ、ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、レイフ・ファインズ、アルバート・フィニー、そしてハビエル・バルデムが共演する。2012年10月26日に英国&アイルランドにて先行公開。

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2011/11/23

【NEWS】AKIRAの大佐役に渡辺謙?

『エスター』や『アンノウン』で知られるジャウム・コレット=セラが新たに監督の座を引き継いでから徐々に勢いを増しているハリウッド版実写映画『AKIRA』。ギャレット・ヘドランドやクリステン・スチュワートが出演交渉に入っていたり、複数の俳優がテツオ役のカメラテストを受けているとのニュースが聴こえてきたり、キャスティング作業もいよいよ大詰めを迎える中、今度はあの渡辺謙が大佐役のオファーを受けているとの情報が入ってきた。

ちょっと待て、と思う人も多いだろう。大佐役のオファーを受けているのはゲイリー・オールドマンではなかったのかと。つい先日にも映画情報サイトCOLLIDERがオールドマン自身の口から「確かにアプローチを受け、話し合いを重ねている。まだ何も決まってないけどね」とのコメントを引きだしていたが、最近数々のスクープを連発するTWITCH(ゲイリー・オールドマンがオファーされたニュースもここが最速で伝えた)によると、ワーナーとオールドマンとの協議は結局まとまらず、現在ではオファーの矛先が渡辺謙に移行しているとのこと。

もちろんこれで渡辺謙に即決ということではなく、彼もまたオールドマンと同じく、これからスタッフとの接見あり、熟考ありで、最終的にこれを受けるか否かの判断を下すことになる。もしもこれが決まれば『インセプション』に続くワーナー作品への出演となるわけだが、果たして・・・?

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【NEWS】ユアン・マクレガーがTVドラマに参戦

Ewan 『イカとクジラ』や「マーゴット・ウェディング」(日本未公開)、"Greenberg"(これまた日本未公開)などで知られるノア・バウムバック監督が、有名プロデューサー、スコット・ルーディンと共に手掛ける初のテレビシリーズ"The Corrections"に新たにユアン・マクレガーの参加が決まった。マクレガーがTVドラマに登場するのは「ER」のゲスト出演以来のこと。

本作はアメリカ中西部に暮らすランバート家―夫婦とその3人の子供たちをメインに、20世紀中ごろからミレニアム直前の「最後のクリスマス」まで、その複雑な家族の肖像を描きだしたヒューマン・ドラマ。夫婦役にはすでにクリス・クーパーとダイアン・ウィーストが決定済みで、ユアン・マクレガーは3兄妹の真ん中を演じる。大学で教鞭を取る身ながら教え子と関係を持って職を追われ、人生の荒野に放り出される波乱万丈の役どころだ。

バウムバックは原作者ジョナサン・フランゼンと共に脚本を手掛け、なおかつパイロット版(シリーズの感触を見る為に製作する“お試し版”)の監督を担う予定。

バウムバックといえば『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』といったウェス・アンダーソン作品の脚本コラボレーターとしても名高い。いずれも“家族”がテーマとなっており、今回の「コレクションズ」もまさに彼の得意とする分野といえるだろう。これまでの確かな筆致がどのように結実するのか、楽しみだ。

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2011/11/22

【NEWS】テリー・ギリアムは今・・・

Gilliam ギリアムのことなので話半分に聞いておくのがいちばんいいのだろう。The Playlistによると、テリー・ギリアムはもう長いこと立ち往生中の"The Man Who Killed Don Quixote"を来年以降、もう一度復活させようとしているようだ。

これまでにもセットが洪水で流されたり、主役の腰痛が悪化したりでことごとく悪運に祟られていたこの映画製作の顛末は『ロスト・イン・ラマンチャ』というドキュメンタリー映画にも詳しいが、その後も幾度となく企画は再燃し、一時はロバート・デュバルとユアン・マクレガーを主演にゴーサインが出たかと思われたが、これまた資金繰りがうまくいかず、断念―。

The Playlistが引用しているAltariminiによると、ギリアムはつい先日、フェリーニ基金賞を受賞した際の記者会見で"The Man Who Killed~"について「春ごろには撮影開始できれば」と語っており、なおかつロバート・デュバルがいまだキホーテ役に留まっていることも明らかにした模様(マクレガーについては言及がなかった)。

また、英映画情報誌Empireの最新号(筆者は直接は読んでいないのだが)ではギリアムが、資金集めが期待できる新たな人物の参加により、ふたたび生命が注入されようとしているらしいことを口にしている。しかしこれも確約できる段階では無く、製作開始までにはまだ幾つもの試練が残されていそうだ。

そしてもう一点、これも気になる話題なのだが、同Empire誌においてギリアムはポール・オースター原作の「ミスター・ヴァーティゴ」の映画化企画を温めていることも明らかにしているという。

伝聞系の語尾ばかりを使用して申し訳ないが、テリー・ギリアムの現在はそんな感じのようだ。しかし彼はなにも遊んでいるわけではなく、2011年は大忙しの年でもあった。

Thedamanationoffaust
5月にはオペラ"The Damnation of Faust"を手掛け、そしてショートフィルム"The Wholly Family"も発表。上の画像は「ファウスト」の一幕だが、ひと目見てギリアム作品と分かるその独特の香りは健在。さほど悪くない評価を得ていたようです。

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【NEWS】スコセッシが北欧スリラーを監督

Scorsese 少し前に話題に昇っていたウワサが確定した。米ハリウッド・リポーター誌によると、ノルウェーの作家ジョー・ネスボ(Jo Nesbo)による"The Snowman"という犯罪スリラーの映画化プロジェクトに、巨匠マーティン・スコセッシが監督として参加することが決まったようだ。原作者と英製作会社ワーキング・タイトルが認めた。ネスボは母国で人気であるどころか、彼の原作を脚色した"Headhunters"という映画もまたノルウェーで歴史に残る大ヒットを記録したという。

さて、この"The Snowman"はノルウェー人刑事ハリー・ホールによる事件簿シリーズ、第7弾にあたる。権威主義を嫌うこのアル中刑事が今回挑むのは、血なまぐさい連続殺人事件だ。そのタイトルは、ひとりの子供が母親のピンクのスカーフが気味の悪いスノーマン(雪だるま)の首に巻かれてあるのを発見することに由来する。"World War Z"のマシュー・マイケル・カーナハン(彼は『特攻野郎Aチーム』のジョー・カーナハン監督の兄弟にあたる)が脚色を手掛ける。

Snowman今回の映画化にあたり、原作者ネスボは本作の舞台がオスロから別の場所へ脚色されることも許可しているとのこと。香港を舞台にした『インファナル・アフェア』のアメリカ・リメイク版『ディパーテッド』で念願のオスカーを手にしたスコセッシだけに、新たなこの題材をどう料理するかについても期待が高まる。

ただし、スコセッシの仕事の作法として特徴的なのは、常におびただしい企画を周囲に散りばめ、どれが次回作になるのか彼がいざ決断を下す瞬間まで分からないということだ。現在もこの"The Snowman"のほかに"The Irishman""The Wolf of Wall Street""The Gambler"、それに長年温めている遠藤周作の「沈黙」やフランク・シナトラの伝記映画もまだ残っている。今回の製作決定がこのおびただしいリストの中で如何なる優先順位を獲得するものなのかは、まだ判明していない。

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2011/11/21

【レビュー】Drive ドライヴ

「カー・アクション映画が受賞?」

今年のカンヌで本作が監督賞を獲ったとき、誰もが耳を疑った。この由緒正しき祭典では芸術性や作家性の高い映画こそ受賞にふさわしきものと思われていたからだ。

しかし映画をひと目見ればわかる。本作は確かにカーアクションを要所にフィーチャーしながらも、それ以上に確かな作家性と芸術性が同居し、眼前に迫り出してくる。"Drive"というタイトルは単に“走行する”というだけでなく、あたかも“人生”や“宿命”、“避けては通れない道”、"Survive"、“仁義”などという多義性を飲み込んで、主人公の人生から抽出される一つの観念のように思えてくる。

Driveposter11

「5分だ。5分間は何があろうと待ってる。だがそのリミットを過ぎれば、俺はもう待たないぜ」

それが決めゼリフ。

ライアン・ゴズリング演じる主人公は映画製作のカー・スタントマンとして日銭を稼ぐ傍ら、強盗の車両担当として逃走の手助けを担っている。

冒頭から緊張感がみなぎる。彼は5分間で仕事を済ませてきた覆面のふたりを後部座席に乗せ、警察無線を使って相手の動きを察知しながら、鮮やかなドライビング・テクニックでスルスルと出し抜いていく。

その不可思議な眼光を放つ目線がなにを見つめているのか分からない。ほとんど言葉を口にしない。トレードマークはサソリの刺繍を宿したジャンパー。ドライビング・グローブ。口元には楊枝。

そんな彼の人生を一変させたのは、アパートの同じ階に暮らす母子との出逢いだった。運命は常にエレベーターの開閉と共に訪れる。夫でもなく、恋人でもなく、主人公はいつしかこの母子の守護天使となることを決意する。そして彼らの平穏を脅かそうとする者が現れた時、彼は静かな激情を胸に宿し、無表情のまま、怒涛の抗戦に打って出ようとしていた―

Drive2ryangosling
デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督が織りなす時間と空間、それに淡い光源の使い方に魅了される。このところ北欧出身監督の世界進出が目覚ましいが、その多くが見慣れた風景を別物
へと変えてしまう才能に満ちているのではないかと思う。レフン監督が描くこの物語も、独特のフィルターをかぶせワン・ツー・スリーのカウントで別世界へと塗り替えられてしまったかのよう。舞台はLAなのに、まるでこれがヨーロッパや北欧ですよ、と言われてもそのまま頷いてしまうような雰囲気に満ちている。

そしてエレベーターや廊下、スーパーの商品棚といったお決まりの閉所にてスローモーションでたっぷりと間合いを取りながら描写されるシークエンスの数々も印象を刻む。なにしろこの映画ではライアン・ゴズリングがずっとポーカーフェイスを決め込んでいる。そこに感情の発露は読みとれない。でもそれゆえ、充分に時間をかけて観客の目線を惹きつけるこれらスローモーションの動きにこそ、実は注目すべき感情の流れがギュッと凝縮されているということを我々は逆説的に気づかされるのだ。

主人公の体型がマッチョでないのも良い。もともとこの役にはヒュー・ジャックマンも候補に挙がっていたのだとか。彼は確かに名優ではあるが、本作はどこか得体のしれない宇宙人的ゴズリングだったからこそ、役柄の内部により多くの未知数を培養することに成功しているのだろう。

Drive02
と油断してると、中盤から堰を切ったように血糊があふれだすのにも圧倒される。ちょっとした覚悟が必要だ。バイオレンスなんてものじゃない。さらに輪をかけたハイパー・バイオレンス。炸裂する鮮血は時にピンク色に見えたりも。なるほど本作のクレジットが黒字にピンクなのにはそういう暗喩もあったのか。

いずれにしてもこの『ドライヴ』は助走・疾走の過程を抜けて、最後はどの方向性においても容赦・加減なく加速し、突き抜けていく。この映画のボルテージの変化がそのまま(表向きはポーカーフェイスを決め込む)主人公の感情の遍歴でもあったことは言うまでもない。そして彼の、恐らく生涯にいちどあるかないかの感情の爆発する様を助手席でしかと見つめ併走することこそ、観客に与えられた大切な役割なのだ。

これほど車を大挙させ物語を紡いでみせたレフン監督。たいそう車オタクなのだろうと思いきや、実はまったく興味がないどころか、免許証さえ持ってないという(試験に8回も落ちたんだとか)。しかしながらこの映画に限って言えば、だからこそ『ワイルド・スピード』とは180度違う映画になり得たのだろうと思う。

常人からは見えない角度や視点、方法で物事を見つめることが作家性なのだとしたら、やはりこの『Drive』は正真正銘、素晴らしい作家主義に貫かれた映画なのだ。カンヌの監督賞に選出されたのも今なら大いに頷ける。

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【興行】北米週末Ranking Nov.18-20

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Nov.18-20 weekend 推計

01 Breaking Dawn Part1  $139.5M
02 Happy Feet Two  $22.0M
03 Immortals  $12.3M
 
04 Jack and Jill 
$12.0M
05 Puss in Boots  $10.7M
06 Tower Heist  $7.0M
07 J.Edgar $5.9M
08 A Very Harold & Kumar 3D  $2.9M
09 In Time  $1.7M
10 The Descendants
 $1.2M

Breaking■サミット・エンタテインメントの稼ぎ頭となった『トワイライト』シリーズ最新作"Breaking Dawn Part2"がこの週末だけで1億3950万ドルを売り上げ好スタートを切った。同シリーズ2作目"New Moon"の記録には及ばなかったものの、歴代5位のオープニング週末記録、歴代3位の初日記録、歴代2位の深夜興行記録といった数々の栄冠を早くも勝ち取っている。

ドリームガールズ』のビル・コンドン監督が引き継いだ本作は、実に観客の80パーセントが女性。しかし25歳以下が54パーセントを占めた前作"Eqlipse"に比べて若干年齢層が上がっているようで、今回は25歳以上の観客が50パーセントに達している。

世界54カ国で同時公開を迎え、米国分に海外興収1億4400万ドルを加えると世界興収は2億8350万ドルに昇る。なお、本作はシリーズ最高額の製作費1億1000万ドルをかけて作られている。

Feet ■『ハッピーフィート2』は2位スタート。1位との動員層の差別化で大きなヒットが期待されたが、完全に気押されてしまい、興収2200万ドルにとどまった。ちなみに前作『ハッピーフィート』(2006)はオープニング興収4150万ドルでのデビューだった。男女比では女性客が57パーセントを占め、全興収における3D上映シェアは50パーセントに昇った。

■先週の首位『インモータルズ』は先週末比62パーセントというあまりお目にかかれない下げ幅にて3位へ降格。累計興収は5300万ドルほど。製作費は7500万ドル。4位"Jack and Jill"の下げ幅は先週比52パーセント。平均よりも若干下がり気味といったところか。製作費7900万ドルのところ、現在までの累計は4100万ドルほど。5位の"Puss In Boots"は製作費1億3000万ドルにほど近い、興収1億2230万ドルまで詰めてきた。来週の今頃までには国内だけで製作費をカバーしているだろうか。6位"Tower Heist"は日本でも2月の公開が決まり、その邦題は『ペントハウス』。製作費7500万ドルのところ、現在までの国内累計は5300万ドルほど。

■2週目のイーストウッド監督作"J.Edgar"は、下げ幅47パーセントと若干下げ止まりが働いたカタチ。製作費は3500万ドル。通常の全米公開よりもやや少ない2000館弱の上映館数(1位の"Breaking Dawn"の約半分)ながら、国内累計は2000万ドルに達している。この数字をどう見るべきか。専門家の間でも意見は分かれそうだ(ファミリー向け映画が退去する週末以降、順位は落ちるかもしれないが、アカデミー賞への参入がウワサされる分、その後もTOP10下位で順位を維持する可能性もある)。

Descendants ■さて、今週のもうひとつの注目株は10位に初登場したジョージ・クルーニー主演"The Descendants"。もう、どれほどのファンが待ち望んだことか。あの『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督による7年ぶりの最新作である。

たった29館での限定公開ながらTOP10に食い込んでくるとは予想以上の快進撃ぶり。しかも1館あたりのアベレージは4万2千ドルを超えている。ガールズが大量大挙した1位の"Breaking Dawn"ですらアベレージは3万4千ドル(ただしこちらは全米4000館規模での公開)なので、任意の1館どうしを比較すると"Descendants"のほうが遥かに混んでいることになる。

製作費は2000万ドルほど。アカデミー賞に向けての賞レースへの参戦も期待される本作だけに、これからの数字の伸びが楽しみだ。

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2011/11/20

【NEWS】タランティーノ新作のエディター決定?

Menke タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』と新作"Django Unchained"との大きな違いには、その戦争物→西部劇というジャンルの落差以上に、サリー・メンケの不在という点が挙げられる。『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』時代からずっとタランティーノの右腕としてフィルム編集を担ってきた彼女は2010年に急逝。このことがタランティーノに与えた悲しみは計り知れない。

*サリー・メンケは『パルプ・フィクション』と『イングロリアス・バスターズ』で2度アカデミー賞編集賞候補入りを果たしている。

とはいえ、映画人たるもの作品を作り続けることで前に進まねばならない。キャスティングも順調に固まりもうじき撮影入りするものとみられる新作"Django Unchained"だが、果たしてメンケの後継者として“編集”を担うのは誰なのか。

そんな中、IMDbを覗いてみると、そこにはフレッド・ラスキンという名が。かつて『キル・ビル』シリーズに編集助手として参加した経歴を持つ彼。その後は『ワイルド・スピード』シリーズ(Part3~5)に正式なエディターとして携わるなどして経験を積み、遂に今回タランティーノ組に舞い戻ることになったようだ

また撮影監督には『キル・ビル』『イングロリアス・バスターズ』に続きロバート・リチャードソンの名前が据えられている。『シャッター・アイランド』、『アビエイター』、『シャイン・ア・ライト』、"Hugo"といったマーティン・スコセッシ作品でも知られるこのベテランの仕事ぶりに、今回も安心して身をゆだねられそうだ。

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2011/11/19

【NEWS】ソダーバーグ監督が「ナポレオン・ソロ」を降板

Soder Playlistによると、スティーヴン・ソダーバーグが「ナポレオン・ソロ」こと"The Man From U.N.C.L.E."をついに降板してしまったようだ。

60年代に隆盛を誇ったテレビ番組をベースとした本作は、背中の怪我のために主役を降りたジョージ・クルーニーの代役をはじめ各キャラクターのキャスティングが超難航。加えて、製作費の面でもスタジオ(ワーナーブラザーズ)とソダーバーグとの間でなかなか溝が埋まらなかったようだ。

本作は来年3月にも撮影入りする予定だったが、はたしてこれに間に合わせるべく新たな監督&キャスト探しを行うのか、それとも製作自体を仕切り直すのか。いずれにしてもスタジオ側はこの先、ギリギリの判断を迫られることになりそうだ。

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【NEWS】セブンの監督&脚本家コンビ再び

Sea 今日はDeadlineのスクープが続く。この冬にハリウッド版『ドラゴンタトゥーの女』をお披露目するデヴィッド・フィンチャーの待機作"20,000 Leagues Under The Sea"(海底200マイル)の脚本家としてアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが仲間入りを果たしたようだ。フィンチャーとウォーカーがチームを組むのは両者の名前を世界に広めた『セブン』以来のこと。

とはいうものの、本作はディズニー製作とあって過去のフィンチャー作に見られる過度なダークさは不要。より幅広い世代に見られる作風を目指すものと思われる。

1995年に『セブン』が公開された時にはフィンチャーが33歳、ウォーカーが31歳。月日が経つのは本当に早いもので、いまやそれぞれが49歳、47歳となった。

ネモ船長の冒険をいかに描くか、まさにこの16年の間に培ってきたふたりの力量と人間性が問われることとなりそうだ。

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2011/11/18

【NEWS】リドリー・スコットとジェラード・バトラーが新作でタッグ

リドリー・スコットとジェラード・バトラーがひとりの英国人傭兵にまつわる実話をベースにした新作でタッグを組む可能性が浮上しているDeadlineによると、タイトル未決定の本作にてバトラーは元英国軍人サイモン・マン役を演じることを熱望。リドリー・スコットが監督、製作を務める予定だという。

Mann
このサイモン・マンという男、英国陸軍を退役後は傭兵として戦地を転々とし、やがて自ら民間の軍事関係専門の会社を立ち上げる。2004年にはマーガレット・サッチャーの息子マーク・サッチャーの資金援助のもと、ギニアでクーデターを画策するも、これに失敗。懲役34年を求刑され、収監生活を強いられた後、2009年に大統領の恩赦により解放されるに至っている。

"The Bomb in my Garden"のロバート・エドワーズが脚本を手掛ける。

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【NEWS】ターセム監督、更なる新作決定

インモータルズ』が封切られ、現在では白雪姫をベースにした"Mirror Mirror"を製作中のターセム・シン監督。そのさらなる新作が決定した。Deadlineによると、そのタイトルは"Killing on Carnival Row"。18世紀のロンドンと見まごう未来都市を舞台に、そこに住むニンゲン、その他の生命体、そして謎の連続殺人鬼が織りなすノワールなファンタジー・スリラーとのこと。

Taesem
脚本を執筆したのは『タイタンの戦い』や"Pacific Rim"、"Black Hole"など話題作の目白押しのトラヴィス・ビーチャム。実はこの企画、6年前にもギレルモ・デル・トロやニール・ジョーダンらを監督として立ちあがった経緯があるのだが、その時はあえなく暗礁に乗り上げてしまっている。

新たな監督としてターセムを招聘することを決めたプロデューサーのアーノルド・コペルソンは、ターセムの作品群を「16世紀のイタリア人画家カラヴァッジオとも比肩しうるビジュアリティ」と高評価しており、彼がこの"Killing on Carnival Row"でも確固たる要素を吹き込んでくれるものと期待しているようだ。順調にいけば来年6月ごろから撮影に入る予定。

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【NEWS】イーストウッド主演作の共演にエイミー・アダムス?

Adams Varietyによると、クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』以来となる主演復帰が見込まれている新作"Trouble with the Curve"の共演者としてエイミー・アダムスに白羽の矢が立っているという。

イーストウッドの長年の映画作りパートナー、ロバート・ロレンツが監督を務める本作は、老齢に達し、次第に視力に問題を抱え始めたベテラン・スカウトマンが、娘と共に恐らくこれが最後の仕事になるであろうスカウトの旅に繰り出していくという物語。父との関係を修復していくこの娘役にははじめサンドラ・ブロックの名前が挙がっていたが、交渉の結果どうしてもスケジュールが合わず、製作陣の目線は次なる候補者、エイミー・アダムスへと移ったものとみられる。

とはいえアダムスも今や映画界から引っ張りだこの存在。とりわけ現在はザック・スナイダー監督によるスーパーマンのリブート作"Man of Steel"にてヒロイン役を演じている最中だ。果たしてアダムスは、このお誘いに何と答えるのだろうか。

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【NEWS】ハンガーゲーム2の脚本家にサイモン・ビューフォイ起用?

Beaufoy つい先日、ティーンの間で圧倒的人気を誇る小説「ハンガーゲーム」の映画版予告編が公開され注目を集めたばかりだが、1作目が完成しないうちから早くもシリーズ第2弾"Cathing Fire"の製作が動きはじめたようだ。そしてDeadlineによると、製作スタジオのライオンズゲートはこの脚本家として『フル・モンティ』『スラムドッグ・ミリオネア』『127時間』で名高い英国人脚本家サイモン・ビューフォイに熱い視線を送っているとのこと。

第2弾の脚本に関してはもともと1作目とおなじゲイリー・ロス(彼は監督も務める)と原作者スーザン・コリンズが手掛ける予定だった。しかしロスは現在、3月公開となる"The Hunger Games"の仕上げ作業の真っただ中で、とてもじゃないが脚本執筆にまで手が回らない。そこでスタジオ側のファースト・チョイスとしてビューフォイの名前が飛び出したというわけだ。

まだビューフォイとスタジオ側の交渉は始まっていないが、もしもこれが叶うとすれば本作に『スラムドッグ』の疾走感&『127時間』の精神的葛藤を加えた、巧みな語り口を持ちこむことが可能となるかもしれない。

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【予告編】2つの白雪姫

ハリウッドでは『アリス・イン・ワンダーランド』のヒットを受けて著作権フリーの古典ファンタジーに注目が集まっている。

そして現在、2社が「白雪姫」を題材にした映画を製作中。ひとつはユニバーサルが手掛ける"Snow White and the Huntsman"、もうひとつはリラティビティ・メディアが『インモータルズ』のターセム・シン監督を起用して仕掛ける"Mirror Mirror"。このライバル関係を象徴するかのように、これまた同時期に予告編が初出しされたので、その作風の違いを比較してみよう。

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2011/11/15

【NEWS】ナポレオン・ソロ役にチャニングテイタム?

Tatum_2 Deadlineによると、スティーヴン・ソダーバーグ監督はスパイ・ムービー"The Man from U.N.C.L.E."の主演にチャイニング・テイタムを据えることを検討中のようだ。

ソダーバーグとテイタムはちょうど新作"Magic Mike"を撮り終えたばかり。意気投合したままでの正式オファーまで突っ走れるかどうかに注目が集まる。

もともとはジョージ・クルーニー主演で進められていた本作だが、彼が『シリアナ』の頃に痛めた背中の手術を控えていることもあって代役探しが続けられてきた。つい先日にはブラッドリー・クーパーの名前も浮上していたものの、この可能性についてはスケジュールの都合により あえなく霧消している

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【NEWS】ハリー・ポッターの監督が、英国伝統のSFシリーズ「ドクター・フー」を映画化

Yates Varietyによると、映画版『ハリー・ポッター』シリーズの後半4章分を監督したことで名高いデヴィッド・イェーツが、英国で国民的人気を誇る伝統のSFドラマ「ドクター・フー」の映画化を画策しているようだ。

「ドクター・フー」をめぐってはこれまでにも幾度となく企画が浮上しては消えており、要は誰が軸となって斬新なストーリーラインを構築するかといったことが肝となる。今後、イェーツは2、3年かけてこの企画を形にしていきたい構えだという。

Ad0036172893560000de2dbdcb909ae2 さて、この「ドクター・フー」とはどんな内容なのだろうか。1960年代にBBC放送でお目見えした本作は、「ドクター」と名乗る主人公が空間や時空を越えて壮大な冒険を繰り広げる物語だ。彼の正体は“タイムロード”と呼ばれる時空のねじれを解消すべく立ち回る宇宙人。ケネディ暗殺や世界大戦といった時代の岐路を映し取った写真や絵画には必ず彼の姿が描きこまれており、これまでにも地球上の危機において幾度も重要な役割を果たしてきた―という設定。ドクターと呼ばれるからって医者というわけではない。

その主人公“ドクター”に付き物なのは、共に旅することになる地球人の女性。このヒロインをともない彼らは“ターディス”と呼ばれる英国特有の警官派出所のような乗り物に乗りこんで、日々せわしなく時空を超えて、宇宙の危機を解決していく―。

1960年代から続いたシリーズは89年まで存続。96年にテレビ映画が製作され、しばらくブランクが空いたあとにラッセル・T・デイヴィスやスティーヴン・モファット(同じくBBC製作のドラマ「シャーロック」でも大絶賛を浴びた)らによる脚本のもと2005年に再度シリーズが復活。これがまたもや大旋風を吹き起こした。このときの“ドクター”役にはクリストファー・エクルストンが就任し、その後はデヴィッド・テナント(第10代)、マット・スミス(11代)が受け継いで現在に至る。

Newdoctorwhoiconic 現在の構想では、TVシリーズの延長とは一線を画した映画ならではの方向性が模索される予定だ。このシリーズの長所は、ひとたびターディスに乗り込めば、一瞬のうちに時間と時空とを超えられるということ。基本設定さえ守ればジャンルの制約も存在しない。ゆえにストーリー構築の可能性は無限大。

英国のお家芸「ハリー・ポッター」に見事なフィナーレをもたらしたイェーツが、おなじく英国を代表する「ドクター・フー」にていかなる世界観を提示してくれるのか、楽しみだ。

なお、デヴィッド・イェーツをめぐっては、ワーナー・ブラザーズも新作"Imitation Game"の監督にイェーツを据えようと画策しているようだ。本作はコンピューターの原理を生み出したともいわれる数学者アラン・チューリングをメインに据えた物語。第2次大戦中の彼はドイツ軍の暗号を解読するにあたり大きな役割を担った。このチューリング役にレオナルド・ディカプリオが興味を示しているとも言われているが・・・果たしてどうなる?

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【予告編】ハンガーゲーム

世界各国の若者たちの間で熱狂的な支持を集めるスーザン・コリンズ原作「ハンガーゲーム」。その待望となる映画版の予告編が披露された。

主演には『ウィンターズ・ボーン』や『X-Men:ファースト・ジェネレーション』のジェニファー・ローレンス。『カラー・オブ・ハート』や『シービスケット』のゲイリー・ロスが監督を務め、その盟友スティーヴン・ソダーバーグが第2ユニットの監督として2日間だけヘルプに駆けつけたことも話題を集めた。

新進俳優たちが大挙するだけあって、本作は『トワイライト』シリーズに続いて若者たちに訴求力のある大注目作としてボックスオフィスでの大躍進が期待されている。米公開日は2012年3月23日。

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【予告編】メリル・ストリープ主演"The Iron Lady"

メリル・ストリープがマーガレット・サッチャー元英首相に扮する"The Iron Lady"の新予告編がお目見えした。監督を務めるのはメリルと『マンマミーア!』で組んだフィリダ・ロイド。予告編を見る限りだと今回は踊りだしたりABBAの曲を熱唱するような趣向はないようだ。

本作は地元英国に先駆けて、12月30日にアメリカで封切られる。この日付が意味するのは、アカデミー賞候補入りする条件である「年内公開」をギリギリに満たしているということ。

米国では『英国王のスピーチ』でオスカー受賞したワインスタイン・カンパニーが配給を執り行う。このギリギリのタイミングに劇場を押さえて「最後の大物」として本作をぶち込んでくるあたりに、アワードシーズンの闘い方に長けたその剛腕ぶりを感じさせる。

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2011/11/14

【興行】北米週末Ranking Nov.11-13

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Nov.11-13 weekend 推計

01 Immortals  $32.0M
02 Jack and Jill   $26.0M
03 Puss In Boots  $25.5M
 
04 Tower Heist   
$13.2M
05 J.Edgar  $11.5M
06 A Very Harold & Kumar 3D $5.9M
07 In Time $4.15M
08 Paranormal Activity 3  $3.6M
09 Footloose $2.74M
10 Real Steell
 $2.0M

■世界35カ国にて同時公開を迎えた『インモータルズ』がオープニング3日間で米興収3200万ドルを売り上げ、北米週末興行ランキングNO.1の座を獲得した。当初の予測では2500万ドル近辺に落ち着くものと見られていたが、多くの男性客に支えられ、オリンポスの頂きに昇り詰めるに至った。なお、その他の国々を合わせた世界興収は6800万ドルほどに達している。

Immortals
拙ブログの『インモータルズ』レビューはこちら

観客層別にみると、男性が60パーセントを占め、75パーセントが35歳以下。また25歳~35歳は39パーセントに昇った。3D上映の占める割合は66パーセント。

今年公開されたR指定(米国では)映画としては『ハングオーバー2』、『パラノーマル・アクティビティ3』に続いて3位の数字だ。製作を担ったリラティビティ・メディアによると、製作費の7500万ドルの大部分が海外プリセールス時点で回収されており、米オープニング興収としてはまずは2500万ドル程度稼げればOKといった状況だったようだ。

なお、本作は「『300 スリー・ハンドレッド』のプロデューサーが放つ」という触れこみがフィーチャーされているが、その『300』の米オープニング成績は今回の『インモータルズ』を2倍以上も上回る7000万ドルだった。各紙のリラティビティ・メディア側は「その公開時期によって経済事情が全く異なるので一概に比較はできない。ただし『300』と違って、本作はコミックやグラフィック・ノベルといった原作をもたないオリジナル・ムービーであり、そのことを鑑みると大きな成果と言えるだろう」と答えている。

Jack ■さて2位と3位はかなりの接戦ゆえ、現地時間の月曜日以降に順位がスイッチすることもあり得る。とりあえずは現時点での推計興収でアダム・サンドラー主演のファミリー・コメディ"Jack and Jill"が興収2600万ドルでNO.2。本作ではサンドラーが双子の兄妹役のどちらも演じている。観客層のターゲットを同じくするファミリー・ファンタジー『ベッドタイム・ストーリーズ』の興収2750万ドルにやや届かないレベル。ただしメキシコではこれまでのサンドラー主演作としてはNO.1となる出だしを記録しているとか。共演はアル・パチーノ、ケイティ・ホームズ。

■暫定3位の"Puss In Boots"は先週末比23パーセント減というまたも驚異的な下げ止まりによって、3週目を興収2550万ドルで折り返した。現時点での累計は1億880万ドル。製作費は1億3000万ドル。世界興収でみるとすでに1億5700万ドルほどに達しており、その人気のほどが伺える。

■先週ブレット・ラトナー監督をめぐって様々な事件が起こりすぎた"Tower Heist"は先週末比45パーセント減の興収1320万ドル。累計は4390万ドル。製作費は7500万ドル。

Edgar ■さて、大御所クリント・イーストウッドがレオナルド・ディカプリオと組んだ"J.Edgar"は他よりも1000館程度劇場数の少ない1900館レベルで興行スタート。今年のアカデミー賞での活躍が期待される本作だけに、映画ファンの注目度も熱気を帯びている。観客層別にみると、25歳以上が94パーセント、50歳以上が66パーセントを占めるとのこと。

■『パラノーマル・アクティビティ3』は同じパラマウント配給による"Puss in Boots"と同じタイミングで興収1億ドルを突破した。

■TOP10圏外に視野を広げると、ラース・フォン・トリアー監督作『メランコリア』が全米19館にて封切られている。その1館あたりのアベレージは14000万ドルほど。ランキング首位の『インモータルズ』のアベレージ1万ドルを超える好スタートといえる。

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2011/11/12

【NEWS】ビンラディン追跡映画、最初のキャスト決定

Clarke キャスリン・ビグローとマーク・ボールという『ハートロッカー』の監督&脚本コンビが製作準備中のいわゆる「ビンラディン追跡映画」(タイトル未決定)に一人の俳優が初めて正式に参加を決めた。

Deadlineによると出演者第一号となったのは新進俳優ジェイソン・クラーク。TVドラマ"The Chicago Code"をはじめ、新作映画"The Wettest Country"やバズ・ラーマン監督作"The Great Gatsby"にも参加している彼は、ビンラディンを追跡する米軍特殊部隊員のひとりを演じる。ただし主演なのかどうかは分かっていない。

本作は現在キャスティングの真っただ中。クラークの他に出演交渉中の俳優陣には、トム・ハーディやジェニファー・イール、ガイ・ピアース、イドリス・エルバ、ルーニー・マーラ、ニナ・アリアンダなどが含まれるという。

今年の10大ニュースのひとつに数えられるであろう「ビンラディン殺害」。本作はこの大事件が報告される以前より企画がスタートしており、もともとはかつて失敗に終わった追跡ミッションについて描く予定だった。が、事の次第を受けて現在ではこれに「“ビンラディンの最期”を含めて描く」という新たな方向性が加えられている。製作陣はキャスティングの進み具合を鑑みながら、来年初頭頃には撮影入りしたい構え。

本作には主演としてずっとジョエル・エドガートンの名前が挙がっていたが、今回のDeadline速報では手のひらを返したように全く触れられていない。ここ半年間で急に忙しくなってきたエドガートンはクラークと同じく"Gatsby"に出演しているほか、『300』続編(プリークエルという設定)や"The Man from U.N.C.L.E."への出演もウワサされている。詳細は分からないが、これらの作品群とのスケジュール調整が難しくなって離脱した―なんてことも考えられる。

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【NEWS】タランティーノ新作にサシャ・バロン・コーエン投入?

Sacha Varietyによると、クエンティン・タランティーノ最新作"Django Unchained"に投与される更なる劇薬として、『ボラット』『ブルーノ』で知られる英コメディ俳優サシャ・バロン・コーエンが出演交渉の最終段階に入っているそうだ。

タランティーノが往年のマカロニ・ウェスタン(これは淀川長治さんの造語で、正式にはスパゲッティ・ウェスタン)への愛をむき出しにして贈る本作は、奴隷の身から解放された主人公ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)がドイツ人賞金稼ぎ(クリストフ・ヴァルツ)の助けを借りながら、巨悪のプランテーション農場主(レオナルド・ディカプリオ)に囚われし妻(ケリー・ワシントン)の奪還に挑む―というのが大まかな筋書き。

ディカプリオ演じる悪玉に囚われた奴隷たちは、彼が経営する遊技場で男は『グラディエーター』みたく殺し合いに従事させられ、女は娼婦としての生活を余儀なくされる。バロン・コーエンが打診されているのは、ここに出入りするギャンブラーにして、客としてヒロインを買おうとする人物。比較的小さめの役ながら、重要な役のようだ。

上記に挙げたキャストのほかには、サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ドン・ジョンソンらが出演予定。公開日は2012年12月25日。

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2011/11/11

【NEWS】ビリー・クリスタルがオスカー司会に決定

Billy ブレット・ラトナーのアカデミー賞プロデューサー降板劇にはじまるドタバタにようやく終止符が打たれそうだ。新プロデューサー、ブライアン・グレイザ―のもとで着手されていたエディ・マーフィーに代わる新司会者探しは、ビリー・クリスタルという人気も実績も兼ね備えた人材が首を縦に振ってくれたことによっていとも簡単に解決できたとのこと。

グレイザ―と共同プロデュースのドン・ミシャーは最終的に5人に絞られた候補者たちと協議を続けてきた。そして事の次第はクリスタル本人がツイッターで「Am doing the Oscars so the young woman in the pharmacy will stop asking my name when I pick up my prescriptions. Looking forward to the show.( オスカーやります。これでいつも世話になってる若い薬剤師もようやく私の名前を覚えてくれることでしょう。授賞式、お楽しみに!)」と報告したことで判明。その後、アカデミー協会側も「ビリー就任」を認めるリリースを発表している。

というわけで、第84回アカデミー賞授賞式は、ビリー・クリスタルが実に9回目となる登板を果たすこととなった。2004年以来なので、彼がツイットで触れている通り、天下のビリーも若い世代の間では確かに知名度が低下していると言えるのかもしれない。

ちなみに彼は11月末公開の"The Muppets"にも出演しているが、ここ数日、本作に出演するキャラクターたちをオスカー司会者にしようという自作自演の動きもみられ、フェイスブック上には こんなページも出現していたほど。

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結果的にマペットたちの司会就任は叶わなかったが、彼らが舞台上でビリー・クリスタルと共演―なんて可能性は意外と高いのではないだろうか。

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2011/11/10

【NEWS】オスカー授賞式の司会エディ・マーフィ降板、そして新プロデューサー決定

Eddie ブレット・ラトナーがここ数日の不適切発言によりアカデミー賞授賞式プロデューサーを辞任したのを受け、司会に決まっていたエディ・マーフィーも降板することが分かった。

そもそもこの大役をマーフィーに持ちかけていたのはラトナー自身だったため、今回の騒動でマーフィーは後ろ盾を失った形になっていた。ただし、世間のマーフィーに対する同情や支持は意外と高かったようで、各メディアでも「ラトナーが去ってもマーフィーは絶対に残るべき!」とか「下降気味のキャリアを上方修正させるためにもこの仕事はやるべき!」との記述を多数見受けたが、結果的に予想通りの降板となった。

マーフィーは「今回の授賞式プロデューサー降板を受けて、その状況については理解してますし、今は双方(ラトナー&アカデミー協会)の決断を尊重したい思いでおります。すでに着々と準備のはじまっている授賞式に参加できることを心から楽しみにしておりましたが、新たな製作陣や司会者もそれと変わらぬ素晴らしい仕事をしてくれると確信しております」とのコメントを発表している。

Brian さて一方で、ラトナーの後任となるプロデューサーも決定した。ラトナー監督作(そしてマーフィー主演作でもある)"Tower Heist"でプロデューサーを務めたイマジン・エンタテインメントのブライアン・グレイザーがこの仕事にあたる。

ロン・ハワードとのコラボレーションでは『ダ・ヴィンチ・コード』や『シンデレラマン』『アポロ13』などを世に送り出し、『ビューティフル・マインド』では作品賞オスカーを受賞。他にも「24」シリーズやイーストウッド監督作『チェンジリング』や"J.Edgar"のプロデュースも手掛けるなど、話題作多数を残す大物である。

もちろん彼の最初の大仕事となるのは、エディ・マーフィーの抜けた穴を埋めること。授賞式まであと3カ月足らずの今、どれだけ迅速に突貫工事が行えるかが鍵となる。“受賞する側”から“仕掛ける側”へと舵を切ったグレイザ―の手腕が試される大舞台と言えそうだ。

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2011/11/09

【レビュー】マネーボール

昔からプロ野球は嫌いだった。幼いころ大好きな番組がどれほど野球中継で潰されたことか。いつも「雨になれ!」と願っていた。いまだにバットの振り方も知らない。「ボールをよく見て打て!」ってアドバイスされてもその意味が分からない。今の運動神経ではフライもまともに取れやしないだろう。

そんな俺が、今ではどうだ。『マネーボール』を観ただけですっかり野球の専門家にでもなった気分に浸っている。ここまで引きこまれた理由は明らかだ。この映画が野球のウンチクや講釈を垂れるようなものではなく、主人公ビリー・ビーンの人生をじっくりと醸成していく深い香りと味わいに満ちていたから。

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ビリーはオークランド・アスレチックスのジェネラル・マネージャーだった。かつては鳴り物入りの選手として球界入りしたものの、良い成績が残せず、10年後にスカウトマンに転向。そこでの裏方として能力を発揮し、いつしかGMの地位にまでのぼりつめた。

ヤンキースやレッドソックスなどの強豪とは違い、彼ひきいるアスレチックスは資金力の上で極めて脆弱な球団だった。今年も惜しいところで競り負け、その後のオフではせっかく素晴らしく育った選手が次々に他球団へと引きぬかれていく。空いた穴をどの選手で埋めるか。スカウトマンたちは自分の直感を無根拠に信じ、まるで預言者が博打を打つかのように無名選手の可能性を論じ合う。当然、確たる答えは得られない。ビリーにはそれがうんざりだった。その球界の現状を変えたかった。貧乏球団でも強豪に対抗し得る秘策が欲しかった。

ある日、彼はその“答え”となるべき人物と出逢う。大学を出たばかりの若造にして、跳び抜けたデータ分析能力であらゆる選手の可能性を数字として算出するその男の名は、ピーター・ブランド。「選手じゃなく、君を買う」。いつしか強固なパートナーシップで結ばれた彼らは、周囲の大きな反発に合いながらも、この「マネーボール理論」に基づいてチームを再生させようとするが・・・。

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“深い香りと味わい”を焙煎しえた本作の立役者は、大きく見て3人存在する。

ひとりは昨年『ソーシャル・ネットワーク』でハリウッドで最も注目すべき地位にまで昇りつめた脚本家アーロン・ソーキンだ。またしてもソニー・ピクチャーズ作品で手腕を振るうことになった彼は、原作の中からビリーの人生の支柱を巧みに抽出してみせる。もちろん、いつものソーキン作品らしく、主人公は孤独な闘いを強いられる。だがそれにも増して重要なのは、「マネーボール理論」に挑もうとするビリーの現在と並行して、若き日(選手時代)の彼の挫折さえもノスタルジックに描いてみせる点だ。

この回想パートでわだかまっていく感情こそが、未来のビリーをひとつの決断に踏み切らせる原動力となる。いいかえれば、“若き日の自分”の疑問に対して、“今の自分”が数十年のインターバルを越えてようやく答えを返すという構成になっているわけだ。そうやって人生を一本の線上で集約させていく。その過程が実に丹念に描かれている。

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もうひとりは、ビリーを演じるブラッド・ピット。ここ最近では映画の部品に徹することが多かった彼が、かくも単独主演として久々に主人公の人生を演じきる。映画製作者として裏方に回ることも多くなったせいか、ピットが何よりも俳優としての観察眼を磨き上げていることに驚かされる。これまでのどの演技よりも自然で、構えることなく観客をすんなりとその人生へと導き入れてくれる。

順撮りとは限らない撮影現場でこれほどブレのない一本線を形成していける技。共演者との間に香る絶妙な空気感も然り。さらには演技に没頭すればするほど、彼のもう一つの目線が自らを冷静に俯瞰して見つめている気配さえ感じる。少なくとも、過去のフィルモグラフィーの中で最も演技的に成熟したピットにであることは間違いない。

そしてベネット・ミラー監督。もともと本作は“チェ・ゲバラ”2部作で知られるスティーヴン・ソダーバーグが手掛けるはずだったが、ミラー監督が代打としてボックス入りすることに。『カポーティ』でフィリップ・シーモア・ホフマンに主演男優賞オスカーをもたらしたこの才能が、またもやキャラクターの人間性を入念に引き出していく。奇をてらった手法などなにもない。が、この監督はどんな場面にでも、それこそ狭くひしめき合った会議室や暗い資料室でもグッと観客の主観を引き寄せるドラマを形成できる。まさにスタジアムだけでなく、その舞台裏でも様々な事件や駆け引きが繰り広げられていることを様々な角度から抽出してみせる。

また前作とは体感温度がかなり異なるのも今回の特徴だ。『カポーティ』では常に冷たい隙間風が背中を撫でるゾクっとした気配を感じさせたが、本作ではビリーの一人娘の存在が、つねにどこかから守護天使が微笑みかけているかのような温かな生気をもたらしてくれる。陰から陽へ。寒から暖へ。

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ミラー監督が投入する役者陣も見逃せない。前作の“トルーマン・カポーティ”ことシーモア・ホフマンが髪を短く刈り込み、チームの監督役で出演しているのにも驚かされる。おなじ小太り俳優ジョナ・ヒルも髪をきっちりセットし、これまでのコメディ俳優としての印象を払しょくする存在感でブラピとのコンビネーションを醸成。つくづく映画とはある意味、全員野球なのだなあと思い知らされる。パーツパーツでの仕事ぶりがいかに映画全体を輝かせていることか。

ただし、この映画は80年代に見られたベースボール映画の王道クライマックス=観客総立ち&大歓声とは一線を画すものだ(これは80年代映画だったら、スタジアムでの大団円は欠かせなかったろう)。本作が紡ぐのはあくまで一人の男の人生。そこに大観衆は必要ない。決断するのは自分自身。彼が最後の舵をどの方向へ切りだすのかにこそ、我々は大いに注目すべきなのだろう。

また本作はなにも極度に「データ至上主義」を謳った物語というわけでもない。当時の野球界はこの手法が“異端”と呼ばれるほど伝統主義に凝り固まっており、ビリー一味はそこに大きな風穴を空けようとした。その挑戦こどが要なのだ。何か新たなことに挑むとき、そこには必ず行き先を阻む者が現れる。それを乗り越えようとしてこそ初めてドラマが息づく。つまりはこの『マネーボール』も、多くの先人達が歩んできたのと同じ、普遍的な物語といえそうだ。

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【NEWS】ブレット・ラトナーがオスカー授賞式プロデューサーを辞任

『ラッシュ・アワー』や『Xメン3』などで知られ、先週金曜日にはアメリカで新作"Tower Heist"が封切られたばかりのブレット・ラトナー監督が、すでに決定済みだった大役、第84回アカデミー賞授賞式のプロデューサーの仕事を辞任すると発表した。アカデミー協会もこれを了承。すぐさま後任のプロデューサー探しが始まるものとみられる。

Brettことの発端は"Tower Heist"のプロモーション中に勃発した。

上映後に行われたQ&Aにて、質問者の「映画のリハーサルはどんな様子だったんですか?」という何気ない投げかけに対して、ラトナーは「リハーサル?リハーサルなんてFagのためのものさ」と口にしてしまった。要は「入念に準備を重ねればリハーサルなんてそう必要ない」と言いたかったんだろうが、この"fag"という言葉がホモセクシャルな人々を強烈に蔑視する意味合いを含んでいるため大問題に発展してしまった。

これに加えて、ラトナーがこの期間に出演したテレビやラジオ番組で女優オリヴィア・マンとのセックス・ライフについて生々しく語ったことも“不適切”と見る向きが多い。

つまりはこの2アウトによる批判の高まりによって退場を余儀なくされてしまったというわけだ。

なお、ラトナーの推薦によりオスカー司会に決定していたエディ・マーフィー(彼は"Tower Heist"の主演のひとりでもある)の去就についてはまだなにも分かっていない。ひとり孤島に取り残された状況に陥っている彼こそ、今回の騒動のいちばんの被害者といえそうだ。

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2011/11/08

【NEWS】「ウォーリーをさがせ」映画化へ

Waldo 英国人絵本作家マーティン・ハンドフォードが1987年に著し、世界で累計5500万部の売り上げを記録している「ウォーリーをさがせ!」が実写映画化に向けて動き出した。

これまでにも『怪盗グルーの月泥棒』などを手掛けたクリス・メレダンドリ率いるイルミネーション・エンタテインメントなどが温めてきた同映画企画だが、軌道に乗らず撤退。今回新たにMGMがこの映画化権利を取得するに至った。原作同様、世界中を旅するファミリー・アドベンチャーになる模様。監督やキャストなどはまだ決まっていない。

おそらく歴史上、世界で最も“探されている”キャラクターなだけに、この趣向がどのような形で劇映画に組み込まれていくのか、ひとつのカギとなりそうだ。

ちなみに、世界的でこの“ウォーリー”の名前が浸透しているのかと思いきや、実はこのシリーズ、世界中で名前が若干違う。

同じ英語版でもオリジナルの英国版では"Wally(ワリー)"、北米版では"Waldo(ワルドー)"といった差別化が図られるなど、その言語や文化に根差した命名が成されている。

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2011/11/07

【レビュー】僕たちのバイシクル・ロード~7大陸900日~

旅行記といえば、「東海道中膝栗毛」から沢木耕太郎の「深夜特急」、さらにはチェ・ゲバラの「モーターサイクル・ダイアリーズ」からジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」や、果てには「水曜どうでしょう」の旅企画に至るまで、様々な名作が存在する。その中にこの長編映画を併記することはた多少なりとも無謀な行為なのかもしれない。

おそらく本作が名作であるか否かは今後の歴史の連なりがじっくりとその答えを熟成していくことになるのだろう。だが、歴史上の一瞬の通過者に過ぎない僕にとってこの映画は、まるで自分を夢と可能性とに満ち溢れた大学生のころに引きもどすかのような心の滋養強壮に満ちており、何よりも観終わった後に「ああ!旅に出たい!」という気持ちがとめどなく込み上げてくる。

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『僕たちのバイシクル・ロード』は全くの無名の英国在住の若者たち(従兄どうし)が自転車に乗り込み、カメラを片手に、足掛け3年の月日を経て7大陸を横断していくドキュメンタリーだ。

取材班が同行しているわけではなく、最初から映画化の企画があったわけでもない。ギネスに挑戦しているわけでもないし、厳密にずーっと自転車移動というわけでもない(途中、余裕で列車移動を決め込んだりもする)。ルールは彼ら自身。自分で決めて、自分で実行する。カメラはそんな彼らの話し相手であり、観察眼であり、よきパートナーであり、守護天使。そんなところだ。すべては場当たり的な結果論であり、とりあえず彼らが無事に旅を成し終えたからこそ、今こうして旅日誌ならぬ旅映像の素材を編纂し、第三者(観客)に披露するという地点にまで辿りつけているのだ。

企画、発案、監督、編集、音楽、すべて俺たち。その意味でこれは究極のDIY旅行記といえるだろう。そして、ここでふと頭をよぎるのは、もしもゲバラやケルアックが現代を生きたなら、この若者たちと同じく、やっぱりビデオカメラを片手に旅に繰り出したんじゃないかという思いである。

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“伝説の旅人”たちが筆や写真でその情景をヴィヴィッドに記録したように、ふたりの主人公たちが掲げるデジタルカメラは簡単なスイッチの切り替えだけで驚くべき世界の現状を切り取り、膨大な視覚情報を余すとこなく、しかも高画質で保存してくれる。一昔前まではアマチュアの映像をスクリーンで観賞するにはハード的にもクオリティ的にもとてもじゃないが耐えきれない場合が多かったが、今ではこんなにも生々しい世界の呼吸をダイレクトに伝えることができる。魂さえ燃やしていれば誰だってゲバラやケルアックになれる時代なのだ。

その肝心の映像にも見どころが詰まっている。ヨーロッパの幹線道路がやがて鬱蒼とした森林に飲みこまれ、それが再びロシアに近づくにつれ激しい交通量を獲得していく動線が、これまで観客が頭に描いていた地図とはまるで違う図法でもって世界を再生成していく。あの目線、あの角度で見上げた赤の広場。そこから中国へと南下し、テレビカメラも捉えたことの無いような名もなき村の、土砂崩れによって失われたライフラインを目の当たりにする。呆然と立ち尽くす二人。一方、その事態を当たり前のように寡黙に受け流す村人たち。

またどこの村を辿ろうとも、子供たちはいつも好奇心のかたまりのように群れでやって来て、なにを言ってるのかさっぱり分からない言葉と笑顔で旅の疲れをいやしてくれる。

旅はさらに南下し、シンガポールから無賃で船に乗りオーストラリアまで。

そこで金をはたいて、万策尽きたかと思いきや、今度は彼らはこれまでの旅の記録をリーフレットにまとめ、それを手売りして旅費を稼ぐ。その数、数万部(ちょっとした雑誌並みだ)。それが真実かどうかは分からない(すべては自己申告制なので)。だが、それを真っ正直に信じたくなる確たる目線や語り口がそこには存在する。DIY精神みなぎらせる彼らをいつの間にか旅の聖人列に加えてしまいたくなっている自分がいるのだ。この旅人と観客との心の距離のダイナミックな接近こそ、旅行記のもうひとつの醍醐味であることは言うまでもない。

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またそのハイライトに位置するシークエンスとして、本作には南極大陸で自転車を走らせるというとんでもない映像が収められている。その隣をトコトコと並走するペンギン君たちのお戯れには、まるでここが全く違う惑星か何かではないかと思わせるほどの異様感というか浮遊感があふれ出る。こんな不思議な映像を体験させてくれて本当にありがとうと、素直にそう思える。

『僕たちのバイシクル・ロード』を観ながら、これだけ世界が瞬時に繋がる時代であっても、僕らにはまだ未体験の景色がおびただしいほど存在することに気づかされた。今の時代、「知ってる」気分になってることがあまりにも多すぎる。もちろんこの映画のスピリットや映像群もそれを実際に「知る」ことにはなりえないが、少なくとも自分が「知らない」ことを知り、それを楽しむ境地に立たせてくれる。

そしてその感動はやっぱり、ゲバラやケルアック、沢木耕太郎から大泉洋に至るまで、多くの先輩旅人たちがもたらしてくれた心の高揚と同種であったと、改めて気づかされるのだ。

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【興行】北米週末Ranking Nov.04-06

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Nov.04-06 weekend 推計

01 Puss In Boots 3D  $33.0M
02 Tower Heist  $25.1M
03 A Very Harold & Kumar 3D Christmas $13.0M
 
04 Paranormal Activity 3 
$8.5M
05 In Time $7.7M
06 Footloose $4.5M
07 Real Steel $3.4M
08 The Rum Diary $2.9M
09 The Ides of March $2.0M
10 Moneyball
 $1.9M

Puss ■「長靴を履いた猫」こと"Puss In Boots"による会心の一撃。大方の予想を大きく裏切り、このドリームワークス製の3DアニメがV2を達成した。しかも先週末比わずか3.1パーセント落ち。これは驚くべき下げ止まりだ。連休絡みではない時期にこれほどの好キープを見せた例は過去の記録どこをとっても見当たらない。累計興収は7550万ドルに達している。

■2位にはベン・スティラー、エディ・マーフィら主演のクライム・コメディ"Tower Heist"が興収2510万ドルで登場。製作費は7500万ドル。

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観客層別にみると、25歳以上が70パーセント、18歳~24歳は12パーセント、18歳以下は15パーセントにとどまった。監督は『ラッシュ・アワー』シリーズなどで知られるブレッド・ラトナー。彼は次回アカデミー賞授賞式のプロデューサーに就任済みで、エディ・マーフィが司会を務めることが決まっている。

Tower ちなみにこの"Tower Heist"、『プレシャス』でオスカー女優候補にもなったカボレイ・シディベも登場している。シリアスだった前作からコメディへ。どんな変貌ぶりを見せているのか気になるところだ。

■3位はアメリカで高い人気を誇るコメディシリーズ「ハロルド&クマー」最新作が登場。ジョン・チョウとカル・ペンのお馴染みコンビの再登板に期待は高まったが、興収は1300万ドルにとどまった。前作"Harold and Kumar Escape from Guantanamo Bay"の1490万ドルとほぼ同じ出来高といったところか。製作費は2000万ドル。観客層別にみると、全体の73パーセントが35歳以下。43パーセントが25歳以下。そして驚くべきことに、3D上映の不振が伝えられるこのご時世に、本作の3Dシェアは95パーセントを占めたという。

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それにしても、"Harold and Kumar"からのこの1カット、『ハングオーバー』のワンシーンを彷彿とさせますね。

■3週目の『パラノーマル・アクティビティ3』は累計興収が9500万ドルに。来週の今頃には第1作以来となる1億ドル突破なるか。製作費500万ドル。

■2週目の"In Time"は先週末比36.1パーセント落ちという下げ止まりの強さを見せた。累計興収は2420万ドル。4週目の"Footloose"は累計4500万ドルほど。製作費2400万ドルの約2倍を稼ぎ出している格好。ジョニー・デップ主演の"The Rum Diary"は先週末比42パーセント落ち。世の新作映画が2週目で平均50パーセント落ちることを考えると、こちらも若干の下げ止まりが働いているのだろうか。公開規模2000館以上のジョニー・デップ主演作としては1999年の『ノイズ』以来となる低迷ぶりであることには変わらないが、テーマがテーマだけにこの結果はデップはじめ製作陣もある程度は予測していたことだろう。ジョージ・クルーニー監督作"The Ides of March"は累計3680万ドル。10位には7週目の『マネーボール』。製作費5000万ドルのところ累計興収7000万ドルに達している

■トップ10圏外に視野を広げると、先週爆発的なアベレージ(3万ドル越え)の高さを見せつけた"Like Crazy"(サンダンス映画祭で最高賞受賞)は、上映館数を4館→16館に拡大。それでもなお1館あたりのアベレージ1万7千ドルに迫る高稼働率を維持している。

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2011/11/06

【NEWS】イニャリトゥ監督の新作決定。その主演候補には…

Inarritu 一作、また一作と世界の絶賛と共にフィルモグラフィーを更新し続けるアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。その最新作が"The Revenant"に決定した。

ニュー・レジェンシーが全額出資して制作を担う本作は、マイケル・パンクが著した同名小説がベースとなる。舞台は1820年代の米開拓時代。高品質の毛皮を求めて未踏の地を分け入っていく男ヒュー・グラスはある日クマに襲われ、身動きが取れない状態に陥ってしまう。彼は二人の男を雇いなんとか面倒を見てもらうが、グラスの死を予感した彼らは金目のものを全て奪い、グラスを身捨てどこかへ消えてしまう。だが、当のグラスはこのままくたばるような男ではなかった。九死に一生を得た彼は、やがて復讐心を胸に彷徨いはじめるのだが…。

Deadlineによると、イニャリトゥの希望として主演のグラス役にはレオナルド・ディカプリオ、主人公を放置する二人組の片割れには『21グラム』でイニャリトゥ組は体験済みのショーン・ペンの名前が挙がっているという。彼らはすでにイニャリトゥと面談済みだとか。

だが、なにしろディカプリオは現在、"Django Unchained""The Great Gatsby""The Imitation Game""Satori""The Gambler"などの数々の企画に囲まれており、ショーン・ペンも"Gangstar Squad"への主演と、ロバート・デ・ニーロ主演作"The Comedelian"では監督を務めることが決まっている。これらを行儀よく順番待ちしていたらこの企画がようやく撮影入りできるのは来年の秋ごろとみられ、今後、3者がどのような決断を下していくのかに注目が集まる。

なお、この"The Revenant"、アメリカでの配給は20世紀フォックスが担う予定。

『BIUTIFUL』レビュー
『バベル』レビュー

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2011/11/05

【NEWS】ターセム版「白雪姫」のタイトル決定

現在ハリウッドで製作中の「白雪姫」は2本ある。ひとつはユニバーサルが製作する"Snow White and the Huntsman"。そしてもう一本の『インモータルズ』のターセム・シン監督作の方はずっとタイトル未決定のままだったが、このたびようやく"Mirror Mirror"に正式決定した。邦訳すると「鏡よ、鏡」といったところか。

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主演の白雪姫役にはリリー・コリンズ(あのミュージシャン、フィル・コリンズの娘)、そのほかジュリア・ロバーツ、アーミー・ハマー、ネイサン・レインなどが出演。ターセム作品といえば時々どぎついバイオレンス描写が盛り込まれることもあるが、本作ではよりファミリー層に訴求力のあるコミカルなストーリーテリングを目指しているようだ。それにしても現在までにお披露目されているスチール画像では相変わらずターセムの芸術性が過不足なく爆発している印象が強い。

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ちなみに「白雪姫」2本は「どっちが先に公開するか」で差別化を図ろうと、決定、再決定のデッドヒートを繰り返してきた。今のところ"Mirror Mirror"の米公開日は2012年3月16日に落ち着いている。"~Huntsman"の公開日は6月1日。こちらはクリステン・スチュワート(姫)、クリス・へムズワース(猟師)、シャーリーズ・セロン(魔女)が3すくみを形成し、より“戦うヒロイン像”を強く打ち出したアクション・エンタテインメントになる模様。CM界で数々の受賞歴を誇るルパート・サンダースが監督を務める。

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【レビュー】インモータルズ

仮にこの映画の観賞直後にゼウスと出くわしたなら、思わず条件反射的に地べたにひれ伏してしまうだろう。あ、いけね、ゼウスって呼び捨てにしたら天からギューンと降りてきて蹴ったくられそうだ。だからゼウス様。そう呼ぶことにしておく。

『ザ・セル』や『落下の王国』で「映像だけは綺麗」王子の名を欲しいがままにしてきたターセム・シンが、今回は有史以前の地上を舞台に、ギリシアの神々と人間との深い関係性の物語を紡ぎだした。それが『インモータルズ』。

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天上にはゼウス様をはじめ金ぴかにドレスアップしたギリシア神話の神々。地下には封印されしタイタン族。そして地上には「世界も神々もオレが丸ごと全部ぶっつぶしてやるよ!」と威勢を張る不良番長ミッキー・ローク(役名はあるんだが、そのまま呼ぶことにする)の存在が。

そして、忘れてました、主人公には他と比べるとやや存在感が薄い英雄テセウス君。彼はゼウスの寵愛を受けたニンゲン役。上半身の筋肉をムキムキ言わせながらこれを演じるのは次回作"Man of Steel"で新スーパーマンに就任することが決定済みのヘンリー・カヴィルだ。

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ストーリーは難しいようで意外と単純。暴君ミッキー・ローク一味が神に逆らいタイタン族を解き放とうとするのを、ギリシア軍総動員、さらには神々まで加勢しながらこれを必死に食い止めようと奔走するというもの。この大騒動をターセムならではの壮大な映像美で描くのだが、これが本当に息を呑むほど美しかったり(冒頭のキューブ内に整列したタイタン族の画など3Dで描くのに打ってつけの名場面だ)、壮大だったり、ロシア正教会の金ぴかのモザイク画のようであったり、果てにはおびただしい数の兵士が細長い通路で刃を交えるスペクタクルや、クライマックスの超音速とスローモーションの合わせ技で展開する激闘シーンは観る者を狂喜乱舞させずにいられない。おそらく過去のターセム作品の中では芸術性とエンタテインメント性との間にいちばんの調和がもたらされた、いわば彼自身がゼウスの寵愛を受けた一作ということができるだろう。

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加えてターセムは、その美しさの画竜点睛となるのは残虐なまでに飛び散る深紅の血、と考えているのだろう。この映画のバイオレンスぶりには言葉を失うこともしばしばある。とりわけミッキー・ロークのとことんな残虐性には「次はどんな手で来るか!?」と観客が身構えてしまうほど。かと思えば、今度は神々がしびれを切らし、空の神殿(まるで「ドラゴンボール」の神様宮殿みたいな)より飛来し、一瞬にして人間を文字通り血みどろに“粉砕”してしまったりもする。もう、どっちが残虐なんだか。

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で、極めつけは全神々のお父ちゃん的存在であるゼウス様。「人間を助ける、助けない」のすべてのルールを彼が決め、勢い余って手を出した神には自らオンドリャア!と怒りのムチ打ちを食らわす。カッコ良く精悍に決めてはいるけれど、その実、なんて自分勝手な…あ!俺、言ってませんよ!撤回!撤回!

とにかく『インモータルズ』はビジュアル的になかなかの重厚感を見せつけてくれる快作だ。これぞ視覚的カタルシス。ブルーレイを手に入れたならなんども巻き戻して観入ってみたいシーンも数多いだろう。それに石岡さんの衣装デザインはまたしてもそれだけ独立して主役とみなしていいくらい見事だ。

ただ、こうして興奮に酔いしれてる側で、現実世界ではギリシアの経済支援策をめぐり連日にわたって協議が続き、ヨーロッパの金融不安をどう取り除くかの誰もが苦心している。今まさに地下からタイタン族が解き放たれようとしていて、人間界はテセウスの登場を、そしてゼウス様が天上から再びギュイーン!と降臨して怒りのムチをぶちかましてくれるのを、今か今かと心待ちにしているのではないだろうか。

はたしてそのとき、ムチを食らわされるのはタイタン族か、それとも我々ニンゲンなのか。

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『ザ・フォール/落下の王国』のレビューはこちら

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2011/11/04

【画像】「大いなる遺産」ファースト・スチール

お化け屋敷の画像ではないDeadlineがチャールズ・ディケンズ原作「大いなる遺産」"Great Expectations"の最新映画版のファースト・スチールを披露している。マイク・ニューウェルが監督を手掛ける本作では“ミス・ハヴィシャム”役をヘレナ・ボナム・カーターが演じる。その若き頃、結婚式当日に破談の知らせを受け取り、それからというもの気が触れてしまったハヴィシャス。ウェディング・ドレスを身にまとったこの不気味な存在感はボナム・カーターの新たなアイコンとして定着していきそうだ。

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その他のキャストにはレイフ・ファインズ(マグウィッチ)、ジェイソン・フレミング(ジョー・ガージェリー)、ロビー・コルトレーン(ジャガーズ)、ホリデイ・グレインジャー(エステラ)、デヴィッド・ウィリアムズ(パンブレチュック伯父さん)そして主人公のピップ少年役にはスピルバーグ監督作『戦火の馬』でも主演を務めるジェレミー・アーヴィン。英国では2012年秋ごろの公開を予定している。

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1998年の『大いなる遺産』では舞台をアメリカに置き換えた新機軸を展開。『トゥモロー・ワールド』のアルフォンソ・キュアロンが監督を務めている。

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【NEWS】猿続編、アンディ・サーキス続投

Apes Deadlineによると、20世紀フォックスは世界で興収4億5300万ドルを記録した『猿の惑星:創世記』の鉱脈を更に掘り進めるべく続編製作に着手しはじめたようだ。

そしてストーリーの具体化や脚本家起用といった手順を飛び越えて、何よりも先にシーザー役のアンディ・サーキスとの出演契約を結んだとのこと。サーキスの場合、『創世記』の交渉時にこの1作分のみの契約しか盛り込まれておらず、続編に起用するには更なる更改が必要だったとみられる。当然、今回の大ヒットに関しては誰もがサーキスの偉業を認めるところであり、それなりの金額と2作目以降のシリーズ展開も含めての幅広い契約に移行していることが予想される。

なお、ジェームズ・フランコやフリーダ・ピントの再登板の話はまだ具体化していない。いかに製作陣の中で「まずはサーキスから押さえよう」という想いが強かったかが伺える。もはやシリーズの支柱といった感じだ。

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そしてもう一人の成功の立役者、ルパート・ワイアット監督に関しては『創世記』の交渉時に続編製作の可能性も織り込んでの契約が交わされていたため、こちらは彼さえ望むならば続投することが可能とのこと。

また、『猿の惑星:創世記』をめぐってはフォックス側がアンディ・サーキスをアカデミー賞候補入りさせるべくキャンペーン展開する気配が濃厚となっている。夏公開の映画が受賞を狙うのは非常に稀なケース。モーション・キャプチャーを通じての演技がアカデミー協会員たちにどの程度評価されるのかひとつの注目どころとなりそうだ。

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【画像】ビル・マーレイ演じるルーズベルト大統領

USA Todayが"Hyde Park on the Hudson"のファースト・スチールを披露している。『ノッティング・ヒルの恋人』のロジャー・ミッチェルが監督を務める本作は、1939年、英国王ジョージ6世(『英国王のスピーチ』でコリン・ファースが演じたあの人物)がその妻エリザベスを伴って英国王室として初めての公式訪米を果たしたその裏側で、フランクリン・D・ルーズベルト大統領とその親類にあたるデイジーとの秘めたる愛が展開する・・・という物語。原作はラジオドラマで、公式訪米から70周年を迎えた2009年にイギリスにて放送された。

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ビル・マーレイがフランクリン・D・ルーズベルト大統領を演じるなんてイメージしづらいものがあったが、なるほど、こういうことになっているのか。いつも飄々とした“そのまま”の面白さで勝負するマーレイが、今回はかなり作り込んで攻めてきているような印象ですね。

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2011/11/03

【NEWS】007新作タイトルは"Skyfall"

Bondやはりウワサは真実だった。ロンドンにて007最新作の製作発表会見が行われ、以前このブログでも報じていたように、新作タイトルは"Skyfall"になることが明らかとなった。

この"007/Skyfall"に出演するのはダニエル・クレイグ以下、ジュディ・デンチ、ナオミ・ハリス(マニーペニー役との噂は一蹴。イヴという名の女性エージェントを演じる)、ベレニス・マーロウ(彼女が今回のボンドガール。謎のキャラとだけ紹介)、ハビエル・バルデム(悪役)、ベン・ウィショー、レイフ・ファインズ、アルバート・フィニー。ロケ地としてはロンドンの官庁街ホワイトホール、上海、イスタンブール、そしてスコットランドの人里離れた地域も使用される模様。製作費は前作『償いの慰めの報酬』と同じ範囲になる。

今回の軸のひとつとなるのはジュディ・デンチ演じるMの過去のようだ。プレス資料にはそのストーリーラインとして「彼女の過去がよみがえるとき、ボンドのMへの真の忠誠心が試される。そしてMI6が攻撃にさらされるとき、007はいかなる個を犠牲にしようともそれを粉砕しなければならない」と記されている模様。

なお、「今回はアクションが少なめになるのでは?」というウワサに対してメンデス監督は「そんなことはない。アクションシーンはふんだんにある」と否定。「ただしアクションはドラマ部分とのバランスが不可欠」とも付け加えた。

劇場公開はイギリス&アイルランド先行で、2012年10月26日。

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【NEWS】GHQの決断を描く"Emperor"の監督決定

Peterwebber 終戦直後、マッカーサー率いるGHQの抱えた最重要課題のひとつが昭和天皇の戦争責任をどう結論づけるかということ。その過程を描いた"Emperor"という長編映画が製作されようとしている。

メインとなるのはマッカーサーの右腕であり日本問題のエキスパートであるボナ―・フェラーズ副官。彼はこの問題の責任者として「天皇不起訴」の決定を下した中心人物と言われている。また本作は並行してフェラーズと日本人女性との愛も描かれる模様。

脚本を手掛けるのはデヴィッド・クラス、ヴェラ・ブラシ。そしてこのたび、本作の監督として『真珠の耳飾りの少女』や『ハンニバル・ライジング』で知られるピーター・ウェバーがこの任にあたることが発表された。

撮影は来年の1月より、ニュージーランドと日本で行われる。

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【NEWS】ステイサムまたまた新作決定

『トランスフォーマー』第4弾や『ワイルド・スピード』シリーズの新キャラとしての登板などがウワサされるジェイソン・ステイサムに新たなアクション映画への出演が決まった。

現在サンタモニカで開催中のAFM(アメリカン・フィルム・マーケット)にてIMグローバル社が明らかにしたところによると、その作品のタイトルは"Hummingbird"。『イースタン・プロミス』や『堕天使のパスポート』の脚本で知られるスティーヴン・ナイト(彼は一時期『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ最新作『ロスト・シンボル』の脚本を執筆していたが、今では原作者ダン・ブラウン自らが改稿にあたっている)による監督デビュー作となる。

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ステイサム演じるのは元特殊部隊の兵士。ロンドンの闇社会で罠に墜ちた彼は、やがて全く別のアイデンティティを手に入れたことをきっかけに、彼なりの正義を貫くべく復讐に打って出る。

製作費は2000万ドル(比較的安価で起用できるのもステイサム人気の理由)。撮影は来年初頭にロンドンで行われる。IMグローバル社とステイサムは2012年に米公開予定の"Safe"という作品でも組んでいる。

ステイサムといえばただいま『Blitz ブリッツ』が公開中。こちらの彼は熱血&凶暴刑事役を熱演しており、なんと今回は銃を抜く回数がほとんどないという、まさにこれまでのハチャメチャぶりがあってこそ成立する新趣向にチャレンジしています。お見逃しなく。

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2011/11/01

【予告編】We Need Talk About Kevin

カンヌ映画祭に出品後、国際的に高い評価を集める"We Need Talk About Kevin"。その予告編がお目見えした。主演の親子にティルダ・スウィントン、ジョン・C・ライリー、そして新生エズラ・ミラー。監督を務めるのは『モーヴァン』や『ボクと空と麦畑』でアーティスティックな世界観を描き、アンドレア・アーノルドと並んで英国における最重要の女性監督と目されているリン・ラムジー。

なお、本作は先日行われたロンドン・フィルム・フェスティバルにて最優秀作品賞を受賞している。

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【TIFF】デタッチメント

トニー・ケイという監督名に聞き覚えはあるだろうか?あの『アメリカン・ヒストリーX』を手掛けながら最終版をめぐってエドワード・ノートンと激しく対立し、自分のクレジットを「アラン・スミシー」(何らかの事情により作品から自分の名前を抹消したいとき、代わりにこの名前を用いる)に変えるよう協会に要請。しかしこの名前を使用する場合、その経緯について明らかにしないという暗黙のルールがあり、すでにこの顛末をマスコミに明かしていた彼の言い分は認められなかった。

そのトニー・ケイが新作『デタッチメント』を東京国際映画祭のコンペ部門へ送り込んできた。今度のテーマはなんと教育。オバマ政権下で幾度となく教育改革の必要性が訴えられ、また昨年には"Waiting for Superman"というドキュメンタリー映画(監督は『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム)までもが大きな話題になったアメリカで、英国出身のケイ監督はいったいどんなストーリーを提示しようというのだろうか。

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本作はひとりの代理教師の目線を通して、学校教育とその周辺の風景を事細かに映し出していく。

エイドリアン・ブロディ演じる教師ヘンリーは、前任のかなり荒くれた学校で、受け持った生徒たちの成績を上昇させることに成功したという。さあて、お手並み拝見。はたして新たな赴任先となるこのパブリックスクールでも前と同じやり方が通用しますかどうか。教卓の前に立った彼は諦念に満ちた表情でこう口火を切る。

「わたしに脅しは通用しない。やる気のない奴は即刻出ていってもらう」

7_1 熱血教師というわけではない。生徒への要求も多くはない。彼がこだわることといえば、生徒が目をそらしがちな現実に目を向けさせ、なぜ学ぶのか、どう未来を築いていくべきなのかを知る“チャンス”を与えてあげることだけ。

しかし学校というものは、他にも制御できない諸問題であふれている。生徒に舐められっぱなしのブライス・ハワード、カウンセラーのルーシー・リュ―、学生部長のジェームズ・カーン、校長のマーシャ・ゲイ・ハーデン。錚々たる顔触れを教職員室に並べ、それぞれが悩み、疲労し、精神に異常をきたし、それでも安定剤を服用しながら日々の業務にあたっている苦闘を浮き彫りにする。

ある教師は今日もまた「学校に行きたくないよ」と登校拒否の電話をかけてくる。ここは火のない戦場。生徒に愛情は通じない。彼らはテロのように問題を起こす。保護者は二言目には「それは学校の責任」。その実、我が子には無関心。もしかするとここはとてつもなくシュールなファンタジー・ランドなのかもしれない。

7_2 デジタルカメラを駆使したトニー・ケイは登場人物のクローズアップを基軸としながら、時にはイメージからイメージへ、ときには黒板にチョークでしたためたイラストレーションにも振れ幅を及ばせながら、まるで流動する思考体のように人間の意識の彷徨を自由自在に彩っていく。

美術セットに多用される“赤”も鮮烈だ。あたかもイマージェンシー・コールのようにそれぞれの人物の危険度合いを醸し出しているのかも。この映像の繋ぎ方をみてると、あの『アメリカン・ヒストリーX』の名場面や体温が蘇ってくる。結局あの頃はエドワード・ノートンひとりの手柄のように結論付けられてしまったが、本作を目の当たりにすると『ヒストリーX』がやはりトニー・ケイの才能の産物であったことがよく理解できる。

そしていつしか主人公ヘンリーは、亡き母、老人ホームで暮らす祖父をめぐる複雑な歴史をも紐解きながら、過去と現在、そして未来への可能性をこのカメラの一点において集約させていく。この動線もまた、テーマとフィールドは違えども、別の視点から挑んだ“もうひとつのアメリカン・ヒストリーX”と言えるのかもしれない。

主演エイドリアン・ブロディ自身は本作のエグゼクティヴ・プロデューサーをも兼任。またレオナルド・ディカプリオ率いる会社アッピアン・ウェイが製作を担っている。

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