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2011/12/31

【2011】米コメディ映画の潮流

コメディは社会を映し出す鏡である。かつてはエディ・マーフィやらジム・キャリーやらアダム・サンドラーらが持ち前のカリスマ性を全開に牽引してきたこの手のジャンルだが、いまや俳優一人に頼りきりのビジネスモデルは終焉を迎え、リスク分散型へと移行しているのは周知の通り。それは“スタンドプレー”に対する“チーム・プレー”と呼ぶこともできるだろう。とりわけ『ハングオーバー』シリーズはその典型といえる。

Comedy
そんな中、2011年の米興行では『ハングオーバー2』が批評家の酷評を押しのけて力強い興行を見せつけた。また、日本未公開の"Bridesmaids"はまさに「『ハングオーバー』の女性版」とも評されるドギツくも胸のすく新しい笑いを劇場へと持ち込み、ノーシードながら誰もが予想だにしない大ヒットを記録。ゴールデングローブ賞の作品賞(コメディ&ミュージカル部門)にもノミネートされるに至っている。これにキャメロン・ディアス主演の"Bad Teacher"を加え、今年は「R指定」コメディが人気を確立した年とも言えそうだ。つまりは全てが細分化されゆく現代の潮流にふさわしく、“笑い”も大人向けと子供向けとに棲み分けが行われているわけだ。

Comedy02
また、これに加え、今年はスティーヴ・カレル主演の『ラブ・アゲイン』や芸達者が揃い踏みの『モンスター上司』といった作品もなかなかの高評価を納めている。

50
そして、大手スタジオではないインディペンデントの潮流から『50/50』が生まれたことも特筆すべきだろう。通常ならば“闘病モノ”としてヒューマンドラマの範疇に分類されがちな本作だが、脚本家ウィル・レイサーは若くしてがんの闘病を余儀なくされた自身の体験をユーモアたっぷりの筆致で描き出した。また彼の友人でもあるセス・ローゲンが率先して製作に乗り出し、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(もともとはジェームズ・マカヴォイがキャスティングされていた)、アナ・ケンドリックス、ブライス・ダラス・ハワードといった若手実力派がガッチリとタッグを組んで臨んだという流れは、ハリウッドにおける新しいクリエイティヴのかたちなのかもしれない

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【決定】2011のマイベスト

今年も残すところあとわずか。
大みそかは自宅の大掃除に従事しつつ、ときには近所の介護施設で暮らす
バアサマのもとへ顔を出したりなどもしながら、今年一年に観賞した劇場公開作品の中からベスト10を選出します。

ルールはバトルロワイヤル方式。雑然と並べられたタイトルの中から「劣る!」と感じたものを次々にリング外へと放り出していきます。そうしてようやく年が明けようかという時分、最終的にリング上に立ち残っている10作品が、そのままマイベスト10に落ち着くというわけです。これはある意味、一年の内に脳内へ蓄積された映画煩悩を綺麗サッパリお掃除する除夜の鐘突きのようなものなのかもしれません。

というわけで、この日ばかりは映画のクオリティとか興行成績とかへったくれもないです。単純に自分が好きな映画を選ぶ。ただそれだけ。逆を言えば、皆さまのとても思い入れのある映画をなんの躊躇なく無惨に蹴落としてしまう場面もあるやもしれません。しかしながら、どうか今日だけは、ぜひ温かい目で見守っていただければ幸いです。

Battleroyal

200520062007200820092010

11:55 p.m.

■□■□■□■□■□■□■□■□

以下のように決定しました。

Thetreeoflife 01 ツリー・オブ・ライフ

 

Maryandmax 02 メアリー&マックス

Red 03 赤い靴 デジタル・リマスター・エディション

 

127 04 127時間

Incendies09 05 灼熱の魂

Kings 06 英国王のスピーチ

Sourcecodemovie 07 ミッション:8ミニッツ

Biutiful02 08 BIUTIFUL

Swan 09 ブラック・スワン

Town 10 ザ・タウン

■□■□■□■□■□■□■□■□

【リング外】

109作品脱落

【11位~15位】マネーボール、猿の惑星:創世記、ハリー・ポッターと死の秘宝Part2、さすらいの女神たち、ワイルド・スピードMEGA MAX
 


【16位~20位】
僕たちのバイシクルロード、アリス・クリードの失踪、50/50、ハンナ、探偵はBARにいる

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2011/12/30

予告

明日の大みそかは、丸1日かけて2011年のマイ・ベスト10を選出します!

お付き合いのほど、よろしくお願い致します!

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【総決算】2011年世界興収ランキング

2011年、世界はどのような映画を好んだのか?世界における興行収入ランキングをお送りします。

01 Harry Potter and the Deathly Hallows Part2 / 1328Mil. (米シェア28.7%)
02 Transformers:Dark of the Moon / 1123Mil. (31.4%)
03 Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides / 1043Mil. (23.1%)


以上、3位まではビリオン(10億ドル)達成。

04 Kung Fu Panda 2 / 665mil. (24.8%)
05 Twilight Saga: Breaking Dawn Part1 / 653Mil. (41.7%)
06 Fast Five / 626mil. (33.5%)
07 The Hangover 2 / 581Mil. (43.8%)
08 The Smurfs / 562Mil. (25.4%)
09 Cars 2 / 552Mil. (34.7%)
10 Rio / 484Mil. (29.6%)


米シェアの低い『カンフーパンダ2』は、逆に中国での興収シェアが高いことで知られています。また、10位の『Rio』に関してはこれまた好況に湧くブラジルでの興行が好調だったとのこと。同じくリオを舞台にした『ワイルド・スピード MEGA MAX』(Fast Five)のヒットもラテン・アメリカの貢献度は高いです。

11 Rise of the Planet of the Apes / 481Mil. (36.7%)
12 Thor / 449Mil. (40.3%)
13 Puss in Boots / 391Mil. (36.8%)
14 Captain America: The First Avengers / 368Mil. (47.9%)
15 X-Mne: First Class / 353Mil. (41.4%)
16 Bridesmaids / 288Mil. (58.6%)
17 Real Steel / 276Mil. (30.4%)
18 Mission: Impossible Ghost Protocol / 274Mil. (34.5%)
19 The Adventures of Tintin / 271Mil. (11.7%)
20 Super 8 / 259Mil. (48.9%)
21 Rango / 245Mil. (50.3%)

22 The Green Hornet / 228Mil. (43.4%)

ランキング下位にくるにしたがって、米興収の占める割合が多くなっていくのが分かります。これはいわば、ハリウッドが自国の文化をどれだけ世界と共有しているかの指標と言えるのかもしれません。

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【総決算】2011年米興収ランキング

今年も残すところあと2日。今年の米興行界ではどのような作品が光り輝いていたのでしょうか。ここではヒットの基準とされる1億ドル(100Mil.)ラインを超えた作品を一覧にしてみましょう。最近では一般社会と同様、映画の製作費に関しても格差が甚だしく、1億ドルを超えただけでは採算が取れっこない作品も数多いわけですが、少なくともこの一覧から、2011年がどのような年であったかについて何らかの空気が感じとれるかと思います。

01 Harry Potter and the Deathly Hallows Part2 / 381Mil.
02 Transformers: Dark of the Moon / 352Mil.
03 Breaking Dawn Part1 / 272Mil.
04 The Hangover Part2 / 254Mil.
05 Pirated of the Caribbean 4 / 241Mil.
06 Fast Five / 209Mil.
07 Cars2 / 191Mil.
08 Thor / 181Mil.
09 Rise of the Planet of the Apes / 176.7Mil.
10 Captain America:The First Avengers / 176.6Mil.

トップ10に関してはアメリカ国内のみならず、世界でも旋風を巻き起こした作品も数多いことから、世界興収も書き添えておく必要があるでしょう。またそのうちの米興収シェアも記しておきます。

1位の『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の世界興収は13億2800万ドル(そのうち米興収は29%)。製作費は公表されていません。2位の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』は11億2374万ドル(米31.5%)。製作費は1億9500万ドル。3位の『ブレイキング・ドーンPart1』は6億5300万ドル(米42%)。製作費1億1000万ドル。4位『ハングオーバー2』は5億8140万ドル(米44%)。製作費8000万ドル。5位の『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』に関しては10億4387万ドル(米23%)。製作費は2億5000万ドル。

また、6位の『ワイルド・スピードMEGA MAX』の世界興収は6億2613万ドル(米33.5%)でした。このシリーズで特筆すべきは、2001年公開の第1作目では世界興収における米興収の割合が7割近かったのが、今回の5作目では3割台前半にまで圧しとどめられていること。つまり、海外の観客が圧倒的に増え、そちらの市場の方がより重要になってきているわけです。第6弾、7弾の舞台はヨーロッパになるとのウワサが拡がっていますが、これも更なる世界観客を獲得するための布石と言えるでしょう。

ちなみに、昨今アメコミ・ヒーロー映画製作がブームとなっていますが、それらの世界興収に目をやると、『キャプテン・アメリカ』の3億6800万ドルのうち、米興収シェアは48%とかなり高め。『マイティ・ソー』は世界興収4億5000万ドルのうち40%を米興収が占め、ランキング14位の『X-MEN:ファースト・ジェネレーションは』3億5362万ドルのうち米シェア41%。ランキング21位の『グリーン・ランタン』(本作は製作費2億ドル)に関しては世界興収2億1985万ドルのうち米シェアが53%でした。2011年におけるひとつの潮流を成すかに思われたアメコミ・ヒーロー戦略ですが、米史上と世界市場との間には明らかな溝が生まれつつあるようです。

11 The Help / 169.4Mil.
12 Bridesmaids / 169.1Mil.
13 Kung Fu Panda 2 / 165Mil.
14 X-Men:First Class / 146Mil.
15 Puss in Boots / 143.9Mil.
16 Rio / 143.6Mil.
17 The Smurfs / 142Mil.
18 Super 8 / 127Mil.
19 Rango / 123Mil.
20 Horrible Bosses / 117Mil.
21 Green Lantern / 116Mil.
22 Hop / 108Mil.
23 Paranormal Activity 3 / 103.8Mil.
24 Sherlock Holmes 2 / 103.6Mil.
25 Just Go With It / 103.0Mil.
26 Bad Teacher / 100.29Mil.
27 Cowboys & Aliens / 100.24Mil.

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2011/12/29

【NEWS】アカデミー賞公式ポスター、登場

第84回アカデミー賞授賞式の準備もいよいよギア・アップ。プロデューサーや司会の降板などでゴタゴタ続きだったアカデミー協会が公式ポスターを発表した。

Academy_2  アンソニー・ゴールドシュミット、マーク&カレン・クロウフォードらが手掛けた今回のデザインは、お馴染みのオスカー像と共に、アカデミー賞の歴史とは切っても切れない8つの作品が大切な記憶の中に呼び覚まされる煌びやかな結晶のごとくあしらわれている。そのタイトルをざっと挙げると、『風と共に去りぬ』(1939)、『カサブランカ』(1943)、『ジャイアント』(1956)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)、『ゴッドファーザー』(1972)、『ドライビング・ミス・デイジー』(1989)、『フォレスト・ガンプ』(1994)、『グラディエーター』(2000)。『ジャイアント』(ジョージ・スティーヴンスが監督賞を受賞)以外はすべて作品賞を受賞したものばかりだ。

アカデミー協会長トム・シェラックは「初めてのデートだったり、友人や家族との休日の団欒だったり、映画は我々の思い出の中で大事な意味を持つものです」と語り、ポスターにあしらわれた8作品についても「アカデミー賞はそれらの素晴らしさをたたえるだけでなく、我々にとっての文化的価値、そしてひとりひとりにとっての大切な思い入れをも祝福しています」と語っている。

この言葉からは「映画とは単なるコンテンツとして割り切ることのできない、大きな価値、思い出を伴ったものだ」とする主張が聴こえてきそうだ。これはそのまま今回の授賞式のテーマということになるのだろうか。授賞式の開催日は2月26日。

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【訃報】30年代『ターザン』のチンパンジー逝去

1930年代公開の『ターザン』シリーズに相次いで出演したチンパンジー“チータ”が、腎不全のためクリスマス・イヴにフロリダの動物保護施設で亡くなった。80歳だった。

Tarzan
ジョニー・ワイズミュラー(1904~84)とモーリン・オサリバン(1911~1998)と共に『類人猿ターザン』(1932)、『ターザンの復讐』(1934)などに出演したチータは、1960年代までワイスミューラーの私有地で暮らしていたが、その後、フロリダ州のパーム・ハーバーにある動物保護施設へと転居。

チータは指を使って絵を描いたり、フットボールの試合を観たりするのを好み、キリスト教の音楽を聴いてリラックスする場面もよく見られたとのこと。

BBCによると、通常、動物園などで暮らすチンパンジーの寿命は35年~45年だという。チータがその倍にあたる80年という驚異的な長寿を全うした要因についてはまだ解明されていない。

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2011/12/28

【NEWS】ナショナル・フィルム・レジストリ―、2011年の登録作

今年も歳末に差し迫り、この時期恒例となる“ナショナル・フィルム・レジストリ―(米映画登録簿)”の新たな登録作が発表された。これは後世に伝えるべき文化的、歴史的、芸術的価値の高い作品を米議会図書館の責任のもと毎年25本ずつ選出、登録していくという制度で、製作後10年以上が経過し評価の定まった作品が対象となる。

Libruary
議会図書館といえば、クリント・イーストウッド最新作『J.エドガー』にも印象に残る場面のひとつとして登場する。

今年の登録作は以下の通り。

Registry2011 Allures (1961)
Bambi (1942)
The Big Heat (1953)
A Computer Animated Hand (1972)
Crisis: Behind a Presidential Commitment (1963)
The Cry of the Children (1912)
A Cure for Pokeritis (1912)
El Mariachi (1992)
Faces (1968)
Fake Fruit Factory (1986)
Forrest Gump (1994)
Growing Up Female (1971)
Hester Street (1975)
I, an Actress (1977)
The Iron Horse (1924)
The Kid (1921)
The Lost Weekend (1945)
The Negro Soldier (1944)
Nicholas Brothers Family Home Movies (1930~1940)
Norma Rae (1979)
Porgy and Bess (1959)
The Silence of the Lambs (1991)
Stand and Deliver (1988)
Twentieth Century (1934)
War of the Worlds (1953)

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【NEWS】Cloud Atlasのぺ・ドゥナ画像

アジア絡みの映画ニュースで数々のスクープを放つ映画サイトTWITCHが、HANCINEMAに掲載された"Cloud Atlas"の最新スティール&コンセプト・アートを紹介している。その中のひとつは、ぺ・ドゥナ(『空気人形』『グエムル』)の画像だった。

Bae
『マトリックス』シリーズのラナ&アンディ・ウォシャウスキー姉弟(かつてお兄様だった方は、知らないうちにお姉様になられてました)と『ラン・ローラ・ラン』などで知られるドイツの奇才トム・テイクヴァが共同で監督を務めるこのデイヴィッド・ミッチェル原作のSFストーリーは、時代も国も異なる6つのエピソードがやがて華麗なる連なりを形成していく話題作だ。

Cloud
Seoul

映画版の出演にはトム・ハンクス、スーザン・サランドン、ハル・ベリー、ヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ベン・ウィショー、ジム・スタージェスなどなど。

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2011/12/26

【NEWS】今年の違法ダウンロード回数NO.1作品は?

映画業界にとっては非常に悩ましい“映画泥棒”に関する話題だ。今年もTorrent Freakが、ファイル転送ソフト"BitTorrent"を使用して違法ダウンロードされた回数の多い映画TOP10を発表した。今年の1位に躍り出たのは大ヒットを記録した『ワイルド・スピードMEGA MAX』。その回数はざっと930万回に昇る。しかしこれも昨年の覇者たる『アバター』の違法ダウンロード回数1600万回に比べれば、まだまだ甘ちゃんといえるのかもしれない。

2位以下は、ハングオーバー2(880万回)、マイティ・ソー(830万回)、ミッション:8ミニッツ(790万回)、アイ・アム・ナンバー4(770万回)、エンジェル・ウォーズ(720万回)、127時間(690万回)、ランゴ(650万回)、英国王のスピーチ(630万回)、ハリー・ポッターと死の秘宝Part2(600万回)と続く。

なお今年のTOP10作品の平均ダウンロード回数は昨年の同数字よりも下回っている。これってつまり、違法行為防止キャンペーンが功を奏したということ…?いやいや、そんな単純な話ではない。この間、BitTorrent以外の転送ソフトも多種多様な新製品が出回っているらしく、ユーザーがそちらへ手を伸ばしている可能性も十分に考えられるとのこと。これらを鑑みると、コンテンツ業界は今後、更なる複雑な戦いを強いられることになりそうだ。

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【興行】北米週末Ranking Dec.23-25 UPDATE

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Dec.23-25 weekend 推計→更新版ver.2

01 Mission:Impossible 4  $29.5M
02 Sherlock Holmes 2  $20.26
03 The Girl with the Dragon Tattoo  $12.75M 
04 Alvin and the Chipmunks 3 $12.6M
05 The Adventures of Tintin  $9.7M
06 We Bought a Zoo  $9.45M

07 War Horse $7.5M
08 New Year's Eve  $3.3M

09 The Darkest Hour $3.0M
10 The Muppets
$2.15M

*順位、興収ともにVer.1から若干変動しております。

■今年最後の興行レポート。クリスマス休暇にともなう集客効果で少しは映画興行も活気づくかとみられたが、その実、それほど盛況とも言いきれない結果に終わっている。アメリカでは月曜日も休日になるので、各種興行レポートでは金~月の4日間を対象として扱うものも多いが、ここでは定点観測として変わらず金~日の3日間興行を見つめてみたい。観客層別のデータなどはまだ出揃っていないようなので、こちらはおいおい追記していくことにする。

Ghost■首位に躍り出たのはトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。12月16日よりIMAX劇場で先行上映された本作は、火曜日には全国の劇場へと拡大頒布。ピクサー・アニメ『Mr.インクレディブル』のブラッド・バードがはじめて手掛ける実写映画という触れこみも相俟って、その劇場ならではのスケール感、笑いとシリアスの緩急、シリーズお馴染みのガジェット感覚がなかなかの評判を呼んでいる。

主演のトムといえば、TV番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」での奇行以来、米市民からの人気に大きな翳りを見せ始めていたが、ここにきてようやく再起へ繋がるきっかけを掴めたようだ。

本作の累計興収は5900万ドル。月曜日までには累計興収7200万ドルに達するものと見られており、最近のトム・クルーズ主演作『ナイト&デイ』の最終的な米興収が7600万ドル、『ワルキューレ』が8310万ドルだったことを考えると、人気シリーズの再登板と言えども相当な復活ぶりであることが伺える。本作の製作費は1億4500万ドルほど

■『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』は2位に後退。興収は先週末に比べると55パーセントの減少となった。10日間の累計興収は7660万ドル。『アルビンとチップマンクス3』は先週末比43パーセント減とやや下げ止まりが働いている。累計興収は5000万ドルを超えたあたり。

Dragon ■デヴィッド・フィンチャーが放つハリウッド・リメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』は4位スタート現時点で3位となった。水曜日に封切られた本作は日曜日までの5日間で興収2100万ドルに達するものと見られる。本作はフィンチャー映画の根強いファンはもちろん、あとはオリジナルが北欧映画なだけにヨーロッパでの興行にも期待が持てる。製作費は9000万ドル。

■スピルバーグがはじめて3Dアニメに挑戦した『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』はヨーロッパでの興行をひとまわりして、ようやくアメリカでのデビューとなった。ベルギー生まれの人気原作ゆえ、アメリカでの知名度からするとこういうことになるのだろうか。ちょっと物足りない気もするが、ただし本作はすでに世界で2億4000万ドルを稼ぎ出している。こういう先行きを充分に見込んだ上でヨーロッパ先行展開が仕掛けられたわけである。

■日曜日(25日)に封切られたスピルバーグのもうひとつの公開作『戦火の馬』は予想を大きく上回る高稼働を見せつけた。2時間半という長さと2300館レベルの上映規模であるにも関わらず、たった1日だけで興収750万ドルを記録。来週までには『タンタンの冒険』を上回ることになりそうだ。

■『あの頃、ペニー・レインと』などで知られるキャメロン・クロウ監督最新作"We Bought a Zoo"(邦題は『幸せへのキセキ』だそうです)は、マット・デイモン、スカーレット・ヨハンソンらを配したキャスティングやクロウによる堅実なディレクションもあって評価は高いもののそれに興収が伴っておらず、3日間の稼ぎは780万ドル945万ドルほど。

■日曜日に封切られた"The Darkest Hour"は9位スタート。25日の興収は300万ドル。

■なお、TOP10圏外ではヴィム・ヴェンダース監督による3Dドキュメンタリー『pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』が3館にて封切られ、1館あたりのアベレージ2万ドルを超える集客の強さを見せている。一方、53館まで劇場数を増やした"Tinker, Tailor,Soldier, Spy"も、今なおアベレージ1万3千ドルに迫る強さを見せている。

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2011/12/25

【NEWS】マイティ・ソー2の新監督、内定

Thor パティ・ジェンキンス(『モンスター』)が降板した後に続けられてきた『マイティ・ソー2』の監督探しにようやく終止符が打たれることになりそうだ。

Deadline Hollywoodによると、マーヴェル・スタジオは前々より有力候補とされてきたアラン・テイラーを新監督に起用することを決めた模様。彼はTVドラマシリーズ"Game of Thrones"や"Board Empire"などで名高く、劇場用映画作品としては"Palookaville"がある。

『マイティ・ソー2』をめぐっては『モンスター』でシャーリーズ・セロンをアカデミー賞主演女優賞へと導いた女性監督パティ・ジェンキンスがメガホンを取ることに決まっていたが、企画を進めていく中でジェンキンスとマーヴェル・スタジオ側とのあいだには埋まらない溝が生じ、最終的に両者が袂を分かつことに至った。

ハリウッドリポーターによると、前作に引き続き「ソー2」への出演が予定されるナタリー・ポートマンは今回のジェンキンス降板の報に激しく動揺したと言われる。なぜなら、もともとジェンキンスの監督就任はそもそもポートマンからマーヴェル側への強いプッシュが一助となっていたから。ポートマンは出産後のしばらくのあいだ女優業を控えて子育てに専念しようとも考えていたようだが、ジェンキンスがヒーロー映画界における初めての女性監督として新たな扉を開くことに貢献できるのであればと続編へのコミットメントを決めていた。

現在のところポートマンのヒロイン離脱には至っていないものの、彼女とマーヴェルとの間にも何らかの軋轢が残ることになるのではないかと見る向きも少なくない。そこらへんの絶妙な舵取りも新監督アラン・テイラーに委ねられることとなる。

『マイティ・ソー2』の米公開日は2013年11月15日。

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2011/12/24

【NEWS】ダークナイト・ライジング予告編ダウンロード回数、新記録

Dark今週、iTunesでお目見えしたバットマン3部作完結編『ダークナイト・ライジング』(原題The Dark Kinight Rises)の予告編ダウンロード回数が新記録を樹立した。

スタジオ側の発表によると、現地時間、12月19日朝10時に公開されたその動画の再生回数は翌朝の同時刻までに1250万回を超えた。これは10月にお目見えした『アベンジャーズ』予告編が樹立した記録「24時間以内の再生回数1000万回」を遥かに更新するものだ。

もちろん、今回の数字にはYouTubeの再生回数などはカウントされていない。これらを加味すると、本作の浸透状況はさらに凄まじいものということになるだろう。

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2011/12/23

【予告編】プロメテウス

リドリー・スコット監督の最新作"Prometheus"の正式な予告編がついにお目見えした。本作はスコットの代表作『エイリアン』の前日譚としてその企画をスタートさせながら、現在では製作陣をして「だんだんアイディアが膨らんできて、今では独立したひとつのSF映画という位置づけになっている」と言わしめる内容になっているのだとか。それにしてもこれらの映像を見ると、その世界観はやはりどこかで繋がっているような気がしてならない。米公開日は2012年6月8日。出演はノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、イドリス・エルバ、ガイ・ピアース。

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2011/12/21

【予告編】ホビット 思いがけない冒険

『ロード・オブ・ザ・リング』3部作に連なるプリークエル前篇となる『ホビット 思いがけない冒険』の予告編がついにお目見えした。監督は惜しくも降板したギレルモ・デル・トロ(『パンズ・ラビリンス』『ヘルボーイ』)に代わり、前シリーズと同じくピーター・ジャクソンが務める。主人公ビルボ・バギンズ役にはマーティン・フリーマン。米公開は2012年12月14日。もっと鮮明な画面でご覧になりたい方はこちらのAppleにてどうぞ。

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【NEWS】バットマン予告編、ファンから「悪役の声が不明瞭」との意見も

昨日、ついに予告編がお披露目されたバットマン最終章『ダークナイト・ライジング』(原題は"The Dark Knight Rises")。今なお世界中のファンを熱狂させネット上の動画再生回数もうなぎ昇りを続ける一方、一部のファンからは“とある問題点”も指摘されはじめている。

それは今回の悪役となる“ベイン”が何言ってんだか判然としないということだ。

Bane
『インセプション』にも出演した俳優トム・ハーディが強靭な肉体に顔面をマスクで覆ったスタイルで登場する本作。トム・ハーディ自身は誰もが認める優れた俳優だし、その役作りの凄まじさはデ・ニーロもビックリなほどだが、どうにも肝心の特殊マスクが邪魔してしまいモゴモゴと不明瞭な音を発してしまうようだ。

またこの不明瞭さは、アメリカの一部のIMAX劇場にて『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に添えて上映されている『ダークナイト・ライジング』の6分間特別フッテージでも同様とのこと。それを除外すれば、あとは熱狂的な映像のオンパレードらしいのだが。

米ハリウッド・リポーターの記事によると、ワーナーブラザーズの首脳部もこの件について事態を把握しているとのこと。もう一度、サウンド・ミックスをやり直した方が良いのでは?と望む者もいるようだが、当のクリストファー・ノーラン監督は、音の微調整は考慮に入れているものの、それ以上のことを行う予定はないと伝えてきているようだ。

同記事の中で情報提供者は「クリスは観客に何かを押し付けるのではなく、自らが夢中になって参加してほしいと考えている」と答えている。要は観客が「なんて言ってるんだろう?」と集中して耳をそばだてることから何かが始まっていくということか。

ノーラン監督は現在、同作の編集作業の真っただ中。今後の2、3カ月はスタジオ側に映像を見せることなく、仕上げ作業に没頭していく構えだと言う。

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【予告編】This Must Be The Place

Thismustbeショーン・ペンが元ビジュアル系ロックスターを演じる"This Must Be The Place"の予告編があまりに素敵すぎるのでここに紹介しておく。

いまや退屈な毎日を送る主人公が見出した次なる人生の目標、それはかつてアウシュヴィッツで父親を苦しめたナチスの戦争犯罪人を探しだすこと。どうやらその男は過去を隠蔽しアメリカで生活しているらしく・・・とにかく今、このおかしなメイクに長髪をなびかせた男の奇妙な旅がはじまる―。

監督を務めるのは前作「イル・ディーヴォ」(2008)で国際的に高い評価を受けたパオロ・ソレンティーノ(彼にとって初の英語映画となる)。共演はフランシス・マクドーマンド。予告編にはなんとあの元トーキング・ヘッズのヴォーカル、デヴィッド・バーンの姿も。詳しい方はすでに分かりだろうが、本作のタイトル"This Must Be The Place"はトーキング・ヘッズの楽曲のタイトルからきている。

本作はすでに今年のカンヌでお披露目されており、来月開催、サンダンス映画祭への公式エントリーも果たしている。

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2011/12/20

【予告編】ダークナイト・ライジング

クリストファー・ノーランによる「バットマン」3部作を締めくくる『ダークナイト・ライジング』の予告編がお披露目された。

もうなんというか…言葉が見つからない。アクションシーンにも増しておびただしいエキストラを動員しての暴動シーンが話題になっているが、これは今年ノーランのお膝元でもあるロンドンで起こった暴動や、はたまた中東革命、そしてウォール・ストリートでの米市民デモなどの生々しい記憶すらも詰め込んでいるのだろうか?

また、「バットマン」シリーズとは関連性のないノーランの前作『インセプション』からの続投キャストが多いのも注目ポイントだろう。米公開日は2012年7月20日。

なお、ノーランが大学時代を過ごした学び舎はこんなところだ。興味のある方はこちらの記事をご覧あれ。

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【特報】プロメテウス

年末のこの時期、話題作の予告編が続々と公開されている。リドリー・スコットが手掛けるSE大作"Prometheus"も右に倣い、予告編にはまだ至らない「特報」を仕掛けてきた。30秒足らずのその映像は現場の撮影風景や、リドリー・スコットのコメントなどで構成。正式な予告編は今週中に公開される予定だと言う。とりあえず今は、これまで静止したビジュアルでしかお目にかかれなかったこの謎めいた作品の一端を垣間見れただけで満足。ということにしておこう。

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2011/12/19

【興行】北米週末Ranking Dec.16-18

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Dec.16-18 weekend 推計

01 Sherlock Holmes 2 $40.0M
02 Alvin and the Chipmunks 3 $23.5M
03 Mission:Impossible 4 $13.0M

04 New Year's Eve 
$7.4M
05 The Sitter  $4.4M
06 Breaking Dawn Part1  $4.3M
07 Young Adult  $3.65M
08 Hugo  $3.625M
09 Arthur Christmas  $3.6M
10 The Muppets 
$3.45M

■クリスマス前のこの時期、人々はプレゼントの物色に時間を奪われ映画観賞どころではないらしい。今年は特に、ボックスオフィスの総計は昨年よりも14パーセントも減少しており、各映画情報メディアでは先週に引き続いて"slump"との言葉が躍っている。

Sherlock ■そんな中でNO.1デビューを果たしたのは人気シリーズ第2弾『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』だった。オープニング3日間での興収は4000万ドル。さてこの数字を高いとみるか、低いとみるか。ちなみに2009年に公開された前作のオープニング週末興収は6230万ドル。昨年の同時期に公開の『トロン:レガシー』は4400万ドルだった。通常、シリーズ物では2作目にドーンと観客が大量増員され、3作目ではやや減少するというパターンがよく見られるが、今回はちょっと違う結果がもたらされたようだ。観客層分布では25歳以上が68パーセント、35歳以下が50パーセント。また男女別ではが男性客が59パーセントを占めた。製作費は1億2500万ドル。

■2位に初登場の『アルビンとチップマンクス3』の興収は2350万ドルにとどまった。シリーズ1作目のオープニング週末興収が4430万ドル(2007年)、2作目は4890万ドル(2009年)であったことを考えるとダブルスコアの差がついたこととなる。観客層分布は25歳以下が53パーセント。男女別では女性客が54パーセント。製作費は8000万ドル。

Ghost ■さて、3位には『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』デビューを果たした。といってもこれは21日の全国公開に先駆けてのIMAX限定公開。劇場数は上位2作の上映規模の約9分の1にあたる425館。そして1館あたりのアベレージを見てみると・・・3万2千ドル!!これは現在公開中の作品の中でもっとも高い数値だ。なお、本作のIMAX版上映前には来年公開のバットマン最終章、『ダークナイト・ライジング』の特別予告編(6分バージョン)が放映されており、これを目当てに足を運んだ観客もかなりいたようだ。

■先週の覇者『ニューイヤーズ・イヴ』は先週末比43パーセント落ちの740万ドル。下落率の善し悪しを決めるボーダーが「50パーセント」であることを考えると、やや下げ止まっているといえるだろうか。映画の題材が“年越し”なだけに、これから気を吐いてくれることを期待したいものだ。10日間の累計興収は2480万ドル。製作費は5600万ドル。

■先週2位の"The Sitter"は5位へダウン。主演のジョナ・ヒルは『マネーボール』の演技で各映画賞の助演男優賞に連続ノミネート中だが、一方の本作はそれほど芳しくなく、先週末からの下落率は55パーセント。10日間の累計興収は1770万ドル。製作費は2500万ドル。

■映画界では先週末、ゴールデングローブ賞の候補作発表が行われたばかりだが、そこに名を連ねる『ヒューゴの不思議な発明』や"The Descendants"はさすがに数字を落とし、我慢比べの時期に差し掛かってきている。今後、アカデミー賞に向けての機運の高まりと共にどれだけ勢いを立て直せるか?同じく賞レース常連組のヤング≒アダルト』(2週目)は新たに980館ほど劇場数をプラスし、現在のところ1000館弱での公開が続いている。

これらオスカー絡みの映画は、大衆系エンタテインメントに比べて観客の動向を見極めるのがとても困難だ。今後もこのようにして賞レースの進展とあわせての微調整が続いていくことが予想される。

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2011/12/17

【NEWS】米版OLDBOY、その悪役とヒロインは?

現在、スパイク・リー監督のもとで着々と準備が進められている米リメイク版「オールド・ボーイ」(原作は日本の漫画。2003年にはこれをベースとした韓国映画が公開され、高評価を獲得した)。現在までのところ主演にはジョシュ・ブローリンが決定済みで、あとは悪役とヒロインのキャスティングを待つのみとなっている。

最近ではこの悪役に『英国王のスピーチ』で主演男優賞オスカーを受賞したコリン・ファースが決まりそうとの見方も強まっていたが、結果的に彼はこの話を辞退。次なるキャスティングの矛先が注目されていた。

Clive そんな中、この米版「オールド・ボーイ」絡みでスクープを連発してきた映画情報サイトTWITCHが「クライヴ・オーウェンに悪役がオファーされた」と報じている。

オーウェンとスパイク・リー監督は過去に『インサイドマン』でも共闘した間柄。オーウェンがこれを受けるかどうかはまだ分からないが、既に気心を知った仲であることは双方にとってポジティブな要因となりそうだ。

Mia また、おなじTWITCHが続けてヒロインのキャスティングにも言及している。同記事によると製作者側は『アリス・イン・ワンダーランド』や『キッズ・オールライト』で知られるミア・ワシコウスカにオファーを出したようだ(当初はハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラにオファーがいったものの、彼女は辞退している)。

興味深いことにワシコウスカはつい先ごろパク・チャヌク監督のハリウッド・デビュー作"Stoker"の撮影を終えたばかり。ご存じのようにパク・チャヌクは2003年製作の韓国版『オールド・ボーイ』の成功によってその才能を世界に知らしめた存在ゆえ、ワシコウスカは"Stoker"の準備にあたりすでにオリジナル版『オールド・ボーイ』を観ているものと考えられる。人気も実力も兼ね備えたハリウッドの新星女優は、はたしてこのオファーにどう答えるのだろうか。

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【レビュー】灼熱の魂

パワフルだ。その言葉に尽きる。久々にフィクションの力、映画が観客を物語の内部へと引きずり込む圧倒的なパワーに打ちのめされた。どんな結末に至ろうとも決して目を背けず、このパワフルさに最後まで寄り添ってみる。そうすることで未来へ連なる希望の石をまた一つ積み上げられるような気さえした。

冒頭、レディオヘッドの楽曲がその気だるい歌声を響かせ、武器を抱えた大人たちのそばであの少年がこちら側を見つめてくる。どこの国なのか、どの時代なのかもわからない。ただ無言で、あの少年の視線だけが、そこには横たわる。眼球の輝きには希望も絶望も読みとれない。そしてこの眼力こそがこれから観客を気の遠くなるほど過酷な旅路にいざなおうとしていることなど、僕らは露ほども知らない。

Incendiesmoviephoto3
驚かされるのは本作がカナダ映画だということだ。舞台のひとつがケベック州なので劇中の大部分ではフランス語が交わされる。前に映画祭で出逢ったとあるカナダ人監督が、「カナダ映画には2種類ある。ひとつはフランス語で製作されるもの。これはフランスからの支援などもあり、活況です。もうひとつは英語で製作されるもの。こちらは隣国アメリカのおびただしい作品と競合しなければならないので、なかなか大変です」と語っていたのを思い出す。つまり『灼熱の魂』は前者。フランス語を通じて世界を繋げる作品ということができる。ケベックの街から世界へ向けて開け放たれた“窓”として。

では冒頭の少年の目と、この現代のケベックはいったいどのように結びついていくのか。そこが偶然と運命とを綱渡りして連なりゆく最大のミステリーだ。

物語を紐解く役目を担うのは、このカナダで母を失ったばかりの双子の姉弟。

Incendies02
母はふたりに文書で遺言を託していた。「ここに2通の手紙がある。1通はあなた方の父親に。もう1通はあなた方のお兄さんに手渡して」。父の存在も、兄の存在もふたりにとって全く寝耳に水の話だった。そしてかつて遠い国から移民としてやってきたという母には、どうやら我が子にも伝えていない複雑な過去がありそうだった。

まずは姉が立ち上がる。数学者でもある彼女は、まるで母の身に起こった数理学上の謎を解明するかのように、一路、中東へ。執念深く手掛かりをたどり、導き出されてくる更なる謎に対処しようとする。その旅路はちょうど数十年前に若き母が辿ったであろう魂の遍歴ともオーバーラップしていく。

難民、宗教、民族、紛争、学生運動、革命、テロリズム―。映画内に盛り込まれるこれらの事象をすべてここで明かすわけにはいかない。が、ひとつ言っておきたいのは、本作は“謎解き”をメインにする類の映画では無いということだ。真相は情け容赦なく突きつけられる。我々はそれらを双子の姉弟と共に共有しつつ(現代っ子である彼らは、いわば観客と目線の代理人だ)、最後には衝撃の事実に身を悶えさせ、声にならない悲鳴をあげることになるだろう。この結末を予測することは極めて困難だし、そこには推理の醍醐味など微塵も存在しない。

そこでふと気付かされる。製作者が抱いていたであろうこの映画の意図をひとつ挙げるならば、それはやはり我々現代人が、本作をきっかけに自らの想像も及ばない運命、そして悲劇に想いを馳せ、その地に向かって窓を開け放とうとする意志を持つことなのだと思う。

それはまるでギリシアの民が過去の過ちを忘れぬために神々の物語として紡ぎ出したギリシア悲劇が、ふたたびこの現代に降臨したかのような感触だった。この結末をメタファーとして捉えるとき、ともに隣人であり兄弟でもある人間が互いに血で血を洗ってきた歴史に改めて判然とさせられる。

そして冒頭の少年の眼差しはいつしか姉弟の目の輝きへと受け継がれている。そこには希望や絶望ではない、意志の力が見て取れる。その言葉を廃した説得力は、“後悔”、そして“再生”はいつどの時代においても遅くはないのだと、我々に訴えかけてくるかのようだ。

オリジナルは演劇作品だという。原案の中でも姉弟が旅立つ中東地域がどこなのかは明言を避けているそうだ。そこからも作り手の意図が伺える。『灼熱の魂』は時代と場所を特定せず、過去も未来も、“わたし”と“あなた”との分け隔ても必要としない。その意味で、世界のあらゆる悲劇を鎮魂し、生まれ来るすべての生命を祝福し、閉じられた窓をいついつまでもノックし続ける、いわば人類の輪廻の物語といえるのだろう。

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【予告編】Salmon Fishing in the Yemen

古くは『フル・モンティ』、そして近年では『スラムドッグ・ミリオネア』や『127時間』といったダニー・ボイルとのコラボで気を吐いてきた脚本家サイモン・ビューフォイ。彼の手掛ける最新作"Salmon Fishing in the Yeme"の予告編がネット上にお目見えした。監督は『ギルバート・グレイプ』や『ショコラ』などでお馴染み、ラッセ・ハルストレム。

中東の有力族長の願い、それは母国にフライフィッシングを普及させること―。その想いはやがてコンサルタント(エミリー・ブラント)と専門家(ユアン・マクレガー)、それに首相の広報担当者(クリスティン・スコット・トーマス)を巻きこんで、とても奇妙な形で実現に向けて動き出すが・・・。

本作は今年のトロント映画祭で絶賛を浴び、本年度の賞レースへの出走も期待されたものの、結局のところ北米配給を手掛ける映画会社は年内の劇場公開を断念。その希望は来年へ託されることとなった。北米公開は3月ごろを予定。

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2011/12/16

【予告編】Jack the Giant Killer

『ユージュアル・サスペクツ』や『X-Men』シリーズで知られるブライアン・シンガー監督が数々の企画を差し置いてまで取り組みたかった壮大なアドベンチャー"Jack the Giant Killer"。全米封切まであと半年を切ったこの映画の予告編がついに公開された。

ベースとなるのは「ジャックと豆の木」とルーツを同じくするイギリスの古い童話。主人公ジャックが思いがけずも人間界と巨人界を隔てる扉を開いてしまったことから、両者の激しい戦いの火ぶたが切って落とされる。主人公ジャック役には、『アバウト・ア・ボーイ』の男の子が今やこんな美男子に、と驚きの輪が拡大中のニコラス・ホルト(彼は『X-Men/ファースト・ジェネレーション』や『シングルマン』の好演でもお馴染みですね)。共演にユアン・マクレガー、エレノア・トーマス、スタンリー・テュッチ、イアン・マクシェイン、ビル・ナイ。米劇場公開は2012年6月15日。3D仕様。

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【画像】リンカーン/ヴァンパイア・ハンターのポスター登場

現在、エイブラハム・リンカーンを題材に製作中の映画が2本存在する。ひとつはスピルバーグが監督を務めダニエル・デイ=ルイスが主演に挑む伝記映画"Lincoln"。そしてもうひとつは「もしもリンカーンがヴァンパイア・ハンターだったなら」という着想で送る"Abraham Lincoln:Vampire Hunter"。その来年8月公開となる後者の初出しポスターがお目見えした(IGN)。

Vampire

原作は「高慢と偏見とゾンビ」で知られるセス・グレアム・スミスが著したベストセラー小説。『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートンと『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフのコンビがその出版前に映画化権獲得したことでも名高い。グレアム・スミスはこの映画版で脚色を務め、バートンはプロデューサー、そしてベクマンベトフはプロデューサー兼監督として登板している。主演はベンジャミン・ウォーカー、ルーファス・シーウェル、ドミニク・クーパー。

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【NEWS】デ・パルマ最新作の主演女優決定

Deadline Hollywoodによると、2010年のアラン・コルノー監督作"Crime D'Amour"をリメイクしようと東奔西走中のブライアン・デ・パルマが、その主演にレイチェル・マクアダムスとノオミ・ラパスを迎えることが決まったようだ。本作はとある大企業を舞台に、ひとりの女性社員が冷酷非道な女上司への復讐を誓うサスペンス。オリジナル版ではリュディヴィーヌ・サニエとクリスティン・スコット・トーマスが主演した。

デ・パルマ版の新たなタイトルは"Passion"。脚色もデ・パルマ自身が手掛け、オリジナルにも増してひねりの加わった筋書きになる模様。撮影は3月5日よりベルリンではじまる。

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2011/12/15

【NEWS】Shame邦題&公開日決定

長編監督デビュー作"Hunger"が英国映画史に残る名作とまで賞賛されたスティーヴ・マックイーン監督(しかしその絶賛とは裏腹に日本では未公開)。そんな彼の最新作にして、今現在オスカーへ連なる賞レースを大いに賑わせている衝撃作"Shame"の日本公開が決定した。

2012年3月10日より、シネクイント、シネマスクエアとうきゅう他にて全国順次公開となる。邦題は『SHAME-シェイム-』。GAGA配給。出演はマイケル・ファスベンダー(今年のヴェネツィア映画祭にて主演男優賞を受賞)、キャリー・マリガン。

Shamestevemcqueen

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【NEWS】キアヌ・リーヴス監督デビュー作は中国で撮影

Keanu キアヌ・リーヴスが自身の監督デビュー作として準備中のマーシャル・アーツ映画"Man of Tai Chi"。長らく調整が進められてきた本作だが、ヴィレッジ・ロードショー、チャイナ・フィルム・グループ、ワンダ・メディア・グループ、それにユニバーサルが加わることで資金調達が完了し、2012年2月より中国で撮影入りすることが決定した。

本作の舞台は現代の北京。若き武術家(『マトリックス』や『チャーリーズ・エンジェル』でスタント出演したタイガー・チェンが演じる)がその腕前によって幅広い可能性と、痛みを伴う選択をも手にしていく物語だという。リーヴスは監督のみならず、キャストとしても参加。撮影は、北京に加え、香港やマカオで行われる。

TWITCHが先月下旬に伝えたところによると、本作には18ものファイトシーン(計40分に及ぶ)が予定されており、『マトリックス』で観客を魅了したユエン・ウーピンが再びアクション振付家としてキアヌとコラボを果たす予定だとか。そういえば、ヴィレッジ・ロードショーも『マトリックス』を手掛けた製作会社として名高い。どうやらキアヌは『マトリックス』で培った絆をまた新たな創造性のもとに開花させようとしているようだ。

ちなみに中国では国産映画を保護するために外国映画の輸入本数を年50本前後に制限している。世界でどれだけ大ヒットした映画だろうとこの50本の中に入れなければ中国公開はあり得ないわけで、これは非常に狭き門と言える。しかしひとたび中国の会社が製作に関われば話は別。今回のキアヌが手掛ける"Man of Tai Chi"もこの50本の枠組みとは関係なく、中国の広大な市場をターゲットとした一般上映が可能ということになる。

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【予告編】エクスペンダブルズ2特報

ライオンズゲートが『エクスペンダブルズ2』の予告編をドロップ。内容的には「予告」というよりも、製作中の映画によくある「特報」と言ったほうが正確かもしれない。相変わらずの猛々しさを誇る前作組に加え、本作では新たにヴァンダム、チャック・ノリスまでもが合流。主演シルヴェスタ・スタローンは前回のように監督を兼任せず、代わりに『コン・エアー』のサイモン・ウェストがメガホンを取っている。米公開は2012年8月17日。

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【画像】Prometheusポスター登場

ComingSoon.netがリドリー・スコット監督作"Prometheus"のポスター画像を掲載している。当初は『エイリアン』のプリークエル(前日譚)として企画をスタートさせた本作。しかし脚本家ジョン・スパイツが手掛けた初稿を「LOST」の制作者、脚本家でもあるデイモン・リンデロフが改稿していくうち徐々に別の可能性が開きはじめ、今では「『エイリアン』と似た世界観を持ちながらもひとつのオリジナルなSF作品」という名目に至っている。

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中央には"THE SEARCH FOR OUR BEGINNING COULD LEAD TO OUR END"という不穏なキャッチコピー。そしてライトが照らしだす巨大な石像が意味するものとは?

キャストにはスウェーデン版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』や『シャーロック・ホームズ/シャドウゲーム』のノオミ・ラパスをはじめ、シャーリーズ・セロン、マイケル・ファスベンダー、イドリス・エルバ、ショーン・ハリス、パトリック・ウィルソンらが揃い踏み。2012年6月8日公開。

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【予告編】サシャ・バロン・コーエン最新作The Dictator

イギリスはケンブリッジ大学出のエリート・コメディアンとして『アリG』『ボラット』『ブルーノ』と数々の問題作を世に送り出してきたサシャ・バロン・コーエン。彼が盟友ラリー・チャールズ監督と組んで仕掛ける、大胆不敵にもあのチャップリンの代表作『独裁者』と同タイトルを冠した最新コメディ"The Dictator"の予告編がお目見えした。米公開は2012年5月11日。

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【賞レース】全米俳優組合(SAG)賞ノミネート発表

やはり同業者の目線にかかるとクオリティの見極め方も一味違ってくる。俳優が「素晴らしい!」と太鼓判を押す俳優を選ぶ全米俳優組合(SAG)賞のノミネートが発表された。おなじみの主演男優賞~といった有名部門が脚光を浴びる一方、作品賞の代わりにキャスト(アンサンブル)賞がフィーチャーされるのが同賞の最大の特徴。また、映画部門における昨年の受賞結果はすべてアカデミー賞と一致している。受賞結果発表は1月29日。

【主演男優賞】
Demian Bichir "A Better Life"
George Clooney "The Descendants"
Leonardo Dicaprio "J.Edgar"
Jean Dujardin "The Artist"
Brad Pitt "Moneyball"

"Shame"のマイケル・ファスベンダーや"Tinker, Tailor, Soldier, Spy"のゲイリー・オールドマン、"Drive"のライアン・ゴズリングの名前が入っていないのがポイント。その代わりに東京国際映画祭でも上映された"A Better Life"のデミアン・ビチルが候補入りを果たした。

【主演女優賞】
Glen Close "Albert Nobbs"
Viola Davis "The Help"
Meryl Streep "The Iron Lady"
Tilda Swinton "We Need to Talk about Kevin"
Michell Williams "My Week with Marilyn"

前々から一世一代の大勝負と評判高かった"Albert Nobbs"のグレン・クローズが、やはり俳優仲間からも至極愛されて候補入り。"Young Adult"のシャーリーズ・セロンは候補入りならず。

【助演男優賞】
Kenneth Branagh "My Week with Marilyn"
Armie Hammer "J.Edgar"
Jonah Hill "Moneyball"
Nick Nolte "Warrior"
Christpher Plummer "Beginners"

各賞で勢いを増していた"Drive"のアルバート・ブルックスが候補入りならず。今回のSAG賞最大のサプライズと言われている。

【助演女優賞】
Berenice Bejo "The Artist"
Jessica Chastain "The Help"
Mellissa McCarthy "Bridesmaids"
Janet McTeer "Albert Nobbs"
Octavia Spencer "The Help"

各賞で評価の高い"The Descendants"のシャイリーン・ウッドリーが候補入りならず。またジェシカ・チャスティンに関しては『ツリー・オブ・ライフ』ではなく、あくまでこの『ヘルプ』での候補入りということになる。

【キャスト賞】
The Artist
Bridesmaids
The Descendants
The Help
Midnight in Paris

今年最大の伏兵とされるのが、『ハングオーバー』の妹分ともされるコメディ快作"Bridesmaids"。現地時間15日発表となるゴールデングローブ候補作発表でもミュージカル・コメディ部門でどれだけエントリーを果たすのか注目が集まっている。

そのほかテレビ部門のノミネーションなどはこちらをご覧ください。


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2011/12/14

【NEWS】"The Artist"邦題&公開日決定

Artist現在、オスカーへ連なる賞レースにおいて快進撃を続ける"The Artist"。

3D全盛のこのご時世にあえてサイレント&白黒という手法を用いて1920年代のハリウッド(ちょうどサイレントからトーキーへと変わる過渡期)を描いた本作は、今年のカンヌ映画祭でお披露目されるや観客や批評家たちの大絶賛を浴び、早々に2011年の重要作の一本、そしてオスカー最有力作として掲げられてきた。フランス産映画なのに、である(『エディット・ピアフ/愛の賛歌』や『ライフ・イズ・ビューティフル』や『BIUTIFUL』がそうだったように、アメリカで年内に劇場公開されてさえいればオスカーのエントリー的に問題ないのだ)。

そんな本作が2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーを皮切りに全国順次公開されることが決まった。邦題は『アーティスト』となる。配給はGAGA。日本到着までもう少し時間がかかるが、その前に賞レースの行方をしかと見守りたいものだ。

映画に登場するワンちゃんは今年のカンヌでパルムドッグ賞を受賞している。

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【NEWS】シアーシャ・ローナンに新たな主演作

Saoirse Varietyによると、『つぐない』『ハンナ』で知られるシアーシャ・ローナンのまた新たな主演作が決まったようだ。そのタイトルは"How I Live Now"(翻訳版タイトルは「わたしは生きていける」)。メグ・ローゾフが2004年に発表した小説がベースとなっており、映画版では『ラストキング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルドが監督を務める。

ニューヨーク生まれのティーンエージャー、デイジーは療養生活のために訪れた英国の田舎町で、従兄弟たちに囲まれながらひと夏を過ごすことになる。徐々にここでの暮らしに溶け込んでいく彼女だったが、しかしそこにはテロリズムをきっかけとした動乱の影が忍び寄っていた。デイジーは突如巻き込まれた混沌下で、自分自身の力で生き抜いていくことを余儀なくされるが・・・。

ローナンは待機作が目白押し。ティーンエージャーにして凄腕の暗殺者を演じる"Violet & Daisy"、ニール・ジョーダン監督によるヴァンパイア映画"Byzantium"、そして『トワイライト』シリーズの原作者ステファニー・メイヤーが著したもうひとつのシリーズ「THE HOST」の映画版(こちらは『ガタカ』のアンドリュー・ニコルが監督を務める)にも主演することが決まっている。

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【NEWS】ビンラディン追跡映画の主演、交渉入り

Chris_prattキャスリン・ビグロー監督とマーク・ボール(脚本家)が『ハート・ロッカー』に続く硬派なアクションとしてビンラディン追跡映画(タイトル未決定/ネイビーシールズによる事実に基づいた追跡劇と、その果てにあるビンラディン殺害までを盛り込む)を準備中なのは既報の通りだが、このたびその新たなキャスティング情報が飛び込んできた。

TWITCHによると、現時点で米俳優クリス・プラットが主演級の役で交渉入りしているという。TVコメディ"Parks and Recreation"や『マネーボール』への出演で知られる彼だが、ビグロー作品というストイックな虎の穴に放り込まれるようなイメージはこれまで全く無く、これが実現すれば極めてフレッシュな起用となりそうだ。

本作をめぐってはこれまで『アニマル・キングダム』やバズ・ラーマン版『グレート・ギャツビー』に出演するジョエル・エジャートンの名前が幾度も取りざたされてきたが、彼は結局スケジュールの都合で離脱を余儀なくされてしまった。その後はトム・ハーディ、イドリス・エルバ、ジェニファー・イール、ガイ・ピアースなどの名前が浮上しているものの、現在までに出演決定に至った俳優はTVシリーズ"The Chicago Cord"のジェイソン・クラークのみ。

本作は2012年2月頃の撮影入りを予定しており、同年12月19日に劇場公開される。かなりギチギチのスケジュールだが、事がうまく運ぶことを祈るばかりだ。

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【賞レース】クリティックス・チョイス・アワード候補作発表

放送映画批評家協会が主催するクリティックス・チョイス・ムービー・アワードのノミネーションが発表された。今年の最多ノミネートとなったのはマーティン・スコセッシ初の3Dファンタジー『ヒューゴの不思議な発明』と白黒サイレント映画"The Artist"の11部門。いずれもこの3D全盛の時代に古き良き映画の原点へ回帰させてくれるという点において映画史的にも重要な作品といえそうだ。授賞式は1月12日

【作品賞】
The Artist
The Descendants
Drive
Extremely Loud & Incredibly Close
The Help
Hugo
Midnight in Paris
Moneyball
The Tree of Life
War Horse

【主演男優賞】
George Clooney "The Descendants"
Leonardo Dicaprio "J.Edgar"
Jean Dujardin "The Artist"
Michael Fassbender "Shame"
Ryan Gosling "Drive"
Brad Pitt "Moneyball"

【主演女優賞】
Viola Davis "The Help"
Elizabeth Olsen "Martha Macy May Marlene"
Meryl Streep "The Iron Lady"
Tilda Swinton "We Need to Talk about Kevin"
Charlize Theron "Young Adult"
Michell Williams "My Week with Marilyn"

【監督賞】
Stephen Daldry "Extremely Loud & Incredebly Close"
Michel Hazanavicius "The Artist"
Alexander Payne "The Descendants"
Nicolas Winding Refn "Drive"
Martin Scorsese "Hugo"
Steven Spielberg "War Horse"

昨年は作品賞を『ソーシャル・ネットワーク』、監督賞をデヴィッド・フィンチャーが受賞。それ以外の主要部門はオスカーと一致。

そのほかの部門についてはこちらをご覧ください

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【画像】グレート・ギャツビー

The Film Stageがオーストラリアで撮影中の映画"The Great Gatsby"(F.スコット・フィッツジェラルド原作)のファースト・スチールを掲載している

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『ムーラン・ルージュ!』のバズ・ラーマン監督が『ロミオ&ジュリエット』で組んだレオナルド・ディカプリオをタイトルロールに迎えて送る煌びやかなジャズエイジ・ドラマ。アメリカ文学の傑作として名高いこの原作を、よりにもよって3Dで映像化するという趣向にも注目が集まっている。

ヒロインのデイジー役には今年も『DRIVE』や"Shame"などで目覚ましい活躍を見せるキャリー・マリガン、そして語り手ニック・キャラウェイ役にはレオの親友でもあるトビー・マグワイア。米公開は2012年12月25日。

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【予告編】Rock of Ages

ワーナー・ブラザーズが80'sカルチャーを愛するすべての観客に送る話題作"Rock of Ages"の予告編が公開された。原作となるのはロス公演を皮切りに大絶賛を浴び、その後ブロードウェイでもロングランを続けるロック・ミュージカル。ジャーニー、ボン・ジョヴィ、ステイクス、フォーリナー、REOスピードワゴンといった80年代ロックナンバーを散りばめ、ロックスターに憧れる青年とハリウッド女優を夢見る少女とのボーイ・ミーツ・ガール物語が熱く熱く展開していく。監督を務めるのは『ヘア・スプレー』のアダム・シャンクマン。全米公開は2012年6月1日。

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2011/12/13

【NEWS】パラダイス・ロスト撮影延期?

Falleni Deadline.comが気になる情報を伝えている。レジェンダリー・ピクチャーズがブラッドリー・クーパーを主演に準備を進め、いよいよ来月初めには撮影入りするものとみられていた"Paradise Lost"が、製作費の高騰を理由に撮影延期になるかもしれないそうだ。

同記事によると今回の事態はディズニーが『ローン・レンジャー』の製作を一旦停止させ製作費を大幅に見直した一件と似ているという。"Paradise lost"の製作費は現在までのところ1億2000万ドルまで膨らんでおり、製作者側はこれを10パーセントから15パーセントほど削減したいと考えている模様。仕切り直し後の新たな撮影開始は夏ごろになるのではと見られている。

本作はジョン・ミルトンの「失楽園」をモチーフにブラッドリー・クーパーが堕天使ルシファー、ベンジャミン・ウォーカーが大天使ミカエルを演じ、両サイドの壮絶な戦い、そしてアダムとイヴをめぐる攻防を描いたアクション大作となる予定(こうやって書いていても、果たしてどんな映画になるのか想像もつかない)。『ダーク・シティ』や『ノウイング』のアレックス・プロヤスが監督を務める。

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【予告編】G.I.ジョー2

前作の不人気ぶりを覆せるか。『G.I.ジョー2』の予告編がお目見えした。今回はダンス・ムービーで名高いジョン・チュウが監督を務めていることもあり、そのリズム&テンションが見どころとなるわけだが、それにも増して動揺が広がっているのが、この予告編で前作の主演チャニング・テイタムの扱いがほんの僅かしかないということ。その代わりとして大々的にフィーチャーされているのは『ワイルド・スピード MEGA MAX』でも絶賛を浴びたザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンだ。もしや彼が主演の座をもぎ取ってしまったのか。それともこの予告編でのみ特別にフィーチャーされているだけなのか。米公開日は2012年6月29日。

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【NEWS】トリアー新作にゲンズブール出演か?

Imagescal423m3 Varietyによると、シャーロット・ゲンズブールがラース・フォン・トリアー最新作"Nymphomaniac"の出演交渉に入っていると言う。

新作ごとに物議を醸し出すことでお馴染みのトリアーが次に挑むのは、女性の0歳から50歳にかけてのエロティック・ライフ。全8章に渡る脚本は現在もなお執筆段階にあり、来年の夏か秋ごろの撮影入りを目指している模様。またこの作品をめぐっては“ハードコア”と“ソフトコア”という2つのバージョンが製作され、“ソフト”版の方が通常配給される予定だとか。

ゲンズブールは過去、『アンチクライスト』と『メランコリア』という2本のトリアー作品に出演。『アンチククライスト』ではカンヌ映画祭主演女優賞を受賞している。

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【NEWS】ウィノナ・ライダー、The Icemanに出演

Ryder ウィノナ・ライダーがアンソニー・ブルーノ著「氷の処刑人」(原題:The Iceman)に出演することが決まった。アリエル・ヴェローメンが監督を務める本作は、実在した殺し屋リチャード・ククリンスキーに焦点をあてたサスペンス。このククリンスキーといえば、表向きは佳き家庭人、その裏ではマフィアの始末人として250人以上に渡って手を下してきた人物。警察当局は彼の尻尾をなかなか掴めず、最終的には囮捜査官を投入して勝負に出たと言われる。

このククリンスキーを演じるのはマイケル・シャノン。今年の賞レースで主演作"Take Shelter"が大絶賛を浴び、現在撮影中の新スーパーマンこと"Man of Steel"では敵役ゾッド将軍を演じている彼だが、この"The Iceman"は更なるブレイク作となりそう。そして肝心のウィノナ・ライダーは夫が殺し屋であるとは露ほども知らずに幸せな暮らしを送るククリンスキーの妻デボラ役を演じる。

また、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスがロバート・プロンジ役で出演することが決まっている。プロンジは別名“ミスター・ソフティー”とも呼ばれた殺し屋仲間で、ククリンスキーに数々のアドバイスを施した人物として知られる。

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【予告編】MIB3

あのソニーピクチャーズのドル箱シリーズが10年の歳月を経ていよいよ帰ってくる。地球を宇宙人の脅威から守るべく秘かに活動を続ける黒服の男たちことMEN IN BLACK。彼らに課せられた極秘ミッションとは?第3弾の米公開日は2012年5月25日。前作同様、監督にはバリー・ソネンフェルド、主演にはウィル・スミス、トミー―リー・ジョーンズが返り咲くほか、新たにエマ・トンプソン、ジョシュ・ブローリンらがキャスト入りを果たしている。

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【賞レース】AFI選出、今年の優秀作10本

アメリカ映画協会(AFI/American Film Institute)が選出する今年のアメリカ映画/TVドラマにおける優秀作10本=AFI賞が発表された。特筆すべきは、アメリカ映画に特化した賞にも関わらず、特別賞としてフランス資本のThe Artist(ただし舞台はハリウッドなのだが)が加えられている点。そして今年ついに終幕を迎えた映画版「ハリー・ポッター」シリーズ全体も同特別賞に輝いている。

●映画部門・・・Bridesmaids、The Descendants、The Girl with the Dragon Tatoo、The Help、Hugo、J.Edgar、Midnight in Paris、Moneyball、The Tree of Life、War Horse

●TVドラマ部門・・・Breaking Bad、Boardwalk Empire、Curb Your Enthusiasm、Game of Thrones、The Good Wife、Homeland、Justified、Louie、Modern Family、Park and Recreation

●AFI特別賞・・・The Artist、The Harry Potter Series

それにしても、賞レースにおいて"Bridesmaids"をよく見かける。今年、ノーシードな立ち位置から猛々しいまでの下剋上ヒットぶりを見せつけ、「女性版『ハングオーバー』」との異名さえ冠せられた本作。まさか賞レースでもタイトルが並ぶほど評価されていたなんて予想外だ。この勢いでいくとゴールデン・グローヴ賞のミュージカル・コメディ部門での作品賞ノミネーション、はたまた、その果てにある“Win”も夢ではないかもしれない。

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2011/12/12

【賞レース】批評家賞、続々発表

師走もほぼ半ばまで差し掛かり、アメリカでは賞レースに向けた各種批評家協会賞が続々と発表され始めている。「アカデミーやゴールデン・グローヴだけでも手一杯なのに、こんな細かい賞なんて知らないよ」と言う方もいらっしゃるかもしれないが、こういう小さな受賞結果でもサッと目を通しておくだけで、その情報の蓄積がアカデミー予想の重要なデータとなって後々効いてくる。その証拠に、ここで列挙する4つの批評家賞の結果からは、すでに何らかの潮流が見て取れるはずだ。

Artistニューヨーク映画批評家オンライン賞(ニューヨーク映画批評家賞とは違い、インターネットで批評を執筆する批評家らによる賞)はその作品賞として"The Artist"を選出。監督賞には同じく"The Artist"のミシェル・ハザナヴィシャス、そのほか男優賞:マイケル・シャノン(Take Shelter)、女優賞:メリル・ストリープ(The Iron Lady)、アンサンブル賞:"Bridesmaids"、助演男優賞:アルバート・ブルックス(Drive)、助演女優賞:メリッサ・マッカーシー(Bridesmaids)、ブレイクスルー賞:ジェシカ・チャスティン(ツリー・オブ・ライフ、ヘルプ、Take Shelterなど)、撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(ツリー・オブ・ライフ)、脚本賞:アレクサンダー・ペイン&ナット・ファクソン他(The Descendants)、作曲賞:Ludovic Bource(The Artist)、新人俳優賞:ジョー・コーニッシュ(Attack the Block)、外国語映画賞:A Separation、ドキュメンタリー賞:"Cave of Fogotten Dreams"、アニメーション作品賞:タンタンの冒険

Artist02ボストン映画批評家協会賞も同じく"The Artist"に作品賞を授けた。監督賞には『ヒューゴの不思議な発明』のマーティン・スコセッシ、そのほか男優賞:ブラッド・ピット(マネーボール)、女優賞:ミシェル・ウィリアムズ(マリリン/7日間の恋)、助演男優賞:アルバート・ブルックス(DRIVE)、助演女優賞:メリッサ・マッカーシー(Bridesmaids)、アンサンブル賞:"Carnage"、脚本賞:マネーボール、音楽賞:DRIVE&TheArtist、編集賞:クリスチャン・マークレイ(The Clock)、撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(ツリー・オブ・ライフ)、新人監督賞:ショーン・ダーキン(Martha Marcy May Marlene)、ドキュメンタリー賞:Project Nim、外国語映画賞:Incendies

Descendantsロサンゼルス映画批評家協会賞ではジョージ・クルーニー主演作"The Descendants"に軍配が上がった。そのほか監督賞にはテレンス・マリック(ツリー・オブ・ライフ)、男優賞:マイケル・ファスベンダー(A Dangerous Method, Shame, Jane Eyre, X-Menなどによる)、女優賞:ユン・ジョンヒ(ポエトリー/アグネスの詩)、助演男優賞:クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)、助演女優賞:ジェシカ・チャスティン(ツリー・オブ・ライフ、Take Shelter、ヘルプ、Coriolanusなど)、脚本賞:"A Separation"、作曲賞:ケミカル・ブラザーズ(ハンナ)、プロダクション・デザイン賞:ダンテ・ファレッティ(ヒューゴの不思議な発明)、撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(ツリー・オブ・ライフ)、ドキュメンタリー賞:Cave of Forgotten Dreams、アニメーション作品賞:ランゴ

Treeサンフランシスコ映画批評家協会賞は作品賞に『ツリー・オブ・ライフ』を選出した。監督賞:テレンス・マリック(ツリー・オブ・ライフ)、オリジナル脚本賞:J.C.シャンドール(Margin Call)、脚色賞:ブリジット・オコーナー&ピーター・ストローガン(Tinker,Tailor,Soldier,Spy)、男優賞:ゲイリー・オールドマン(Tinker,Tailor,Soldier,Spy)、女優賞:ティルダ・スウィントン(We Need to Talk about Kevin)、助演男優賞:アルバート・ブルックス(DRIVE)、助演女優賞:ヴァネッサ・レッドグレイヴ(Coriolanus)、アニメーション作品賞:ランゴ、外国語映画賞:トスカーナの贋作、ドキュメンタリー賞:"Tabloid"、撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(ツリー・オブ・ライフ)

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【NEWS】北米週末Ranking Dec.09-11

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Dec.09-11 weekend 推計

01 New Year's Eve  $13.7M
02 The Sister  $10.0M
03 Breaking Dawn Part1 $7.9M
 
04 The Muppets 
$7.0M
05 Arthur Christmas  $6.6M
06 Hugo  $6.1M
07 The Descendants $4.8M
08 Happy Feet Two  $3.7M
09 Jack and Jill  $3.2M
10 Immortals 
$2.4M

■クリスマスに向けて街が色鮮やかなイルミネーションで活気づくこの季節。さぞかし映画興行も盛り上がってることだろうなと思いきや、実はこの時期、皆はエンタテインメントよりもクリスマスに向けての実質的な準備に忙しいようで、映画界にとっては天敵として知られている。とりわけ今タームの総興収は昨年よりも15パーセント近く数字を落とす不振ぶり。ここ3年間でも最低レベルとなった。

Newyear ■そんなボックスオフィスで首位を獲得したのは、アビゲイル・ブレスリン、ザック・エフロン、サラ・ジェシカ・パーカーからロバート・デ・ニーロに至るまで、とにかく煌びやかなハリウッド・スター総出演で贈る年越しカウントダウン・ストーリー、『ニューイヤーズ・イヴ』。

『プリティ・ウーマン』『ヴァレンタイン・デイ』のゲイリー・マーシャルによる演出のもと、多種多様な登場人物たちが過去に失った絆を取り戻していく―。スタジオ側は興収2000万ドルは越えたいとしていたものの、意外なほど壁は厚かった。観客層は女性客が7割を占めている。製作費は5600万ドルほどと見られる。

■2位には『マネーボール』が記憶に新しいジョナ・ヒル主演の新作R指定コメディ"The Sitter"がランクイン。製作費は2500万ドルほど。観客層は25歳以下が47パーセントを占める。男女比はほぼ半々。

■先週までの覇者『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』は4週目にして3位へ後退。国内興収は2億5960万ドル。

■徐々に劇場数を増大させている『ヒューゴの不思議な発明』は現時点で2600館レベルにまで達している。各方面で賞賛を浴びているこの3Dファンタジーだが、果たしてこれが肝心の興行収入に結びついているかどうかにはまだまだ疑問の余地がある。これから賞レースが激化していくに連れ本作がどれだけ存在感を高めることができるのか。直近では今月15日にゴールデン・グローヴ賞のノミネーション発表が控えている。他でもない巨匠の“挑戦作”なだけに、大いなる検討を期待したいところだが。

■『サイドウェイ』で名高いアレクサンダー・ペイン監督による7年ぶりの新作"The Descendants"は劇場数をさらに300ほど増加させ、現在は870ほど。累計興収は2360万ドル。それでもなお1館あたりのアベレージ興収は5500ドルを超える高数字を維持している。

■さて、ここからが本題だ。今週の見どころなのはTOP10圏外。アカデミー賞候補入りがウワサされる話題作が次々に封切を迎えている。

3

まずは『JUNO』のジェイソン・ライトマン&ディアブロ・コディが放つ最新作ヤング≒アダルト』(シャーリーズ・セロン主演)が全米8館にて封切られ、こちらの1館あたりのアベレージは4万ドル。そして英国より飛来したゲイリー・オールドマン主演の重厚スパイ・サスペンス"Tinker,Tailor,Soldier,Spy"は4館で封切られ、こちらのアベレージは驚愕の7万5千ドルを記録している。監督を務めるのは『ぼくのエリ/200歳の少女』を手掛けた北欧出身監督トーマス・アルフレッドソン。

■同じくアカデミー賞に向けての注目作"The Artist"はアベレージ1万8千ドル(16館)、"Shame"(21館)は1万3千ドル、"A Dangerous Method"(4館)は2万ドル。

■また、ティルダ・スウィントンのアカデミー賞主演女優賞へのノミネートが確実視されている英国映画"We Need to Talk About Kevin"は1館のみで封切られ、こちらは3日間で2万4千ドルを売り上げている。

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【画像】2大ヒーロー映画、新ポスター登場

製作スタジオもまったく違うアメコミ2大ヒーロー映画の新ポスターが、まるでタイミングを合わせたかのように立て続けにお披露目され、話題を呼んでいる。

まずは主演アンドリュー・ガーフィールド、監督マーク・ウェッヴによってリニューアル・デビューを果たす『アメイジング・スパイダーマン』。2012年7月3日公開。こちらは3D作品となる。SuperHeroHype経由でお披露目となったポスターは、スパイダーマンお馴染みのコスチュームではなく、主人公の深層心理を投影させたかのようなデザインとなっているのが特徴だ。

Theamazingspiderman

続いては『ダークナイト・ライジング』。こちらは新章のはじまりとなる『アメイジング・スパイダーマン』とは違い、3部作に及ぶクリストファー・ノーラン版『バットマン』の最終章。原作コミックでも「バットマンを倒した強敵」として知られるベインが大々的にフィーチャーされるデザインとなっている。ちなみに本作は、つい先日、6分間に及ぶ最新フッテージが米マスコミにお披露目されたばかり。それらは敵キャラとなるベインの登場シーンがメインとなっていたようだが、詳しい描写は伏せるようにとマスコミに通達が行っているようだ。こちらの米公開は7月20日。

Darkknightrises
『スパイダーマン』と『バットマン』、どちらもすでに不動の人気を獲得している作品だけに、ポスター・デザインはキャストのカット&ペーストではなく、熱心なファンも納得のクオリティの高いものになっている。

"Tinker,Tailor,Soldier,Spy"やハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』をはじめ、このところ分かりやすさよりもアート性を重点を置いたポスターをよく見かけるようになってきた。映画マーケティングにおける潮流が徐々に変わろうとしているのだろうか。

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【NEWS】マイティ・ソーの監督候補

Thor_2前作を手掛けたケネス・ブラナーが続投を断り、女性初のヒーロー映画監督として注目を集めていたパティ・ジェンキンスも降板の意向を固めた『マイティ・ソー2』。

すでに公開日が2013年11月15日と決まっていることもあり、マーヴェル・スタジオは「待ったなし」の状況で新たな監督探しを続けているという。そして現在、ハリウッド・リポーターによると、その新監督候補として二人の名前が挙がっているとか。ひとりはアラン・テイラー、もうひとりはダニエル・ミナハン。

テイラーの代表作といえば「マッド・メン」「ボードウォーク・エンパイア」「ソプラノズ」"Game of Thrones"といったTVドラマ。ミナハンもまた"Game of Thrones"(←テイラーよりも数多くのエピソードを手掛けている)"True Blood"などのTVドラマの演出家として知られる。

どちらもパティ・ジェンキンスに比べると格段にインパクトが劣るが、以前に候補に挙がっていたブライアン・カークという演出家も含めて、マーヴェル陣営がHBOの大ヒットTVドラマ"Game of Thrones"(下画像)をひとつの重要な才能の源泉と捉えていることだけは確かなようだ。

Gameofthronesseanbean

また、ジェンキンスの離脱に伴い、新たな脚本家探しも始まっている。こちらの候補者には、ジョン・コリー(ハッピー・フィート)、ロバート・ロダット(プライベート・ライアン)、ロジャー・アヴァリー(ベオウルフ、パルプ・フィクション)などが挙がっている。

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2011/12/09

【NEWS】レ・ミゼにサシャ・バロン・コーエンが出演?

イギリスの大衆紙サンの言うことなので話半分に聞いておきたい。紙いわく、『ボラット』でお馴染みの英国コメディ俳優サシャ・バロン・コーエンが、ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』に出演することが決まったそうだ(本当だろうか?)。その役柄はティナルディエ。妻と共にファンティーヌとその娘コゼットを精神的にギリギリまで追い詰めていく強烈かつ、本作には欠かせない重要なキャラクターだ。

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今回新たに製作される『レ・ミゼラブル』は、ロンドンで長らく上演される有名ミュージカルをベースにしたものとなる。『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したトム・フーパーが監督を務め、ジャン・ヴァルジャン役にヒュー・ジャックマン、ジャヴェール警視役にラッセル・クロウ、ファンティーヌ役にアン・ハサウェイが決定済み。

今回サンが報じているティナルディエ役については前々から『英国王のスピーチ』に出演したジェフリー・ラッシュがウワサに挙がっていたのだが、今回の突然にコーエンの起用説が持ちあがってきた。果たして真実はいかに?ちなみにティナルディエと共に強烈な個性を放つ夫人役には、これまた『英国王のスピーチ』のヘレナ・ボナム・カーターの登板がウワサされており、こちらも最終決定が待たれるところだ。

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【NEWS】ガイ・リッチーが「ナポレオン・ソロ」を監督?

Guyワーナー・ブラザーズが進める往年のTVシリーズ「ナポレオン・ソロ」の映画版"The Man from U.N.C.L.E."にガイ・リッチーとライオネル・ウィグラムが参加することになりそうだ。Deadlineによると、ワーナー版『シャーロック・ホームズ』シリーズでも名高いふたりは、この"The Man from~"をガイ・リッチーの監督作とすることも視野にいれて検討をはじめているという。

当初はジョージ・クルーニー主演、スティーヴン・ソダーバーグ監督のコラボ作として準備されていた本作だが、クルーニーが背中の手術(彼は『シリアナ』の撮影で被った脊柱の痛みにずっと悩まされ続けている)のため戦線離脱し、取り残されたソダーバーグもまた、キャスティングの難航と製作費に関するスタジオ側との意見の不一致が原因で本作を降板したばかり。

ガイ・リッチー最新作『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』12月16日にアメリカにて封切られ、日本での公開は3月となる予 定。

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【NEWS】ロンドン五輪の音楽監督にアンダーワールド

Underいよいよ来年の7月27日に開幕するロンドン五輪。その開会式にて英国を代表するエレクトロニック・サウンド・デュオ、アンダーワールドが音楽監督を務めることが発表された。

北京五輪のチャン・イーモウに続いて映画界から芸術監督に抜擢済みのダニー・ボイルは、今回のアンダーワールドの就任について「パズルの最後のピースが揃った」とコメントしている(ちなみに開閉会式を司る総合プロデューサーにも映画界から『リトル・ダンサー』や『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のスティーヴン・ダルドリー監督が名を連ねる)。

ダニー・ボイルとアンダーワールドといえば、誰もが1996年の『トレインスポッティング』で名曲"Born Slippy"が高鳴ったエンディングを忘れはしないだろう。今回の五輪でそれらの既成曲が使用されるのかどうかは定かではないが、超満員のスタジアムで"Born~"のイントロが流れる瞬間を想像するにつけ、興奮のあまり失神者が続出するのではないかと心配せずにいられなくなる。

アンダーワールドは他にもボイル監督の『普通じゃない』『ザ・ビーチ』『サンシャイン2057』に楽曲提供。今年のはじめに上演されたボイル演出の舞台「フランケンシュタイン」においても音楽を手掛けている。互いに気心の知れた両者が長年のコラボレーションの真価を史上最大の会場にてどう結実させるのか、今から楽しみでならない。

なお、ロンドン五輪をめぐっては開閉会式への出演者を募るオーディションに1万人以上が参加するなど地元の関心も高まる一方、政府はこのセレモニーの費用として当初の予算の2倍にあたる8000万ポンドを拠出することを発表するなど、財政難のこの時期に苦しい決断を強いられる場面が目立ってきている。

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2011/12/08

【NEWS】ヒッチコック妻役にヘレン・ミレン?

“サスペンスの神様”ことアルフレッド・ヒッチコックはいかにしてあの傑作『サイコ』を作り上げたのか?映画好きならば誰もが知りたいその内幕を描く映画企画"Alfred Hitchcock and the Making of Psycho"は、パラマウントで4年前に浮上しながら、その優先順位の割には皆が慎重になりすぎてなかなか陽の目を観れずにいる作品のひとつだ。Psycho

すでにヒッチコック役にはアンソニー・ホプキンス、TVシリーズ「glee」のライアン・マーフィが降板した後の新監督には『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』のサーシャ・ガバシが就任。


Mirren『ブラック・スワン』のジョン・マクローリンと本作の原作本の著者でもあるスティーヴン・レベロが共同で脚本執筆にあたっている本作だが、米ハリウッドリポーターによると、ここにきてオスカー女優ヘレン・ミレンがヒッチコックの妻役で出演する可能性が高まってきたという(本作は『サイコ』製作の裏側に加え、ヒッチコックとその妻アルマ・レヴィールとの夫婦仲にも焦点をあてている)。製作側とミレンは初期の交渉に入っているものとみられる。

また本作は製作スタジオとなるパラマウントから離脱し、新たにフォックス・サーチライトで製作される可能性も高まっている模様。いずれにしてもこの企画がいよいよ前に向かって進み始めているのは確かなようだ。

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2011/12/07

【NEWS】マイティ・ソー2の女性監督、降板か

Jenkins Deadlineによると、『マイティ・ソー2』の監督に就任していたパティ・ジェンキンスがクリエイティヴ上の方向性の違いにより降板することになったそうだ。マーヴェル・スタジオ側はすでに代わりの監督探しのためにエージェンシーとの話し合いに入っているとのこと。

『モンスター』でシャーリーズ・セロンに主演女優賞オスカーをもたらしたジェンキンス監督。女性監督がマーヴェル映画を手掛けることはこれまで前例がないとのことで、彼女の起用には大きな期待が高まっていたのだが…。

ともあれ、前作でシェイクスピア物で名高いケネス・ブラナー監督をサプライズ起用したような新鮮な人選が叶うのかどうか。『マイティ・ソー2』の米公開日はすでに2013年11月15日に決まっている。

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2011/12/06

【NEWS】ミュージカル映画版レ・ミゼは2Dにて撮影

MiserablesBBCによると、『英国王のスピーチ』のトム・フーパーが監督を務めるミュージカル映画版「レ・ミゼラブル」は2Dで製作されることに決まったそうだ。

本作をめぐってはここのところ「3Dカメラで撮影されるのでは?」とのウワサが拡がっていた。実際、トム・フーパー監督はこの題材と3D技術との相性を確かめるべく、しばらくの期間、カメラテストに打ち込んでいた。そこで得られた結果も良好で、彼はこの新技術にかなり強く惹かれていたという。

しかしそのあと下された結論はまるで正反対のものに。そこにはフーパーなりの観客に対するおもてなしの精神が見え隠れする。

彼は今回の「レ・ミゼラブル」を「『英国王のスピーチ』と同じくあらゆる世代に等しく楽しんでもらえる作品にしたい」と考えているようだ。たしかに3D映像はこれまでとは全く違う迫力ある映像をもたらしてくれる。しかし2時間半なら2時間半を3Dで描くにあたり、視覚的な問題でそれを苦痛に感じる観客もいるであろうことを理解している。そして「3Dか・・・ちょっと遠慮しとこうかな」という観客が僅かでもいるならば、むしろみんなが等しく楽しめる2D仕様のままでいきたいと考え、今回の決断にいたったようだ。

トム・フーパー版「レ・ミゼラブル」は、主人公ジャン・バルジャン役にヒュー・ジャックマン、彼を追うジャベール警視役にラッセル・クロウ、ファンティーヌ役にはアン・ハサウェイが決定済み。コゼット、エポニーヌ役のキャスティングに関しても近々、公式発表が行われるとのこと。

また『英国王のスピーチ』に出演したジェフリー・ラッシュとヘレナ・ボナム・カーターも何らかの役で出演するのでは、との見方が強まっている。

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【NEWS】スコセッシの次回作は「沈黙」?

Scorsese 最新作の3Dファンタジー『ヒューゴの不思議な発明』が高評価を獲得し、世間の関心は早くも「次はどの作品を撮る?」という点に集中しはじめている。

つい先日にも北欧の作家ジョー・ネスボ原作のハードボイルド・サスペンス"The Snowman"を監督すると発表したスコセッシだが、これはただ単に監督待機作リストに加えられただけに過ぎない。肝心なのはその先。どれが本当の“次回作”となるかはいざ製作が始まってみないと誰にも分からない。

そんな中、BBC Radioの番組にマーティン・スコセッシが登場し『ヒューゴ』以降の次回作について初めて言及している。彼が口にしたそのタイトルは、なんと遠藤周作原作の「沈黙」。これまで長らくライフワークとして温めながら、その思い入れのあまり幾度となく後回しにされてきた本作を遂に映画化すべく、諸々の要素を調整中とのこと。(上記リンク先では番組の音声ファイルが聴ける。スコセッシの登場は番組開始から30分くらい経ったころ)

果たして「沈黙」の主演はウワサどおりダニエル・デイ・ルイスなのか?その疑問に対するスコセッシの答えは「それはわからないな。彼は今、スピルバーグと仕事をしているよ」。デイ・ルイスは目下、スピルバーグ監督作"Lincoln"にてエイブラハム・リンカーンを演じているさなか。完璧なる“成りきり俳優”として知られる彼だけに、撮影中にキャスティングの打診など受けるはずもない。よって主演が確定するまでにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

また、「沈黙」に加え、スコセッシはミック・ジャガーやテレンス・ウィンターらと共に60~90年代の音楽業界にまつわるTVドラマシリーズも温めているらしい。こちらはHBOでの製作となるようだ。

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【NEWS】映画版24、来春にも撮影開始か?

24 多くのTVシリーズファンがすっかり立ち消えになったものと忘却しかかっている劇場版「24」プロジェクトだが、20世紀フォックスとイマジン・エンタテインメントはなんとか4月ごろの撮影入りを見込んで動き始めているようだ。

Deadlineによると、現在の進捗状況としては、『ダイハード4.0』や『アンストッパブル』のマーク・ボンバックの手掛ける脚本ドラフトが年末までに提出されることになっており、そのタイミングに合わせて監督選びも続けられている模様。その候補は5人にまで絞られているが(具体的な候補者は明らかにされていない)、有力と言われていたトニー・スコットの名前はもはや存在しないそうだ。

脚本、監督が揃えばあとは主演のキーファー・サザーランド次第。今のところ彼のスケジュールは4月頃に空きがあり、順調にいけばここに撮影をぶちこむことができる。

このプロジェクトを司る一人、ブライアン・グレイザ―はアカデミー賞授賞式のプロデューサーとしての登板が決まり(ブレット・ラトナーの降板にともない)年末年始も忙しい日々が続きそうだが、せめて授賞式の頃までには更なる詳細が届けられていることを望むばかりだ。

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【賞レース】ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード

英国における独立系映画の祭典、第14回ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードの授賞式が行われ、昨年の作品賞受賞作『英国王のスピーチ』に続く各部門が発表された。

今年の作品賞に選ばれたのは"Tyrannosaur"(東京国際映画祭では「ティラノサウルス」というタイトルにて上映)。

Tyrannosaurphoto_2 
そのタイトルに漂う『ジュラシック・パーク』的な響きとはまさに対極をなす内容で、英国映画の伝統ともいえるアルコール、やり場のない怒り、暴力といった要素をまぶしつつ、そこで出逢った男女が突如としてサスペンスに飲みこまれていく物語。今年の米アカデミー賞への候補入りも期待される"Shame""We Need to Talk about Kevin""Tinker,Tailor,Soldier,Spy"をかわしての受賞となった。

同作は他にも主演女優賞(オリヴィア・コールマン)と新人監督賞(パディ・コンシダイン)を受賞。なかでも主演女優賞に関しては誰もが"We Need to Talk about Kevin"のティルダ・スウィントンの受賞を確信していただけに、まさにサプライズと呼ぶにふさわしい結果となった。

だが、"We Need to~"も無冠では終わらず、リン・ラムジーが監督賞を受賞。彼女は同作の脚本家ローリー・キニアとのハネムーン中で、授賞式には参加できなかった。

主演男優賞には"Shame"のマイケル・ファスベンダーがヴェネツィア国際映画祭に続いての受賞。そのほか、助演女優賞には"Coriolanus"のヴァネッサ・レッドグレイヴ、助演男優賞には"Kill List"のマイケル・スマイリー、脚本賞には「サブマリン」(こちらも今年の東京国際映画祭のワールドシネマ部門にて上映)のリチャード・アヨエイドが輝いている。

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2011/12/05

【興行】北米週末Ranking Dec.02-04

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Dec.02-04 weekend 推計

01 Breaking Dawn Part1  $16.9M
02 The Muppets  $11.2M
03 Hugo  $7.62M
 
04 Arthur Christmas 
$7.3M
05 Happy Feet Two  $6.0M
06 Jack and Jill  $5.5M
07 The Descendants $5.2M
08 Immortals  $4.4M
09 Tower Heist  $4.1M
10 Puss in Boots 
$3.0M

■もともと祝日の後という時期はボックスオフィス収益も低迷しがちなもの。とりわけ感謝祭直後となる今タームは全米封切の新作もなく、上映作の全興収の合計は2011年における最低レベルとなった。

■そんな中、『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』が3週目の天下を維持。国内における累計興収は2億4730万ドルに達している。製作費は1億1000万ドル。

■2位も先週と順位変わらず、"The Muppets"。やはり先週末の感謝祭を含む連休は家族連れ客にとって絶好のタイミングだったようで、その反動もあり、今週末は62パーセント減のやや急勾配な落ち方となった。それでも製作費4500万ドルはすでに回収しおわり、10日間の累計興収は5600万ドルほど。

■さて、注目したいのは先週の5位から2ランクUPの『ヒューゴの不思議な発明』だ。

Hugo

マーティン・スコセッシ監督が児童向け3Dファンタジーに初挑戦したこの意欲作、数字的にはとりたてて注目すべき点もないが、スタジオ側による上映館少なめのスロー・スタート戦法にて幕を開けた本作は、2週目興行で劇場をさらに563館追加し、現在は1840館で上映中。『ブレイキング・ドーン』の4000館、『マペッツ』の3400館に対して圧倒的な少なさで応戦していることになる。現在までの累計興収は2500万ドルほど。

ちなみに『ヒューゴ』は先週発表のナショナル・ボード・オブ・レビューにて最優秀作品賞を受賞(マーティン・スコセッシも監督賞を受賞)。これで一躍アカデミー賞候補入りする可能性が現実味を帯びてきた。今のところファミリー層を中心とした観客動員が続いているが、肝心なのはむしろこのあと。家族連れが少なくなるタイミングを見計らって、徐々に大人たちも劇場へ足を運びはじめるのではないだろうか。賞レースは体力勝負でもある。息の長い興行展開において配給側がどこまで劇場数を調整していけるのかが鍵となる。

■4位は公開2週目となる『アーサー・クリスマスの大冒険』。先週末と比較した下落率は40パーセントほど。クリスマスがテーマということもあり、スタジオ側はこれから1か月かけての息の長い展開を期待したい構えのようだ。

■さて、5位&6位をすっ飛ばして7位に注目したい。『サイドウェイ』で名高いアレクサンダー・ペイン監督による7年ぶりの新作"The Descendants"は先週よりも2ランクUP。劇場数も180ほど増やし、現在は574館での上映となっている。累計興収は1800万ドル近辺とまだ何とも言えないレベルだが、1館あたりのアベレージに目を向けるといまだに9000ドル越えの高数字が続いている。これは興行ランキング1位の『ブレイキング・ドーン』のアベレージの2倍以上に相当する

Shame■TOP10圏外では、今年のヴェネツィア国際映画祭でマイケル・ファスベンダーが主演男優賞を受賞した"Shame"が全米10館にて幕を上げた。過激な性描写を盛り込んでいることからNC-17(17歳以下は観賞禁止)という厳しいレイティングを受けた本作だが、さすがアカデミー賞候補入りも期待される本作だけに、このハードルをものともしない客の入り。1館あたりのアベレージ興収は現在上映されているあらゆる映画の中で最も高い3万6千ドル。これは2週目の"The Artist"(アベレージ3万4千ドル)、同じく2週目の"A Dangerous Method"(3万ドル)を上回る数字だ。

■圏外でもうひとつ注目したいのがウディ・アレン監督作"Midnight in Paris"だ。今年の5月に封切られるや人気が人気を呼びアレンの長いキャリアにおける最高興収(5500万ドル)をもたらした本作が、12月20日のDVDリリースに向けて再び上映館数を260ほど増やしてきた。この動きの裏側にはアカデミー賞レースの最終出走馬が次々と出揃ってくるこの時期に本作の存在感をもう一度印象付けておきたいとの思惑も見え隠れしている。

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2011/12/04

【賞レース】ヨーロッパ映画賞発表

今年で第24回を数えるヨーロッパ映画賞の授賞式がベルリンで行われ、ラース・フォン・トリアー監督作『メランコリア』が作品賞を含む3部門を制した(そのほかは撮影&プロダクション・デザイン)。肝心のトリアー監督は今年のカンヌでの「ナチス発言」をきっかけに、今では「公式の場でいっさい発言しない」という構えを貫いており、この日も同作のプロデューサーが代理受賞するかたちとなった。

Melancholia
監督賞にはアカデミー賞外国語映画賞にも輝いた『未来を生きる君たちへ』のスザンネ・ビアが獲得。女優賞には"We Need Talk about Kevin"のティルダ・スウィントン、男優賞には『英国王のスピーチ』のコリン・ファース。アメリカのアカデミー賞で作品賞に輝いた『英国王』は編集賞、ピープルズ・チョイス賞にも輝いた。このほか、脚本賞には『少年と自転車』のダルテンヌ兄弟、作曲賞には"The Artist"、ドキュメンタリー賞には『pina』。

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【NEWS】X-Menファースト~脚本家が、ティム・バートン監督候補作の交渉入り

Jane 『キック・アス!』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などでマシュー・ヴォーン監督とタッグを組み、ダニエル・ラドクリフ主演の新作"The Woman in Black"にも名を連ねる脚本家ジェーン・ゴールドマン。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで注目作を連発する彼女が、新たにランサム・リッグス著"Miss Peregine's Home For Peculiar Children"の映画版脚色を手掛けることになりそうだ。Deadlineが伝えるところによると、ゴールドマンはすでに製作スタジオの20世紀フォックスと正式交渉に入っているという。

Children 本作はティム・バートンの次回監督作になるのでは?とも目されている企画。16歳になる主人公は、幼いころ祖父の口から聴かされてきた奇妙な話の数々を今もなお忘れられないでいる。それは世にも奇妙な子供たちが暮らす孤児院の物語。ある女の子は手のひらに炎を宿し、またある子は地面から数センチ浮かんでいたり、はたまた言葉を使わずに相手と意思疎通を図る双子の兄弟まで登場する。あれから数年、大好きだった祖父の訃報を受けはじめて祖父の自宅を訪れた彼は、その近くに今なおその孤児院がたたずんでいるのを見つけてしまい―。とまあ、あらすじを聞くだけでティム・バートンとの整合性ピッタリに思えてしまう。また、“奇妙な能力を持つ子供たち”といえば、ゴールドマン自身が手掛けた『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』をも思い出さずにはいられない。

なお、マシュー・ヴォーン&ゴールドスミスは『ファースト・ジェネレーション』の続編でもコンビで再登板することが期待されている。まだ本決まりではないものの、その可能性は強いと見る向きも多い。

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2011/12/03

【レビュー】ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

『M:I-3』から5年―。

ミッションの要となるイーサン・ハントはブダペストの刑務所にいた。そこでディーン・マーティンのゴージャスなナンバーを合図に巻き起こる暴動。そしてIMFチームによる大胆なる脱獄の手引き。それは新たな仕事の依頼だった。聞きなれたフレーズが耳に響く。

「例によって君やその部下が失敗しても当局は一切関知しないのでそのつもりで」

今回チームを組むのはガジェットからハッキングまで裏方作業を得意とするダン(サイモン・ペック)、ミッション中に愛する仲間を殺された女性諜報員カーター、それに古株のハント。ロシア側の核兵器の発射コードをめぐる謎を追いさっそくクレムリンに侵入した彼らだったが、そこで何者かの罠にはまり爆破テロの巻き添えを食らう。そのうえロシア側からはアメリカの差し金によるテロ実行犯と目され、ハント一味は一転して追われる身に。この事態を受けアメリカ大統領はIMFを国家機関から切り離す「ゴースト・プロトコル」を発令する。長官は言う。ハントらに残された道はふたつ。テロ実行犯として逮捕されるか、あるいは自分たちの手で真犯人を捕まえるか―。

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映画の潮流は刻々と変わる。いまやひとりの人気俳優の存在感で客を呼べる時代は終わり、コラボレーションの時代となった。

『アイアン・ジャイアント』、『レミーのおいしいレストラン』、『Mr.インクレディブル』で名高いブラッド・バードがこの監督を引き受けたのは正解だったと思う。彼にとっても念願の実写デビューだったわけだし、アメリカで人気が急落しているトム・クルーズを一人舞台の台座から“素材のひとつ”へと還元させることは、アニメーションのフィールドであらゆるキャラクターの持ち味を過不足なく発揮させてきたバード監督にとってまさに打ってつけの仕事だったと言える。

これまでは「裏切り者は誰だ?」という“疑心暗鬼の物語”に陥りがちだったこのシリーズ。だが本作ではあえて“信頼の物語”へと舵を切り返しており、4人のチーム・メンバーの個性をより肯定的に際立たせているのが特徴的だ。

とりわけ途中参入してくる分析官役のジェレミー・レナーはチームのもう一つの重みとなる。『ハート・ロッカー』で主演男優オスカー候補となり、現在製作中の『ボーン・アルティメイタム』に続く“ボーン”シリーズ新チャプターでも主演を担うこの男。当初、トム・クルーズだけでは映画の構成要素として物足りないと考えていたスタジオ側も、彼の起用でようやく首を縦に振ったと言われる。

そんな彼でさえ単独プレーに走ることなく、しっかりとチームのひとりとして他のメンバーとのコンビネーションにこそ魂を宿らせていくのが実にフェアに思える。そこで醸し出される雰囲気はシリーズ中でもっともクスクスした笑いに満ち、テレビシリーズの伝統を受け継ぐ「ありえないだろ!?」な秘密道具の活躍を散りばめ、やっぱり恒例となった“宙づり”シーンも盛り込み、それでいてシリーズ中でいちばんシビアな記憶をも打ち明け共有できる仲間意識に満ちている。

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また、今回はテロのシーンこそあるものの、アクション映画に付き物の爆破や火薬量がシリーズ中で最も少ないのではないだろうか。それは作り手が自らに課したハードルのようにも思えてならない。これを何なくこなして見せるのがブラッド・バードの凄いところだ。どの場面においてもグラフィック・ノベルを映像化したかのように画がキマっていて、盛り込まれるカットはつねに明快、かつ簡潔。

ドバイにそびえるあの超高層ビルに挑むトム・クルーズとその眼下に広がる緑と道路の幾何学模様とのコントラストが鮮烈な像を結んだかと思えば、今度は急転直下、地上では砂嵐で猛烈に視界の狭まる中、この世のものとは思えない幻想的なチェイスが展開したりもする。これらのシークエンスの各所が今もなお鮮明に記憶の中に焼きついているのは、積み上げてきた映像の連続性を「ドカーン」や「ズバーン」のカタルシスで霧消させていない証左と言えるのかもしれない。

思えば、アニメーションは実写に比べてその映像をゼロから築き上げていくものだ。それらを爆破などで吹き飛ばす描写にはあまりお目にかからない気がする(そう言いきれるほどたくさんのアニメを観ているわけではないが)。そんな現場で創作活動を続けてきたバード監督だからこそ、実写に場を移してもこれだけの計算され尽くしたビジュアリティを発揮できたのだろう。

あえてひとつだけ注文をつけるなら、悪役のキャラが紋切り型に終始していたことが気になった。このところ善と悪の境界線が引きずらいテーマを扱う作品が増えてきたが、久々に宇宙人的なまでに共感しようのないキャラを見た気がする(あとから考えると、同じことを画策した悪役が、最近のアメコミ・ヒーロー映画に存在した)。とくにスウェーデン版『ミレニアム』シリーズに主演したミカエル・ニクヴィストはセリフ控えめに、ただ逃げ回るだけ。あるいは、悪党そのものを“マクガフィン”として描くことこそ、ブラッド・バードの美学なのだろうか。

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2011/12/02

【NEWS】トム・クルーズ、All You Need Is Killの主演ほぼ確定

Tom 10月ごろに一度お伝えした“可能性”が、まもなく確定に至りそうだ。複数のメディアが伝えているところによると、ワーナーブラザーズが『ボーン・アイデンティティ』のダグ・リーマンを監督に据え進めている桜塚洋原作のライトノベル「All You Need Is Kill」の映画化企画に、トム・クルーズが本格参戦する意向だと言う。それも契約成立まであと一歩のところまで詰めてきている模様。

本作は謎の地球外生命体による攻撃にさらされた地上で、最初の戦闘で無惨に命を落とした主人公がふと気付くと、再び前日の日常へと舞い戻っている物語。この不思議なループにて幾度も戦闘と死を経験するうちに彼は逞しい兵士へと成長していく―まさに『恋はデジャヴ』や『ミッション:8ミニッツ』を思わせる内容だ。タイトルに関してはそのままの"All You Need Is Kill"と報じる向きと、改題され"We Mortals Are"になったと見る向きとがある。ダンテ・ハーパーとジョビー・ハロルドが脚本を手掛ける。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の世界同時公開を控えたトム・クルーズは、現在、ハードボイルド・サスペンス"One Shot"の製作真っただ中。その後はSFモノの"Oblivion"に移るものとみられる。"All You Need Is Kill"はその後、来年下半期に撮影開始か。

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【賞レース】ナショナル・ボード・オブ・レビュー

1929年に創設されたナショナル・ボード・オブ・レビュー賞(授与団体の創設は1909年)の各部門が発表された。作品賞においてBEST1に加えてTOP10圏内の残りの9本をもあわせて発表するのがこの賞の最たる特徴である。ちなみに昨年のBEST1を受賞したのは『ソーシャル・ネットワーク』。さて今年は・・・?

・作品賞 『ヒューゴの不思議な発明』

Hugo
リリースには「3D最新技術を駆使して映画の黎明期に想いを捧げるという趣向が非常にユニークかつマジカル。映像も素晴らしく、感情的にも観客を惹きつけてやまない」との授与理由が添えられている。

・監督賞 マーティン・スコセッシ『ヒューゴの不思議な発明』
・主演男優賞 ジョージ・クルーニー "The Descendants"
・主演女優賞 ティルダ・スウィントン "We Need to Talk about Kevin"
・助演男優賞 クリストファー・プラマー 『人生はビギナーズ』
・助演女優賞 シャイリーン・ウッドリー "The Descendants"
・オリジナル脚本賞 ウィル・レイザー 『50/50』
・脚色賞 アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ"The Descendants"
・アニメーション賞 『ランゴ』
・ブレイクスルー・パフォーマンス賞 フェリシティ・ジョーンズ "Like Crazy"、ルーニー・マーラ"The Girl with Dragon Tatoo"
・スポットライト・アワード マイケル・ファスベンダー
・アンサンブル賞 『ヘルプ~心がつなぐストーリー』
・表現の自由賞 "Crime After Crime""Pariah"
・外国語映画賞 A Separation
・ドキュメンタリー作品賞 "Paradise Lost 3"
・映画製作における特別賞 『ハリー・ポッター』シリーズ(原作本から映画への目覚ましい変換に対して)

●2位~10位の作品(順不同)
The Artist, The Descendants, Drive, The Girl with Dragon Tatoo, Harry Potter and the Deathly Hallows Part2, The Ides of March, J.Edgar, Tree of Life, War Horse

●外国語映画TOP5(2位~6位/順不同)
13 Assassins, Elite Squad:The Enemy Within, Footnote, Le Hvre, Point Blank

●ドキュメンタリーTOP5(2位~6位/順不同)
Born to be Wild, Buck, George Harrison:Living in the Material Worl, Project Nim, Senna

●インディペンデント映画TOP10(順不同)
50/50, Another Earth, Begginers, A Better Life, Cedar Rapids, Margin Call, Shame, Take Shelter, We Need to Talk about Kevin, Win Win

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2011/12/01

【レビュー】タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

実に『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以来となるスピルバーグのカムバック。この瞬間をどれだけ待ちわびたことか。しかも今回は彼の初となる3Dアニメーション参入。同時代に生きる最高のイマジネーションの使い手によるビジュアリティを映像化すべく、ピーター・ジャクソン率いるWETAワークショップも『アバター』『猿の惑星』に更なる応用を加えたモーションキャプチャー技術で援護し、誰もが馴染み深いタンタン少年の冒険譚が装いも新たな次元感覚で眼前に蘇ってきた。

Tintin
3D技術を手にしたスピルバーグはまるで全く新しい遊び道具を手にした幼子のように活き活きとしている。タイトルバックではコミック特有の絵心をのこしつつ、コマ割り風にストーリーを弾ませ、ふと気付くと、ページをめくる時のあの斜めに迫り出してくる感覚さえもが立体で表現されている(これまでこんなことを3Dで表現しようと思った人はいなかっただろう)。

正直に告白すれば、僕が本作でいちばん高揚したのはジョン・ウィリアムスのジャジーな旋律に乗せて流れるこのタイトルバックだった。それはどこか『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』との連なりも感じさせる。

そしていよいよストーリーの幕開け。鏡を多用して主人公の姿を部分的に映し出し、街角の似顔絵描きがその絵を完成させた時点でようやく3Dのタンタンがお目見えする場面も、スピルバーグ的な正確な順番を追った高揚感の醸成が効いている。これらのナビゲーション経て、観客はスピルバーグの3D作法に自ずとチューニングすることができる。

そこから始まるのは、市場で手にした帆船模型にはじまる壮大なアドベンチャーだ。サブタイトルを「ユニコーン号の秘密」としながらも、その実態は「なぞのユニコーン号」「レッド・ラッカムの宝」「金のはさみのカニ」という3つの原作をスクラップ&リビルドしたものになっている。これらの脚本を担ったのは、先日NHKでも放映されて話題を呼んだBBC製作「シャーロック」の製作&脚本を手掛けたスティーヴン・モファット、『ホット・ファズ』や『スコット・ピルグリム』などでお馴染みのエドガー・ライト、そして今年"Attack the Block"で大きな話題となったジョー・コーニッシュから成る黄金チーム。これら英国を代表するクリエイター3人の名前が並んでいること自体が俄かには信じられないことだ。

また本作はゆっくりした序盤から徐々にギアを上げ、動作や背景をダイナミックなまでに絡ませていく。後半、いざモロッコの街中でアクションシークエンスが幕を開けると、スクリーンのいたるところで様々な細かな描写が地滑り的に勃発し、あれよあれよという間に、およそ人間の持つふたつの眼球を駆使した動体視力では把握しきれるはずもない怒涛のイメージが氾濫して襲いかかってくる。ブリューゲルの絵画を思わせるほど細部でいろんなことが巻き起こり、それらは一瞬一瞬かみしめる暇もなく、あっという間に過ぎ去っていく。

ここで観客の評価は二つにわかれるだろう。ひとつはこれまで2D実写における表現の限界があったからこそスピルバーグは輝いていたのだという見方。そしてもうひとつは、表現の限界なき3Dアニメーションにおいてスピルバーグは更なる高みに達したという見方。

とにかくスピルバーグは中盤からクライマックスにかけて際限なきイマジネーションでとことん趣向を詰め込んでくる。うっかりしているとこちらがパワー負けしてしまうくらい、とにかく「とことん」なのだ。そもそも映画とは1秒間に映し出される24コマの絵柄が目の残像により繋がって見えるトリック。これが3Dともなればもちろん更なる視覚のトリックを伴うこととなる。このスピルバーグの剛速球に振り落とされないためにも、ぜひ観賞前には目にしっかりと鋭気を与えてから臨んでほしい。

ところで、スピルバーグが娯楽に返り咲いた『クリスタル・スカル』、それに『タンタン』において、ひとつの気づきが僕の頭をもたげるのを覚えた。

「自分のリズムとは異なってきている」

これは実に不思議な感覚だった。べつにセルフ・パロディが鼻についたわけでもない。幼子のように好奇心旺盛な3D趣向も良いだろう。ちょっとばかしストーリーの統合力が削がれていようともそれらはスピルバーグのブランド力で軽々と挽回できるというものだ。ただそれらとはまた違い、これまで自分を魅了してくれた崇高な存在がふと繋いでいた手をほどき、さあ、あとは自分の足で歩きなさいと促しているような歩幅の違いを覚えたのだった。

僕がそれだけ歳をとったということだろうか。それともスピルバーグがそれだけの老齢に達しているということか。『フック』のピーター・パンがそうであったように、彼もまたひとりの人間として老いることを選び、いつまでも跳んだり跳ねたりすることは不可能なのだと暗に示しているのだろうか。

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