2011/12/31

【2011】米コメディ映画の潮流

コメディは社会を映し出す鏡である。かつてはエディ・マーフィやらジム・キャリーやらアダム・サンドラーらが持ち前のカリスマ性を全開に牽引してきたこの手のジャンルだが、いまや俳優一人に頼りきりのビジネスモデルは終焉を迎え、リスク分散型へと移行しているのは周知の通り。それは“スタンドプレー”に対する“チーム・プレー”と呼ぶこともできるだろう。とりわけ『ハングオーバー』シリーズはその典型といえる。

Comedy
そんな中、2011年の米興行では『ハングオーバー2』が批評家の酷評を押しのけて力強い興行を見せつけた。また、日本未公開の"Bridesmaids"はまさに「『ハングオーバー』の女性版」とも評されるドギツくも胸のすく新しい笑いを劇場へと持ち込み、ノーシードながら誰もが予想だにしない大ヒットを記録。ゴールデングローブ賞の作品賞(コメディ&ミュージカル部門)にもノミネートされるに至っている。これにキャメロン・ディアス主演の"Bad Teacher"を加え、今年は「R指定」コメディが人気を確立した年とも言えそうだ。つまりは全てが細分化されゆく現代の潮流にふさわしく、“笑い”も大人向けと子供向けとに棲み分けが行われているわけだ。

Comedy02
また、これに加え、今年はスティーヴ・カレル主演の『ラブ・アゲイン』や芸達者が揃い踏みの『モンスター上司』といった作品もなかなかの高評価を納めている。

50
そして、大手スタジオではないインディペンデントの潮流から『50/50』が生まれたことも特筆すべきだろう。通常ならば“闘病モノ”としてヒューマンドラマの範疇に分類されがちな本作だが、脚本家ウィル・レイサーは若くしてがんの闘病を余儀なくされた自身の体験をユーモアたっぷりの筆致で描き出した。また彼の友人でもあるセス・ローゲンが率先して製作に乗り出し、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(もともとはジェームズ・マカヴォイがキャスティングされていた)、アナ・ケンドリックス、ブライス・ダラス・ハワードといった若手実力派がガッチリとタッグを組んで臨んだという流れは、ハリウッドにおける新しいクリエイティヴのかたちなのかもしれない

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【決定】2011のマイベスト

今年も残すところあとわずか。
大みそかは自宅の大掃除に従事しつつ、ときには近所の介護施設で暮らす
バアサマのもとへ顔を出したりなどもしながら、今年一年に観賞した劇場公開作品の中からベスト10を選出します。

ルールはバトルロワイヤル方式。雑然と並べられたタイトルの中から「劣る!」と感じたものを次々にリング外へと放り出していきます。そうしてようやく年が明けようかという時分、最終的にリング上に立ち残っている10作品が、そのままマイベスト10に落ち着くというわけです。これはある意味、一年の内に脳内へ蓄積された映画煩悩を綺麗サッパリお掃除する除夜の鐘突きのようなものなのかもしれません。

というわけで、この日ばかりは映画のクオリティとか興行成績とかへったくれもないです。単純に自分が好きな映画を選ぶ。ただそれだけ。逆を言えば、皆さまのとても思い入れのある映画をなんの躊躇なく無惨に蹴落としてしまう場面もあるやもしれません。しかしながら、どうか今日だけは、ぜひ温かい目で見守っていただければ幸いです。

Battleroyal

200520062007200820092010

11:55 p.m.

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以下のように決定しました。

Thetreeoflife 01 ツリー・オブ・ライフ

 

Maryandmax 02 メアリー&マックス

Red 03 赤い靴 デジタル・リマスター・エディション

 

127 04 127時間

Incendies09 05 灼熱の魂

Kings 06 英国王のスピーチ

Sourcecodemovie 07 ミッション:8ミニッツ

Biutiful02 08 BIUTIFUL

Swan 09 ブラック・スワン

Town 10 ザ・タウン

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【リング外】

109作品脱落

【11位~15位】マネーボール、猿の惑星:創世記、ハリー・ポッターと死の秘宝Part2、さすらいの女神たち、ワイルド・スピードMEGA MAX
 


【16位~20位】
僕たちのバイシクルロード、アリス・クリードの失踪、50/50、ハンナ、探偵はBARにいる

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2011/12/30

【総決算】2011年世界興収ランキング

2011年、世界はどのような映画を好んだのか?世界における興行収入ランキングをお送りします。

01 Harry Potter and the Deathly Hallows Part2 / 1328Mil. (米シェア28.7%)
02 Transformers:Dark of the Moon / 1123Mil. (31.4%)
03 Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides / 1043Mil. (23.1%)


以上、3位まではビリオン(10億ドル)達成。

04 Kung Fu Panda 2 / 665mil. (24.8%)
05 Twilight Saga: Breaking Dawn Part1 / 653Mil. (41.7%)
06 Fast Five / 626mil. (33.5%)
07 The Hangover 2 / 581Mil. (43.8%)
08 The Smurfs / 562Mil. (25.4%)
09 Cars 2 / 552Mil. (34.7%)
10 Rio / 484Mil. (29.6%)


米シェアの低い『カンフーパンダ2』は、逆に中国での興収シェアが高いことで知られています。また、10位の『Rio』に関してはこれまた好況に湧くブラジルでの興行が好調だったとのこと。同じくリオを舞台にした『ワイルド・スピード MEGA MAX』(Fast Five)のヒットもラテン・アメリカの貢献度は高いです。

11 Rise of the Planet of the Apes / 481Mil. (36.7%)
12 Thor / 449Mil. (40.3%)
13 Puss in Boots / 391Mil. (36.8%)
14 Captain America: The First Avengers / 368Mil. (47.9%)
15 X-Mne: First Class / 353Mil. (41.4%)
16 Bridesmaids / 288Mil. (58.6%)
17 Real Steel / 276Mil. (30.4%)
18 Mission: Impossible Ghost Protocol / 274Mil. (34.5%)
19 The Adventures of Tintin / 271Mil. (11.7%)
20 Super 8 / 259Mil. (48.9%)
21 Rango / 245Mil. (50.3%)

22 The Green Hornet / 228Mil. (43.4%)

ランキング下位にくるにしたがって、米興収の占める割合が多くなっていくのが分かります。これはいわば、ハリウッドが自国の文化をどれだけ世界と共有しているかの指標と言えるのかもしれません。

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【総決算】2011年米興収ランキング

今年も残すところあと2日。今年の米興行界ではどのような作品が光り輝いていたのでしょうか。ここではヒットの基準とされる1億ドル(100Mil.)ラインを超えた作品を一覧にしてみましょう。最近では一般社会と同様、映画の製作費に関しても格差が甚だしく、1億ドルを超えただけでは採算が取れっこない作品も数多いわけですが、少なくともこの一覧から、2011年がどのような年であったかについて何らかの空気が感じとれるかと思います。

01 Harry Potter and the Deathly Hallows Part2 / 381Mil.
02 Transformers: Dark of the Moon / 352Mil.
03 Breaking Dawn Part1 / 272Mil.
04 The Hangover Part2 / 254Mil.
05 Pirated of the Caribbean 4 / 241Mil.
06 Fast Five / 209Mil.
07 Cars2 / 191Mil.
08 Thor / 181Mil.
09 Rise of the Planet of the Apes / 176.7Mil.
10 Captain America:The First Avengers / 176.6Mil.

トップ10に関してはアメリカ国内のみならず、世界でも旋風を巻き起こした作品も数多いことから、世界興収も書き添えておく必要があるでしょう。またそのうちの米興収シェアも記しておきます。

1位の『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の世界興収は13億2800万ドル(そのうち米興収は29%)。製作費は公表されていません。2位の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』は11億2374万ドル(米31.5%)。製作費は1億9500万ドル。3位の『ブレイキング・ドーンPart1』は6億5300万ドル(米42%)。製作費1億1000万ドル。4位『ハングオーバー2』は5億8140万ドル(米44%)。製作費8000万ドル。5位の『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』に関しては10億4387万ドル(米23%)。製作費は2億5000万ドル。

また、6位の『ワイルド・スピードMEGA MAX』の世界興収は6億2613万ドル(米33.5%)でした。このシリーズで特筆すべきは、2001年公開の第1作目では世界興収における米興収の割合が7割近かったのが、今回の5作目では3割台前半にまで圧しとどめられていること。つまり、海外の観客が圧倒的に増え、そちらの市場の方がより重要になってきているわけです。第6弾、7弾の舞台はヨーロッパになるとのウワサが拡がっていますが、これも更なる世界観客を獲得するための布石と言えるでしょう。

ちなみに、昨今アメコミ・ヒーロー映画製作がブームとなっていますが、それらの世界興収に目をやると、『キャプテン・アメリカ』の3億6800万ドルのうち、米興収シェアは48%とかなり高め。『マイティ・ソー』は世界興収4億5000万ドルのうち40%を米興収が占め、ランキング14位の『X-MEN:ファースト・ジェネレーションは』3億5362万ドルのうち米シェア41%。ランキング21位の『グリーン・ランタン』(本作は製作費2億ドル)に関しては世界興収2億1985万ドルのうち米シェアが53%でした。2011年におけるひとつの潮流を成すかに思われたアメコミ・ヒーロー戦略ですが、米史上と世界市場との間には明らかな溝が生まれつつあるようです。

11 The Help / 169.4Mil.
12 Bridesmaids / 169.1Mil.
13 Kung Fu Panda 2 / 165Mil.
14 X-Men:First Class / 146Mil.
15 Puss in Boots / 143.9Mil.
16 Rio / 143.6Mil.
17 The Smurfs / 142Mil.
18 Super 8 / 127Mil.
19 Rango / 123Mil.
20 Horrible Bosses / 117Mil.
21 Green Lantern / 116Mil.
22 Hop / 108Mil.
23 Paranormal Activity 3 / 103.8Mil.
24 Sherlock Holmes 2 / 103.6Mil.
25 Just Go With It / 103.0Mil.
26 Bad Teacher / 100.29Mil.
27 Cowboys & Aliens / 100.24Mil.

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