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2012/02/06

【NEWS】チュニジアで大問題となったアニメ映画

215pxpersepolis_film 中東、アフリカに民主化の波が巻き起こる中、その先駆けとなったのがチュニジア革命だった。が、それによって独裁政権が崩壊し、市民に自由がもたらされたかと思えば、一方でこんな事態も巻き起こっていた。

ガーディアン紙によると、昨年10月にテレビ放映されたアニメーション映画『ペルセポリス』をめぐって一部のイスラム教徒が激怒し、デモが行われ、一部の過激派はテレビ局を襲撃、さらには局長宅に火炎瓶が投げ込まれるなどの騒ぎにまで発展したという。

その後、「聖なるもの価値を貶め、モラルに反し、人々の不安を煽った」かどでテレビ局が訴えられ、11月には裁判が始まったものの、法廷は怒号の応酬で手のつけられないものとなり、すぐさま休廷。1月末になって再開されたが、またもや収拾のつかない事態となり、審議はあえなく4月頃まで再延期されることとなった。

マルジャン・サトラピとヴァンサン・パロノーが共同で監督を務めた『ペルセポリス』は、1979年のイラン革命を背景にしたサトラピの自伝漫画が原作。イスラムの国に生まれ、多感な幼少期を送り、そしていつしか愛する家族を残し母国イランを去ることになる少女の姿を独創的なアニメーション手法で描いている。

本作では神様がアニメ・キャラとして顔を出すなどのコミカルな場面も盛り込まれており、これは偶像崇拝を禁じるイスラム教ではタブーにあたる。同じような行為をめぐり大問題に発展した例ではデンマークで起こったムハンマドの風刺画論争が記憶に新しい。

それでも『ペルセポリス』への国際的な評価は高く、カンヌ映画祭では審査員賞を受賞、アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされている。

民主化と表現の自由はセットで捉えられることが多いが、そこに宗教的な問題まで絡んでくると混乱は必至。おそらくテレビ局側も民主化の試金石としてこの映画の放送に踏み切ったものと思われるが、果たしてこの問題にどのような決着がもたらされるのか、チュニジア革命を“点”でなく“線”として捉える意味でも注目していきたいところだ。

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