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2012/04/09

【NEWS】BullyがPG13を獲得

Bullyアメリカではハーヴェイ・ワインスタイン率いるワインスタイン・カンパニー配給のドキュメンタリー"Bully"をめぐって大きな議論が巻き起こってきた。アメリカの学校にはびこる深刻ないじめ問題に真っ向から切り込んだ本作は何にも増して同年代の青少年に観てもらいたい映画なのにもかかわらず、MPAA(Motion Pictures Association of America)が下したレーティング判定は「R指定」(17歳以下は保護者の同伴なしでは観賞不可)。理由は「本編中に青少年にとって悪影響となる言葉が複数回使用される」というものだった(アメリカではFワードに代表される"curse word"の使用に関して厳しい判定がなされる)。

ワインスタインらはこの判定を不服として今年2月に異議申し立てを行ったが、その時にはMPAA評議員の多数決により否決された(ほんの一票差での否決だったとか)。

しかし一行はめげなかった。すでにアメリカでは劇場公開が始まっているが、MPAAより下された「R指定」は身にまとわず、あくまで青少年へ門戸を閉ざさぬように「レイティングなし」の状態で上映をはじめた。アメリカの劇場のほとんどではMPAAがレイティング基準を示した作品のみを安定供給する方針なので、この「レイティングなし」は実質上アメリカのごく限られた劇場でしか上映できないことを意味する。

と同時に"Bully"のリー・ハーシュ監督は地道に本作の再編集を続け、本編中に6回繰り返される“とある言葉”の大部分を削除することに踏み切った。ただしメインのシーンではそのまま残す形で。これにより本作はMPAAから最終的に当初のR指定よりも1ランク規制のゆるい「PG-13」(13歳以下は保護者の同意が必要)というレイティングを獲得した。これは中学校などでも上映可能なレベルである。

ハーシュ監督はクリエイティブな意向が損なわれない形でPG-13を獲得できたことを「勝利」であるとしながらも、一方で「これらの(問題となっている)言葉は、実際にイジメにあっている子供たちが毎日のように突きつけられているもの」という言葉も残している。なるほどこれらの心地の良くない言葉は、彼らにとっての日常でもあるわけだ。結果的に観客を真実から遠ざけることを促すこととなったMPAAの判断、そしてレイティング・システムの是非について今後も議論が続いていくことになりそうだ。

この新レイティング「PG-13」が付与された再編集版は4月13日より全米公開される。

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