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2012/07/30

【興収】北米週末TOP10 Jul.27-29

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jul.27-29 weekend 推計

01 The Dark Knight Rises $64.1M
02 Ice Age: Continental Drift $13.3M
03 The Watch $13.0M

04 Step Up Revolution $11.8M
05 Ted $7.4M
06 The Amazing Spider-Man $6.8M
07 Brave $4.2M
08 Magic Mike $2.58M
09 Savages $1.75M
10 Moonrise Kingdom $1.4M

Dark ■クリストファー・ノーラン監督版バットマン最終章『ダークナイト・ライジング』が先週末に比べて60パーセント減となる興収6410万ドルを売り上げてボックスオフィスランキングV2を達成した。コロラド州オーロラの映画館で発生した銃撃事件が関係者のみならず世界の映画ファンにも深い心の傷跡を残す一方、一時は劇場から遠のいていた観客が徐々に戻りつつあるという数字も出ており、平日から金曜日に入ると興収は35パーセント増加。さらにオリンピック開会式という映画業界にとって強力なライバルとなる存在がありながらも、土曜日の興収はさらに40パーセント増(前日比)となっている。

通常の映画興行はオープニングである程度の全体的な興収推移の流れが決定づけられるが、本作の場合は事件の影響でそこの核たる部分が分散化してしまっているので、今後の流れも他の大作とは大きく異なったものとなっていく可能性もある。

公開10日間の累計興収は2億8910万ドルで、世界興収は早くも5億3770万ドルとなっている。製作費は2億5千万ドル。

*同じ10日間興収で比較すると・・・ノーラン版バットマン第2弾『ダークナイト』の10日間興収は3億1378万ドル、アベンジャーズ』は3億7307万ドル、『アメイジング・スパイダーマン』は1億6587万ドル、『ハンガーゲーム』は2億4848万ドル。

■3週目となる『アイスエイジ4』は国内興収を1億1485万ドルとした。

Watch ■3位、4位には今週の初登場が並んだ。ひとつはベン・スティラー主演のR指定SFコメディ"The Watch"。強力な個性を持った面々が自警団のメンバーとして参加。はじめは近隣の治安を守ることが目的だったものの、彼らはいつしかエイリアンとの対決を余儀なくされ・・・。ヴィンス・ヴォーン、ジョナ・ヒルといった人気俳優を擁しながらも週末興収は1350万ドルにとどまった。製作費は6800万ドル。観客層は6割が男性、また約6割が25歳以上とのこと。

■また"Step Up 4"はオープニング興収1180万ドルとシリーズで最も低い出だしとなった。製作費だけで3300万ドルかかっている。女性客が64パーセントを占め、なおかつ24歳以下の年代が全体の71パーセントを占めている。つまりは若い女性陣による圧倒的な支持のもとで回を重ねてきたシリーズと言えそうだ。なお、本作は2、3作目でシリーズを率いたジョン・チュウ(彼はその後『G.I.ジョー2』の監督として抜擢)に代わり新たにスコット・スピーア監督がてがけている

■5位の"Ted"は累計1億9361万ドルとなった。来週の今頃には2億ドルの大台に乗っていることは確実だ。製作費は5000万ドル。アメイジング・スパイダーマン』は4週目にしてようやく国内興収だけで製作費の2億3千万ドルをカバー。現在の累計興収は2億4200万ドルとなっている。メリダとおそろしの森』は7位に。累計興収は2億1726万ドル。

■8位は2012年の活躍目覚ましいチャニング・テイタムとスティーヴン・ソダーバーグ監督とのコラボレーションが最も良い形で結実した"Magic Mike"が踏みとどまった。製作費は700万ドルながら累計興収は1億700万ドルに達している。回収率から言えば凄まじい馬力をもった成功作だ。

■10位はウェス・アンダーソン監督作"Moonrise Kingdom"が850館ほどの上映規模ながら着実に興収を重ねてきている。現在までの累計は3840万ドル。製作費は1600万ドル。昨年のウディ・アレン監督によるヒット作『ミッドナイト・イン・パリ』の興行推移を彷彿とさせるとの指摘もある。世界にファンを持つアンダーソン作品なだけに公開10週目にしてなおもランキング内に留まり続けている健闘ぶりこそが世界に対する最も効果的な宣伝材料となることだろう。

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2012/07/28

【LONDON】

相変わらずの曇天模様ではありますが、トラファルガー広場からピカデリー・サーカスに抜ける通りには各国の国旗がはためき、歓迎ムードが高まっていました。

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2012/07/27

【NEWS】兄スコットがリメイク版「英国の停止した日」を製作

遂にオリンピックがやってくる。スポーツに何ら関心のない私も4年ごとに開会式と閉会式の演出にだけは心躍らせ、時おりむやみに涙ぐんでみたりもしてみせるわけだが、そんな誰もが平穏無事な式次第を神に祈らずにいられないこの時分に、リドリー卿とスティーヴ・ザイリアンだけはとんでもなく不吉な創造力に野心をみなぎらせているようだ。

Ridley
ハリウッド・リポーター誌によると二人はBBC製作のモキュメンタリー・ドラマ"The Day Britain Stopped"のリメイク権を取得し、フォックスと組んで映画化に乗り出す構えだという。

2003年に放送されたオリジナル版は鉄道会社のストライキをきっかけに英国内の交通網が遮断されてとんでもない事態に陥っていくドミノ現象を描き賛否両論を呼んだ。新たなリメイク版では更にスケールを拡大させ、往きつく果てには世界的なカタストロフィが待ち構えている流れになるのだとか。

今のところふたりが監督や脚本を務める予定はなく、まずは手始めに脚本家探しから着手するようだ。

ちなみにロンドン・オリンピックの開会式&閉会式では『トレインスポッティング』や『スラムドッグ・ミリオネア』のダニー・ボイル監督が芸術監督を務める(セレモニー全体を統括するプロデューサーチームには『リトル・ダンサー』のスティーヴン・ダルドリーなどが含まれている)。私は以前、この芸術監督にリドリー・スコットが就任する可能性もあるのでは・・・なんて考えていたのだが、こんな時期にこんな企画を進めているところを見ると、リドリー自身もダニー・ボイルにおいしいところを持っていかれたことをいささか悔やんでいるのかな、と思わざるを得ない。

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【NEWS】バトル・ロワイヤルが米TVシリーズ化?

Imagesca9xp83o LAタイムズによると、現在アメリカのケーブルネットワークCW(「ゴシップ・ガール」などで有名)が日本の映画『バトル・ロワイヤル』をTVシリーズ・リメイクする可能性をめぐって代理人と交渉を重ねているという。まだ具体的な話はまとまっていないようだが、これが本決まりになれば同じ学級の中学生どうしが生き残りをかけてバトル・ロワイヤルを繰り広げるというセンセーショナルな物語がテレビ向けの多少のアレンジを加えた上でお目見えすることになる。

そもそも『バトル・ロワイヤル』(00)はその存在が各地の映画祭を通じて世界に知れ渡るにしたがって軒並み高評価を受け、ハリウッドでもこの映画のリメイクの話が度々持ち上がってきた。そんな中、青少年たちが生き残りをかけて互いに闘うという同様のプロットを持ったスーザン・コリンズ著の「ハンガーゲーム」がベストセラーとなり、更にはハリウッド映画化もされ、大ヒットを遂げた。

原作が出版された時点で『バトル・ロワイヤル』の影響があるのでは?と言われ続けてきた『ハンガーゲーム』。コンセプトは同じでもスタイルは全く違うだけに、さすがにパクリとまで声を荒げる人は少ないようだが、そうしているうちにも北米では『ハンガーゲーム』のコアなファン層に自ずと『バト・ロワ』の存在が知れ渡り、DVD売り上げが急増したとも言われている。

著作権の関係上、テレビシリーズを前進させるには作者の高見広春氏による認可が必要となる。果たして氏がどのような決断を下すのか、そして『バト・ロワ』という源泉がこれからUSAでどう進化していくのかにも注目が集まりそうだ。

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【NEWS】ガガ様、「マチェーテ2」に降臨

自作にいろんな才能を巻き込んでいく才能にかけてはタランティーノと1、2を争う存在のロバート・ロドリゲスが、撮影中の『マチェーテ2』にレディ・ガガを召喚したことをツイッター上で明らかにした。

"I just finished working with @LadyGaga on @MacheteKills, she kicked SO MUCH ASS! Holy Smokes. Blown away!"

果たしてその役がどんなものかは定かではないが、以下のようなキャラクター版ポスターまでこしらえているところを見ると、かなりの気合の入れようだ。

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「マチェーテ2」はメキシコに巣食う武器ディーラーの脅威を排除すべくアメリカ合衆国大統領が直々にマチェーテ(ダニー・トレホ)に敵の粉砕命令を下すというストーリー。この大統領役をチャーリー・シーンが演じているというのも狂っているし、メル・ギブソンが何らかの役で出演しているというのも中途半端に気になるところだ。

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【予告編】Cloud Atlas

合言葉は"Everything is connected"。幾つもの登場人物が幾つもの時代と空間を越えて華麗に繋がっていく「映像化不可能」と言われたデイヴィッド・ミッチェル原作の同名小説を『マトリックス』シリーズのラナ&アンディ・ウォシャウスキー(かつてウォシャウスキー兄だった人は、性転換を受けて今では姉になった。欧米のメディアではこのあたりの個人の事情に関していっさい動じるところを見せず“暗黙の了解”としている)と『ラン・ローラ・ラン』のトム・テイクヴァといういずれも“奇才”の冠を頂くにふさわしい才能陣が寡頭体制で監督を務めたSF大作"Cloud Atlas"。その5分半に及ぶ予告編が遂にお目見えした。

通常のハリウッド映画の予告編ならば2分半という規定枠があるのだが、何しろこの映画は何から何まで規定外。さらにはこれほどのスケール感あふれる作品をハリウッドのスタジオを挟まずにインディペンデントで製作しているところが凄いところだ(北米の配給はワーナーが担当)。出演はトム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェス、ぺ・ドゥナ、ベン・ウィショー、スーザン・サランドンなどなど。同作はトロント国際映画祭にてプレミア上映を迎える他、10月26日より北米公開される。

YouTubeにアップされていた映像が削除されてしまったので、Appleでご覧いただくか、あるいは下記のColliderからシェアした動画にてお楽しみください。

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2012/07/26

【NEWS】ヴェネツィア映画祭ラインナップ発表

Imagescajdxrhi 今年で69回目を迎えるヴェネツィア国際映画祭のラインナップ第1弾が発表された。映画祭の最大の見せ場となるコンペティション部門では昨年のカンヌ映画祭最高賞受賞者のテレンス・マリックが新作"To The Wonder"を送りこんでくる。主演はベン・アフレック、レイチェル・マクアダムス、レイチェル・ワイズ。ナイーヴなことで知られるマリック監督は今度こそはマスコミ陣の前に姿を現すのだろうか?

またコンペに参戦するもうひとりの巨匠にはブライアン・デ・パルマがそびえ立つ。ヴェネツィア銀獅子賞受賞の『リダクテッド』以来となる彼の新作"Passion"はレイチェル・マクアダムスとノーミ・ラパスらを従えたセクシャル・サスペンスだ。

そしてザック・エフロン主演の"At Any Price"ハーモニー・コリン監督がジェームズ・フランコを擁して送る"Spring Breakers"、また日本からはヴェネツィアと深い関係を持った北野武が『アウトレイジ・ビヨンド』をぶちかますことが決定しているほか、同じアジア勢には前作『アリラン』で復活を遂げたキム・ギドクの"Pieta"がある。

今年の審査員団を率いるのはアメリカの映画監督マイケル・マン。いったいどのような骨太なジャッジを下すのかこちらも見ものだ。映画祭は8月29日から9月8日まで開催される。

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【レビュー】Jeff, Who Lives at Home

様々なところから「僕の大切な人と、そのクソガキ」の評判が聴こえてくる。日本では劇場公開されずDVDスルーとなった作品だが、その監督を務めたジェイ&マーク・デュプラス兄弟の2012年の最新作"Jeff, Who Lives at Home"という映画をロンドン往きの機内で観ることができた。これがコメディというジャンルに押しとどめておくのは勿体な魅力の詰まった作品だったのでご紹介しておきたい。

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この物語は仕事もせずにずっと自宅にいる中年男ジェフ(ジェイソン・シーゲル)が主人公だ。映画は彼のそうした性格を批判するどころか不思議な運命論を展開してみせる。ある日、彼のもとに一本の間違い電話がかかってくる。電話の相手は「ケヴィン」という名の男を求めていた。勘違いも甚だしかった。しかしジェフは何故だかこの電話の主が口にした「ケヴィン」という名のことが忘れられなかった。なにか運命的なものを感じたジェフは外へ出る。バスに乗る。すると前方の座席にジャージ姿の少年が座っていた。そこに刻まれた名はまたもや「ケヴィン」。ジェフはストーカーのように少年の後を追い、後に一緒にバスケットボールのチームを組むまでに打ち解ける。だが、後にジェフはその少年一味からボコボコにされて財布を取られる。しかし朦朧とするその意識で見つけたのは、またもや「ケヴィン」の文字―。

実はこの物語はジェフだけの物語ではない。『ハングオーバー』で一躍有名になったエド・ヘルムス(メガネで顔面タトゥーの男ですね)は人の意見を全く聞かない兄役。彼は自分の財布では払えもしない高額のポルシェを買ってしまって妻に愛想を尽かされる。どうやら兄も相当のゴーイング・マイ・ウェイな性格のようだった―。

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母親も登場する。スーザン・サランドン演じるママは会社で仕事に打ち込んでいる最中に一通のメッセージを受け取る。「あなたのことをお慕いしております」 一体誰がこんなことを?返信するママはその後のやり取りの中でどうやら送り主が同じオフィスの人間らしいことを知る。胸のドキドキが止まらなくなる。冗談なのか、本気なのか。彼女は相手の正体が知りたくて思い切った行動に出るのだが―。

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父はいない。遺されたこの家族3人がマイケル・アンドリューズの奏でる静かなる運命の到来を讃える音楽に導かれながら「答え」に向かってひた走っていく。

運命とは偶然なのか、必然なのか。それは誰にも分らない。しかしながら日々の生活に宿る何かしらの兆しを入念に辿っていけば、それが納得できる結果に結びつくかどうかはわからないが少なくとも軌跡(奇跡ではなく)が刻まれる。他人から見ればそれは実に馬鹿げた思い込みと捉えうるかもしれない。けれどその馬鹿げた物に意味を付与していくのは自分自身であり、そこに注ぎ込んだ情熱に他ならない。いちばん最低なのはその兆しがずっと気になりながらも視界からあえて遠ざけ、後で大きく後悔することだ。

この映画のラストシーンで、ジェフが立つのはスタートラインなのか、それともゴールなのか。彼がこの85分あまりの冒険の中で何を達成したのかもよくは分からない。ただしその最終地点がたとえ相変わらずの家の中だったとしても、それは始めと終わりとでは全く意味の異なった、何かの連続性のもとに繋がった<家の中>であることは間違いない。

今の時代、どんな局面でもどんな映画でも人々は口を揃えて「つながる」と言う。家族、パートナー、友人、それ以外の誰か。"Jeff, Who Lives at Home"はその概念をもっと靄で包み込んで幻想性の上に投影したファンタジックな日常コメディなのだった。

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【予告編】Life of Pi

『グリーン・デスティニー』や『ブロークバック・マウンテン』、『ラスト、コーション』など一作ごとに全く違った輝きを持った作品を世に送り出してきたアン・リー監督。そんな彼が挑む新たな地平が"Life of Pi"だ。3D映画として封切られる本作は難破した船から脱出したひとりのインド人青年がベンガル虎と共に227日に及ぶ漂流を続ける物語。はたしてそこでどんな物語が展開していくのか―。全米公開は11月21日。

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2012/07/25

【レビュー】Marina Abramovic:The Artist is Present

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芸術の真価は歴史が決めるとよく言われる。その作者が死した後に作品の価値が上がったりするのはよくあること。一方で芸術家が今を生きる同時代において結果を出すのは並大抵のことではない。そのために必要なのはまず誰よりも圧倒的であること。そして作品以上に我々はそのアーティスト自身の放つ人間的な魅力に惹かれることのほうが大きいようにも感じる。

その同時代における圧倒的なアーティストのひとりにマリナ・アブラモヴィッチが君臨する。ユーゴスラビア出身の彼女は現在すでに御歳60過ぎ。この40年以上にも及ぶ創作活動において、時には自らが衣服を脱ぎ棄て、また自らの肉体に鞭を振るったりナイフで傷つけるなどしながら、その過激とも言える創造性の源泉を余すところなく観客へと伝えてきた。「彼女は魔女だ!」と誰かが言う。「芸術を冒とくしている」とも言われる。が、何よりも彼女は圧倒的だ。それは間違いない。そしてこのドキュメンタリー映画"The Artist is Present"はまさにその圧倒性を伝える意味において言葉よりも批評よりも彼女の生きる証を的確に伝える表現手段となりえてる。私はこの映画をイギリスの劇場で観たが、前列には3人組の彼女と同世代の女性陣が座っており、時に大声で笑い、時に涙しながら"Fantastic !"と拍手喝さいを送り、上映後は両手を鳥のように羽ばたかせながら帰って行った。彼女らはこちらにも「素晴らしい映画だったわよね!」と語りかけてきたので、私は鳥のように羽ばたく彼女らに向って"You look like the artists too"と返しておいた。

本作はアブラモヴィッチの半生や人となりを紹介すると共にニューヨーク近代美術館(MOMA)で開催された"The Artist is Present"展へと至る過程をつづったものである。彼女を知らない人にはかなり強烈なエキシビジョンだ。会場の一か所には全裸の男女が狭い通路に向かい合って立ち、観客はその狭間をヨイショとくぐりぬけることもできる。また壁には時計に見立てた全裸の女性が腕を長針短針のごとく広げながら懸命に時(それも彼女自身の内なる時間)を刻んでいる。この映画の観賞場所がイギリスだったからこそ無修正で観ることができたが、果たして日本で公開されるとしてモザイク無しで上映可能だろうか。

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しかしこの中で最も注目を集めたのはアブラモビッチ自身によるパフォーマンスだった。彼女は開催期間中、すべての時間を使って「ただ観客を見つめる」という行為に身を捧げた。連日、MOMAが開場するとそこにアブラモビッチが座っている。観客は誰もがその真向かいにある椅子に着席し、彼女と見つめ合って言葉を廃した静かなる対話を繰り広げることができる。これまでのアブラモビッチの芸術スタイルを知る人からすれば画期的なまでにシンプルなパフォーマンスだ。

次第に展覧会の反響は爆発的に膨れ上がり、対話椅子をめぐっては順番待ちの長蛇の列が形成されていく。並んでも自分の順番に届かないこともあり、いつしか徹夜待ちのファンまで出没するほどに。いざ彼女を目の前にすると、笑顔でも、同情でもない、不思議な穏やかさを秘めた目線がこちらを見つめてくる。東洋と呼ばれるエリアに生きる我々はそれが仏像の特徴たるアルカイック・スマイルに近いと評することもできるだろう。その表情を目の当たりにして笑いだす者、戸惑う者、緊張する者、感極まって泣き出す者、胸に手を当てて心からアブラモビッチへの敬愛を表現する者、またすかさず全裸になり警備員に退場を命じられる者まで現れる。中には芸術家や映画俳優の顔も。観る人によってはこの光景を宗教にも似た行為と感じる人もいるだろう。中にはそのような感覚で彼女に真向かっている者もいたかもしれない。しかし基本的なところでアブラモビッチはかつて「アーティストとは」という宣言の中で「偶像と化してはならない」「商業主義に迎合してはならない」といった言葉を表明しており、このパフォーマンスもあくまでそれらの可能性を封じた上で見えてくる新たな地平ということになる。

そして長きにわたる開催期間の途上で彼女は身体の痛みと精神的な疲労をこらえながらこう語る。「おそらく私は観客と対峙することによって鏡の役割を果たしているのだと思う。そうして観客は自分自身と向き合っているのでしょう」

その言葉には人々の外なるベクトルが同時に己の内面へも向かっているという、まさに宇宙と個人の存在のあり方を指し示すかのような真理が詰まっている。と同様に、「present(現在)」という企画テーマを掲げるアブラモヴィッチにおいてもその概念は、過去、そして未来へ向けての絶え間ざるベクトルの流動途上においてのみ出現する一瞬の煌めきを意味するのではないかと、彼女の姿を通して感じさせられたのだった。

余談ながら私は後日、たまたまテレビの深夜放送で北野武監督作『アキレスと亀』を観た。劇場公開時には何の琴線にも触れなかった本作が、"The Artist is Present"を観た後だと全く違って見えた。芸術とは圧倒的でなければならない。その狂気とも言うべき精神の越境をあの映画のビートたけしは体現していたように思えた。

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【NEWS】トロント映画祭ラインナップ決定

Tiff 毎年アカデミー賞で旋風を巻き起こす強力タイトルの初お目見えの場として名高いトロント国際映画祭。その37回目となる今年のラインナップが発表され、これまでに例を見ない期待作ぞろいに感嘆の声が上がっている。

まずはオープニング・ガラ(galaとは祝祭という意味)作品にはジョゼフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスのW主演作"Looper"が決定。毎年カナダ作品が選出されることの多かったこのオープニング枠だが今年はハリウッドの期待作が収まることとなった。

他にざっとタイトルを拾ってみると、ベン・アフレックの3作目となる長編監督作"Argo"、ロバート・レッドフォード主演&監督によるサスペンス"The Company You Keep"、マイク・ニューウェル監督がディケンズの名作に挑む"Great Expectations"、『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッチェル監督がビル・マーレイをフランクリン・D・ルーズベルト大統領役に招聘して送る史実を基にしたコメディ・ドラマ"Hyde Park on Hudson"、監督としても卓越した才能を発揮してきたビリー・ボブ・ソーントンが久々に放つ"Jayne Mansfield's Car"、『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセルがブラッドリー・クーパー&ジェニファー・ローレンスを主演に放つ"Silver Linings Playbook"、ジョー・ライト監督が『つぐない』のキーラ・ナイトレーと再タッグを組んでロシア文豪の大作に挑む"Anna Karenina"、ニール・ジョーダンがジェマ・アタートン&シアーシャ・ローナンを主演に贈る吸血鬼ムービー"Byzantium"、トム・テイクヴァとウォシャウスキー・ブラザーズが3人体制で監督を務めた奇想天外なSF大作"Cloud Atlas"、ポリス・ドラマに定評のあるデヴィッド・エアー監督がジェイク・ギレンホール&マイケル・ペーニャ主演で贈る"End of Watch"、『イカとクジラ』やウェス・アンダーソン作品の脚本家としても知られるノア・バームバック監督作"Frances Ha"、スペイン出身のJ.A.バヨナ監督が自然災害を題材に描く"The Impossible"、伝説のコメディ集団モンティ・パイソンの唯一の故人グレアム・チャップマンにまつわる人生をアニメーション映画として描き出し、メンバーの多くも声の出演で再集結を果たした"A Liar's Autography-The Untrue Story of Monty Python's Graham Chapman"、TVドラマ「Dr.HOUSE」で知られるヒュー・ローリーが主演するヒューマン・ドラマ"Mr.Pip"、『アベンジャーズ』の監督として大成功を収めたジョシュ・ウェドン監督がシェイクスピアの戯曲を現代劇にそのまま投じ、たった12日間で撮影した実験作"Much Ado About Nothing"、『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン主演の"The Perks of Being a Wallflower"、名優ダスティン・ホフマンの監督デビュー作"Quartet"、『ツリー・オブ・ライフ』のテレンス・マリック監督がこれまでの寡作ぶりを覆すかのような異例の速さで撮り上げた"To The Wonder"などなど。また日本からは今春大ヒットを記録した『テルマエ・ロマエ』と北野武監督作『アウトレイジ・ビヨンド』がエントリーを果たしている。

と一息でお伝えしてみたが、確かに隅から隅までてんこ盛りだ。それは同時に世界の映画関係者が同映画祭に対して「ここで評価されれば一気に拡がっていく」とその存在意義に太鼓判を押しているからに他ならない。

果たしてこの中からオスカーに繋がるような注目作は生まれるのだろうか。

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2012/07/24

【NEWS】ジェレミー・レナーがアサンジを演じる?

Deadlineがウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジに関する伝記映画についてひとつの可能性を示唆している。というのも、現在、この映画のアサンジ役を演じるべくジェレミー・レナーが真剣に検討を始めているらしいのだ。また一方では監督として『トワイライト・サーガ/ブレーキング・ドーン』や『ドリームガールズ』のビル・コンドンにも話が及んでいるようだ。ふたりはまだ公式に打診を受けているわけではないが、これらの芽が今後どのように育っていくのか目が離せない展開となりそうだ。

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本作は"WikiLeaks: Inside Julian Assange's War On Secrecy"と"Inside WikiLeaks: My Time With Julian Assange At The World's Most Dangerous Website"という2冊の本を原作に推進されてきた。だが、もうひとつの可能性としてこの企画は製作スタジオのドリームワークスの手を離れインディペンデント作品として独り立ちしていく動きさえも見せているとか。題材が題材なだけに下手に組織が大きいとなかなか企画が巧く進んでいかないのだろうか。

ジュリアン・アサンジをめぐっては様々なところで映画案が乱立している。製作者ミーガン・エリソンは『ハート・ロッカー』のマーク・ボールを脚本家として起用して映画化を進める動きを見せており、またユニバーサル映画は骨太な作品で知られるアレックス・ギブニー監督と共にアサンジに関するドキュメンタリーを製作する構え。そのほかHBOとBBCもローワン・ジョフィを脚本家として据え映画化の道を模索している。ただ、これらの可能性ばかりは取り沙汰されるものの、その具体的な動きが皆目見えてこないのが実情だ。さてこの中で劇場に一番乗りするのは果たして誰だろうか。

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【NEWS】ギャングスター・スクワッド、再編集?追加撮影?

コロラド州の映画館での銃乱射事件という映画業界史上稀に見る事態を受けてワーナー・ブラザーズは今秋公開予定の"Gangster Squad"にも再編集か追加撮影を加える見込みであるとVarietyが報じている。

Gangstersquad
1940年代のギャングと特別捜査隊の激突を描いた本作は既にお披露目済みの予告編(劇場&WEB)を取りやめており(登場人物たちがスクリーン越しにマシンガンを撃ち放つシーンが含まれている)、今後これらのシーンを本編から削除したうえで新たな編集を施し、また場合によっては追加撮影も辞さない構えだとか。

今回の余波は『ダークナイト・ライジング』をはじめとするワーナー関係者のみならず、ハリウッドの映画業界やテレビ業界にまで9.11以来となる深刻な影響を与えている。テレビ・ネットワークでは今後のTVドラマや放送映画などに今回の惨劇を彷彿とさせるシーンが含まれていないかプログラムの再検討を行っており、もちろん映画産業においては先の"Gangster Squad"に限らず公開前の新作映画には(もしも必要な場合には)可能な限りの修正が施されていくことだろう。

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【NEWS】エドガー・ライトがJ.J.エイブラムスらとタッグ

『ホットファズ』や『スコット・ピルグリムVSザ・ワールド』などのジャンルを超越した快作の連発で知られる英国人監督エドガー・ライトが、新たに"Collider"というタイトルのSFムービーに着手していることがDeadlineの調べで明らかとなった。同作の内容については固くシャットアウトされているものの、どうやら『スター・トレック』や『LOST』を手掛けたJ.J.エイブラムスが製作を担い、彼率いる製作プロダクション“バッド・ロボット”がコラボレーションする構え。またスタジオとしてはエイブラムス作品と馴染みの深いパラマウントがバックアップするようだ。

ライトは監督とともに脚本執筆も兼任。ただしこれはライトのオリジナルのアイディアを脚本家のマーク・プロトセヴィッチ(ハリウッド版「オールド・ボーイ」、"Mass Effect"、『ジュラシックパーク4』)と共同で立ち上げていった作品となる。

エドガー・ライトは現在、常連のニック・フロスト&サイモン・ペッグらとともに彼らの3部作の最終章となる"The World's End"を製作中。またマーヴェルコミックのヒーロ映画"Ant-Man"の進捗状況も少しずつ聞かれるようになっており、こちらも正式なゴーサインが出るのが待たれている状況だ。

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フロイト博物館 Freud Museum London

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ロンドンはフィンチェリー・ロードの閑静な住宅街にあるフロイト博物館を訪ねました。かの有名な精神分析学者ジグムンド・フロイトがナチスドイツからの亡命後、晩年を過ごした邸宅です。

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【興行】北米週末TOP10 Jul.20-22

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jul.20-22 weekend 確定

01 The Dark Knight Rises $160.9M
02 Ice Age:Continental Draft $20.4M
03 The Amazing Spider Man $10.9M
 
04 Ted $10.0M
05 Brave $6.0M
06 Magic Mike $4.3M
07 Savages $3.4M
08 Madea's Witness Protection $2.3M
09 Moonrise Kingdom $1.8M
10 To Rome with Love $1.4M

【7.24 10:30 更新】
コロラド州の映画館で発生した銃乱射事件の影響を受けて、公表が差し控えられてきた北米週末興収だが、丸1日半の沈黙を経て現地時間の月曜日の午後2時頃にようやく明らかとなった。これまで伝えられていた通り、『ダークナイト・ライジング』は1億6090万ドルという2Dのオープニング成績としては歴代最高値を記録して首位スタート。これに海外での8800万ドルを加えて、世界興収は現時点で2億4900万ドルに達している。

【7.23 23:00 執筆】
通常であれば日本時間の月曜未明には公表される北米興収の推計値だが、今回はコロラド州で発生した『ダークナイト・ライジング』上映劇場での銃乱射事件の犠牲者とその家族に哀悼の意を表してソニー、フォックス、ディズニー、パラマウント、ワーナーの各社は現時点に至るまで数字の公表を見合わせている。

しかしながら関係者によってその大まかな推計興収はすでに明らかになっており、結局のところ『ダークナイト・ライジング』の金~日の北米興収は1億6000万ドルほどになる見込み。これは2D作品としては『ダークナイト』(2008)の1億5840万ドルを越える歴代最高値。なお、3D映画を含めると『アベンジャーズ』の2億700万ドル、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の1億6900万ドルに続く史上3位の記録ということになる。本作の製作費は2億5千万ドル。

当初ワーナー・ブラザーズはこの週末だけで同作が1億7000万ドルのラインを突破するものと予測していたが、映画館という聖地が惨劇に見舞われてしまったことを受けて広告展開を大幅に縮小、更には全国の劇場に余波が広がらないよう取り締りを強化したことなどによって推計は下方修正されている。

『ダークナイト・ライジング』の初登場1位はゆるぎないものとして、2位の『アイスエイジ4』は先週比56パーセント落ちの2040万ドルを稼ぎ出している。10日間の累計興収は8880万ドル。3位には『アメイジング・スパイーダーマン』、4位には"Ted"が、5位には『メリダとおそろしの森』が落ちついている。

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2012/07/21

英国でもダークナイトが初日を迎えました

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クリストファー・ノーランのお膝元のイギリスでも『ダークナイト・ライジング』が封切られました。私も行きつけのピクチャーハウス・シネマでの初回上映(午後13時)のチケットを握り締め、いざ、出陣。

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2012/07/20

【レビュー】Chronicle

この映画の出現に多くの観客は度肝を抜かれ、そして多くのSFファンは新しい才能の誕生だと大いに湧いた。弱冠27歳のジョシュ・トランク監督のデビュー作にして懇親の一作"Chronicle"だ。

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物語は唐突なるスイッチの起動ともに幕を開ける。デイン・デハーン演じる高校生の主人公アンドリューは言う。「これから起こるすべてのことを映像として記録することに決めた」。下の階からは父親の怒鳴り声、母はチューブに繋がれて健康状態がよろしくない様子だ。学校ではいじめっ子にカメラを取り上げられ散々に小突き回され、それでも彼は宣言通りカメラを回し続けることをやめない。かくしてこの映画はアンドリューの目線を借りたカメラ映像で綴られていくことになる。制作費1200万ドルという低予算で革新的なショウケースを打ち立てるにはこの手法はまさにうってつけと言える。

その理由は3つ。1つは主観に入り込みやすいこと、 2つ目は映像の粗さに正当性を持たせることができること、そして3つ目はここからはじまる思いがけない展開で炸裂する特殊効果を映像としっくりとなじませることができるのである。

やがてアンドリューはマット、スティーヴという友人とともに不思議な現象に遭遇する。あたり一面でいったい何が起こったのか、突如出現した深い穴を見つけ、これはスクープだとばかりにカメラを持ったまま穴を下る。そこには不可思議な発光体が待ち構えていた。すると次の瞬間から、彼ら3人は特殊能力者と化している。どんな攻撃にさらされてもビクともしない。空だって飛べる。念じれば物もフワフワ動かせる。

彼らはひとしきり悪戯に興じたあと、この力のあり方をめぐって少しずつ方向性をことにしていく。そして家庭内で問題を抱えたアンドリューは特にこのスーパーパワーの入手をきっかけに少しずつ心のバランスを崩していく。そして彼の心がついに悲しみの叫び声をあげるとき、街はとんでもない大惨事に見舞われることに―。

Chronicle
90分あまりの本作は『第9地区』のような映像技術と発想力とを併せ持っており、ストーリーとしてはスーパーヒーローのアイデンティティを探るエピソード1的な様相も秘めている。高校生の青春群像ながらもその暮らしは深刻なダメージに彩られており、だからこそパワーを手にした喜びを無邪気に体現する年相応の表情はとても眩しく、そこから急転直下、ダークサイドへ落ちていく姿は哀しみに満ちている。このギャップと相克を経るからこそ観客の心もまたふたつに引き裂かれそうなほど翻弄されるのだろう。

そしてクライマックスに巻き起こる市街戦ではビデオカメラ映像という状況をフルに活用したVFXアクション・シークエンスが展開。観客としてのボルテージは振り切れ、もはや目の前の事態に自分が嘆いているのか興奮しているのか測定不能となる。口を半開きにして、ただ呆然と見つめていた、というのが正直なところだ。とにかくこの境地は映画を体験した者だけが共有できる凄みに満ちている。

ちなみにオファーが殺到中のジョシュ・トランク監督は次回作として『ファンタスティック・フォー』のリブートを手がけるとのこと。彼の手の内から果たしてどんな装いも新たなヒーローが起動するのか楽しみに待ちたいものだ。もうひとつ付け加えるならば、"Chronicle"を観たあとに真っ先に思い出したのがほかでもない『AKIRA』だった。同作のハリウッド映画化は現在棚上げ状態に陥っているが、ジョシュ・トランクという存在を知ってしまった以上、いっそ彼の手に委ねてみるのはどうだろうか。何よりも精神性の面で深くつながっていると思うのだ。

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ブリティッシュ・フィルム・インスティテュート

英国映画の促進から古い映画のアーカイブ、そしてシネマテークに至るまでを司るブリティッシュ・フィルム・インスティテュート(BFI)。テムズ河沿いのロンドン・アイからほど近いところにあるこの場所では、ロンドンの映画愛好家や研究家のために新作と旧作、古典を織り交ぜた様々なプログラムを上映しています。例えばこの日などは新藤兼人の作品なども上映されていました。劇場のお許しをいただいて、劇場内の写真を一枚。

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【レビュー】Electrick Children

さすがイギリスのミニシアター系チェーンがイチオシしているだけあって「ガス・ヴァン・サントとキャメロン・クロウは混ぜたような」と表現するにふさわしい独創的な良作だった。そのタイトル通り、オープニングに映し出されたクレジットからしてビリビリと電流のごとく小刻みに揺れている。かと思えば耳に響く波の寄せる音。やがて暗闇の中に髪を編んだ少女の後ろ姿がほのかに浮かび上がってくる。そこでガチャリ。テープレコーダーのボタンを押す音。と同時に画面には「ELECTRICK CHILDREN」の文字。この絶妙なるタイミングのセンスに心掴まれない人はいないだろう。

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ここはモルモン教徒の共同生活所。まるでアーミッシュのように祈りに満ち、昔ながらの穏やかな生活を送っている。そんな中で主人公の15歳の少女レイチェルはつい先ほど初めて目にした記録用カセットレコーダーのことが忘れられないでいる。あれは一体どんな仕組みなんだろう。そしてどんな音が閉じ込められているんだろう。それを管理する従兄弟の目を盗んで地下の保管庫に隠されたレコーダーをそっと再生してみる。大音響が起こった。これまでに体験したこともないような音楽の洪水が身体を貫いた。そしてレイチェルは処女懐妊した。彼女は自分の身に聖母マリアのごとく奇跡が起こったのだと幸福の極みの表情を浮かべる。しかし周囲の大人たちはとんだことになってしまったと困惑顔。いつしかレイチェルはコミュニティを逃げるように飛び出し、村にたった一台の車を暴走させて一路ラスベガスへ足を踏み入れる。生まれて初めて接する文明の街。文化の街。そこで出会ったスケーターの若者たちや、ひょんなことから逃避行に巻き込んでしまった従兄弟のミスター・ウィルを引き連れながら、レイチェルは自分の身体を貫いたカセットテープの歌声の主を探して彷徨うことになるのだが―。

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レベッカ・トーマス監督による瑞々しい映像感覚が全編を支配する。その鮮烈な感覚はこの映画の原動力たる少女の真っ直ぐな視線と意志の力と相まって、なお一層の瑞々しさと神秘性を加速させる。これまで一度も都会を体験したことのない少女の文化的な「ロスト・イン・トラスレーション」がここにはじまる。ライブハウスにこだまするパンキッシュな音楽、夜な夜なスケーターたちの滑走する音の調べ。どこからともなく聞こえる波の音。そう、この映画には音の恵が満ちている。これは誰もが人生で一度は経験する音楽の力によるロスト・ヴァージニティをファンタジックな次元にまで引き上げて綴った物語であり、なおかつ少年と少女たちの未来に向けて疾走するカミング・エイジ・ドラマでもある。

主演のジュリア・ガーナー、リアム・アイケンの浮世離れした存在感は格別だが、一方の自堕落なスケーター軍団の一員として何かとレイチェルの面倒を見続ける青年役ローリー・カルキンが実にいい。彼の目を見れば一瞬でわかるが、彼はマコーレー・カルキンを輩出したカルキン家の末弟だ。感情的に爆発しやすいが、いつしか胸にひめた想いを確信に変えて道路を疾走しはじめる彼。その表情には彼もまたひとりの少女に恋することで人生の未知なる領域に足を踏み入れていった冒険者である証がありありと見て取れる。

なお、本作でレイチェルに運命的瞬間をもたらすのはThe Nerveの懐かしき楽曲"Hanging on the Telephone"。レイチェルのみならず僕らも、このギター音と歌声が耳に届くだけで反射的に運命の胎動を感じずにいられない。久々に音楽の力を再確認させられる一本だった。

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2012/07/18

イギリス滞在中

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2012/07/16

【興行】北米週末TOP10 Jul13-15

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jul.13-15 weekend 推計

01 Ice Age:Continental Draft $46.0M
02 The Amazing Spider Man $35.0M
03 Ted $22.15M
 
04 Brave $10.7M
05 Magic Mike $9.0M
06 Savages $8.7M
07 Madea's Witness Protection $5.6M
08 Katy Perry: Part of Me $3.7 M
09 Moonrise Kingdom $3.6M
10 Madagascar3 $3.5M

『アイス・エイジ』シリーズ第4弾にあたるContinenntal Draftが4600万ドルを売り上げて首位スタート。過去の3作品と比べると、若干数字を落とした3作目よりもちょっとだけ持ち直した形となった。初日観客の男女比は女性が1パーセントだけリード。また25歳以下と以上ではちょうど半々に分かれる結果に。2位は先週首位で全米デビューを迎えた『アメイジング・スパイダーマン』。興行収入は先週末比44パーセント減の3500万ドル。知名度の高いヒーロー映画としてはもう一歩爆発力に欠ける数字ではあるが、それでも下落率の低さから言って確実に口コミの力が発揮されているというそうだ。第3位にはいまだ勢いの落ちないTedが留まった。週末興収2215万ドルを計上し公開後17日間の累計は1億5900万ドルとなった。また『メリダとおそろしの森』は『アイスエイジ』の登場にそれほど影響を受けることなく先週末比46パーセント減に留まった(全米興収は週末ごとに50パーセントずつ減退していくのが基本推移となる。その基準から以下に踏みとどまれるかが興収維持のポイントであり、口コミの威力と言える)。今週中にはピクサー作として10本目となる2億ドル突破作の仲間入りを果たす予定。またソダーバーグとチャニング・テイタムが組んだMagic Mikeは累計9200万ドルとなり1億ドル突破目前。ロンドンでは本作の宣伝広告を身にまとったダブルデッカー(二階建てバス)をよく見かけます。6位のオリバー・ストーン監督作Savagesは先週末比46パーセント減。累計は3150万ドル。最終的には5000万ドル越えられれば関の山か。

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2012/07/15

【イギリス滞在中】

ただいまロンドンにいます。オリンピックの影響でさぞや大混雑かと思いきや、意外にも秩序正しさが保たれていて、今年の2月には1時間半並びっぱなしだった入国審査も、ものの5分で通過。

そのほか列車などの公共サービスも実にスピーディー。その代わり、係員も列車の車掌も以前のように無駄口叩いてくれたりはしません。礼儀正しさを保ちつつも、もはやこちらの顔さえ見ていない感じです。大量の観光客の流入が予想される今夏、まずはスピード主義で臨む体制が出来上がっている印象を持ちました。かといって全てが機械的なわけではなく、客の方から問いかけがあればその都度きちんと目を合わせて答えてくれます。要は無駄がなくなっているというわけです。

さて、本日はロンドン博物館やテートギャラリー、そしてブリティッシュ・フィルム・インスティトュートにも足を向けてみようと思います。

ちなみ滞在先は高級ホテルなどではなく、ロンドン市内にある大学の学生寮。こちらでは学生の休暇中に部屋を一般客に貸し出すホテル業務が行われています。オリンピック期間、市内ならば一泊2万以上とも言われる中、ここでは朝食付きで、なおかつ驚くべきロケーションの良さ(テートモダンの真裏なので、昨夜も閉館の10時まで館内にいました)。学生寮ゆえ無味乾燥で狭苦しくはありますが、最低限のものがあれば満ち足りる自分にとっては最高の環境です。何にも増してここは木賃宿などとは違って施設内の治安が保たれていて安心です。

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【レビュー】眠れぬ夜の仕事図鑑

数年前に観た『いのちの食べかた』というドキュメンタリー映画が今でも鮮烈に記憶に残っている。そのナレーションもテロップもない余白だらけの映画の作りが、逆に我々の心に様々な想いを着想させてくれたからだ。大事なのは観客の心に自発的な感情が湧き起ること。そして客席に座った以上、観客も映画の大事な参加者なのだ―そんな監督の声が聞こえたような気がした。

そのニコラウス・ゲイハルター監督がまた新たな作品を発表した。その原題は"Abendland"。ドイツ語で「夜の国」といったところだろうか。

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今回もまたナレーションもテロップも存在しない。我々はヨーロッパ諸国に据えられたカメラの視点と同期して、夜な夜な仕事に従事するナイトピープルたちの姿をじっと見守り続けることになる。もちろんそれらは一か所にとどまらず、国境警備員、製造業、ローマ法王、EU議会、新生児病棟、電話カウンセリング、レイヴ・イベント会場、不法移民の強制排除、警察、そして風俗嬢など多岐にわたる。その無数の人々が夜のしじまのなかで静かに映像のバトンを繋いで行く様子を、我々は社会科見学さながらに目の当たりにすることになる。

と言いながら、今回もまた不思議なことが起こった。序盤は無機質にも思えたこの映画に、だんだんと愛着が湧いてくるのを感じたのだ。夜な夜な働く人たちってどうしてみんな、あんなに柔和な顔をしているのだろう。その姿を見ているこちらまでもが暖かな気持ちに包まれていく。そんな感慨を抱いてカメラに寄り添っているうちに、自分があたかもヴィム・ヴェンダースの『ベルリン天使の詩』の天使にでもなりきったかのように思えてきた。あの天使たちがベルリン市民のひとりひとりに寄り添い、その営みを見つめゆくのと同じ温もりがここにも結実している

そうしているうちに我々は、この言葉のない観察映画を通して、ヨーロッパにおける「夜」の概念をおぼろげながら垣間見るようになる。たとえば本作で象徴的に描かれるのは不法移民問題だ。それにまつわる夜の仕事も数多い。本作の中で移民排斥や強制送還は夜に行われている。しかしながら送還してもまた新たな不法移民が国境を越えて流入してくるのが問題の根深いところだ。この「国境を越えて押しても反して、とめどなく流れ込んでくるもの」という概念は善かれ悪しかれ「夜」のイメージと一致する。夜はいつも何処からともなく現れ、小口の影は群れを成すことで闇を形作っていくもの。国境を隣国と接しているからこそ、そして経済格差がはなはだしいからこその悩みである。最近はさらに深刻な経済問題が付け加わり、現実に追い打ちをかけている。

かつて『ダークナイト』でバットマンは「夜明け前がいちばん暗い」と語っていた。この「夜」に込められた意味合いは大きそうだ。本作は逃げずに夜を見つめる第一歩としても、有意義な時を提供してくれるのではないだろうか。

ちなみにサントラも皆無の本作において何曲か裏テーマ曲を選んでいいよと言われたなら、僕は迷うことなくリトル・クリーチャーズの「ナイトピープル」とフィッシュマンズの「ナイト・クルージング」を挙げるだろう。なんだかそんな映画なのだった。

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2012/07/13

【予告編】Oz the Great and Powerful

サンディエゴで開催中のSFモノの祭典Comic-Conにて、サム・ライミ監督作"Oz The Great and Powerful"の予告編が初披露された。以下の映像はDeadlineに掲載されていたもの。同作は「オズの魔法使い」の前日譚として、サーカス芸人だった主人公オズが不思議の世界に足を踏み入れるきっかけとなったエピソードを描いている。出演はサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズでブレイクしたジェームズ・フランコ、そして魔女役にミラ・クニス、ミシェル・ウィリアムズ、レイチェル・ワイズ。

確かにオズの世界を丸ごと創造したかのようなこの映像の質感には驚かされる。が、一方でダニー・エルフマンの楽曲がここまで高鳴るのを聞くと、どうしてもティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』を思い出さずにはいられない。ティム・バートンとサム・ライミ、ふたりの奇才の“不思議の国”観の違いにも期待したいものだ。米公開は来年の3月8日。

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【NEWS】有名ミュージカルが続々映画化へ

Wicked ユニバーサルが人気ミュージカル"Wicked"の映画化を進めている。今のところ監督として『リトル・ダンサー』や『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のスティーヴン・ダルドリーを起用したい構えで、ダルドリーも前向きに検討中とのこと。これが決まれば他の名だたる候補者(J.J.エイブラムス、ジェームズ・マンゴールド、ライアン・マーフィ、ロブ・マーシャル)らを差し置いての就任となる。

劇団四季ミュージカルでもお馴染みの同作は、「オズの魔法使い」の前日譚として書かれたグレゴリー・マグワイアによるファンタジー小説が原作。南の良い魔女グリンダと西の悪い魔女エルファバとの友情秘話を描いている。同作はミュージカル化以前にも映画化の道が模索されていたことがあるのだが、その時は実らず、結局のところブロードウェイで大ヒットを遂げてから再び映画化の道へと舞い戻ってくることとなった。なお、ミュージカル舞台も今回の映画版とおなじユニバーサルが手掛けている。

なお、本作は現在ディズニーでサム・ライミ監督が制作中の"Oz the Great and Powerful"とは全くの別物なので注意が必要だ。

Jersey 一方、『アイアンマン』でお馴染みのジョン・ファヴロウは、同じく人気ブロードウェイ・ミュージカル"Jersey Boys"の映画化の監督として交渉入りしているそうだ。これが決まれば、ファヴロウにとって『カウボーイ&エイリアン』以来の新作決定となる(彼がディズニーで企画中の"Magic Kingdom"はもう少し時間がかかりそうだ)。同作はGKフィルムズが製作を務める。

トニー賞受賞の本作は1960年代に活躍したポップグルーズ「ザ・フォーシーズンズ」の影に隠された友情物語をベースにしたもの。ABBAの名曲を散りばめた『マンマ・ミーア!』と同様、"Big Girl Don't Cry"や"Walk Like A Men"といったフォージーズンズの名曲群で綴る趣向が懐かしさを加速させ、幅広い層に人気を呼んでいる。ファヴロウの名前は前々より監督候補として挙がっていたが、正式な交渉入りが伝えられるのは今回が初めて。なお、この映画版の脚本は『ヒューゴの不思議な発明』や『グラディエーター』などで知られるジョン・ローガンが担当している。

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【画像】007のメカニック担当Q登場

ダニエル・クレイグが主役を演じるようになってからは何かと「リアル追究主義」としての印象が付きまとうようになった007だが、サム・メンデスが監督を務める今回はあの秘密道具開発部門の名物キャラが復活する。そんなキャラ"Q"を演じるのはベン・ウィショーだ。1963年から99年まで務めたデスモンド・レウェリン、99年から02年まで務めたジョン・クリースに引き続いての登板。そんな彼の初画像が007.comにて披露された。

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最新作『007/スカイフォール』はイギリスで10月末に封切られた後、アメリカでは11月9日に公開。出演は上記二人のほかに、ジュディ・デンチ、ベレニス・マーロウ、ナオミ・ハリス、ヘレン・マクロイ、アルバート・フィニー、レイフ・ファインズ。

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【NEWS】新ファンタスティック・フォーの監督にジョシュ・タンク

Four サンディエゴで開催中の大規模コンベンション"Comic-Con"から様々なニュースが届いている。20世紀フォックスは新たに再起動を遂げる『ファンタスティック・フォー』の監督に"Chronicle"の新鋭ジョシュ・タンクを据えることを決めたようだ。同スタジオは現在、ディズニーに負けじと、手持ちのマーベル・ヒーロー映画の企画を次々とまな板の上に乗せている状態だ。まずは来月にもヒュー・ジャックマン主演の"The Wolverine"が撮影入りし、またマシュー・ヴォーン監督の続投体制で臨む『X-MEN ファースト・ジェネレーション2』も着々と準備を進めている。"Chronicle"以来、フォックスに限らずあらゆるスタジオから声のかかる注目株となったジョシュ・タンク監督だが、差し当たってはこの再起動版『ファンタスティック・フォー』が次回作となる見込みだ。

Devil フォックスのマーベル映画絡みでもうひとつ。同スタジオは目下、『デアデビル』の再起動への道も模索中なのだが、これまでにこの監督に決まっていたデヴィッド・スレードが降板することになったそうだ。これはフォックスが保持している同作の映画化権の期限切れする関係上、同社は本作を秋ごろまでには撮影入りさせたいものと考えているのだが、そうするとテレビシリーズ"Hannibal"のパイロット版監督を務めるデイヴィッド・スレードとの間でスケジュールの衝突が起こってしまうとのこと。あえなくスレードが降板し、フォックスは新たな監督探しに努めることとなった。

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2012/07/12

【NEWS】ジェイソン・ライトマン新作にトビー・マグワイア参加決定

Tobey 『マイレージ、マイライフ』や『ヤング・アダルト』など快進撃の続くジェイソン・ライトマンが放つ次回作"Labor Day"はジョイス・メイナードによる同名小説をライトマン自身が脚色したもの。13歳の少年ヘンリーが5日間に及ぶ労働者の日(レイバー・デイ)の連休の中で生涯忘れ得ぬ人生勉強を得る物語だ。

そしてDeadlineによると、これまでに発表されていた出演者、ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン、J.K.シモンズ、ブルック・スミス、ガトリン・グリフィスに加え、このたび『スパイダーマン』シリーズでお馴染みのトビー・マグワイアがキャスト参加することが決まった。彼は大人になったヘンリーを演じ、映画の語り部役をも担う。本作は今月中にもマサチューセッツにて撮影入りする予定だ。 

2009年の『マイ・ブラザー』以来、出演作の途絶えていたマグワイアだが、今年はブラックコメディ"The Details"やバズ・ラーマン監督作"The Great Gatsby"でディカプリオやキャリー・マリガンと共演するなど収穫の年となりそうだ。なお、彼はアン・リー監督作"Life of Pi"にも出演する予定だったが、こちらの可能性は霧消したそうだ。監督側がマグワイアのような有名俳優ではなく、海外俳優で統一したいと望んだからとのこと。

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2012/07/11

【NEWS】ハスブロ新作の監督にブレック・アイズナー交渉入り

トランスフォーマー、G.I.ジョー、そしてバトルシップと続いてきたトイ・メーカーHasbroによる自社キャラ映画進出計画にもうひとつの新作が加わりそうだ。その名は"Stretch Armstrong"。その名前と、玩具ということからも容易にその遊び方は想像がつきそうなものだが、つまりは筋肉質なフィギュアの手足がビヨーンと伸びるわけですね。

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Eisnerここ数年にわたり映画会社の間で何度も権利が移ってきた本作は、現在ではリラティビティ・メディアが権利を持ち映画化を進めている。そしてこのたび『サハラ』や『クレイジーズ』で知られるブレック・アイズナーが監督就任に向けて交渉入りを始めたと「ハリウッド・リポーター」が報じている。

前ディズニー会長のマイケル・アイズナーを父に持ち、親の七光りとしての印象を引きずってきたブレック・アイズナーだが『クレイジーズ』では手堅い演出で高評価を得、『ダイハード5』の監督候補(結局はジョン・ムーアに決定した)としてなかなかしぶとく粘るなど業界内での信用も勝ち得ている。彼は目下"Manhunt"というサスペンス・アクションも準備中で、この"Stretch Armstrong"とどちらが先に実るかは時の運次第といえそうだ。

なお、以前このタイトルロールに決定していたテイラー・ロートナーはもうこの企画内にとどまってはおらず、製作陣はまた一からキャスティングをはじめなければならない事態になっている。

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【NEWS】ドラキュラ映画にイーライ・ロス交渉入り

Roth もともとは『エスター』や『アンノウン』で注目を集めたジャウム・コレット・セラ監督の新作として扱われていたものが、どうやら事情の変化とともに頭が挿げ替えられてしまったようだ。Deadlineによると、ワーナーブラザーズ製作のドラキュラ映画"Harker"の監督として『ホステル』シリーズを手掛け、『イングロリアス・バスターズ』では出演も果たしていたイーライ・ロスが交渉のテーブルについているという。

本作はブラム・ストーカーによる1897年の怪奇小説「ドラキュラ」をベースに再創造したもので、ジョナサン・ハーカーという名のロンドン警視庁の刑事がドラキュラと対決するという内容。ワーナーは今後もシリーズ化していくことを目論んでいるようだ。

また、本作にはラッセル・クロウの出演も決まっており、当初はこのハーカー刑事役と見られていたのだが、この機に及んでドラキュラ役へと変更になったようだ。『レ・ミゼラブル』、"Man of Steel"、そして"Noah"と鮮烈な役どころが続くクロウにまたひとつの黒い華が添えられることになりそうだ。

ちなみにジャウム・コレット・セラ監督は何も無慈悲に降板させられたわけではなく、彼はご存知のように長らくハリウッド実写版『AKIRA』の監督として携わっていたのだが、この製作が休止となり、その後はリーアム・ニーソン主演の機内サスペンス・アクション"Nonstop"の準備に追われている模様だ。

"Harker"は来年の撮影入りを予定している。

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【NEWS】ピーター・オトゥール引退

Ottle 過去8度にわたってアカデミー賞にノミネートされたことでも知られる御歳79の名優ピーター・オトゥール(『アラビアのロレンス』、『チップス先生さようなら』)が60年近くに渡って続けてきた俳優活動に幕を下ろすことを発表した。"The heart for it has gone out of me(演技への情熱が失われてしまった)"とのこと。

Dear All
It is time for me to chuck in the sponge. To retire from films and stage. The heart for it has gone out of me: it won’t come back.

My professional acting life, stage and screen, has brought me public support, emotional fulfillment and material comfort. It has brought me together with fine people, good companions with whom I’ve shared the inevitable lot of all actors: flops and hits.

However, it’s my belief that one should decide for oneself when it is time to end one’s stay. So I bid the profession a dry-eyed and profoundly grateful farewell.

Ever
Peter O’Toole

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【NEWS】バットマン最終章は「二都物語」の影響あり

こと映画に関していえばイギリス人監督が手掛けたものには間口は驚くほど狭いが、そこに古代から現代、そして未来に至るまで歴史の堆積をギュッと凝縮させたかのような密度の濃さを感じることが多い。時代に縛られず、容易に普遍へと手を触れられるこの世界観。それはこの島国が長きにわたって覇者として君臨し、その狭い望遠鏡の丸フレームから世界の隅々までを望んできた歴史、あるいはそのような物事の捉え方とも共通するものがあるのかもしれない。

そこで飛び込んできたComingSoon.netの記事。この中でのクリストファー・ノーランの発言を見て驚いた。今回最終章を迎える彼の監督作『ダークナイト・ライジング』は、なんとあのイギリスを代表する作家チャールズ・ディケンズによる作品「二都物語」(1859)に影響を受けているというのだ。公開前にネタばれにならないように詳細は差し控えておくが、同作はフランス革命時のパリ、そしてロンドンを結んだ物語として名高い。すでに予告編でお馴染みとなっている群衆の大乱闘も、もしかするとフランス革命のそれとダブらせつつ紡がれていったのだろうか。参考までに「二都物語」の冒頭を書き記しておきたい。

It was the best of times, it was the worst of times, it was the age of wisdom, it was the age of foolishness, it was the epoch of belief, it was the epoch of incredulity, it was the season of Light, it was the season of Darkness, it was the spring of hope, it was the winter of despair, we had everything before us, we had nothing before us, we were all going direct to Heaven, we were all going direct the other way -- in short, the period was so far like the present period, that some of its noisiest authorities insisted on its being received, for good or for evil, in the superlative degree of comparison only.

(それは善き時代であり、悪しき時代だった。知恵の時代であるとともに、愚かさの時代でもあった。信仰の時代であれば、不信の時代でもあった。光差す時代でもあれば、暗黒の時代でもあった。希望の春でもあれば、絶望の冬でもあった。人々は前途洋々たるようでいて、逆にいっさいが虚無のようにも思えた。一心に天を目指しているようで、それとは真逆へ突き進んでいるいるかにも見えた。つまりは、すべては現代ととてもよく似ていたのだった。最も口うるさい権威者の言を借りるならそれは、善かれ、悪かれ、とかく最大級の比較の尺度によってのみ受け止められるべき時代だったのだ)

ディケンズといえば、クリント・イーストウッド監督作『ヒアアフター』の中では霊界と繋がる能力に苦悩する男(マット・デイモン)が唯一、夜寝るときだけはデレク・ジャコビが朗読するディケンズの物語にうっとりと心落ち着かせる場面がある。終幕近くには彼がロンドンにあるディケンズの住居を訪れるというくだりも。

またイギリスではもう何度目になるのだろう、今一度、ディケンズ著「大いなる遺産」の新たな映画化も進んでいるという。

多くがイギリスといえばまずはシェイクスピア、次にディケンズを挙げる。

彼が時代を越えて国民からこれほどまでに愛される理由はいったい何なのか。『ダークナイト・ライジング』にはその理由の一端が刻まれているのだろうか。

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2012/07/10

【試聴】ダークナイト・ライジング

いよいよ今月末に公開となる『ダークナイト・ライジング』。クリストファー・ノーラン監督とその一味がこの3部作にいったいどのような結末をもたらすのか興味は尽きないが、同時に稀代の映画音楽家ハンス・ジマーのますます研ぎ澄まされていく仕事ぶりにも注目、いや注耳したいもの。そんな渾身のサウンドトラックの全曲試聴がEMPIRE経由で投下された。もはやこれだけで観客として壮大なオペラに真向かっているような気持ちにさらされてやまない。ぜひ心して聞いてほしい。

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【NEWS】アロノフスキー作品"Noah"にアンソニー・ホプキンス出演

Hopkins02 映画監督ダーレン・アロノフスキーが『ブラック・スワン』以来の新作として準備を進めている聖書の中でも最もエピックな逸話の映画化"Noah"。すでにタイトルロールとしてラッセル・クロウがウォーミング・アップを続け、その妻にはジェニファー・コネリー、その他にもローガン・ラーマン、ダグラス・ブース、エマ・ワトソン、レイ・ウィンストンといった顔触れが出そろう中、また新たにアンソニー・ホプキンスの参加が決まったとアロノフスキーが自身のツイッター上で公表している。ホプキンスが演じるのはノアの祖父にあたるメトセラという人物。聖書の中では969歳まで生きたユダヤの族長として知られており、洪水に見舞われる7日前にその長き生涯に幕を閉じている。

ダーレン・アロノフスキーが描くノアの方舟の物語"Noah"は2014年3月28日に米公開予定。もう間もなく撮影入りするものと見られている。

ちなみにアロノフスキーのツイッターにはラッセル・クロウの可愛らしい発言がリツイートしてあった。曰く「私がハーマイオニー(『ハリー・ポッター』シリーズでエマ・ワトソンが演じたキャラクター)と共演することに子供らが大喜びしている」。想像するにオスカー俳優を父に持つ子供たちはきっとこれまで父の仕事(俳優)仲間がほぼ「喧嘩っ早い荒くれ者たち」で占められていることに嫌気がさしていたことだろう。どんな暴れん坊の俳優であっても家庭を持つと、子供が生まれると出演作も演技もガラリと変わる。それは他でもない家族にこそ自分の仕事ぶりを観てほしい、楽しんでほしいと願うからに他ならない。

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【NEWS】ハンガーゲーム続編にシーモア・ホフマン出演決定

Hoffman 今年の春、世界中で大ヒットを遂げたスーザン・コリンズによるベストセラーの映画化『ハンガーゲーム』。日本でも9月の公開が決まり俄かに活気づく中、ハリウッドでは3部作中の第2部"Catching Fire"の製作が着々と前進している。すでに『コンスタンティン』や『アイ・アム・レジェンド』のフランシス・ローレンスが監督着任しているが、これに加え前々よりオファーが及んでいたフィリップ・シーモア・ホフマンの出演が正式決定した。彼が演じるのは参加者が生き残りを賭けて闘う“ハンガーゲーム”のゲームメーカー(オーガナイザー)たるプルターク・ヘブンズビーという人物だ。3作目では更に重要な役となる。

『カポーティ』で主演男優賞オスカーを獲得し、一昨年には"Jack Goes Boating"で監督デビューも果たし、なおかつ今年はマイク・ニコルズ演出の舞台「セールスマンの死」(『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドも息子役で共演)でトニー賞ノミネートも果たした彼。映画出演作としてはポール・トーマス・アンダーソンの新作"The Master"の公開も控える中、またひとつ大きな役を担うこととなりそうだ。

"Catching Fire"は今夏に撮影が行われ、2013年の11月22日に米公開される。

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2012/07/09

【興行】北米週末TOP10 Jul06-08

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jul.06-08 weekend 推計

01 The Amazing Spider-Man $65.0M
02 Ted $32.6M
03 Brave $20.1M
 
04 Savages $16.1M
05 Magic Mike $15.6M
06 Madea's Witness Protection $10.2M
07 Madagascar 3 $7.7M
08 Katy Perry: Part of Me $7.1M
09 Moonrise Kingdom $4.6M
10 To Rome with Love $3.5M

Spider ■アメリカでも独立記念日の前日、7月3日(火曜)に『アメイジング・スパイダーマン』が封切られた。本作は最初の週末となる6日~8日にて6500万ドルを売り上げ、当然ながら週末ボックスオフィス1位を獲得。3日から8日までの6日間の累計興収は1億4000万ドルとなった。同作は全世界でほぼ同時公開中体制が取られており、現在までの世界興収を合算すると3億4120万ドルに昇るという。

また米初日の観客統計によると、男性客が58パーセントを占め、また54パーセントが25歳以上。家族連れは25パーセントにとどまり、子供客の65パーセントは男の子とのこと。なお3D上映によるシェアは全体の44パーセントを占める。

■2位にはNGワード連発のぬいぐるみ映画"Ted"が踏みとどまった。通常、公開の翌週末には興収が50パーセントほど下がるところが、本作は下落率が40パーセント程度となり大きな口コミ波及力を獲得していることが伺える。10日間の累計興収は1億2000万ドル。製作費は5000万ドル。

Ted
■3位は公開3週目となるディズニー=ピクサー映画『メリダとおそろしの森』。国内での累計興収を1億7450万ドルとした。来週までには製作費の1億8500万ドルを米国内興収だけで賄うことができるだろう。世界興収は2億1100万ドルほど。なお、ディズニーはこの『メリダ』とすでにTOP10落ちした『アベンジャーズの貢献によって、早くも米国内興収の合計が10億ドルを突破。これは米スタジオの中では最速となる。

Savages ■4位には初登場、オリバー・ストーン監督が小説家ドン・ウィンスロウによるベストセラーの映画化に挑んだ"Savages"。テイラー・キッチュ、ブレイク・ライブリー、アーロン・ジョンソン、ジョン・トラヴォルタ、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエックといった豪華顔触れがこのドラッグ絡みのR指定作に花を添えている。観客層別にみると女性客が若干男性客を上回っているようだ。61パーセントが30歳以上。製作費は4500万ドル。

■先週、作品の規模からは考えられないくらいの爆発的な興収を叩き出した"Magic Mike"は2週目週末にして60パーセント下落。これはやや激しい落ち方だが作品のローリスク・ハイリターンの側面と併せ見れば痛くもかゆくもない。現在までの累計興収は7280万ドル。製作費はその10分の1以下の700万ドル。

■8位にはケイティ・ペリーのコンサート&ドキュメンタリームービー"Katy Perry:Part of Me"が初登場。この手のアーティスト物は近年のハンナ・モンタナやジョナス・ブラザーズ、さらにはジャスティン・ビーバーの主演映画の系譜を受け継ぐようなひとつのジャンルとして確立されつつある。製作費は120万ドル。観客の80パーセントが女性。年齢層では25歳以下が72パーセントを占めるそうだ。

■さて、ランキング下位には少ない劇場数ながら検討している作品がひしめく。公開7週目のウェス・アンダーソン監督作"Moonrise Kingdom"は900館近くに増やしつつ国内累計興収を2700万ドルほどにまで伸ばしてきている。

■ウディ・アレンの新作"To Rome With Love"がその後を追う。同作は上映館として一気に777館をプラス。前作『ミッドナイト・イン・パリ』の大ヒットを再び狙いたい構えだ。

■そして、「こんな映画、見たことない!」とひそかな人気を獲得中の"Beasts of the Southers Wild"は劇場数を15館プラス。先週の1館あたりのアベレージ4万2千ドルという凄まじさにも驚かされたが、劇場数を増やして純度を薄めた今週もなおアベレージ1万9千ドルと活況を呈している。この勢いと高評価からすると、もしかするとアカデミー賞に絡んでくる可能性もあり、今後どのような支持を集めていくのか注視が必要だ。

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【映像】ダークナイト・ライジングの13分メイキング映像

世界公開まで2週間を切った『ダークナイト・ライジング』(但し日本公開は今月28日)のPRが勢いを増している。今回ドロップされたのは13分間に及ぶメイキング映像だ。00年代、まさにヒーロー映画の常識を変えたシリーズがフィナーレを迎えようとしている。そこで描かれるのは絶望か、希望か。さあ、激震に備えよ。

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2012/07/08

【画像】Pacific Rimポスター

『パンズ・ラビリンス』などで知られるギレルモ・デル・トロの最新作"Pacific Rim"のComic-Conに向けたポスターがお目見えとなった。海より出現し人類を死滅に導くKaiju(カイジュウ)を倒すべく地球防衛軍の人型巨大ロボット"イエガー"が起動をはじめる。はたして人類に勝ち目はあるのか!?

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ガンダムからエヴァンゲリオンまで、日本アニメの影響がふんだんに詰まっていそうな本作には日本側からも菊地凛子も参加。いったいどんな世界観が展開するのだろう。まずはComic-Conで明かされる最新情報の中身に期待したいものだ。

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【NEWS】バットマンの米マスコミ試写で映写機故障

今月20日の世界公開に向けてようやくアメリカでは『ダークナイト・ライジング』のマスコミ試写の時期が回り始めているようだ(ちなみに日本では7月17日に完成披露試写を迎える)。

とりわけ7月7日にはハリウッドで本作の大規模なジャンケット取材が行われることもあり、前日の6日夜には100人ほどの関係者が会場のIMAX劇場集って試写に臨んでいたという。しかしDeadlineによるとこの上映にてハプニングが発生したそうだ。上映開始から1時間15分ほど進んだあたりで映像と音声が同期しない状態となり、観客が大声で映写技師に苦情を訴える事態に。結局この後、場内が明るくなり、20分間に及ぶ調整が続いた後、関係者よりこの日の上映再開は難しいとの説明。あえなく観客は退席ということにあいなった。

とはいえ彼らは映画本編を観なければ翌日の取材が立ちゆかない人たちばかり。彼らのためにも翌日の土曜の朝8時より緊急試写会を設ける運びとなったようだ。ワーナー側はこれらの事態を深く謝罪しながらも、早朝の振替試写とはいえ中断地点からではなくもう一度最初から最後までをノンストップで鑑賞してくれるようお願いしているという。

『ダークナイト・ライジング』は秘密主義者として知られるクリストファー・ノーランによる監督作ながら、つい一昨日には公式サイトに49ページに及ぶ濃厚なプロダクションノートが公開されるなど、いきなりの情報公開モードに突入している。これは『アベンジャーズ』、『アメイジング・スパイダーマン』と続いた2012年=ヒーロー年の大トリとして少しでも一般客に向けて門戸を開きたいとの姿勢の表れなのかもしれない。

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【画像】ホビット

来週サンディエゴにて開催される巨大コンベンションComic-Conに登場予定の『ホビット』。劇場公開まであと5カ月ほどとなった今、ピーター・ジャクソン監督はフェイスブック経由で新ポスターをお披露目した。

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同作は11月28日にニュージーランドでワールド・プレミアを迎えた後、12月12日を皮切りに世界で公開される。

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【NEWS】ロン・パールマンがヘルボーイになってお宅訪問

ハリウッド・リポーター誌によると、映画『ヘルボーイ』シリーズで知られる俳優ロン・パールマンが再びあの特殊メイクに身を包み、とある少年の自宅を訪問したそうだ。

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少年の名はザッカリー君。6歳にしてヘルボーイのことが大好きだった。そして彼はかねてより「ヘルボーイに逢いたい!そしてヘルボーイになりたい!」と願い続けてきた。それを七夕の織姫と彦星が叶えてくれたのかどうかはわからないが、願いはアメリカのMake-A-Wish基金を通じて『ヘルボーイ』シリーズなどを手掛ける特殊工房スペクトラル・モーションのもとへ届けられ、ここの担当者がロン・パールマンに声をかけたことから一気に実現する運びとなった。依頼を快諾したパールマンは再び古巣に戻って4時間に及ぶメーキャップに身を捧げ、大喜びするザッカリー君と共に楽しい時間を過ごしたそうだ。その後、ザッカリー君はもうひとつの願い「ヘルボーイになる」という願いも果たし、ご満悦の表情。その模様はフェイスブックでも掲載されている。
ハリウッド・リポーターによるとザッカリー君は白血病との闘病中とのこと。迫りくる敵を剛腕でなぎ倒すヘルボーイのごとく、病に打ち勝って元気に成長していかれることを願ってやまない。

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2012/07/07

【NEWS】英国でのビデオ売り上げはいまだ好調?

世界的にもソフト産業の不況が言われる中、イギリスにおける2011年のDVDやブルーレイの売り上げも7.2パーセント下落している。だが、それでもなお英ビデオ協会が発表した新たな報告書によると、今もなおDVD&Blu-rayの売り上げ(レンタル&販売)はエンタテイメント業界を支える大きな収益となっているという。2011年におけるビデオエンタテイメントの総売り上げは計23億ポンドに昇り、これは劇場の総売り上げ11億ポンドを大きく上回る数字だ。

Inbetweeners中でも顕著だったのは昨年のイギリスで大ヒットを記録した"Inbetweeners"というチャンネル4の青春コメディドラマの映画化。これは350万ポンド(4億5千万円ほど)という低予算ながら、結果的に世界で4500万ポンドの興行収入をもたらした。しかしながらこれらの劇場売り上げとテレビ放送などでの売り上げを合わせても全体の収益の46パーセントに過ぎず、あとの54パーセントはすべてビデオセールス(DVD&Blu-rayレンタルや販売)によるものだという。

Senna 他にも、今回の報告書ではイギリスに関わりのあるヒット作のDVD収益の割合が挙げられている。サイモン・ペッグ主演のイギリス映画『ポール』はビデオ(レンタル&販売)収益が60パーセント、またF1の神様と言われたアイルトン・セナにまつわるドキュメンタリー"Senna"はビデオ収益が62パーセントを占めた。一方、イギリスを舞台にした実質的なハリウッド映画『シャーロック・ホームズ/シャドウゲーム』のビデオ収益は43パーセントにとどまり、あとの57パーセントは劇場やテレビからのものだった。

Who またテレビ分野におけるソフト市場の好調ぶりも強調されている。BBCの人気シリーズの「ドクター・フー」は国内外のビデオセールスが総売り上げの半分を占めているし、また人気ドキュメンタリー「プラネット・アース」はそのDVD版が世界で700万本もの売り上げを記録しており、それらの収益をもとに後発シリーズ「フローズン・プラネット」を立ち上げるなどの利益の循環が進んでいる。ITVの人気ドラマ"Downton Abbey"も右に同じだ。

なお、デジタルコンテンツのシェア上昇も侮れない。まだ全体に占める割合は低いながらも、その売り上げは1年間で昨年の3割増しとなっているという。

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【NEWS】スパイダーマン米興行状況

世界先行公開された日本でも興行ランキング初登場1位を記録した『アメイジング・スパイダーマン』。アメリカでは初日となる7月3日に火曜日公開作品としては歴代1位の興収をマークしたことをお伝えしたばかりだが、そもそも「新作は金曜公開」を基本とするアメリカにおいて「火曜日公開」という例にはあまりお目にかかることはなく、それゆえこの記録樹立はあまり比較基準にならないものだ。“リブート(シリーズ再起動)”を売り物にする作品にとって過去作のハードルは極めて厳しいもの。あえて違う物差しで勝負するためにこのような公開時期をチョイスするのはハリウッド興行においてよく見られる手法だ。

さて、その後の3日間の米興収の動向だが、7月3日に3500万ドルという数字を叩き出した後、独立記念日にあたる4日には2330万ドル、そして木曜日の5日には1580万ドルを売り上げている。現在までの米累計興収は7500万ドルほど。これに続く金~日の週末興行を加えると6日間で1億4000万ドルほどになるのではないかと言われている。たとえば今年大ヒットを記録した『アベンジャーズ』が週末3日間で2億ドル越えしたのに比べるとスタジオ側にとってはちょっと物足りない数字かもしれない。

大作映画では興行的な追い風を巻き起こすべく公開と同時に「続編製作決定!」などの発表を行うことが多い。ソニー・ピクチャーズもこれを踏襲しフェイスブックにて『アメイジング・スパイダーマン』が3部作となることを宣言している。2作目以降も両親の失踪をきっかけに運命づけられていく主人公ピーター・パーカーの戦いを描いていく模様だ。

また『スパイダーマン』絡みではサム・ライミ版でも描かれた宿敵ヴェノムをフィーチャーした長編スピンオフ作品も企画されている一方、『アメイジング~』のプロデューサーの口からは2作目以降に“シニスター・シックス”なる犯罪組織が絡んでくる可能性すらも示唆されている。シニスター・シックスとはドクター・オクトパス、ミステリオ、エレクトロ、クレイヴン・ザ・ハンター、サンドマン、ヴァルチャーという面々を初期メンバーに、これ以降度々顔触れを変えてコミックに登場してはスパイダーマンを苦しめる存在として知られる。

ディズニー映画がヒーロー連合(アベンジャーズ)と彼らの個別の戦いを描いていく手法を採る中、ソニー映画ではスパイダーマンを中心に複数の敵キャラがうごめく独自の世界観を展開しようとしているのかもしれない。

いずれにしても、これからはひとつのテーマを縦に掘り起こすだけでは立ちいかず、世界はより広大に、複雑に、そして同時多発的になっていくことことが予想される。これは映画のみならず、現実世界においても同じことだ。

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2012/07/05

【NEWS】スパイダーマン米初日の客入りは?

日本に遅れること数日、アメリカでは独立記念日の前日(7月3日)に封切られた『アメイジング・スパイダーマン』が火曜日に初日を迎えた作品としては歴代最高の興収をマークしたことが分かった。その出来高は1日だけで3500万ドル。2007年の『トランスフォーマー』の記録2790万ドルを上回る数字だ。

とはいえ、アメリカでは金曜日が一般的な新作封切り日として認識されており、今回のように火曜日に封切られるのは極めて稀なこと。それゆえ易々と歴代1位の座を獲得できたと見ることもできるし、逆に週末に向けての観客動員の勢いが削がれていることから過去の『スパイダーマン』3部作と比べるといささか見劣りする数字にもなっている。かくも一概には過去作と数字比較ができないような場所に公開時期を設置したところにもマーケティング的な戦略を感じ取ることができる。

サム・ライミ版『スパイダーマン』3部作の初日興収・・・1作目-3940万ドル(金曜公開)、2作目-4040万ドル(水曜公開)、3作目-5980万ドル(金曜公開)

500日のサマー』のマーク・ウェブが監督を務める『アメイジング・スパイダーマン』は日曜までに少なくとも1億5000万ドルの米興収を打ち立てるものと見られている。果たしてタイトル通りのアメイジングな興行展開を巻き起こすことはできるだろうか。

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【画像】OZ公式ポスター登場

人々の関心が『アメイジング・スパイダーマン』へと流れ込む中、旧『スパイダーマン』3部作の功労者サム・ライミは新作ディズニー映画"Oz The Great and Powerful"の製作で大忙しの状況だ。そんな本作からポスタービジュアルが初出し公開された。

誰もが良く知る「オズの魔法使い」の前日譚として創造された本作は、サーカスの奇術師として生計を立てる主人公(ジェームズ・フランコ)がオズの世界を訪れ、3人の魔女(レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ミラ・クニス)が繰り広げる抗争に巻き込まれていく物語。

Oz

本作は来週サンディエゴで開催されるSF界の巨大コンベンション"Comic-Con"でもプレゼンテーションが予定されている。ちなみに米劇場公開は2013年3月8日。

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【画像】ギレルモ・デル・トロ最新作Pacific Rim

『パンズ・ラビリンス』などの独創的な美術造形で知られるギレルモ・デル・トロの監督作"Pacific Rim"。その最新スティールが米EW誌にて明らかとなった。恐らくゴジラからガンダム、エヴァンゲリオンに至るまでの日本SFの影響をモロに受けていると思われる本作は、未来世紀、突如として海上に出現したKaiju(カイジュウ)を殲滅すべく巨大ロボット”イエガー”を駆使して闘う地球防衛軍の隊員たちの雄姿を描いた物語。スティールでもフィーチャーされているチャーリー・ハンナムと菊地凛子は共にそのパイロット役を演じる。米公開は2013年の7月12日。

Pacificrim

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2012/07/04

【NEWS】ディズニー&マーベル新企画はThe Guardians of the Galaxyか?

Imagescais4vf4 今年、ヒーロー大集合ムービー『アベンジャーズ』を大ヒットさせたディズニーは2014年に向けて新たなマーベル・コミックの映画化を立ち上げようとしている。いまだタイトル未決定でその題材が何なのか明らかにされていない本作は一部で"The Guardians ot the Galaxy"なのではないかとも噂されており、現在までにハリウッド・リポーター誌Deadline、EWなどが関係者からその確証を得ているという。なお、この詳細はSFジャンルの巨大コンベンション「コミコン」にて明らかにされるとの噂もある。

"The Guardians of the Galaxy"は1969年にコミック初登場を果たした。31世紀の宇宙からタイムトラベルしながら平和を守るヒーロー軍団の活躍を描いたもの。これまでにスクリーンに飛び出した有名ヒーローたちに比べると知名度の面で圧倒的に劣るが、『アベンジャーズ』では宇宙の果てから地球に襲い来る敵がフィーチャーされたことからもこれらが"Guardians"の世界観をも飲み込んで銀幕版マーベル・ワールドを更に拡大させていくのは想像に難くない。

そんなタイトル未決定の新たなマーベル・コミック企画だが、先行して決まっていた公開日が2014年の5月16日から8月1日へと後退することが発表された。

これは『アメイジング・スパイダーマン2』の5月2日、"Dawn of the Planet of the Apes"の5月23日がひしめく混雑期を避け、なおかつ同じマーベル映画『キャプテン・アメリカ2』の公開日4月4日からも十分な時期的距離を置きたいとの思惑が働いたものと見られる。

2012年と同様、2014年も人気ヒーローや人気シリーズがひしめき合う。上記の他に『トランスフォーマー4』が6月末、『X-MEN ファースト・ジェネレーション2』が7月18日に封切られる予定。またディズニー&マーベル映画はエドガー・ライト監督を起用し"Ant-Man"の立ち上げをも画策している。

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【予告編】ジャック・リーチャー

トム・クルーズ主演"Jack Reacher"の予告編が登場。原作は全米を放浪する元軍人の男が数々のトラブルに身を投じて弱気を助ける“ジャック・リーチャー”シリーズ(リー・チャイルド著)の第9弾にあたる"One Shot"。この主人公はとにかく背丈も体重もガッシリと重量級として知られており、映画化が発表された当初より「背の低いトムで成立するのか?」とも揶揄されてきた。しかしながら予告編を観る分には全く問題はなさそうだ。

Jackreacher

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【NEWS】バットマン最終章は2時間44分27秒

いよいよ7月20日に世界に解き放たれる(日本では7月27日)クリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作最終章『ダークナイト・ライジング』だが、このたびイギリスの映像審査機関BBFC(日本の映倫みたいなものですね)はその最終的な上映時間が164分27秒であることを明らかにした。

これまでのシリーズを振り返ると『バットマン・ビギンズ』が140分、『ダークナイト』が152分。で、今回が2時間44分27秒となると、これは観客としてはもはや予告編も入れて3時間体制で臨まねばなるまい。

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なお、BBFCは同作のイギリスでのレーティングを12A(12歳未満は保護者の指導が必要)に定め、"Contains moderate violence(度を越さない程度の暴力描写もあり)"という但し書きを付与している。一方アメリカのMPAAが定めた国内基準はPG-13(13歳未満は保護者の指導が必要)。両レーティングともに『バットマン・ビギンズ』、『ダークナイト』と全く同じものである。

現在、六本木地下鉄構内にはいちばん目立つ位置に同作のポスターがお目見えしている。キャッチコピーは「伝説が、壮絶に、終わる。」 日本国内ではいまいち興収が伸びないことで知られる同シリーズだが、00年代の価値観の激変と共にノーランが提示してきた意味合いは単なるヒーロー映画の枠を大きく超えるものだ。果たして最終章はどのように受け止められるのだろうか。

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2012/07/03

【画像】ダイアナ元皇太子妃を演じるナオミ・ワッツ

ダイアナ元皇太子妃が亡くなる2年前の日々に着目した劇映画"Caught in Flight"から初出し画像がお目見えした(Kinopoisk)。

Caughtinflight
主演はハリウッド版『ザ・リング』でもお馴染みのナオミ・ワッツ。同作は当時ダイアナが交際していたというパキスタン人心臓外科医ハスナト・カーン氏とのラブストーリーの様相も呈している。監督は『ヒトラー/最期の12日間』などで知られるオリバー・ヒルシュビーゲル。

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2012/07/02

【興行】北米週末TOP10 Jun29-Jul01

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jun.29-Jul.01 weekend 推計

01 Ted $54.1M
02 Magic Mike $39.1M
03 Brave $34.0M
 
04 Madea's Witness Protection $26.3M
05 Madagascar 3 $11.8M
06 Abraham Lincoln: Vampire Hunter $6.0M
07 Prometheus $4.9M
08 Moonrise Kingdom $4.8M
09 Snow White and the Huntsman $4.4M
10 People Like Us $4.3M

■ディズニーの『ザ・マペッツ』やメル・ギブソン主演の『それでも、愛してる』しかり、俳優とぬいぐるみが共演する時代の到来だ。しかも今回はNG発言連発の超危険なクマのぬいぐるみが大暴れ―そんなセス・マクファーレン監督作"Ted"が5410万ドルという爆発的な数字を叩き出し、週末ボックスオフィスNO.1の座を獲得。

Ted
R指定のオリジナル映画のオープニング興収としては2009年の『ハングオーバー』を凌駕しての歴代1位となる。また、マーク・ウォルバーグ主演作としても2001年の『猿の惑星』に続くNO.2の興行結果となった。観客層別にみると男性が56パーセント。30歳以下が48パーセント。製作費は5000万ドル。

Magic_mike ■2位にはこちらもR指定、スティーヴン・ソダーバーグ監督作"Magic Mike"が初登場した。ソダーバーグ作品としては上出来のオープニング興収3920万ドル。今をときめく主演チャニング・テイタムが自身の若き日に実際に従事していた“男性ストリッパー”という職業をベースにした原点回帰的な物語となっている。なんと73パーセントが女性客という人気ぶり。43パーセントは35歳以上とのことだが、年齢層に偏りはなく、多岐にわたる人気を博しているようだ。製作費は700万ドルと圧倒的にお安めなのも関係者にとっては嬉しいところ。

■3位には先週から2ランクダウンの『メリダとおそろしの森』。先週末に比べて興収は49パーセント減。可もなく不可もなくといったところか。10日間の累計興収は1億3170万ドル。

Madea ■黒人層に圧倒的な人気を誇るタイラー・ペリー監督、脚本、主演、製作によるおばあちゃんキャラ大活躍のコメディ・シリーズ最新作"Madea's Witness Protection"は2640万ドルというまずまずの数字を刻んで4位発進。今回も観客の7割が黒人層で占められているそうだ。製作費は2000万ドル。ちなみに同シリーズはいまだ日本ではDVDリリースされたことすら皆無だが、米ブラック・カルチャーにとっては確実にアイコン的なシリーズだけに筆者も一度は観てみたいと望んでいるところだ。

■『マダガスカル3』は5位に。累計興収は1億8000万ドル。6位の『リンカーン/秘密の書』は2週目にして先週末比63パーセント興収減となった。下落率は50パーセントを基準に善し悪しを判断することが多いので、これは急傾斜な結果といえる。累計興収は3000万ドルに手が届くかといったところ。製作費は6900万ドル。

■4位のリドリー・スコットのSF巨編『プロメテウス』は4週目にして累計興収1億1826万ドルに達した。製作費は1億3000万ドルゆえ、ヨーロッパをはじめ世界での稼働率も良いとはいえ(世界興収は3億ドル達成間近)、アメリカでもあと一息の持久力を保ちたいところ。

■米興収6億ドルを越えた『アベンジャーズ』はランキング的には初となるTOP10落ち。すでにDVD&ブルーレイの米発売日も9月ごろに設定され始めているが、それまでに『タイタニック』の持つ米歴代興収2位の記録6億5800万ドルを越えることはできるだろうか。今のペースだと難しいだろうが、もしもディレクターズカット版(実際にDVD&ブルーレイには3時間に達するほどのディレクターズカットが収録されるとのウワサも)などの上映に切り替わるなどしたならもうひと波おこせそうな気がする。

■今週は上映館数は少ないながら健闘している作品も多い。公開6週目のウェス・アンダーソン監督作"Moonrise Kingdom"は劇場数を460もプラスして854館での展開。ランキング8位に食い込んできている。米累計興収はちょうど製作費の1600万ドルを越えたあたり。

■インディペンデント作品ながら現在世界中の映画ファンから熱い視線が送られている"Beasts of the Southers Wild"は全米4館にて封切られた。

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その1館あたりのアベレージ興収は4万2千ドルを超えるという圧倒的なもの。アメリカ南部の大河流域に暮らす幼い少女を主人公に、気候変動と共に動き出す奇妙な野獣、父の病、河の氾濫など様々な要素を幻想的に織り交ぜながら、彼女が自分の母を探す旅に繰り出していくという物語。全く新しい語り口としてサンダンス映画祭でのドラマ部門グランプリ、カンヌ映画祭では新人監督賞受賞など高評価が相次いでいるが、この勢いは今後も更に加速していきそうだ。

■先週、1館あたりのアベレージが7万2千ドルを超える恐るべき威力を見せつけたウディ・アレンの新作"To Rome With Love"は5→30館程度に上映館拡大。いまだアベレージ2万5千ドル越えの高稼働を見せている。なお、ウディの次回作は「次は北欧か?」などと様々な噂が出回っていたが、結局久々にアメリカに舞い戻ってくるようだ。

■なお、国際市場に目を向けると、アメリカに先駆けて『アイス・エイジ』シリーズ最新作"Ice Age:Continental Drift"が34カ国で封切られ7800万ドルを売り上げている。そしてもう一本、日本でも封切られた『アメイジング・スパイダーマン』はアジアを中心に13カ国で展開。5020万ドルを売り上げている。

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