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2012/09/29

【NEWS】アン・リー監督作"Life of Pie"がオスカー戦線に急浮上

Lifeofpiposterxlarge 映画界ではオスカー有力作のお目見えはトロント映画祭と相場が決まっていた。その言葉に偽りはなく、今年も"Silver Linings Playbook"、"Argo"、"The Master"と話題作には事欠かないのだが、注目すべきはそれだけではなかった。というのも、このたびニューヨーク映画祭のオープニング作品としてワールド・プレミアを迎えるアン・リー監督(『グリーン・デスティニー』『ブロークバック・マウンテン』)の3D作品"Life of Pie"がアメリカでの最速プレス試写を経ていちやくオスカー候補有力陣の仲間入りを果たしているのだ。

そもそもヤン・マーテル著の原作は「映画化など到底不可能」とされていた。有名俳優などひとりも登場しない。インド人青年の乗り込んだ大型貨物船が難破し、命からがら救命ボートに乗り込んだ彼は同乗者のベンガル虎とともに互いにいつ命を奪われるかわからない漂流の旅を繰り広げていく―。そんなアドベンチャーでもあり、世界のすべて、人生のすべてを凝縮したかのような物語。

いまさらリーほどの名匠が3Dテクノロジーに挑戦すると聞いて誰が胸躍らせるだろうか。逆にアン・リーも時代に屈したか、という嘆息が最初は多かったように思う。しかし4月にラスベガスで行われた映画産業のコンベンション"CinemaCon"にて15分のフッテージが公開されてからは世間の注目度が一変した。大海原にポッカリと浮かんだ一隻の船。これほどまでにミニマルな世界観を彩る3Dイマジネーションに観客は熱狂した。

そして"Life of Pie"は水曜日に一部のジャーナリストに先行披露され、ニューヨーク映画祭の先行プレス試写でも記者陣にお披露目された。そのリアクションの数々はすでに軒並み高評価でもってネット上に放出されている。アメリカの映画ブロガーたちの中には早くも本作のオスカーでの善戦を確実視しており、具体的には作品、監督、主演男優、脚色、撮影、編集、音楽、音響、特殊効果賞といった部門の名を挙げる者もいるほど。そして何よりも映画の提示する希望や精神性、そして力強い信念といった面にも賞賛の声が集まっている。

アメリカでの劇場公開は11月21日。"Life of Pie"の果てしない航海の旅はまだ始まったばかりだ。

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【NEWS】フォックス社、ケネディ夫人役にポートマンを希望

フォックス・サーチライトは長らく温め続けている企画"Jackie"を本稼働させようと、新たなキャスティングの知恵を絞っているようだ。言わずと知れたジョン・F・ケネディ大統領夫人のジャッキー・ケネディを主演に据えた本作は、夫が暗殺された後にその余波の中を生きる彼女の姿を描いたものだという。そしてDeadlineの報じるところによると、目下、フォックス・サーチライトは自社作品『ブラック・スワン』に出演したナタリー・ポートマンをその主役に起用したいと望んでいるとのこと。

実はこの"Jackie、もともとは『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督と当時の妻だったレイチェル・ワイズの主演で映画化されるはずだった。しかし二人は破局を迎え両者ともにこの映画企画からもドロップアウトしている。

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とはいえ、いまやナタリー・ポートマンもオスカー女優である。スタジオ側が一方的に欲するだけでは望みは叶うはずもなく、ポートマンがこれを受けるか受けないかは結局とのこと「誰が監督するか?」にかかっている。まずはポートマンの興味を惹くような確固たるビジョンを持った監督の起用が必要不可欠となりそうだ。

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2012/09/27

【NEWS】今度は“エジソン”がドラマ化?

Edison もはや史実に合うとか合わないとかは些細なことのようだ。現代版シャーロック・ホームズやらヴァンパイアと戦うリンカーンやら魔女ハンターと化したヘンゼルとグレーテルやら、若き日のレオナルド・ダ・ヴィンチらが跋扈するこのエンターテインメント界に、また巨星が降臨しようとしている。

彼の名はトーマス・エジソン。言わずと知れた発明王であるが、どうやら全米ケーブルネットワークNBCの新作ドラマシリーズとしてこのエジソンをフィーチャーしたクライム・サスペンス物が企画されているという。タイトルは直球勝負で"Edison"。19世紀後半のマンハッタンを舞台に、若き発明家がその大胆な発想力と不可能を可能とする天才的な頭脳を駆使して難解な犯罪捜査に協力して画期的かつレトロな発明品を投入していく。まるで「007」シリーズの秘密兵器開発担当者Qのような、はたまた『アイアンマン』におけるトニー・スタークのような役回りのようにも感じられる。"Longmire"のダニエル・C・コノリーが脚本執筆、"Breaking Bad"のジョン・シャイバンが製作総指揮を務める。まだ立ち上げ段階につき、監督や主演は決まっていない。さてこの企画、うまく支持を集められますかどうか。

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【予告編】Stoker

『オールドボーイ』の成功にて世界にその才能を知らしめたパク・チャヌクがハリウッド・デビューを果たす。ニコール・キッドマン、ミア・ワシコウスカ、マシュー・グードなどこれ以上ないキャスティングを実現した本作は、父を亡くした悲しみに暮れる少女が悪魔のような継母と神出鬼没の叔父に追い詰められていくサスペンス・ホラー。2013年3月1日に米公開を迎える。『グッド・バッド・ウィアード』のキム・ジウンや『グエムル』のポン・ジュノなど韓国人の映画監督のハリウッド・デビューが相次ぐ中、チャヌクはどんな手法で東西の観客を魅了してくれるのだろうか。

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2012/09/26

【NEWS】「猿の惑星」続編の監督候補は?

大ヒット作『猿の惑星/創世記』で見事に往年のシリーズを現代に蘇らせたルパート・ワイアット監督だが、つい先日、彼がこの続編となる"Dawn of the Planet of the Apes"を監督しないとの旨が明らかとなった。米フォックス社ではさっそく新監督のリストアップに勤しんでいるところだが、今日になってDeadlineがその現時点での候補陣について報じている。

ざっと挙げてみよう。『クローバーフィールド』『モールス』のマット・リーヴス(彼はワーナーの『トワイライト・ゾーン』の監督を務める予定だったが、今日になってそれを降板したとのニュースも漏れ聞こえてきている)、『アリス・クリードの失踪』のJ.ブレイクソン、『28週後』のファン・カルロス・フレスナディージョ、『テイク・シェルター』のジェフ・ニコルズ、『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ、『永遠のこどもたち』や"The Impossible"のフアン・アントニオ・バヨナ、『ブリック』や"Looper"のライアン・ジョンソン(彼の代理人はこの可能性を否定している)。

フォックスが定める新作"Dawn of the Planet of the Apes"の公開日は2014年5月23日。

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【NEWS】ウェス・アンダーソン新作キャストにビル・マーレイとジェシカおばさん追加

今年、"Moonrise Kingdom"が自身のキャリアで最も高い評価を獲得したウェス・アンダーソン監督。早くも次回作"The Grand Budapest Hotel"に向けて準備を進める彼がこれまでにキャストとして固めているのはジョニー・デップ、ジュード・ロウ、オーウェン・ウィルソン、エドワード・ノートンといった面々なのだが、これに加えてアンダーソン作品常連のビル・マーレイが本作への参加を認め(ニューヨーク・マガジン)、さらには「ジェシカおばさんの事件簿」で名高い女優アンジェラ・ランズベリーの出演が決まっているようだ(The Film Stage)。映画の具体的なプロットについてはまだ明らかにされていないが、御歳86歳になるランズベリーは登場時間が5分にも満たないミステリアスな役どころを演じるとのこと。

そのほかにキャスティングの噂に上っている面々はウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、エイドリアン・ブロディなどなど。映画は2013年暮れの公開に向けて今年の12月ごろにドイツにて撮影入りする予定。アンダーソン印のキャンバスに手今度はどのような色彩豊かなコラボレーションのパッチワークがみられるのか楽しみだ。

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【NEWS】スピルバーグ新作キャスト候補にベン・ウィショーも追加

年末には"Lincoln"の米公開を控えるスティーヴン・スピルバーグ監督だが、すでにその先の新作"Robocalypse"に向けてキャスティングが進んでいる。

ダニエル・H・ウィルソン原作によるSF黙示録とでもいうべき本作は世の中にあふれたロボットが一斉に蜂起した後の人類の運命を描いたものだ。すでに『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースが主演交渉入りしており、『ダークナイト・ライジング』や『レ・ミゼラブル』のアン・ハサウェイもヒロイン候補として話が及んでいるが、米ヴァラエティ誌によると現段階でこれらのキャスト候補陣にさらにベン・ウィショーも追加されている模様。

"Cloud Atlas"や『007/スカイフォール』に出演するウィショーが打診されているのは物語で重要な鍵を担うハッカー役とのこと。正式なオファーはまだ出されていないものの、可能性を探る段階で接触が行われているようだ。

ドリームワークスと20世紀フォックスが手を握って制作される"Robocapypse"は2014年4月25日に公開予定。

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2012/09/25

【レビュー】ハンガーゲーム

過去なのか未来なのか、はたまたパラレルワールドなのかは分からない。しかしその状況設定だけはリアリティに満ちている。どうやらその国はすでにアメリカ合衆国とは呼ばなくなって数十年が経過しており、新たな独裁国家が興隆した後、その繁栄を享受するキャピトルとその周辺の12の隷属地域とによって構成されているようだ。

この隷属地域とはすなわち過去に反乱を企てた経歴を持つエリア。国家は「過去を忘れるな」と言わんばかりに人民たちに過去の戦いの記憶を呼び覚まさせようとする。そのために毎年、12の地域から2人ずつの青少年たちを選出し、全国に生中継放送される中でサバイバル&殺し合いをさせるのだ―。

この特殊な状況をゲイリー・ロス監督はあくまで主人公カットニス・エバディーンの目線づたいに奏でていく。幼くして“ハンガーゲーム”に選出された妹をかばってこの殺し合いの祭典への参加を決めたエバディーン。その瞳に映りこむ景色は数多い。飢えに苦しむ隷属地域の現実。家族や恋人との別れ。列車がキャピトル内に乗り入れた瞬間から様変わりする車窓の風景。ハイテクノロジーで夜も眠らぬ狂騒的な都市を実現させた国家の中央部。『ウィンターズ・ボーン』でオスカー女優候補にもなったジェニファー・ローレンスはその若き日のジーナ・ローランズさえ思わせる強烈な目ヂカラを武器に、一滴の涙も見せずにこの圧倒的な状況に立ち向かっていく。そしてこの国家やスポンサー、観客、全国の視聴者などの声も密接に絡んでいくこのゲームにて、彼女はサポート役のスタッフの力を借りながら徐々に人気や支持を得始めて、サバイバルゲームを巧みに掌握しはじめていく。アクションシーンよりもその心理戦にこそカタルシスを覚える。

日本の『バトル・ロワイヤル』との近似性も言われているが、個人的にはアイディアは似ていてもストーリー的には似て非なるものと感じる。『バトル・ロワイヤル』はその取り巻く外部環境を全く描かずに登場人物を突如として虎の穴へと放り込むことで完結していたが、『ハンガーゲーム』はむしろその外部環境を詳述することで、ヒロインの針の眼のような目線と国家レベルの社会システムの両面をディテール深く連動させつつ世界を描く。そしてなおかつ、こちらは後半、“革命の物語”という側面をもにおわせながら展開していく。『ダークナイト・ライジング』や『レ・ミゼラブル』といった近作でもテーマのひとつとして描かれるこの要素は今後も価値観の大きく変容する同時代におけるひとつの象徴となっていきそうだ。

とはいえ、ここからは2作目、3作目の役目。第2弾"Catching Fire"ではフィリップ・シーモア・ホフマンが投入されることが決まっており、この先どのような展開が待ち受けているのか予想もつかない。

北米をはじめ全世界で原作小説がベストセラー入りする本作は、映画版としても『ハリー・ポッター』や『トワイライト』シリーズに続く若者たちを熱狂させる新シリーズとして今後もセンセーションを吹き荒らしていくこと確実とみられている。

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2012/09/24

【興行】北米週末TOP10 Sep21-23

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Sep.21-23 weekend 推計

01 End of Watch $13.0M
01 House at the End of the Street $13.0M
03 Trouble with the Curve $12.7M

04 Finding Nemo 3D $9.4M
05 Resident Evil: Retribution $6.7M
06 Dredd $6.3M
07 The Master $5.0M
08 The Possession $2.6M
09 Lawless $2.32M
10 ParaNorman $2.29M

■祖母への追悼のお言葉を数多く頂戴し心より感謝しております。ようやく故郷の長崎にて葬儀を済ませ、また関東へと帰って参りました。ちょっと遅くなってしまいましたが、恒例の週末ボックスオフィスをササッと見ていきましょう!

■引き続き全体の興収的には低迷感の続くボックスオフィス(昨年の同時期に比べて全体の売り上げも30パーセント近く低い)。その首位の行方もまさにどんぐりの背比べ状態で、ただいまの推計段階だと"End of Watch"と"House at the End of the Street"が同じ1300万ドル、そして推計3位につけているクリント・イーストウッド主演の"Trouble with the Curve"(邦題は『人生の特等席』)も1270万ドルと僅差。興収が確定されるまで(現地時間の月曜)はその最終的な順位確定もお預けとなる。

その3候補のひとつ"End of Watch"は主演のジェイク・ギレンホールがスキンヘッドにして挑んだコップ・ドラマ。共演にはマイケル・ペーニャ、監督はデヴィッド・エア。出口調査によると男性客のほうが54パーセントとやや多く、25才以下が63パーセントを占めた。制作費は700万ドル。

■同率で暫定1位の"House at the End of the Street"は『ハンガーゲーム』のジェニファー・ローレンス主演のハウス<家>ホラー。やはり今年若者たちの間で大ヒットした『ハンガーゲーム』効果なのか全体の7割が25歳以下で、男女比では女性が6割を占めたとのこと。日本では邦題を『ボディ・ハント』と変えて11月17日より公開。制作費は1000万ドル。

■全米3千館規模で封切られたクリント・イーストウッド主演の"Trouble with the Curve"は、彼の一番弟子といわれるロバート・ロレンツが監督を勤めたロードムービー。過去のイーストウッド作品は限定公開から徐々に徐々に劇場数を増やしていく興行展開をとることが多く単純には比較できない面もあるが、観客の半分が50歳以上との情報もあり、いつものイーストウッド作品らしくスローな滑り出しであることは間違いなさそうだ。思い通りのロングテールを描けるかどうか来週末の下落率がひとつの指標となる。

■先週2位の"Finding Nemo"は4位に。先週末に比べての下落率は43パーセントほどに留まった。やはり作品のクオリティにはすでに絶対的な評価が付与されている手前、かなり下げ止まりが働いた格好だ。10日間の累計興収は3000万ドルほど。

■対する先週トップの"Resident Evil: Retribution"は下落率が68パーセントとかなりの急降下。だからといって決して不作ではないのが本シリーズの強みで、週末の世界での興収の合計金額では本作がNO.1となっている。つまり海外でかなり強いシリーズなのだ。米国内での累計興収は3347万ドル。世界興収は1億3700万ドルほどに達している。制作費は6500万ドル。

■さて、シュワルツェネッガーの『トータル・リコール』がリメイクされたかと思えば、今度はスタローンの『ジャッジ・ドレッド』が"Dredd"として新たに復活を遂げた。制作費は5000万ドルほどかかっているが、アメリカでのオープニング興収は630万ドルと驚きの低さ。男女比では男性が75パーセントを占め、年齢別では25歳以上の観客が全体の69パーセントを占めた。つまりオリジナル版を見知っている世代の動員が多かったということになる。

これまでのところリメイク版『トータル・リコール』も納得のいく成果を挙げられていないことから、次なる台風の目となるであろうリメイク版『ロボ・コップ』には慎重を期した製作体制が敷かれていくことが考えられる。

■さて、ポール・トーマス・アンダーソン監督作"The Master"は800館近く劇場数を拡大して全米興行ランキング7位に食い込んできた。1館あたりのアベレージ興収は6千ドルを超える高さを見せており、この先もまだまだ劇場数の増加&観客層の拡大が続いていくものと思われる。早くも今年度のアカデミー賞作品賞最有力とも言われる本作の今後の興行展開にも注目したい。

■さて、ランク外に視野を広げると、『ハリー・ポッター』シリーズのおなじみのエマ・ワトソン主演の"The Perks of Being a Wallflower"が4館にて公開され、1館あたりのアベレージが6万ドルを超えるというフィーバーぶりを獲得している。

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2012/09/22

【レビュー】これは映画ではない

この夏、「日本人よ、これが映画だ」というキャッチで大作ヒーロー映画が封切られたかと思えば、一方ではイランから「これは映画ではない」という控えめなタイトルの作品が届く。どちらが良いというわけではなく、かつて「東京は世界でいちばん多種多様な映画が上映される場所」と言われた時期に学生時代を送った身としては、この「映画か、否か」の多様性には久々に胸沸き立つものを感じずにいられない。

とはいえ、ここで述べるのはイランのジャファール・パナヒ監督による『これは映画ではない』についてだ。

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まず我々が知らねばならないのは次のことだ。パナヒは世界的に名の知られた名匠でありながら、数年前の大統領選の混乱のあと、当局によって「反体制的な映画を作ろうとした罪」により捕らえられ、収監及び20年間に渡る映画製作禁止が言い渡されている。これは表現の自由を求める世界の映画人にとって著しい権利の侵害である。各国の映画人や映画祭ネットワークからはすぐさま解放を求める声明が発表され、支援運動が展開された。

そんな状況に呼応するかのように、カンヌ映画祭にサプライズな贈り物が届いた。それはお菓子の箱に隠されたUSBデータ。そこには一本の映像作品が収められていた。映し出されたのは自宅軟禁状態にあるジャファール・パナヒ本人の姿だ。タイトルには次のようにあった―これは映画ではない。

はっきり言って、これは何も事情を知らない人がいきなり飛び込みで鑑賞して感銘を受ける類の映画ではない。事前に仕入れておくべき前提知識は多ければ多いほど良い。さらにパナヒの映画を一本でも観ていれば彼がどんなにイマジネーション豊かで、なおかつ持ち前のユーモア、人間に対して慈愛に満ちた眼差しを放つ人かうかがい知れるだろう。

そして映画製作禁止を受けて「これは映画ではない」と題された映像作品をこしらえてしまうという、まるで一休さんをも思わせる大胆な企てにも「なんてパナヒらしいんだ・・・」と溜息がこぼれる。

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人間は逆境であればあるほど最も高いハードルを飛び越え、その真価を発揮する。映画監督にとって「20年間の制作禁止」は死刑宣告に近い意味合いだったことだろう。けれどパナヒは飛んで見せた。彼がこのような手法で映像作品を発表したことが知れればイラン当局の怒りもさらに強まることが予想される。それでもパナヒは打って出た。これほどファンダメンタルな環境、素材、コミュニケーションを駆使して、驚くべきドキュメンタリーを作り上げた。

彼の書斎は恐竜にも似たイグアナがノソノソと跋扈し、外ではイランのお祭りで爆撃のごとき花火が打ち上げられ、マンション内では愛犬を誰かに預けて外出したい女性がにわかに執念を見せる。また管理人とともにエレベーター移動とともに紡いでいくダイアローグは、これが偶発的ではなく入念に準備された目を見張るシークエンスのようにも感じられる。狭い室内空間で、パナヒが脚本を朗読しはじめたり、突如、映画教室がはじまるくだりにも

この時代、世界的なフィルムメーカーたちの共通定義としてはどんなフォーマットであれジャンルであれ、そこに時と場所と時間が刻まれていさえすればそれは立派な映画であるし、パナヒほどの人物が本気で「映画ではない」と感じていたとは到底思えない。映画はいつ、どこにでも巻き起こるもの。禁止されても次々と沸き起こってくるし、考え方によっては映像に至らなくとも胸の中の想像力のスクリーンに映し出されたイマジネーションもそれに含まれるのかもしれない。映画製作を禁止することはイマジネーションの働きを禁止するということだ。とすると、当局にこれらを根本的に取り締まることなど不可能なのである。

本作は、むしろパナヒが愛してやまない“映画”の存在強度を確かめた作品と言えるだろう。この映画を見終わって次のような言葉がどうしようもなく胸にこみ上げてきた。

「だから私たちは、あなたのことが大好きなのだ」と。

そして日常の暮らしの中でどんなに逆境の淵に立たされたとしても、我々は常に自分自身に問いかけるべきなのだろう。「こんなとき、パナヒならどうする!?」と。きっとどんな高い壁であっても強靭なイマジネーションを駆使して乗り越えて見せるはずだ。忘れてはならない。この映像作品に触れた瞬間から、我々もパナヒの弟子なのだ。きっとこれまで以上の、イマジネーションの使い手なのだ。

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2012/09/21

【予告編】GAMBIT

ここ数日間、ネット上にフッテージ映像が浸透していた新作映画"GAMBIT"だが、ここにきてようやく正式な予告編がお目見えした。

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2012/09/20

【NEWS】アフレック&デイモン製作で南極点到達の歴史秘話

以前、来日したベン・アフレックが「(親友の)マット・デイモンとのコラボレーションの機会を常に模索しているよ」と語っていたのを覚えている。あれから両人ともに随分と多忙となってしまったが、その言葉に偽りはなかったようだ。米ハリウッド・リポーターによると、ベン・アフレックとマット・デイモンは共同プロデュース作として"Race to the South Pole"という作品に着手するとのこと。ベンの弟ケイシー・アフレックが主演する。

Southpole
本作は20世紀初頭に巻き起こった史実を基にしており、英国人の海軍大佐ロバート・ファルコン・スコットとノルウェー人のロアルド・アムンゼンというライバル同士がそれぞれに人類未踏の南極点を目指して奔走していく物語。ケイシー・アフレックはスコット役を演じる。アムンゼン役はまだ決まっていない。

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2012/09/19

【画像】キックアス2はヒーローが一杯

ついに撮影開始となった『キックアス2』こと"Kick Ass2:Balls to the Wall"の現場写真がネット上にお目見えし、注目を集めている。

ニック・フューリーの音頭でヒーローが一丸となった『アベンジャーズ』よろしく、『キックアス2』ではジム・キャリー演じる“The Colonel”によって巷のヒーローたちが"ジャスティス・フォーエバー"なるチームを編成する。その面々はバトル・ガイ、インセクト・マン、ドクター・グラヴィティ、リメンバー・トミー(夫婦コンビらし)など。Latino ReviewやMovieWeb、Collider、CBMといった映画サイトに掲載された画像を紐解いてみると・・・

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【NEWS】猿の惑星/創世記の監督、続編から離脱?

誰もが悲観的に観ていた『猿の惑星』再始動プロジェクトを予想外の力強い筆致により興行的&品質的な大成功へと導いたルパート・ワイアット監督。20世紀フォックスによるさらなる続編"Dawn of the Planet of the Apes"の監督としても早々から名前が挙がっていたワイアットなのだが、ここにきて戦線から離脱する可能性が取りざたされている。Deadlineによると、その理由はフォックスが掲げる新作の公開時期「2014年5月23日」がワイアットが望むスケジュールとかい離している点に尽きるようだ。

いまのところフォックス側はコメントを差し控えているようだが、これが本当ならばすぐにでも新監督探しが始められることになる。脚本はすでにスタジオ首脳部を納得させるものが出来上がっているとのことで(リック・ジャッファ&アマンダ・シルヴァー執筆)、このビジョンを具現化できることを証明できる人材が不可欠か。

なお、ルパート・ワイアットは「猿」のほかにもシャーリーズ・セロンとの企画"Agent 13"を温めている最中でもある。

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2012/09/18

【NEWS】シーモア・ホフマン監督第2弾

Philip_seymour_hoffman 最新主演作"The Master"でヴェネツィア国際映画祭男優賞を獲得するなど、いまキャリア最高の波に乗るフィリップ・シーモア・ホフマン。Varietyによると、彼は監督第2弾作に向けて準備を進めているという。

そのタイトルは"Ezekiel Moss"。2011年のブラックリスト(スタジオ首脳が認めた映画未製作の優秀脚本リスト)入りを果たしたキース・ブーニンによる脚本の映画化であり、恐慌期の小さな町を舞台に、少年とひとりの放浪者との交流を描いたもの。その放浪者はどうやら死者と話が出来るようなのだが…物語はスーパーナチュラルな雰囲気を醸し出しながら展開していく。マンダレイ・ピクチャーズが製作を担う。

ホフマンは2010年に"Jack Goes Boating"にて監督デビュー。"先週末に全米で封切られた主演作"The Master"は劇映画として史上稀にみる劇場売り上げアベレージを叩き出し、一躍本年度のオスカー候補と言われるまでに。

そのほか彼は現在撮影中の『ハンガーゲーム』第2弾に重要な役柄で出演するほか、今秋にアメリカ公開を迎える"A Late Quartet"では楽器奏者役に挑戦している。

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2012/09/17

【興行】北米週末TOP10 Sep14-16

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Sep.14-16 weekend 推計】

01 Resident Evil: Retribution $21.1M
02 Finding Nemo(3D) $17.5M
03 The Possession $5.8M
04 Lawless $4.22M
05 ParaNorman $3.04M
06 The Expendables2 $3.03M
07 The Words $2.88M
08 The Bourne Legacy $2.87M
09 The Odd Life of Timothy Green $2.5M
10 The Campaign $2.4M

■日本でもお馴染みの『バイオハザード』シリーズ第5弾が2110万ドルを売り上げて初登場1位の座を獲得した。製作費は6500万ドル。観客層別にみると米観客の64パーセントは男性、25歳以上は55パーセントを占めた。3Dシェアは48パーセントに昇っている。ちなみにこのシリーズは米よりもむしろ世界での興行のほうが順調であることで知られており、日本を含めた世界展開にてどのような結果が残せるのかが興行の鍵を握る。

cf.1作目のオープニング興収‐1770万ドル、2作目‐2300万ドル、3作目‐2368万ドル、4作目‐2665万ドル

■2003年の大ヒット作が新たに3D版となって帰ってきた。『ファインディング・ニモ 3D』は1750万ドルを売り上げ興行成績はNO.2に甘んじた。2D→3Dのコンバージョン作業費は500万ドルに昇る。観客層別にみると56パーセントは女性客、46パーセントが25歳以上、全体の7割が家族客だった。なお3Dシェアは96パーセントにも及ぶ。

■今週の最も特筆すべきはトップ10圏外に初登場したポール・トーマス・アンダーソン作品"The Master"だろう。ヴェネツィア国際映画祭ではフィリップ・シーモア・ホフマン&ホアキンン・フェニックスがダブルで男優賞を受賞した本作は、全米の5館にて限定公開がはじまり、3日間だけで興収73万ドルを記録。これを1館あたりの週末アベレージでみると14万6千ドルに昇る。これは『ムーンライズ・キングダム』の13万ドルを超えて実写映画としては史上2位の数字にあたる(ただし1位の"Red State"は映画館以外のホールにて封切られており、単純比較の出来ない部分が多い)。今週末には上映館数も600館ほどに跳ね上がる見込み。

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【NEWS】トロント映画祭最高賞はこの作品に!

毎年、トロント映画祭で注目された作品は必ずアカデミー賞でも台風の目となることで知られている。『スラムドッグ・ミリオネア』や『英国王のスピーチ』、『アメリカン・ビューティー』などその例は多数。そして新たにそこに名を連ねるこの作品は、オスカー獲りにいかなる訴求力を発揮することができるのか―。

というわけで、今年のトロント映画祭の最高賞にあたるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)を受賞したのは『ザ・ファイター』や『スリー・キングス』で知られるデヴィッド・O・ラッセル監督作"Silver Linings Playbook"だった。

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本作はブラッドリー・クーパー演じる心の病を抱えた主人公が元妻との関係を修復しようとする一方で、ミステリアスな女性と出逢い惹かれていく物語。『ウィンターボーン』や『ハンガーゲーム』で一躍注目の的となったジェニファー・ローレンスがこのヒロイン役を演じ、また名優ロバート・デ・ニーロが主人公を支える父親役で登場しているのも見どころ。

これまでも人間の痛みや孤独、複雑性といったものを深刻になりすぎない程度に見つめ続け、そこから温かな笑いが生じるほどの親密な空気を創り上げていくデヴィッド・O・ラッセル節は今回も上映後に非常に高い評価を得ていた。

その他の賞には、ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞にマーティン・マクドナー監督作"Seven Psychopaths"、ドキュメンタリー部門の観客賞には"Artifact"、最優秀カナダ映画賞には"Lawrence Anyways"、短編カナダ映画賞には"Keep A Modest Head"、新人カナダ監督賞には"Antiviral"と"Blackbird"、国際批評家連盟賞のディスカバリー賞には"Call Girl"、スペシャル・プレゼンテーション部門には"In The House"。また園子温監督の『希望の国』はNETPAC賞を受賞している。

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【画像】新ロボコップ

ついに新『ロボコップ』の撮影がトロントにて開始され、その第1日目の画像がネット上に出回り始めている。そこで初めて明かされたジョエル・キナーマン演じるロボコップのニュースーツ。それはポール・バーホーベン版とはかなり形態を異にするものだった。

Robocopsetsmall1
Robocopsetsmall2
これらの画像はComing Soon.netのもの。どこか『ダークナイト』のバットマンを思わせるものがありますよね。オリジナル版『ロボコップ』の公開から20年の月日が流れ、人間の流体力学やサイボーグ論にも多少の変化が生じたということなのかもしれません。新生『 ロボコップ』の米公開は2013年の8月13日。

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2012/09/14

【予告編】Lincoln

スティーヴン・スピルバーグ監督作"Lincoln"の予告編が遂にお目見え。米史上で最も高名な偉人とされる彼がいかに描かれているのか、そのビジョンのほどに期待が高まる。出演はダニエル・デイ・ルイス、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、トミー・リー・ジョーンズ、ジェムズ・スペイダー、ジャレッド・ハリス、サリー・フィールドなどなど。米公開日は11月9日。

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【動画】スピルバーグ&ゴードン=レヴィット生出演中

今年の年末に"Lincoln"を解き放つスティーヴン・スピルバーグとジョゼフ・ゴードン=レヴィットがGoogle playにて生出演中。視聴者からの質問に答えています。

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2012/09/12

【レビュー】ウェイバック-脱出6500km-

ロードムービーと呼ばれるものがその移動距離に登場人物たちの心の移動をオーバーラップさせるのに対して、収容所や刑務所を舞台にしたいわゆる密室モノはその閉鎖空間に堆積していく感情の残骸にこそ心の変移が見て取れる。とするとシベリア収容所からの逃避行が壮大な旅路へと発展していく『ウェイバック』はその“閉所”と“旅程”の両ベクトルを併せ持つ、縦にも横にも壮大な深さを伴った映画と言えるだろう。

『刑事ジョン・ブック 目撃者』や『いまを生きる』、『トゥルーマン・ショー』などで知られるピーター・ウィアー監督が大手のスタジオの力を借りずに製作したこのヒューマン・スペクタクル。登場人物たちはシベリアからバイカル湖沿いにモンゴルへて這い出て、やがてチベットを越え、果てにはインドへ向けた旅路を展開。雪に閉ざされた森林地帯から身を遮るものが何もない砂漠地帯に至るまで極寒から灼熱を横断する全長6500キロの過酷な行軍は続いていく。

Thewaybackposter
この壮絶なランドスケープに敢然と立ち向かっていくのは実力派キャストたちだ。ジム・スタージェスが若きポーランド兵士を演じれば、コリン・ファレルはストリート育ちの小悪党、『トゥルーマン・ショー』で神のごとき役柄を演じたエド・ハリスはひとり度胸と知恵を兼ね備えたアメリカ人役、そして紅一点、『つぐない』や『ハンナ』でお馴染みのシアーシャ・ローナンはバラバラだった旅の仲間たちを俄かに結びつける少女役として力強くも神秘的な存在感を放つ。

彼らを迎え入れる大自然の脅威は計り知れない。こともなげに仲間の生命を奪い去っていく場面もある。しかしながらこの旅路には無益な殺生などひとかけらも存在しない。あらゆる場面に並々ならぬ生への渇望が満ちていて、観ているだけでとてつもない勇気が沁み入ってくる。それは彼らが生き地獄ともいえる収容所から一歩逃れたその瞬間から、全ての過程はただ“生きること”をひたすら目指した崇高なる挑戦に他ならないからだ。

それはこの苦しい現代を生き抜く世界中のあらゆる人々が辿る果てしない道程の象徴のようでもある。タイトルの"The Way Back"とはシベリアから大きく大陸を迂回しながら祖国ポーランドを目指した主人公をはじめとする、旅の仲間たちにとっての“帰路”を指すのだろう。しかし彼らにとっての真の意味での帰るべき場所とは一体どこなのか。

ラストで印象深く描かれるエピローグは、この6500キロの旅路の向こう側にも距離という物差しだけでは計りようもない時間の流れがあったことを伺わせる。ゴールは我々の想像以上に、果てしなく、果てしなく遠い。しかしこの映画の素晴らしいのは彼らが歩んだ一歩一歩の力強さにこそ「いまを生きる」ことを身体で表現したかのような魂の躍動が宿っている点だ。湖まで辿りつくこと、次の丘を越えること、次の一歩を踏みしめること。その一瞬一瞬の更新にこそ光をあて、観客の精神を旅路へいざなおうとする。

吹雪で身も心も温もりを奪われ、砂漠で体内の水分が干上がっていくのを感じ、空腹のあまりお腹だって度々鳴るかもしれない。『トゥルーマン・ショー』のように空の窓が開いて「カット!」と掛け声をかけたりなどはしない。でもそんな風景だからこそ見えてくるもの、逆説的に導き出される生への希求が確実に存在する。

あなたはこの旅の過程にどんな人生のヒントを見つけるだろうか。

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【NEWS】『最強のふたり』が記録更新

日本国内でも大ヒット中のフランス映画『最強のふたり』に関する新たな情報が入ってきた。映画に関する詳しいレビューはこちらをご覧頂くとして、本作がこのたび「フランス語で描かれたフランス映画」としてフランス国外で史上最強の劇場入場者数(2320万人)を樹立したことが分かった。ちなみにこれまでの記録保持映画は2001年公開の『アメリ』の2310万人だった。

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母国フランスでも観客数2000万人を突破して『タイタニック』級のセンセーションを吹きあらした『最強のふたり』。まだまだこれから劇場公開を迎える国々もあり、その観客数は少なくとも2500万人は突破するのではないかとみられている。

なお、フランス映画にはリュック・ベッソン映画に代表されるような「英語で描かれたフランス映画」も存在する。これらは始めから世界戦略を目論んで製作されたものだが、これらを含めるとフランス国外で最も劇場鑑賞者数の多い“フランス映画”は『フィフス・エレメント』で、その数は3500万人。リーアム・ニーソンがパリで大暴れする『96時間』が3100万人。『最強のふたり』は現時点でこれに続くNO.3の座に位置している。

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2012/09/11

【NEWS】アムステルダム美術館、来年4月にリニューアル・オープン

ここでこんなニュースを取り上げるのは、数年前に観た『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』が非常に興味深いドキュメンタリーだったからだ。

世界にその名を馳せるこの美術館のリニューアル計画に寄せて市民や団体が思い思いに自分の意見を主張したがゆえにいつしか八方ふさがりの「何も決められない」停滞状況が生まれていく―という今の日本に生きる者としても苦笑いせずにいられなくなる過程を描いた映画だった。せめてもの救いはこの施設が芸術作品の宝庫であり、閉館中の館内にさびしく佇む名画たちをスクリーン越しに眺めるのもまた貴重な体験に思えたことだった。

そんなわけで2003年よりその門戸を閉ざし、いつ終わるとも分からない長期リニューアル作業に突入してきたアムステルダム国立美術館が、このたび2013年4月にようやく10年ぶりに開館のときを迎えることが明らかとなった。もともとは2008年に再開する予定だったわけだからその期限は4年間も延長されたことになる。

レンブラントの「夜警」をはじめとするヨーロッパの名だたる名作が収蔵された本館。1885年の開会以来、伝統と格調高い香りを宿し続け、これに新たに21世紀の現代的な息吹を取り入れようと画策された今回のリニューアルだが、果たして来場者とアムステルダム市民にどのように受け入れられるのだろうか。

ちなみに、アムステルダム国立美術館は現在もフィリップ翼と呼ばれる部分だけは開業中。またアムステルダムの玄関口、スキポール空港ではその広大な施設内の一角に同美術館の出張展示場が設けられており、シーズンごとに入れ替えられる作品群をフライトを待つ人々が自由に見学することができる。

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2012/09/10

【興行】北米週末TOP10 Sep07-09

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Sep.07-09 weekend 推計

01 The Possession $9.5M
02 Lawless $6.0M
03 The Words $5.0M
 
04 The Expendables 2 $4.75M
05 The Bourne Legacy $4.0M
06 ParaNorman $3.8M
07 The Odd Life of Timothy Green $3.6M
08 The Campaign $3.5M
09 The Dark Knight Rises $3.285M
10 2016 Obama's America $3.281M

■海外ではヴェネツィア映画祭やトロント映画祭に代表される映画シーズン真っただ中なのに、ことアメリカ国内では夏の疲れが噴出したのか映画興行がここ数年来で最低のラインに甘んじている。推計段階での週末ボックスオフィスの全興収は6800万ドルにとどまっており、9.11で大打撃を受けた当時の興収とほぼ変わらないレベルだという。

■そんな中で先週に引き続きNO.1の座をキープしたのはホラー・ムービー"The Possession"だ。製作費1400万ドル足らずの本作は封切後の10日間で3335万ドルを稼ぎ出しており、先週末からの下落率も46.5パーセントとまずまずの維持力を見せている。

■2位も先週と変わらず"Lawless"。こちらは先週末に比べての下落率が40パーセントにとどまっている。なかなかの下げ止まり感と言っていいだろう。10日間の累計興収は2352万ドル。製作費は公表されていない。

■3位にはブラッドリー・クーパー主演の"The Words"が初登場。製作費は600万ドル。観客別にみると、女性が58パーセントを占め、なおかつ全体の63パーセントが35歳以上、39パーセントが50歳以上だった。通常、観客層の平均年齢が高ければ高いほど興収変移はロングテールを描くものといわれており(逆に観客層が若ければ初動が爆発的にうねり、あとは極端に収縮していく傾向にある)、今後の動きにも注意が必要だ。

『エクスペンダブルズ2』は累計興収7550万ドルまで上昇してきた。製作費は1億ドル。前作の最終的な国内興収も1億300万ドルだったことから、まずはこのラインを目指したいところだ。『ボーン・レガシー』は累計興収がめでたく1億ドル越え。しかし製作費は1億2500万ドルかかっているので、もう少し息の長い頑張りが必要だ。

■『ダークナイト・ライジング』は累計興収4億3785万ドルに達した。これは『アバター』を頂点とする歴代興収ランキングにおいて『E.T.』を越えての8位にあたる。次に目指すは『シュレック2』の4億4122万ドルだ。

cf. (1)アバター 7億6050万ドル、(2)タイタニック 6億5867万ドル、(3)アベンジャーズ 6億2142万ドル、(4)ダークナイト 5億3334万ドル、(5)スターウォーズEP1 ファントム・メナス 4億7454万ドル、(6)スターウォーズ 4億6099万ドル、(7)シュレック2 4億4122万ドル、(8)ダークナイト・ライジング 4億3784万ドル、(9)E.T. 4億3511万ドル、(10)パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト 4億2331万ドル 

■共和党、民主党共に国内党大会での大統領候補指名受諾が終わり、なお一層の舌戦が始まりそうなアメリカだが、その勢いのバロメーターでもあるかのようにオバマ政権批判のドキュメンタリー"Obama's America"も高稼働が続いている。公開9週目となる本作は国内累計興収2600万ドルに達し、政治ドキュメンタリーとしてはマイケル・ムーアの『華氏911』に続く歴代興収2位の座を獲得している。

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2012/09/09

【NEWS】ヴェネツィア国際映画祭受賞結果

第69回を数えるヴェネツィア国際映画祭が閉幕した。マイケル・マン率いる審査員団が最終的に金獅子賞にふさわしいとみなしたのはキム・ギドク監督による"Pieta"だった。

しかしながらこの結果には疑問の声も噴出している。各メディアが関係者の証言として発しているのは次のようなもの。

「もともと審査員団はポール・トーマス・アンダーソン監督作"The Master"に金獅子賞を授与する予定だったのだが、1作品が複数の賞を独占することを避けたいとする映画祭ルールによりこの受賞リストは差し戻され、再び審査員内で激しい議論が交わされた結果、"The Master"の受賞は監督&男優賞の2部門となり、最高賞はトータル的に評価の高かった"Pieta"の手に納まった」

特別なケースの場合のみ、(映画祭ディレクターなどの許諾などを得た上で)ひとつの作品がふたつの賞にまたがることが許されるが、それらは技術的な部門に留まり、最高賞となる金獅子賞が他部門をも獲得することは許されていない(下記に規約の抜粋を掲載)。

この土壇場での受賞結果シャッフルは一昨年のクエンティン・タランティーノ率いる審査員団によるソフィア・コッポラ監督作"SOMEWHERE"への金獅子賞授与(ソフィアはタランティーノの元彼女だったゆえに、この受賞結果には近しい者への優遇があったのではないかとする疑惑)に続くトラブルとしてちょっとした禍根を残しそうだ。最終的な審査結果は以下の通り。

●Golden Lion (最優秀作品賞)
“Pieta” Kim-Ki Duk

●Silver Lion (最優秀監督賞)
Paul Thomas Anderson  “The Master”

●Volpi Cup (男優賞)
Joaquin Phoenix  Philip Seymour Hoffman “The Master”

●Volpi Cup (女優賞)
Hadas Yaron “Fill The Void”

●Special Jury Award (審査員特別賞)
Ulrich Seidl “Paradise: Faith”

●Mastroianni Award (新人俳優賞)
Fabrizio Falcone “Dormant Beauty,” “It Was The Son”

●Best Screenplay (脚本賞)
Olivier Assayas “Something In The Air”

●Technical Achievement (技術賞)
Daniele Cipri “Il Stato E Figlio”

There will be no joint winners. Exceptions can be made for the two Coppa Volpi awards and the Marcello Mastroianni award. In addition, individual films may only receive one of the awards mentioned in the Regulations. However, in exceptional cases, and after consultation with the Festival Director, the Jury may bestow the Coppa Volpi and Marcello Mastroianni awards on actors or actresses featured in films which have won the Silver Lion, the Special Jury Prize or the awards for Best Technical Contribution and Best Screenplay.

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2012/09/08

【NEWS】ロジャー・エバートの伝記がドキュメンタリー映画化

アメリカで最も有名な映画評論家として40年以上にも渡って映画レビューを発表し続け、ピューリッツァー賞も受賞したロジャー・エバート。御歳70にもなる彼が2011年に発刊した自叙伝"Life Itself"がスティーヴ・ザイリアン、マーティン・スコセッシのプロデュースのもとでドキュメンタリー映画化されることが明らかとなった。"Hoop Dreams"のスティーヴ・ジェームズが監督を務める。

ただしザイリアン&スコセッシはまだ映像化権を取得しただけで、これがこの先どのような形でのリリースとのなるのかはまだ決まっていない(配給会社が付けば劇場映画として公開できるかもしれないし、あるいはケーブル・ネットワークと組んでテレビ映画として放送する可能性もあるだろう)。

ともあれ、辛口の批評で多くの読者を魅了し、なおかつ映画関係者を戦々恐々とさせてきたエバート氏が、自らの合わせ鏡ともいうべきこの映画とまみえたときに一体どんな言葉を発するのか、しかと見守りたいところだ。

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【NEWS】ダニエル・クレイグ、更に2本の007主演へ

「007」シリーズの現ジェームズ・ボンド役、ダニエル・クレイグが今後少なくともあと2本は同シリーズの主演を務めることが明らかとなった。

007
『カジノ・ロワイヤル』での初登場以来、クレイグ版ボンドを支え続けているソニー・ピクチャーズも同様にイオン・プロダクションズと共に24作目、25作目の製作に参加する構え。このまま5作の007作品に主演するとクレイグの着任期間はショーン・コネリー、ロジャー・ムーアに続きシリーズ史上3番目となる。

シリーズ23作目、『007/スカイフォール』は今年の10月26日よりイギリスを皮切りに上映がスタートする。今のところ上映時間は145分とする説が有力のようだ。

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2012/09/07

【NEWS】マイケル・キートンの監督作、始動

つい先日、新生『ロボ・コップ』の悪役としての登場が決まったばかりのマイケル・キートンだが、Varietyによると目下、新たな監督作まで温めているようだ。"Buttercup"と題された本作は、年老いた父の飲酒運転をきっかけに思わぬ監督責任を課せられることになった娘が主人公。その交流を通じて娘は父の過去の失敗を受け入れるのと同時に、彼女の人生に関わる男性たちにも信頼を寄せるようになっていく―。

アリス・オニールが脚本を手掛けた本作は、これまでサラ・ポーリーやニキ・カーロが監督として浮上していたものの両者ともに断念し、"The Merry Gentleman"(2008)などの監督作を持つキートンのもとに話が巡ってきた。また以前はジェニファー・アニストン&アラン・アーキンがキャスティングされていたが、こちらも両者ともに降板済み。新たなキートン体制のもとでゼロから築き上げていく必要がある。

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【NEWS】レニー・ゼルウィガー、監督デビュー

『コールド・マウンテン』でアカデミー賞助演女優賞に輝くほか『ブリジット・ジョーンズの日記』、『ミス・ポター』などで知られるレニー・ゼルウィガーが、密かに長編監督デビューに向けて準備を進めていることが分かった。ニューヨークのスタンドアップ・コメディ界を舞台にしたその作品のタイトルは"4 1/2 Minutes"。対人関係に問題のあるコメディアンが、とあるシングルマザーの天才的な息子の世話を請け負ったことからハチャメチャな事態に陥っていくというストーリーらしい。本作はスタンドアップ・コメディアンのドヴ・ダヴィドフの実人生から着想を得たものを、"Warrior"のアンソニー・タンバキスが脚本化しており、ゼルウィガーはジョニー・ノックスヴィルと共に出演も果たす。来年2月よりニューヨークで撮影開始予定。

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【予告編】Cloud Atlas

デイヴィッド・ミッチェルによる壮大な物語を『マトリックス』シリーズのラナ&アンディ・ウォシャウスキーと『ラン・ローラ・ラン』のトム・テイクヴァが寡頭体制で監督し映像化した"Cloud Atlas"。その新予告編がお目見えした。

遡ること7月に公開された旧予告編その複雑な世界観を伝えるイントロダクション的な意味合いの5分半にも及ぶロング・バージョンだったが、今回のものは通常通りの2分半の枠組みに収まっている。

幾つもの時代、幾つもの舞台を経て一本のストーリーラインが織りなされていく"Cloud Atlas"。そのオールスター・キャストともいうべき面々が時代を越えて複数の役柄を演じて分けていくという設定も極めて特殊だ。そこに名前を連ねるのは、トム・ハンクス、スーザン・サランドン、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ぺ・ドゥナ、ジム・スタージェス、ベン・ウィショー、ジェームズ・ダーシー、ヒュー・グラントなどなど。米公開日は10月26日。

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2012/09/06

【NEWS】東京国際映画祭クロージング作品決定

今年も10月20日~28日に開催される東京国際映画祭。昨日、そのオープニング作品として『シルク・ドゥ・ソレイユ3D』が選出されたと報じられたばかりだが、本日この映画祭を締めくくるクロージング作品にクリント・イーストウッド主演作『人生の特等席』(原題:Trouble with the Curve)が決定したことが明らかとなった。

本作はイーストウッド演じる老スカウトマンが恐らくこれが現役最後になるであろう新人発掘の旅に娘を伴って繰り出していく物語。共演はエイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク。

監督を務めるのはこれがデビュー作となるロバート・ロレンツ。イーストウッド作を長らくプロデューサーとしてサポートしてきた彼が、御大からどのような旨味を引き出してみせるのか注目したいところだ。

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【NEWS】Before...シリーズ第3弾、撮影終了

イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、そしてリチャード・リンクレイター。3人の名前が揃うと、誰もが"Before..."とタイトルを口にせずにはいられない。そして1995年の"Before Sunrise"、2004年の"Before Sunset"に続くシリーズ第3弾"Before Midnight"がこの度、ギリシアで撮影完了を迎えたようだ。

Before_midnight
念のため復習しておくと、"Before Sunrise"(邦題は『恋人までの距離』)は欧州鉄道の車内で出逢った若きアメリカ人青年ジェシーとフランス人女性セリーヌがウィーン市内を歩きながら一晩のダイアローグを重ねていくという当時としては鮮烈なスタイルが人気を呼び、主演のふたりのみならずリチャード・リンクレイター監督がベルリン映画祭で監督賞を獲得するなどの高評価を得た。

それから9年後、2004年にはふたりのパリでの再会を描いた『ビフォア・サンセット』が公開。これまた役者として成熟を迎えたイーサン&ジュリーが脚本に参加することによって更なるナチュラルな会話の流れが多くの観客の心を掴まえることに成功した。

かくも9年に1度めぐってくるプロジェクトなだけに、かねてより来年の2013年に向けて何か動きがあるのでは?との見方も強かったのだが、思いのほか彼らのアクションは素早かった。製作開始を宣言するどころか既に撮影は完了し、間もなく開幕するトロント映画祭において配給権に関する交渉がスタートする模様。バイヤーに向けのフッテージ上映も組み込まれてくることだろう。

一朝一夕では成しえない18年越しの空気感の醸成に大いに期待したいものだ。

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【NEWS】フォックス版「フランケンシュタイン」にポール・マクギガン交渉入り

Varietyによると、20世紀フォックスが進める「フランケンシュタイン」をベースにした新作映画の監督として『ラッキーナンバー7』や『ギャングスター・ナンバー1』のポール・マクギガンが交渉入りしているようだ。同作は19世紀にメアリー・シェリーによって発表されたストーリーラインを新たな視点で見つめたものになる模様だが、詳しい内容は明らかにされていない。

実はこのプロジェクト、もともとは『リアル・スティール』のショーン・レヴィ監督が進めていたのだが、ビッグバジェットを擁しての作品作りを目指していたレヴィと、この世知辛いご時世にリスクは冒したくないスタジオとの間で溝が深まり、身動きの取れない状況に陥っていた。また、昨年"Chronicles"で大きな賞賛を浴びたマックス・ランディスが脚本を手掛けているが、新たにマクギガンが登板することによってリライトされる可能性も無きにしも非ずといったところか。

ちなみにポール・マクギガンといえば、このところ映画作品ではパッとしたものが生み出せなかったが、一転して手掛けたBBCのテレビシリーズ「シャーロック」の特殊かつ大胆な映像演出が大絶賛を生み、再び注目が集まっている。最近、多くの映画監督や俳優が映画→テレビ→映画と流動を繰り返しているが、この思い切ったメディアチェンジが才能のリフレッシュにも繋がり、より良い相乗効果をあげているようだ。何が自分にとって最適かってのは、自分の頭の中だけではなかなか分からないものですね。

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【NEWS】デヴィッド・スレードが"Matched"交渉入り

ディズニーはアリー・コンディ著のヤングアダルト小説"Matched"(翻訳版「カッシアの物語」)の映画化に伴い『30デイズ・オブ・ナイト』や『トワイライト・サーガ/エクリプス』のデヴィッド・スレードを監督に据えるべく交渉に入っているようだ。すべての運命が定められた未来、自らの手で選択することを知らない17歳のヒロインは、偶然にもひとりの青年と出会い、恋に落ちてしまうのだが―。"Matched"は後に"Crossed"、"Reached"(11月に発刊)と続いていく3部作の1作目にあたる。「トワイライト」シリーズのファンとターゲット層がかぶることは想像に難くなく、スタジオ側としてはデイヴィッド・スレードならば『エクリプス』の監督としての実績もあることから、その名前で観客への訴求力を発揮することができるとの打算が働いているのかもしれない。

スレイドは最近では『羊たちの沈黙』などで知られる“ハンニバル・レクター”シリーズをテレビドラマ版に移行した"Hannibal"のパイロット版の監督を担当。また一時期は『デア・デビル』を再始動版を監督するという話も浮上していたのだが、こちらは折り合いがつかずに頓挫している。

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2012/09/05

【NEWS】東京国際映画祭オープニング作品決定

今年も東京国際映画祭が10月20日(土)~28日(日)に開催される。そのオープニング作品がパラマウント配給の『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』に決定した。本作は日本でもお馴染みの“シルク・ドゥ・ソレイユ”による超人的であり、幻想的でもある世界観を3Dカメラにて捉えた作品。『アバター』や『タイタニック3D』で3D技術を極めたジェームズ・キャメロンが製作を、そして『シュレック』や『ナルニア国物語』のアンドリュー・アダムソンが監督を務める。11月9日より全国ロードショー。

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【NEWS】ジム・キャリーが「キックアス2」出演決定

以前より打診されていたオファーをジム・キャリーが受諾。晴れて彼の“スターズ大佐”役としての"Kick-Ass 2 : Balls To The Wall"への出演が正式に決定した。この大佐は町にはびこる悪に立ち向かうためにヒーローチームを立ち上げる役柄ということで、ここだけ取ればいわば『アベンジャーズ』におけるサミュエル・L・ジャクソン的な立ち位置を思わせるものがある。

ジム・キャリーはマシュー・ヴォーンが監督を手掛けた『キック・アス』の大ファンとして知られる。今回の第2作目は『X-MENファースト・ジェネレーション2』の製作でお忙しのヴォーンからジェフ・パドロウ監督へとバトンタッチ。いかに高評価を得た前作のテイストを生かしつつ、新たな展望を迎えられるかがポイントとなる。出演は前作同様、アーロン・ジョンソン、クロエ・モレッツ、クリストファー・ミンツ・プラッセ、ニコラス・ケイジほか。米公開日は2013年6月28日。来週中には撮影が開始される。

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【予告編】Hansel and Gretel

ジェレミー・レナー&ジェマ・アタートン主演の"Hansel and Gretel:Witch Hunters"の米版予告編がお目見えした。「ヘンゼルとグレーテル」といえばグリム童話として誰もが知る物語だが、ここで描かれるのはそれらの大胆なる再創造版。幼い頃に魔女につれさらわれた過去を持つ兄妹はそのトラウマを克服すべく今や凄腕の魔女狩りバウンティ・ハンターに成長していた!?。本来ならば今年の3月に封切られるはずだったのだが、スタジオ側は「今年はジェレミー・レナーの出演作が目白押しで、彼の人気がより広く定着した時期に公開したい」との思惑も働き(はたしてそれが本当の理由なのかどうかは分からないが)2013年1月公開へと後退している。『アリス・イン・ワンダーランド』を皮切りに次々と量産されているおとぎ話の再創造映画だが、さて"Hansel and Gretel"の真価のほどはいかに?

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2012/09/03

【興行】北米週末TOP10 Aug31-Sep02

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Aug.31-Sep.02 weekend 推計

01 The Possession $17.7M
02 Lawless $9.7M
03 The Expendables 2 $8.8M
 
04 The Bourne Legacy $7.2M
05 ParaNorman $6.5M
06 The Odd Life of Timothy Green $6.0M
07 The Dark Knight Rises $5.9M
08 The Campaign $5.4M
09 2016 Obama's America $5.1M
10 Hope Springs $4.7M

Possesion ■アメリカでは月曜日は労働者の日でお休み。しかしながらこのホリデーシーズンもそれほど映画業界の起爆剤としては機能していないようだ。その急先鋒として起ったのがサム・ライミ製作の"The Possession"。『エクソシスト』系の流れを組むPG13のホラームービーだ。オープニング興収1773万ドルを計上してボックスオフィス初登場1位の座を獲得した(月曜日を含む4日間では2130万ドルラインに達する見込み)。同作はスタジオ(ライオンズゲート)側の狙いどおり若い女性層への訴求力を発揮している模様だ。男女比では女性が59パーセント、また25歳以下の観客は全体の54パーセントを占めたとのこと。製作費は1400万ドルとこの手のジャンルにしては格安の域。

■なお、本作の首位獲得により『エクスペンダブルズ2』のV2に続いてライオンズゲート作品が3週連続で快進撃を収めたこととなる。

Lawless_2  ■2位には『ザ・ロード』のジョン・ヒルコート監督が紡ぐ禁酒法時代のアメリカ劇"Lawless"がランクイン。今年のカンヌを湧かせた話題作が遂にお目見えとなった。同作は水曜日より公開を迎えており、初日~月曜までの6日間で累計興収1500万ドルほどに達する見込み。主演はシャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ジェシカ・チャステイン、ガイ・ピアース、ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカ。

■3週目の『エクスペンダブルズ2』は興収880万ドルを加えて、累計興収を6616万ドルとした。製作費は1億ドルなので、このラインを越えるにはまだもう少し時間がかかりそうだ。

■4週目の『ボーン・レガシー』は国内興収1億ドル突破目前まで迫ってきた(現在は9628万ドル)。製作費は1億2500万ドル。

■『ダークナイト・ライジング』は累計興収4億3120万ドルに達し、これは『アバター』(7億6050万ドル)を頂点とする歴代興収ランキングにおいて『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』を越えての9位となる

■大統領選を控えるアメリカにとっては避けては通れない周期に出現したアンチ・オバマ映画"Obama's America"は先週に比べて劇場数を660館ほど増やすことで下落率を21.6パーセントにとどめることができた(1館あたりのアベレージで見ると51パーセント減)。累計興収は月曜日までに2000万ドルに達する見込み。いずれにしてもドキュメンタリー作としては異例のペースを驀進中であり、選挙戦の展開次第では今後更なる高まりを見せる可能性もある。オバマ民主党陣営にとっては思わぬ刺客といったところだろう。

■先週やや出遅れた感の強かったジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演の自転車サスペンス・アクション"Premium Rush"は2週目にして早くもTOP10落ち。先週末に比べて下落率は35パーセントにとどまるも(かなりの下げ止まりではあるのだが)、製作費3500万ドルのところ累計興収は1225万ドルしか上げられていない。映画の評価自体はなかなかのものなのだが。

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2012/09/02

【画像】Jack Ryan本格始動

トム・クランシー原作の“ジャック・ライアン”シリーズが新たな起動をはじめる。これまで『レッドオクトーバーと追え』ではアレック・ボールドウィンが、『パトリオット・ゲーム』と『いまそこにある危機』ではハリソン・フォードが、そして『トータル・フィアーズ』ではベン・アフレックが演じてきたこのCIA分析官だが、今回の映画企画、その名も"Jack Ryan"ではずっと若返り。その後の活躍のエピソード1とも言える事件&活躍が描かれことになる。

主演にはJ.J.エイブラムスのもとで新たな生命が吹き込まれた『スター・トレック』のクリス・パイン。監督には『マイティ・ソー』のケネス・ブラナー(彼は今作の悪役としても出演)、またヒロイン役にはキーラ・ナイトレーが決定済み。

長らく調整の進められてきた本作もようやく撮影に突入した。そして現在までに2枚の公式画像がリリースされている。ひとつはバイクにまたがるジャック・ライアンの単独ショット、そしてもうひとつは今回ライアンのメンター的役割を担うケヴィン・コスナーとのツーショットだ。

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現在、映画界ではケヴィン・コスナーの再興に注目が集まっている。新生スーパーマンこと"Man of Steel"では超ヒーローの地球上での育ての親を演じ、TVミニシリーズ"Hatfield & McCoys"でも高評価。更には“ジャック・ライアン”シリーズの重要人物クラークを主人公にした作品でも『アベンジャーズ』におけるサミュエル・L・ジャクソンのごときつなぎ役として登場するのだとか。

"Jack Ryan"の米公開は2013年のクリスマスシーズンを予定。

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