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2013/01/14

【興行】北米週末TOP10 Jan11-13

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【Jan11-13 weekend 推計

01 Zero Dark Thirty  $24.0M
02 A Haunted House  $18.8M
03 Gangster Squad  $16.7M
 
04 Django Unchained  $11.0M
05 Les miserables $10.1M
06 The Hobbit: An unexpected Journey  $9.0M
07 Lincoln $6.3M
08 Parental Guidance $6.1
M
09 Texas Chainsaw 3D $5.1M
10 Silver Linings Playbook  $5.0M

■アカデミー賞候補も発表となり、現地時間の日曜夜にはゴールデングローブ賞授与式も開催。オスカーへと連なる賞レースもいよいよ第3コーナー付近に差し掛かってきた。そんな中で週末興収1位の座を獲得したのは、『ハートロッカー』のキャスリン・ビグロー監督が同作の脚本家マーク・ボールと再び組んで送る『ゼロ・ダーク・サーティ』だ。これまで劇場数を限定して動員を伸ばしてきた本作だが、ここに来ていよいよ全米2900館レベルへと上映拡大。週末3日間で推計興収2400万ドルを稼ぎ出す勢いだという。

今や作品賞オスカー候補の筆頭ともいわれる本作。筆者も年末に試写しましたが、ミニマルに展開した『ハートロッカー』のヒンヤリと冷たい感覚を踏襲しながらも、今回の舞台は“世界”。ジェシカ・チャステイン演じる若き女性分析官が、仲間を失いながらも、CIA局内でも上司と駆け引きを続けながら、ビンラディンを追い詰めていく過程が執念深く描き込まれていきます。静かで淡々とした描写の中に鋭利な刃物を突きつけたかのような緊張感が途切れない作品でした。

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『ゼロ・ダーク・サーティ』はアカデミー賞の作品賞や主演女優賞、脚本賞などにノミネート入り(監督候補には入らなかった)。ビンラディン追跡作戦に関してあまりに緻密に詳細を描いていることから共和党陣営から「深刻な機密情報リークが行われたのではないか」と指摘を受けるなど、センセーショナルな盛り上がりにも事欠かない本作ですが、映画製作サイドはあくまでジャーナリストでもあるマーク・ボール(彼はトミー・リー・ジョーンズ主演『告発のとき』のベースとなった雑誌記事、さらには『ハートロッカー』も彼の雑誌記事をベースに発展したもの)が関係者の証言を集めて脚本家したものという従来の立場を崩していない。

なお、本作はミーガン・エリソンという億万長者の父を持つまだ20代のプロデューサーが出資しており、監督のキャスリン・ビグロー、主演チャステインと共に、この作品における「第3の立役者」として注目を集めている。エリソンはポール・トーマス・アンダーソン監督作『ザ・マスター』や"Lawless"といった作家性の高い作品への貢献で知られる他、「ターミネーター」の新作の制作権を保持していることでも知られる。これまで表舞台へ登場することがなく、顔写真などが出回っていない。作品賞オスカー候補となった『ゼロ・ダーク・サーティ』ではオスカー像を手にすることができるプロデューサー3人の内に名前がエントリーされており、壇上に立つ可能性も夢ではなくなっている。

■2位にはコメディ映画"A Haunted house"が初登場。観客の男女比は女性が若干高くて58パーセント。3位には"Gangster Squad"が落ち着いた。先日のオスカー候補発表にまで担ぎ出されていたエマ・ストーンもヒロイン役で出演する本作はライアン・・ゴズリングやショーン・ペンなどがそろい踏みするギャングVS特捜部隊の対決を描く。しかしながら週末3日間で1670万ドルという数字は予想外の低迷ぶり。銃撃事件が多発し、いま銃との共存のあり方が深刻に問われているアメリカだけに、映画もその映し鏡として、この手の作品が伸びにくい状況に陥っているのかもしれない。観客の6割近くが35歳以下で、男女比はほぼ半々に分かれているとのこと。

■4位にはクエンティン・タランティーノ監督作『ジャンゴ つながれざる者』。各部門にてオスカー候補入りを果たした本作だが、動員が増すかと思いきや、先週に比べると約45パーセントの下落。現在までの累計興収は1億2540万ドルに達している。ちなみに過去のタランティーノ作では『イングロリアス・バスターズ』の米興収1億2054万ドルがトップ。つまり『ジャンゴ』ではこの記録を更新して、公開3週目にして自身のキャリア最高興収作となっているわけだ。

■こちらも賞レースでの活躍が期待される『レ・ミゼラブル』は累計1億1920万ドル。ピーター・ジャクソン監督作『ホビット』は累計興収2億7800万ドル。さらにスピルバーグ作『リンカーン』はここにきて興収が前週を上回り、累計興収は1億5000万ドルを超えた。

■先週の覇者"Texas Chainsaw 3D"は2週目にして驚異の8ランクダウン。興収の下落率は76パーセントという目覚しい急カーブを描き出して関係者を驚かさせている。

■10位にはこちらも粘りを見せるデイヴィッド・O・ラッセル監督作『世界にひとつのプレイブック』。現在のところ、他のオスカー候補作に比べてだいぶ少ない800館という上映館数で稼働中だが、制作費2000万ドルのところ、累計興収は4000万ドルに達している。ビジネス的には確実な布石を打っているというわけだ。

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