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2013/05/27

【興行】北米週末TOP10 May24-26

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【May.24-26 weekend 推計

01 Fast & Furious 6  $98.5M
02 The Hangover part 3  $42.4M
03 Star Trek into Darkness $38.0M
 
04 Epic  $34.2M
05 Iron Man 3  $19.4M
06 The Great Gatsby  $13.7M
07 Mud
 $1.9M
08 42  $1.24M
09 The Croods  $1.21M
10 Oblivion  $0.8M

アメリカでは月曜日がメモリアル・デイ(戦没者追悼記念日)でお休みのため、週末には強力打線が出揃った。その首位を飾ったのは、ユニバーサル映画が誇るドル箱シリーズ『ワイルドスピード』の最新作。週末3日間で9850万ドルを売り上げ、ユニバーサル史上最高となるオープニング興収を打ち立てた。制作費は前作よりもスケールアップして1億6000万ドル。ちなみに本作はちょっとしたサプライズも隠されているので、日本公開日までできるだけネタバレ情報に触れないようにご注意を。

対する『ハングオーバー3』はシリーズ最終作にして波に乗り切れず、期待を下回る結果に終わった。ちなみに前作はオープニング興収8595万ドル(最終興収は2億5446万ドル)、そしてスロースターターにして後に口コミが加速してゴールデングローブ賞受賞にまで至った第1作目のオープニング成績は4500万ドル(最終興収は2億7700万ドル)だった。これらの数字と比較しても勢いが失われていることが分かるだろう。

2週目となる『スタートレック・イントゥ・ダークネス』はさすがJ.J.エイブラムスの監督作らしく、2週目の下落率も46パーセント程度と大いに下げ止まりが働いている。累計興収は1億4700万ドルほど。制作費は1億9000万ドル。まだまだ好調飛行を続けられそうだ。

4位にはアニメーション作"Epic"が登場してファミリー層の獲得に尽力した。そのため、これまでファミリー層から大量集客に務めてきた"The Croods"は一気に1300館レベルの劇場数減となった。

5位の『アイアンマン3』は累計興収3億6750万ドルをマーク。6位の『華麗なるギャツビー』は制作費となる1億500万ドルを越えて、累計興収は今や1億1440万ドルとなった。

10位の『オブリビオン』は累計が8730万ドルほど。制作費が1億2000万ドルということを考えると、まだまだ伸びの欲しい成績と言えそうだ。日本での公開はもう間もなくだが、昨今のSF映画の中ではミニマルな世界感を描いたなかなかの秀作なので、ご興味おありのかたはぜひチェックのほどを。

ちなみにトップ10圏外では"Before Midnight"が5館にて限定公開。1館あたりのアベレージ興収が5万5千ドルに迫る人気ぶりを獲得している。本作はご存知ジュリー・デルピーとイーサン・ホーク、それに監督のリチャード・リンクレイターが奏でる人気シリーズの最新作。10年に1本の割合で奏でられてきたふたりの関係性は本作でどのように締めくくられるのか。そしてシリーズ3本の年月と同じく私たち観客側の人生もその分だけ年輪が刻まれているわけで、ある意味そういった並走感に満ちた作品と言えるのかも知れません。

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2013/05/20

【興行】北米週末TOP10 May17-19

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【May.17-19 weekend 推計

01 Star Trek Into Darkness  $70.5M
01 Iron Man 3  $35.2M
03 The Great Gatsby  $23.4M
 
04 Pain and Gain  $3.1M
05 The Croods  $2.75M
06 42  $2.73M
07 Oblivion
 $2.2M
08 Mud  $2.1M
09 Tyler Perry Presents Peeples  $2.1M
10 The Big Wedding  $1.1M

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2013/05/13

【興行】北米週末TOP10 May10-12

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【May.10-12 weekend 確定

01 Iron Man 3  $72.5M
01 The Great Gatsby  $50.0M
03 Pain and Gain  $5.0M
 
04 Tyler Perry Presents Peeples  $4.6M
05 42  $4.6M
06 Oblivion  $4.1M
07 The Croods
 $3.6M
08 Mud  $2.5M
09 The Big Wedding  $2.5M
10 Oz The Great and Powerful  $1.0M

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2013/05/09

帰省中

自分から見て祖父祖母と呼べる存在の中で唯一存命していた母方の祖父が亡くなり、ただいま長崎に帰省中です。多くの皆様にご迷惑をおかけしておりますが、木曜の夜には自宅に帰宅する予定ですので、今しばらくご容赦いただけましたら幸いです。

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2013/05/06

【興行】北米週末TOP10 May03-05

先週までの復習は各自こちらにて行ってください。

【May.03-05 weekend 推計

01 Iron Man 3 $175.30M
01 Pain and Gain $7.6M
03 42  $6.2M
 
04 Oblivion  $5.8M
05 The Croods  $4.2
06 The Big Wedding  $3.9M
07 Mud
 $2.1M
08 Oz The Great and Powerful  $1.8M
09 Scary Movie 5  $1.4M
10 The Place Beyond the Pines  $1.3M

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2013/05/01

【レビュー】孤独な天使たち

 『ラスト・エンペラー』や『暗殺の森』で知られる世界的巨匠、ベルナルド・ベルトルッチ監督が10年ぶりに新作を世に贈り出す。この間、ベルトルッチは病に倒れ、もう二度と映画は撮れないのではないかとも言われていた。だが彼は撮った。たとえ立ち上がることがままならず、車椅子でのディレクションだったとしても、そこにはベルトルッチの魂が、しかもこれまでにないくらい瑞々しい魂が刻まれているのだった。

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 冒頭から何やら示唆的だ。車椅子姿のカウンセラーのような男性が少年に語りかける。この少年、ニキビ面だ。彼の態度はどこか硬化しており、早くこの場を切り抜けたいとする心情がありありと見て取れる。一方、机を挟んだ車椅子の男性はどこか余裕のある表情だ。なぜ、男性は車椅子姿だったのか。あの表情にはどんな意味が込められていたのか。

 本作は原作モノである。だが僕はなぜだかこの二者のやり取りに、ベルトルッチが過去の自分と対峙しているかのような印象を持ったのだった。そして秘密の部屋で両者が入れ替わるかのようにして、この映画『孤独な天使たち』は少年の身体にこそ語りが託されていく。その瞬間を祝福するファンファーレのようにヘッドフォン越しに青臭いロックミュージックが鳴り響く。それは決して他者と共有される音楽ではない。あくまで彼自身の耳の内側でしか流れ得ない”所有された音楽”なのだった。

 少年はやがてスキー合宿に行くと見せかけて旅費を納入せず、親に内緒でマンションの地下室にて一週間を過ごし始める。すべてが計画的で、整備されている。一食分の食事。一週間で読むべき本。観察すべきアリの巣。でもこの全ての願いが叶うはずの少年の秘密基地で、実際には何一つ巧く行かないし、計画的に事は運ばない。その理由は簡単だ。そこにひとり、義理の姉が現れて彼の住処に無作法に転がり込んでくるから。

 この予定不調和な刺激投入が彼の心を、まるでパニックに陥る蟻の城のように掻き乱していく。けれど「やめてくれ!僕の城を荒らさないでくれ!」とわめき散らしながらも、彼の表情は病的どころかむしろ健康的だ。彼が取る反射運動は一連の流れを受けてむしろ他者の存在を認めて(あるいは諦めて)、それが仕方なくだったとしても、新たな関係性を構築していこうとする方向にシフトしていく。

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 また、この映画はひとつの精神の構築物と化している。いわば少年の心の流れを立体的に捉えようとする一つの試みだ。マンションの上層階に住みながら、ドロップアウトして最下層階にもう一つの自分をアウトプットしはじめる彼。管理され尽くしたアリの巣社会とのオーバーラップ。すべてが意味深で、示唆的だ。

 通常、上からの俯瞰という構図はよく見掛けるが、本作では下から上を見上げるという少年独自の目線構図が多用される。時には両親の暮らしをガラス張りの真下から捉えるという不思議な趣向も飛び出してくる。実はベルトルッチ、この映画を3Dカメラで撮るアイディアも持ち合わせていたという。結果的に叶わなかったが、それほどまでに本作では空間性が大事に紡がれ、少年の閉塞感さえも体感型として描かれているのだった。

 やがて破壊される蟻の巣。ガラスは飛び散り、祝福の産声を上げる。すべて巧く行かない。すべて願望通りにはいかない。嫉妬。そして許容。まさに人生は暗闇の部屋で繰り広げられていく冒険旅行だ。

 『孤独な天使たち』は巨匠ベルトルッチにしてはあまりにナイーヴな心情をさらけ出しており、またはある意味、ありきたりな筋の流れとも言えるかもしれない。けれど我々の中には、この脆すぎる、不可解な少年の7日間に及ぶ潜伏生活を、祝福したいとする気持ちもむくむくと立ち上がってくる。いつしかこの少年のことを応援し、ニキビ面を自分の過去のように見つめ、彼の観るもの、感じるものに寄り添い始めている自分がいることに気がつく。

 そしてラストを彩るカメラワークは出色だ。これまで車椅子でディレクションを取っていたベルトルッチが、まるで羽根を広げて空中を舞うかのような演出を見せつける。ささやかだけれど、昇華されていく想いをこれほどまでに精一杯ストレートに表現しようとする試みが清々しく、気持ちいい。

 そこで流れるデヴィッド・ボウイの名曲が、力強くも優しいリリックで少年の小さな旅立ちの瞬間を讃えている。『ラストエンペラー』や『暗殺の森』のような荘厳な風格こそ存在しないが、代わりに向こう見ずな瑞々しさが満ち満ちている。少年にとっては壮大な人生の1ページ目に過ぎない、このはじまりの物語。巨匠にとってもささやかな一本に過ぎないが、それでも彼にとって魂の分身とも言うべき一作であることには変わりはない。

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