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2015/05/28

マッドマックス/怒りのデス・ロード

どえらいシロモノを観た。これほど映像から圧を感じて、身体に汗がにじみ、あらゆる瞬間にドキドキしっぱなしだった経験は過去に遡ってもちょっと思い出せない。全編にみなぎるボルテージが破格で、それはもう完全にイカレていると言っていいほど。普通なら世界観やストーリーの説明にじっくり時間を使ってからひと波、ふた波と乗せてきそうなものなのだが、この新生マッドマックスときたら、最初っから素っ頓狂かつド濃厚な「状況」に蹴落とされ、砂漠の中でスピード飛ばしまくり。いつか中だるみするだろうと意地悪な態度で待ち構えていても、これがぜんっぜん落ちない。 ずっと観客に「振り落とされまい」と車体に片手でしがみつかせながら、その身体はもはや加速度で宙に浮いている感じ。

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2015/05/17

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

スティーヴン・ナイトと言えば『堕天使たちのパスポート』や『イースタン・プロミス』など、ロンドンの裏社会を移民の視点でえぐり出した見事な脚本で知られる。命の価値がちっぽけなものに思えてしまうほどの現実を描きながら、そこにある種の「不思議の国のアリス」的な導入というか、観客の視線を巧みに異世界へといざなう語り口も彼の持ち味。いまや、リチャード・カーティスは別格としても、ピーター・モーガンと並んでイギリス映画界を牽引する最高の書き手と言っていい。

そんな彼が、あまり世間的なお墨付きは得られなかった監督デビュー作『ハミングバード』(個人的には大好きなのだが)に続いて手掛けたのが、本作『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』だ。邦題が指し示すとおり、上映時間は86分。ただし、その短尺の中では極めて実験的な要素が炸裂している。本作を気に入ろうが嫌おうが、ほんのこれくらいの時間を新体験への投資に捧げるのも悪くない。

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2015/05/16

ターナー、光に愛を求めて

 マイク・リーの作風は決してダイナミックに筋書きが展開していくタイプのものではない。むしろ会話や表情からキャラクターの内面が味わい深くにじみ出てくるところに趣きがある。そして決して全てを観客に伝えるのではなく、ある程度の手がかりを与えて、あとは委ねる。そうやって広がりゆく、あたかもワインを呑み干した後のような余韻が、何とも言えない贅沢な実りを提供してくれるのだ。

 そんな巨匠が、イギリスの国民的画家J.M.W.ターナー(1775〜1851)を描く。英国人なら誰もがこれはちょっとした事件だと感じたはず。

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2015/05/15

ラン・オールナイト

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いよいよ明日から公開となるリーアム・ニーソン主演のアクション映画『ラン・オールナイト』。この作品のレビューを映画.comにて執筆しております。リーアム好き方はぜひご覧ください!

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2015/05/14

現存する最古のロンドン写真のひとつ(1839)

先日、マイク・リー監督作『ターナー、光に愛を求めて』を観ていると、ちょうど英国に写真文化が入り込んでくる黎明期の様子が映し出された(画家ターナーが写真館へ趣き、興味深そうに様々なことを質問する場面だった)。そこで私の興味がむくむくと起き出した。はたしてカメラで写された最初期のロンドンはどのような姿をしていたのだろう? いろいろ調べてみると、トラファルガー広場から国会議事堂方面(そこまでのエリアを日本の官庁街にあたるホワイトホールと呼ぶ)に向けてカメラが向けられた一枚が見つかった。

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1839年、M・ド・サン・クロワがダゲレオタイプにて撮影したものだという。恐らくこれ以前にもあったと考えられるが、とりあえず「現存する最古のロンドン写真のひとつ」としてメモしておく。

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グーグルのストリートビューで現在の同じアングルからの様子を確認すると、このようになっていた。

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