« 『ヴィンセントが教えてくれたこと』インタビュー | トップページ | ジョン・ウィック »

2015/09/09

キングスマン

映画.comにて、新感覚のスパイ・アクション映画『キングスマン』のレビューを執筆しております。

Homepagefeaturethumbnailimagefrontf

秘密道具からスーツの着こなしまで、すべてを大胆不敵に詰め込んだスパイ・アクションの決定版/映画.com

本作は独立系の諜報機関“キングスマン”に所属するスーパーエージェントたちが荒唐無稽なテロ計画に立ち向かう物語。楽しみ方は3つあります。ひとつはまず観た目の面白さ。過激かつスタイリッシュなアクションやガジェット満載の秘密道具など一瞬たりとも飽きさせない。これはもう観てもらえば分かるでしょう。

二つ目には文化史的な側面が挙げられます。本屋のイギリス関連の書棚には必ずといっていいほど「ジェントルマン」絡みの書籍が並んでますが、この映画の面白さといえばやはり、ジェントルマン=現代社会を生きる戦士としての位置づけにあります。

戦士たちがマナーやスーツといった鎧を身に付け、イギリスお馴染みの過酷な階級社会で死闘を繰り広げる様を見事にスパイ・アクションというジャンルに落とし込んでいる。さらにエリート・スパイに才能を見出された青年が「マイ・フェア・レディ」さながらに紳士教育されていく発想も素晴らしい。

三つ目にはスパイ映画としての伝統と革新があります。そもそも1909年に情報局が設立された英国では、国際情勢の裏側で暗躍した局員たちが後に作家デビューする例も少なくなく、ジョン・バカン、サマセット・モーム、グレアム・グリーン、イアン・フレミング、ジョン・ル・カレらによるスパイ小説は、当然の流れとしてスパイ映画の発展にも大きく寄与してきました。

とりわけ50年代に執筆され60年代に映画化を迎えた007シリーズの影響力は凄まじく、そこから派生していく一連のスパイ映画の潮流は、アクションテイスト満載の007型からその対極にあるリアルな諜報モノに至るまで、実に幅広い展開を見せながら現代へと受け継がれています。

『キングスマン』は『007』はもちろんのこと、『ナポレオン・ソロ』、『おしゃれ(秘)探偵』、『国際諜報局』をはじめとする様々なスパイ物にオマージュを捧げつつ、最近では出色のクオリティと評されたリアル・スパイ物『裏切りのサーカス』のコリン・ファースとマーク・ストロングが共演しているというだけで(ストーリー的には何ら『裏切り〜』とは関係ないものの)無性にドキドキしてしまう自分がいます。こうやって様々な要素を取り入れつつも、それを独自のオリジナリティへと高めているところも大きな魅力であり、マシュー・ヴォーン監督のエンタテインメント職人としての“仕立て”の確かさ、作り手とキャストの結束力、および化学変化の賜物と言えるでしょう。

というわけで、どこまでも面白さが詰まった『キングスマン』は9月11日より全国公開。鑑賞前、観賞後に、気が向いたらレビューもあわせてご覧頂けると幸いです。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。


TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« 『ヴィンセントが教えてくれたこと』インタビュー | トップページ | ジョン・ウィック »

【地域:英国発】」カテゴリの記事

【新感覚アクション】」カテゴリの記事