« エマニュエルの作戦会議 | トップページ | TOO YOUNG TO DIE »

2016/06/19

死霊館 エンフィールド事件

大ヒットしたジェームズ・ワン監督作『死霊館』の第二弾である。あの夫婦エクソシストが新たに向かう先は、ロンドン北部にあるEnfield。そもそも英国人は、曰く付きのロンドン塔はもちろんのこと、近所のパブに関する幽霊話なども嬉々として話したがるオカルト好きな側面を併せ持つことでも知られるが、本作は事件そのものがタブロイド紙でも全英を賑わせた実話であり、まさに人々にとって大好物なシロモノと言えるのかもしれない。

Theconjuring2

ジェームズ・ワン監督といえば、ご存知、『ワイルド・スピード SKY MISSION』を最高のアクション・エンタテインメントに仕立て上げた、安心保証印のような男だ。アクションでもホラーでも関係ない。この人は徐々にボルテージを上げていく魅せ方がうまいし、そのためにはベタな手法で布石を打ち、どこかでそれを覆すという手法さえ駆使して魅せる。おそらくは僕自身も、アクションやホラーに関係なく、ジェームズ・ワンの作品だからこそ『死霊館2』が観たかった。観たくてたまらなかった。そして最初は試写室でも後ろの壁に張り付くようにして(怖がりなもんで)観ながら、気がつくと前のめりになって映画に没頭していた。

確かに怖い。ものすごく怖い。でもそれを超える何かがある。そもそも主人公のウォーレン夫妻が織りなす愛情や信頼関係も素敵だし、被害者となる母子家庭の絆も強固で母親の勇気や強さが伝わってくる。英国モノのおなじみの顔となりつつある曲者俳優サイモン・マクバーニーのキンキンした声質も相変わらず素晴らしい。何より随所にホッとする笑いやぬくもりを盛り込んでくるところが、この映画を単なるホラーに止めることのない何よりの要因だ。

そしてゴシック・ホラーと呼ばれる作品は、やはりその住居が重要なモチーフとなる。例えば地下室へ降りていくシーンは、あたかも住居そのものにも人格があり、人の無意識を探るかのようにそれらの隠れた場所へ潜行していくことで何かを発見する儀式のようにも感じられる。作品を彩る音響効果や音楽もまた渾然一体と化して襲い来る。(音楽を手掛けたジョゼフ・ビシャラもまた曲者で、彼はジェームズ・ワンのホラー作品でしょっちゅう死霊や悪魔役で出演することでも知られる)。演出であるのみならず、もはや「記号」だ。

何よりも衝撃的なことを伝えておくと(知りたくなかった目を耳を塞ぐように)、、、本作の上映時間は何と134分。ホラー映画といえば普通90分台でしょうに、それをこれだけ描きこんでいること自体、明らかなる超常現象であり、なおかつジェームズ・ワンの自信の表れの言い換えることもできよう。とどのつまり、通常のホラーで90分で描いていることにプラスして、本作でしか描けないような特殊な要素を掛け合わせると余裕で2時間は超える。それに見合うだけのドラマ性とエンタテインメント性をたっぷりと享受させてくれるのが『死霊館2』。大満足の一作でした。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« エマニュエルの作戦会議 | トップページ | TOO YOUNG TO DIE »

【レビュー】」カテゴリの記事

【劇薬!】」カテゴリの記事

【地域:英国発】」カテゴリの記事

【家族でがんばる!】」カテゴリの記事

【生きるためのファンタジー】」カテゴリの記事