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2018/04/25

モリのいる場所

映画.comに『モリのいる場所』のレビューを執筆しました。本作は『キツツキと雨』や『横道世之介』などの名作で知られる沖田修一監督による最新作。画家であり書家でもあった熊谷守一(モリ)とその妻の「たった一日」を描いた物語です。気になっている方は是非お読みいただければ幸いです。

本作を観た後、どこか近場でモリの絵画を直接鑑賞できるところはないものかと調べてみたところ、ありました!『モリのいる場所』の舞台でもあるご自宅が、今では美術館になっているとのこと。しかも池袋のひとつお隣の、要町駅から歩いて8分のところにあるそうなので、これはもう行ってみるほかないでしょう。というわけで、映画の余韻を携えたまま、「豊島区立  熊谷守一美術館」へ足を運んでみました。

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2018/04/17

レディ・プレイヤー1

スピルバーグのフィルモグラフィを紐解く時、最も重要なのは「『シンドラーのリスト』と『ジュラシック・パーク』をを同一年(1993)に送り出したこと」だと私は思っている。『シンドラー』の撮影があまりに精神的に堪えるものだから、しょっちゅうロビン・ウィリアムズに電話して笑わせてもらっていたというのは有名な話だが、この二作を同時期に撮ったのに、何らかの「振り子作用」があったのは確実である。

ふとそんなことを思い出したのは、『ペンタゴン・ペーパーズ』と『レディ・プレイヤー1』もほぼ同時期に生まれたからだ。片や今の時代に必要な圧倒的なまでのリアリズム映画であり、片や実写撮影のみならずCGを駆使してイマジネーションを炸裂させた映画。実のところ『レディ・プレイヤー1』は2016年に実写部分の撮影が行われ、その後、膨大なCG作業の仕上がりを待つ間、スピルバーグは2017年に驚くようなスピードで『ペンタゴン・ペーパーズ』を撮り上げたのだとか。今のタイミング、この組み合わせでなければ生まれ得なかった正反対の双子、というのは言い過ぎだろうか。

さて、そんな本作を恐る恐る紐解くと・・・冒頭から未来世界なのになぜか80年代の空気が吹き込んでくる。懐かしき「Jump」が流れ、さらにTears For Tearsの「Everybody Wants To Rule The World」のイントロが流れ出した時には、前に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオープニングで10ccの「I’m not in Love」が飛び出した時みたいに驚いて胸の内側がジワッと湿り気を増していくのを感じた。

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2018/04/14

『さよなら、僕のマンハッタン』劇場パンフ

4月14日より公開を迎える『さよなら、僕のマンハッタン』。

この映画の劇場用パンフレットに、マーク・ウェブ監督に関するコラムと、過去作のレビューを寄稿させていただきました。ご鑑賞の記念にぜひお手に取ってご覧下さいませ。

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女は二度決断する

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ドイツの名匠ファティ・アキンの作品を初めて観たのはイギリスのとある映画館だった。何とは無しに『Head-on』(邦題は『愛より強く』)チケットを買い求めたところ、これが脳天から頭をカチ割られたみたいな衝撃作。終映後、居合わせた2、3人の観客同士で、すごかったね、衝撃的だったね、などと言いながら興奮が収まるのを待ったものだった。ミニマルでパンキッシュなストーリーは今なお私の脳天を記憶の内部から刺激してやまない。あんな劇場体験は今後もう二度と得られないだろう。

あれから13年が経ち、アキンの作風は、随分と骨太さ、重厚さを増したように思う。そして今回の『女は二度決断する』ほど「死」や「憎悪」といった深刻なテーマに真正面からぶつかっていったのは初めてじゃなかったか。悲劇は仲睦まじい家族に突如として襲いかかってきた。爆弾テロによって夫と息子を喪ったヒロインは、絶望のどん底でのたうちまわる日々を過ごしながら、やがて法廷で容疑者と対面することとなる。

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心と体と

*以下、『心と体と』のレビューです。読む人によってはネタバレと受け止める箇所があるかもしれません。各自の判断でお読みください。

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不思議な、とても不思議な映画を見た。ハンガリーから届いた作品だそうだ。かつて『私の20世紀』というとてつもなく惹かれるタイトルの、しかもパッケージがとてつもなく魅力的な映画DVDがリリースされていて、喉から手が出るほどほしかったが価格が高くて断念したことがあった。その監督による18年ぶりの新作とのこと。物語は幻想的なオープニングから幕を開ける。自然の中、雄鹿と雌鹿が、つぶらな瞳で互いを見合っている。ただそれだけなのだが、そこから鹿たちが陽光を見つめ、同じ陽光を人間たちが見つめるカットに切り替わる。観客としては幻想からいきなり現実へと連れ戻された形だが、このカットが見事。この導入部だけを見てもイルディゴー・エニェディが伝説の監督と呼ばれることに諸手を挙げて賛成を表明したい。

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2018/04/06

『ウィンストン・チャーチル』関連の執筆記事

日本でも絶賛上映中、『ウィンストン・チャーチル』関連の記事をCINEMOREに執筆させていただきましたので、ご興味おありの方はご覧ください。

一本目は「ゲイリー・オールドマンが切り開いた演技×特殊メイクのハイブリッドな役づくり」。そして二本目は「ジョー・ライトが描いた二つの”ダンケルク”」です。

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映画の面白さは、一作だけにとどまらず、そこから芋づる式に様々な作品へと繋がっていくところ。本作はまさに、ゲイリー・オールドマンの演技やジョー・ライトの作家性、さらには第二次大戦やダンケルクの戦いといった要素を介して様々な作品へと接続する「ジョイント」とも言える作品だと思います。小難しい歴史劇だと思わず、ぜひ思い切りこの世界へ飛び込んで、チャーチルという人間に真正面からぶつかってみてください。

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2018/04/04

さよなら、僕のマンハッタン

映画.comにて『さよなら、僕のマンハッタン』(4月14日より公開)のレビューを執筆しました。

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本作のマーク・ウェブ監督といえば、『(500)日のサマー』や『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどでも知られる人。この映画は、彼が『サマー』で映画監督デビューする前に一目見て虜になったという脚本を、10年以上熟成させた上でついに映画化した作品なのだそうです。なんだかポール・オースターを始めとするNYを舞台にした文学を彷彿とさせる、ささやかだけれど人生の魔法に彩られた物語です。是非ご覧ください。

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