ボーダーライン ソルジャーズ・デイ
もともと記憶力はあまり良い方ではないが、40代を超えるといよいよ人名が覚えられなくなってきた。日々、多くの作品名や俳優・監督名に触れねばならない身としては致命的だ。だが、2018年に「これはぜったいに忘れるまい」と心にきめた人名が二つあった。ひとつは『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』のメガホンを取ったステファノ・ソッリマ監督だ。
大ヒット映画の続編でよく見られるのが、前作監督の続投がままならず、まったく別の監督(それも明らかに格下の選考)が続編を担うことで、ビジョンや精神性が損なわれてしまうパターン。こうやって観客が求めていた目的地とやや異なる場所へといざなわれてしまう経験を、我々はどれだけしてきただろう。
今回の『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』もてっきりそちらのパターンかと思って、はなからガッカリに対応するだけの精神的な余裕を持って試写に臨もうとする自分がいた。しかしどうだ。そのクオリティは予想をはるかに超えるもので、個人的には前作よりも激しい感動と衝撃とでガツンとやられた。手がけたソッリマ監督の力量は本当にすごい。鬼気迫るものを感じずにいられなかった。そんな本作について2本の記事を執筆しています。
・『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』エミリー・ブラントを続投させなかった理由とは?
・ヴィルヌーブに匹敵する逸材現る。イタリア人監督が魅せた圧巻の映像世界
イタリアで作られたソッリマ監督の過去作2作を鑑賞したが、これらもやっぱり濃密で、甘さが一切ない。これからこの監督がイタリアで、そしてハリウッドで、どのような新風を吹かせてくれるのか本当に楽しみだ。前作のヴィルヌーブ監督のように世界の映画界を牽引するようなビッグな存在になってほしい。
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