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2019/03/30

北北西に進路を取れ

恐れ多くも、映画の神様とも言われるアルフレッド・ヒッチコックの代表作『北北西に進路を取れ』について書きました。

50年第究極の娯楽作『北北西に進路を取れ』に見るヒッチコックの監督術/CINEMORE

Northwest

よく「映画ライターなら、ヒッチコック作品とか全部見てるんでしょ?」と聞かれるのですが、そんなことはありません。全然初心者です。

しかしいつまでもそうやって逃げ回ってばかりはいられない。そろそろ腰を入れてきちんとヒッチコック作品に向き合っていかねばと思っています。

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2019/03/29

ボーダーライン2

トランプ大統領が「国境の壁」について主張する最中、そのまさに”ボーダーライン”をめぐる恐るべき映画が誕生しました。
前作のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はカナダ人で、今回のステファノ・ソッリマ監督はイタリア人。強烈な作家性を持つ外国人監督を起用してこの壮絶な物語を伝えようとするところに本シリーズの特殊性を感じます。
この『ボーダーライン2』のDVD、ブルーレイ発売を前に、リアルサウンドにてレビュー原稿を書かせて頂きました。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』が描く”剥き出しの世界”。前作以上に荒ぶる男たちの凄み/リアルサウンド

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ちなみに全編にわたって極度の緊張状態が続くのですが、中盤のワンシーンで、ふと一人の中年男が近寄ってきて「手話」で言葉を交わすくだりがあります。彼の名はアンヘル(Angel)。ここの場面のもたらす不思議な感触が、本作を単なる凶暴な一撃から一段高いところへと昇華させていく。その名の通り彼は天使だったのかもしれません。

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2019/03/24

『私の20世紀』(1989)

1989年に制作され、カンヌでは新人監督(カメラドール)賞を受賞した名作が、誕生から30周年を記念して4Kレストア版となって再びスクリーンにお目見えする。『心と体と』(2017)でイルディコ・エニエディ監督の描く世界に魅了された人にとっては、たまらない機会となるはずだ。

20th-century

本作で炸裂するイマジネーション豊かな語り口が素晴らしい。世界がエジソンの発明に湧く時代。電球の明かりがモノクロームの映像を神々しく照らし、夜空の星たちもキラキラとおしゃべりに夢中だ。そんな時代の変わり目のハンガリーで、ある日、双子の姉妹が生まれる。幼くして生き別れることになる二人の名はドラとリリ。やがて時代が19世紀から20世紀へと移ろう中、片や詐欺師、片やテロリストとなった二人は、もう一度、お互いの人生を軽やかに交錯させていく。

夢を見ているかのような、それでいて寓話の世界に紛れ込んだかのような印象。次から次に繰り出されるファンタジックな映像に魅了され、かといって子供向きというわけでもない。むしろ寓話的だからこそ、性的な生々しさが僅かに発露する瞬間があるというべきか。動物がおいしいシーンを持っていくのは『心と体と』にも共通するところ。モノクロ世界の美しさと可愛らしさに魅了され、鑑賞後も夢の延長線上にいるかのような心地がほんのりと続く。さよなら19世紀、ようこそ20世紀。


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2019/03/23

ビリーブ 未来への大逆転

ビリーブ 未来への大逆転(On the Basis of Sex)

今更、RBGについての説明はもはや必要ないだろう。女性の地位向上を目指して人生を捧げてきたこの重要人物、ルース・ベイダー・ギンズバーグが初めての男女平等裁判に挑む、いわば法律家としての「エピソード1」を描くかのような一作。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『博士と彼女のセオリー』で知られるフェリシティ・ジョーンズが主人公を演じる。ギンズバーグがこの道を目指し始めた頃は、学内にも多くの差別意識が残る時代だった。しかも当時、彼女はすでに結婚しており、子育てや夫の闘病を支えながら人一倍の努力を重ねてこの道を歩んできた。そこで感じてきた思いや、封じてきた思いが挟み込まれる一方、ストーリーのスパンは10年、20年にも及ぶ。その中で愛娘とのやりとりから肌身に感じる「時代の移り変わり」や「価値観の変化」といったものが、ギンズバーグの論旨に軽やかに活かされていく過程が、非常に軽やかで、ドラマとして快さが残る。

監督は『ピースメーカー』や『ディープ・インパクト』のミミ・レダー。90年代に女性監督として新たな境地を切り開いた彼女が、久々に監督を務めていることが嬉しく思える。法律用語の小難しさを軽やかな演出でわかりやすく提示していく手法は、かつて彼女がTVシリーズ「ER」で見せたのと同じ手法かもしれない。RBGについてわかりやすく描きすぎだ、省略しすぎだという批判もあるかもしれないが、しかしこれは法律映画ではなく、あくまでヒューマンドラマ。ギンズバーグを知る「入り口」としては十分な出来だ。もっと深く知りたい人は、5月に公開されるドキュメンタリー映画(アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にもノミネート)「RBG」などもチェックしてみると良いだろう。

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2019/03/22

ブラック・クランズマン

スパイク・リー監督による並外れた豪放。エンターテインメントの範疇で観客を笑わせ、60年代の実話ベースの逸話にドキドキさせながらも、核たる部分には現代アメリカに対する強い告発の精神がみなぎる。よくぞこれほど時代を皮肉った題材を見つけたものだ。

主人公が身分を偽って、謎の組織の奥深くへどんどん侵入していくという、ある意味、伝統的なコンラッドの「闇の奥」的なストーリーライン。だがここではさらにツイストがかかる。何しろターゲットとなるのは悪名高き白人至上主義団体クー・クラックス・クラン。それにメスを入れる主人公はアフリカン・アメリカンの刑事。彼が電話でアポを取り、さらにそこへフィジカルに潜入するこれまたジューイッシュ系の刑事とくるのだから、事態はなんだか妙にややこしい。だが、事態はねじれても、話が混乱することはない。むしろテーマはいたってシンプルだし、人種差別をめぐる本作の立場をより鮮明に、快活に浮き彫りにしていく。グリフィスの「國民の創生」も重要な場面でかなり大々的に組み入れられる。映画の教科書たるこの一作について事前に踏まえて劇場へ臨むのも一つの手だろう。

エンタメ性あふれるストーリーを尊重しつつも、本作及びスパイク・リーが最も大切にしている部分が恐らく二つある。その一つは映画の最後、スクリーンが暗転する間際であることは明白だが、もう一点、序盤の演説シーンで映し出される聴衆の顔、顔、顔が極めて鮮烈だ。浮かんでは消えていく。消えてはまた次々と浮かび上がる。こういったシーンに盛り込まれるスパイク・リーの骨太な精神に改めて圧倒されるひとときだった。

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2019/03/20

『つぐない』(2007)

ジョー・ライト監督による2007年作品『つぐない』について原稿執筆しました。

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『つぐない』の伝説的ワンカット撮影が映し出す5分6秒の内面世界/CINEMORE

10年以上が経過した今なお、見るたびに息が止まりそうになるほどの衝撃に包まれます。「物語」というものの奥深さに改めて驚かされる作品です。

 

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2019/03/13

山猫

『山猫』について執筆しました。

ヴィスコンティの傑作『山猫』を貫く、並外れた”本物”の精神/CINEMORE

正直言って、これまでヴィスコンティの『山猫』は私にとって大きな大きな山でした。10年前にも、20年前にも観たことはあったものの、今ひとつ理解が深められず、そのままに放置してきた宿題のような作品です。それが40歳を超えた今見直してみると、なんと胸に沁みたことか。映画は過去の一点を記録したものではありません。生き物です。それはなおも生き続け、作品も進化し続けるし、私たちの胸の中へと場所を移してからも、日々、変化を続けます。

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3時間に及ぶ長い旅を終え、バート・ランカスター演じる主人公と共に、万感の思いを込めて「星よ・・・」と口ずさんでしまう自分がいました。

ちなみに私は今回、2016年に発売された『4K修復版』のブルーレイを購入して作品鑑賞しましたが、本作は3月17日から東京都写真美術館を皮切りに全国で順次公開されるそうです。濃密な美しさを取り戻した歴史的名作をスクリーンにて鑑賞できるチャンス。ぜひお見逃しなく。

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ウトヤ島、7月22日

CINEMOREにて『ウトヤ島、7月22日』について執筆しました。

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72分、衝撃のワンカット撮影がもたらしたもの 『ウトヤ島、7月22日』/CINEMORE


最近は旧作や名作の執筆が多かったのですが、本作に関しては、試写した際に大変衝撃を受けたこともあり、ぜひ書かせてほしいとお願いしてしまいました。この映画の何が凄いのか。なぜこの方法論を採ったのか。そこにはどんな思いが込められているのか。あまり詳しいことをここで書くのは控えておきましょう。ぜひお読みいただければ幸いです。

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コンタクト

ロバート・ゼメキス監督作『コンタクト』について書かせていただきました。

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未知なる感情をどう表現するか?特殊効果との融合によって進化を遂げたジョディ・フォスターの名演/CINEMORE

『フォレスト・ガンプ』と同様、VFXをこれまでとは全く異なる形で使用している本作。いったん、ストーリーを頭に入れた上で、改めてその撮影方法や編集のつなぎ方、VFXの使い方などを検証していくと、こんなにも緻密で難易度の高いことをやり遂げていたのかと心底驚かされます。何気ないシーンでも、ほぼあらゆるシーンに、何らかのVFXが加わっているんですよね。かといって、ゼメキスは決してVFX至上主義者というわけではなく、ここは生身のじっくりした演技が必要だというところでは腰を据えてじっくりと撮るし、人と人とが相見えるごちゃごちゃしたシーンではその「ごちゃごちゃ」がしっかりと表現できるようにあえてアナログなアプローチをしたりも。

何度か本編を観直してみたのですが、二時間半ほどの長尺にもかかわらず、何度でも観れてしまう。映像の力強さ。こだわり。俳優陣のうまさ、キャラクター描写の見事さ、そして哲学と宗教と宇宙とを全て超越したようなストーリーに魅せられます。20年以上経つのに全く古びていないのも素晴らしい。ご鑑賞のお供に、ぜひご覧いただければと思います。

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2019/03/12

「つぐない」の名シーンを再現

昨年、ヨークシャーの海辺の町レッドカーにて、かつてこの地で撮られた『つぐない』(07)の名シーンを再現しようという企画が実施されたようです。どこかユーモラスで、愛情のこもった手作り感がとても素敵です。

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2019/03/06

スパイダーマン:スパイダーバース

『スパイダーマン:スパイダーバース』のレビューを執筆しております。気になった方は是非ご覧ください。

祝オスカー受賞!ヒーロー映画の常識を覆す、興奮、陶酔、驚愕の大傑作/映画.com

今年のアカデミー賞。「作品部門」のオスカーを獲ったのは『グリーン・ブック』でしたが、一方、日本からは細田守監督の『未来のミライ』がノミネート入りして注目された「長編アニメーション部門」を制したのは、『スパイダーマン:スパイダーバース』でした。ディズニー/ピクサー以外の作品がこの部門の頂点に立つのは実に久々なのだそうです。試しに遡ってみると・・・

2018年 スパイダーマン:スパイダーバース
2017年 リメンバー・ミー
2016年 ズートピア
2015年 インサイド・ヘッド
2014年 ベイマックス
2013年 アナと雪の女王
2012年 メリダとおそろしの森
2011年 ランゴ(←ディズニー/ピクサー以外) 

こうして並んでいる作品群を見ると、子供から大人まで様々な世代が楽しめる作品ばかりだと思います。でも『スパイダーバース』は、むしろ大人たちの方が歓喜してスクリーンに釘付けになってしまうような、とにかく描き方と世界観がとてつもなくユニークな作品でした。

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2019/03/03

ミッション:8ミニッツ

ダンカン・ジョーンズ監督による長編第2作目『ミッション:8ミニッツ』(原題:Source Code)について執筆しました。

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衝撃のループワールドから浮かび上がるダンカン・ジョーンズの作家性/CINEMORE

ジョーンズ監督といえば、『ウォークラフト』でやや失速してしまった感も強いのですが、やはり彼の持ち味はテクノロジーと人間が相まみえることで予想もつかないドラマが生まれていくところ。改めて彼のフィルモグラフィーをひもといてみて、『月に囚われた男』と本作『ミッション:8ミニッツ』も素晴らしさに感銘を受けました。付け加えると、彼が初期に手がけたショートムービー”Whistle”もなかなかの秀作。やはり彼は、『ウォークラフト』よりもこういった路線の映画の方が唯一無二の輝きを放てるのではないかと思います。

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サイン

M・ナイト・シャマラン監督作『サイン』について執筆しました。

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はじめ、この映画について書きたいのですが・・・と提案した時、編集者の方から「なぜにこの作品を?」と尋ねられたのですが、一つはこの記事のアップ時期にちょうどシャマランの最新作『ミスター・ガラス』が封切られること、そして何よりも私がシャマラン作品の中でこの『サイン』が一番胸の中がザワつく映画であることがその理由です。

撮影時期から見えてくる『サイン』のもう一つの側面とは?/CINEMORE

実は私自身、なぜこの映画のことが気になるのか、ずっと記憶の中で曖昧にしてきた部分がありました。今回いろいろ調べてみて、ちょっとだけその理由がわかったような気がします。

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