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2019/04/27

アベンジャーズ・エンドゲーム

『アベンジャーズ・エンドゲーム』の簡単な感想。ネタバレはありませんが、これからご鑑賞予定の方はできるだけ事前情報を入れないで臨まれるのが得策かと思いますので、念のため読まれないことをお勧めします。

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ひとつの時代が「区切り」を迎える。その瞬間、映画館の座席に深く深く沈み込んでいくかのような、ある種の万感の想いがこの身を覆い尽くした。エンドクレジットが始まると誰もが、’08年に「フェイズ1」が始動してから「フェイズ3」の今日に至るまでの歴史のうねりを静かに噛み締めているかのようだった。

「指輪物語」や「ハリー・ポッター」のような冒険文学の映画化ともちょっと違う。他でもないアメコミを原作とする壮大な物語が、これほどの人材と資金とイマジネーションを伴い、ギリシア神話に並ぶほどの一大叙事詩となって映画史に刻まれたわけである。もちろんこれからもマーベルのヒーロー映画は続くが、ここでいう「区切り」とは一体何を意味するのか。それをしっかりと見届けることこそ我々に託された重要な使命だ。

ストーリーについて詳述するのは差し控える。要は、サノスの攻撃によって愛するものを失ったヒーローたちが、絶望と無力感から這い上がろうとするわけだ。この3時間にわたる長尺の中、相変わらずのアクションといい、物語を推し進めていくアイディアといい、すべての要素が際立っている。そして、今回最もグッとくるのは主演俳優たちの紡ぐドラマだ。各々の俳優たちが長い年月をかけ熟成させてきたキャラクターの、これまで見せたこともなかったような表情が随所に挟み込まれる。その繊細な感情表現の奥に、これまでの10年間が透けて見えてくる。これが本当にたまらない。個のドラマが鳴り、それが合わさって団の音色となり、最終的には圧巻のハーモニーへ。まるで熱狂的なオーケストラの演奏を享受しているかのような感慨と興奮の渦がそこにはあった。

その中心で指揮を振る二人の男、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の功績はあまりに大きい。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』以降、実に4作品にわたって監督を務めてきた彼ら。その持ち前のハードでドラマティックなタッチが、このシリーズを単なるヒーロー映画の枠組みから、圧巻の抒情詩へと昇華させた。彼らの気骨が観客を本気にさせたのだ。映画という地平線上でこれほどの連続作が再び生まれることはもう二度とないかもしれない。その意味でもこれは記念碑的な到達点。平成から令和へと移り変わる刹那、我々はこの映画と共にあったのだ。

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