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2019/08/24

名優アレック・ギネスの役づくり

名優話をひとつ。『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノビ役で知られるアレック・ギネス(1914~2000)の偉大さを示すエピソードは数多くある。1962年の『アラビアのロレンス』では最初、ロレンス役を演じたいと望んだものの、製作者は「君はもう若くないんだから」とやんわり拒否。代わりに彼の年齢に相応しい、アラビアの砂漠で存在感を持つファイサル王子役を演じることになる。さて、英国人がアラビア人役。一体どうやって役作りすればいいのだろう。だがさすが名優のギネスは抜かりなかった。

Alecguiness

この時、ギネスは初共演となるオマー・シャリフをティータイムに招待し、2時間ほど他愛もない世間話を交わしたという。そして後日、いよいよ彼の出演場面の撮影が始まって、まずはピーター・オトゥールがいち早くギネスの役作りの秘密に気づいた。彼はすかさずシャリフに駆け寄ってこう囁いたという。「アレックは君の喋り方を完璧に真似してるぞ!」。

そう、ギネスはいちばん身近なところに最高のお手本がいるのを見逃さなかった。ティータイムの間、何げなくシャリフのアラビア訛りのある英語の発音を見て学び、それを完璧に体得してみせたのだ。計算高いといえば確かにそうだし、彼の代表作TV版「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」のスマイリーのように”したたか”とも言える。その甲斐もあり『ロレンス』のギネスは、一見しただけでは彼とは気づかないほどの、これまでとはまるで別格の存在感を発揮。彼の名優伝説を語る上で欠かせないの役のひとつとなった。

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