« スピルバーグ、もう一つの第一歩 | トップページ | ロケットマン »

2019/08/26

恐怖を克服するのに有効な方法

私は有名監督の「まだ何者でもなかった頃の話」が大好きなのだが、こと「アクターズ・スタジオ・インタビュー」で聞かれたスピルバーグの少年時代にまつわる話に惹きつけられた。一人の学生が「あなたが誰もが知る“スティーヴン・スピルバーグ”になる前、ご自身の中に表現者としての潜在的な可能性を感じてましたか?」と尋ねて、スピルバーグはすかさずこう返す。

「そんなものあるわけない。ゼロだよ、ゼロ!」。

まだ何者でもなかった頃、彼は「怖いと感じるもの」をたくさん抱えた子供だったという。と同時に、その恐怖をどうにかして克服したかった。ではどうすれば? 導き出した答えは「心の内側の恐怖を取り出して具現化すること」。そうやって真正面から正体を見極めることで恐怖は克服できる。だが彼の場合、それがちょっと行き過ぎてしまったようだ。次第に「僕の中のモンスター(スピルバーグ談)」な部分が顔を出し、怖いと感じたものを他人に突きつけて怖がらせようと色々やりだすーーーーつまり、その延長線上に『激突!』や『JAWS』のような傑作群があることは明らかだ。「僕にとってそれは一種のセラピーのようなもの」。自分の体験を記憶の中に閉じ込めることなく、皆で共有する。ここにもスピルバーグ作品を紐解く上での重要なポイントが隠されている。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« スピルバーグ、もう一つの第一歩 | トップページ | ロケットマン »

【生きるためのファンタジー】」カテゴリの記事

【映画×偉人】」カテゴリの記事

スティーヴン・スピルバーグ」カテゴリの記事

500文字コラム」カテゴリの記事