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2019/09/24

「エイス・グレード」(2018)

ネット文化が当たり前のようになって、生活が変わった。人が変わった。思考法や感情のあり方、そして自己表現の方法も大きく変わった。それを映画がナチュラルに物語の体内へ取り組むことができるようになるまで随分と時間がかかった気がするが、『search』や『エイス・グレード』のような作品はその現時点での到達点と言えるのだろう。

本作は無口な学校生活を送りながら、自宅で密かに動画をアップし続ける(でも視聴者数は一桁)YouTuberがヒロインだ。中学校から高校へと進学する成長の狭間に立ち、彼女はなんとか今の自分を変えたいと願っている。その必死さゆえに、彼女は何よりも自分の心を保つために配信し続けているようにも見える。悲しいのは、その洞穴の中へ向けて叫び続ける声を、誰一人として聞いていないどころか、聞こえてさえいないことだ。

無口な日常、気まずい父娘関係、視聴者数一桁。もしもこれだけを世界の全てとして受け止めたら、それはあまりに絶望的な現実だ。だが実際はそうではない。気づくか、気付かないかで、人生は大きく変わる。このようにあらゆる世代が文学や映画や音楽を通じて何度も何度も輪郭線をなぞって謡いあげてきたテーマを、本作はネット文化を使って普遍的かつ爽やかに描ききろうとする。父親役のジョシュ・ハミルトン、最高である。

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