« 「アス/Us」 | トップページ | 幼少期の映画体験 »

2019/09/19

洞窟の比喩

プラトンの著作「国家」に「洞窟の比喩」という箇所がある。

洞窟の中に手足を縛られた囚人がおり、視界すら制限された彼らは正面にある壁面しか目にすることができない。背後では火が焚かれ、壁面に様々な影を映し出す。囚われの人々はその幻影=虚像を見て「ああ、これが人なのか」とか「あの動物はこんな形をしているのか」などと、すっかり世界を理解したつもりになっている。もしもこんな状況下で、一人の人間を束縛から解き放ち、洞窟外の真実を体験させたなら、どうなるだろうか・・・。

ここで最終的に述べられるのは、教育の重要性や、教育を受けた者の使命なのだが、それにしてもこの「比喩」があまりに独創的ゆえ、僕のような人間は議論そっちのけで、ついつい状況の方に目がいってしまう。そして勘のいい方は既にお察しだろう。世の中にはこれに影響を受けた創作物が星の数ほど存在する。例えば、ジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』がそうだし、『マトリックス』もここに源流の一部がありそうだ。

ふと、公開中のとある映画にもこのエッセンスがかすかに香るのを見た。相変わらず映画館という洞窟に飲み込まれていく我々を、古代ギリシアの人々はなんと見るだろうか。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« 「アス/Us」 | トップページ | 幼少期の映画体験 »

【生きるためのファンタジー】」カテゴリの記事

【映画×偉人】」カテゴリの記事

【文芸】」カテゴリの記事

500文字コラム」カテゴリの記事