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2019/09/07

「歩け走るな!」(1966)

東京オリンピック開催まで一年を切り、期間中の宿泊場所の確保などが喫緊の課題と言われているが、今から50年も前にいち早くその問題を取り上げていた映画があった。

‘66年の米映画『歩け走るな!』は、前回のオリンピック期の東京を舞台にした物語だ。冒頭、クインシー・ジョーンズの音楽に乗せて60年代の街並みが軽快にスクリーンを駆け抜けると、そこにはホテルの空室がなく悩みに暮れるケーリー・グラントの姿。彼が掲示板で「同居人募集」の張り紙を見つけたことで、東京の空の下、外国人男女3人の奇妙なルームシェアが始まっていく。

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「ヘンな日本」の描写もあるにはあるが、イヤな気はしない。それどころか、ソ連選手がKGBに行動を監視されたり、各国選手が夜な夜なパーティーを繰り広げたり、また英米の気質の違いが火種になるなど、オリンピック開催地ならではの“るつぼ感”がとても楽しく表現されている。

で、本作はグラントの最後の出演作でもある。すでに還暦を超えていた彼は「もうロマコメの主演を張る歳でもあるまい」ときっぱり引退を決意。その心根を象徴するように、本作には「あとは若い二人に任せて、私は御暇しますかね」というシーンがある。その小粋さがなんとも素敵だ。

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