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2019/10/23

子役と動物にはかなわない

どんな名優も子役と動物には敵わないと言われる。『クレイマー、クレイマー』はまさにそのことを端的に証明する映画だ。父母の離婚問題に揺れる男の子は、いかにしてあのナチュラルな演技を手にできたのか。詳しくはCINEMOREに書いた本作に関する原稿をお読み頂きたいのだが、このメソッドを紐解くうちに強烈に思い出したことがある。それはスピルバーグが『E.T.』の子役たちに用いた手法だ。

Kramer

基本、すべてのシーンをストーリー通りに順撮りして子供たちの感情を醸成させていった『ET』だが、ことラストシーンに至っては、子役たちの悲しみの演技を導き出すために、スピルバーグは子供らにこう語りかけたという。「いいかい、今からETにさよならを言うよ。これでもう最後だ。もう二度と会えないんだからね・・・」。この一言の効果はてきめんだったとか。

子供の頃は「永遠」とか「二度と」という概念を意識することはほとんどない。が、『クレイマー、クレイマー』や『ET』の見せ場となる場面では、こうしてあえて子供達に自らの力で扉を押し開かせることで、未踏の感情を導き出すことができた。つくづく演技とは奥深いものである。

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