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2020/04/10

チャップリンの黄金狂時代

ありがたいもので、NHKーBSでは4月にチャップリン特集をやってくれています。先日放送されたのは『黄金狂時代』。チャップリンが一攫千金を夢見て、ゴールドラッシュに沸くアラスカを訪れ、あの帽子にダランとしたズボン姿姿で雪山を行くその後を、クマがのっしのっしと追います。そして嵐の中でたどり着く山小屋。空腹のあまり、靴を煮て食べ、相方が鶏に見え・・・そんな抱腹絶倒の場面のオンパレードにあの伝説のロールパンのダンスまで挟み込まれ、至福のひと時でした。ただ大笑いできるだけでなく、ちょっぴり切なさもあるんですよね。そのさじ加減がたまらない。もともとは1925年製作のサイレント(無声映画)で、日本では弁士さんが説明しながら上映していたわけなんですが、この日に放送されたのは1940年代に再製作されたという、チャップリン本人の解説(ナレーション)付きのバージョンでした。とても艶のある素敵な声でした。

Goldrush03

ちなみに私の手元に淀川長治さんの描かれた「私のチャップリン」(ちくま文庫)という本があるのですが、その中に『黄金狂時代』についての次のような記述があります。

「私がこの映画を見たのは十七歳のときであった。そしてそのあと何度も再上映でこれを見た。一度見るよりも二度、二度よりも三度、これは見るほどに面白く、このたび、初めて見た年から数えてなんと四十八年目に見たわけだがやっぱり泣いてしまったのであった」

ただ単に「何度も見ましたよ」と言っているだけなのに、淀長さんの独特の言い回しというか、語り口が実に生き生きしていて、今にも目の前にあのにこやかな表情が浮かんできそうです。こんな風に語られたら、その映画のこと、好きにならざるをえないですよね。


このチャップリン特集、次回は4月15日、13時〜『街の灯』です。

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