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2020/04/02

C.グラントとJ.スチュアート

新作映画の劇場公開延期が続いています。本日は『フェアウェル』『おばけ』といった映画たちの公開延期が発表されました。これらの作品のことが私は本当に大好きです。だからこそ、観客の方々が心から安心して鑑賞できるベストなタイミングに届けられることを切に願ってやみません。どうか早くこの状況が収束を迎え、劇場という空間で多くの人が一緒になって笑って泣いて、ハラハラドキドキできる日々が戻ってきますように。

さて今日は、ケイリー・グラントとジェームズ・スチュアートのことを考えていました。

二人とも映画史にその名を燦然と輝かせる大スター。でも、クラシック映画について知識の乏しい私は、これまで二人のことをきちんと知ろうとする努力もせずに放置してきたことを告白しておきます。代表作は数知れず。その中でもあえてヒッチコック映画のみに特化してみると、出演作は以下のようになります。

ケイリー・グラント・・・『断崖』、『汚名』、『泥棒成金』、『北北西に進路を取れ』
ジェームズ・スチュアート・・・『ロープ』、『裏窓』、『知りすぎていた男』、『めまい』

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C.G.

 

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J.S.

何も知らない私のような人間が二人の魅力を理解する上で、最も助けとなるものは何だろうか。

そう考えた末に、またいつもの書籍、ヒッチコックとトリュフォーが対談形式で綴った名著「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」(晶文社/山田宏一、蓮實重彦 訳)を紐解いてみました。すると文中に、トリュフォーがグラントとスチュアートについてこのように述べるくだりが見つかりました。抜粋します。

T「一見、このふたりの俳優はあなたの作品においてはどちらも交換可能な、同じタイプにみえますが、じつはその使いかたはまったく異なっていて、ケイリー・グラントを使うときには、よりユーモアが、ジェームズ・スチュアートを使うときには、よりエモーションが、強調されているように思われます」

これに対してヒッチコックはこう答えています。

H「まったくそのとおりだ。一見似たタイプの俳優だが、性格が全然ちがう。『知りすぎていた男』でジェームズ・スチュアートが演じた人物の静かな誠実さは、ケイリー・グラントではだせないものだ。もちろんケイリー・グラント主演でも『知りすぎていた男』を撮ることはできる。しかし、その場合は、当然ながら、まったく別のキャラクターになるだろうということだ」

ヒッチコックの映画では、プロットや仕掛けが鮮烈であるがゆえに「役者の演技は二の次」のように思えることがあります。しかしこの言葉を理解しておくと、俳優たちがいかにしてキャスティングされ、そして彼らがどういうスタンスでヒッチコック映画に身を捧げ、自分のカラーを解き放っていったのかを想像する糸口になりそうです。

 

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