« 2020年6月 | トップページ | 2020年8月 »

2020/07/28

短評『リトル・ジョー』

短評に『リトル・ジョー』を追加。カンヌで女優賞を受賞したこともあって、何かと公開が待ち遠しかった本作。監督がオーストリア出身だからなのか、色彩感覚、間合い、心理劇の緻密な構築、音楽のチョイスなど、様々な様式が一風変わっているのも見どころです。前作『ルルドの泉で』はフランス、そして今回はイギリスが舞台と、自らの独創性のエッセンスを多用な土壌と掛け合わせながら、その国に生まれ育った者には持ち得ない視点で、稀少性の高い映画を作り出しているという印象。この映画の中で研究員が唯一無二の植物を創り出そうとする姿と瓜二つのように思えました。

その他、『グランド・ジャーニー』『横須賀綺譚』『のぼる小寺さん』『LETO レト』『グレース・オブ・ゴッド』なども。

 

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

短評『エレファント・マン』

短評に『エレファント・マン』を追加。1980年製作のデヴィッド・リンチによる名作が、40年の歳月を経て4K修復版となってリバイバル公開。その昔、画質の悪いビデオテープで観た思い出が嘘みたいに、今回は吸い込まれそうなほどの映像の美しさに見入ってしまいました。ジョン・ハートとアンソニー・ホプキンス、どちらも決してステレオタイプ的な描かれ方ではなく、真正面から心を見つめることで互いに響きあいながら変わっていく。そして両キャラクターが常に「どうあるべきか」について深く探求し続ける姿がとても印象的で、揺るぎない本作の芯となりえています。『シザー・ハンズ』などを始めとするティム・バートン作品とも相通じるエッセンスがあり、今の時代だからこそ改めて発見できる部分も多いように感じました。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/23

市川準監督作『トニー滝谷』

CINEMOREにて市川準監督の名作『トニー滝谷』について書かせていただきました。

市川準監督の名作『トニー滝谷』はいかにしてあの特殊な空気感を表現したのか?/CINEMORE

公開から15年が経ち、今まさにコロナ禍において変わりゆく人と人との繋がり合いやコミュニケーションについて想いを馳せる時、この作品が「村上文学の映画化」である以上に、「市川準監督作」としてより深く胸に迫ってくるのを実感しました。

 

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/16

短評『おばけ』

短評に『おばけ』を追加しました。ぴあフィルム・フェスティバルでグランプリを受賞した傑作。ああ、こんな映画と出会えた・・・という喜びが胸いっぱいに広がります。人生のどこかで、機会あらば是非触れていただきたい一作。

ちなみに2020年2月に行われた上映会で鑑賞した際の感想はこちら

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/14

インタビュー記事の一部をご覧いただけます

映画監督の真利子哲也さんにインタビューさせていただいた記事のVol.1が、会員登録しなくてもご覧いただけるようになりました。この機会にぜひ覗いてみてください!

真利子哲也監督インタビューVOL.1 CINEMA DISCOVERIES

Vol.1は「映画との出会い」から「初期作品」について伺っているパートです。謎に包まれたベールを少しだけめくらせていただきました。

Cinemadiscoveries_logo_20200714004901

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/13

原一男監督による珠玉のドキュメンタリーたち

定額制映画配信サービス「シネマディスカバリーズ」原一男監督の『極私的エロス・恋歌1974』のレビューを書かせて頂きました。

原監督といえば言わずと知れたドキュメンタリーの巨匠。とりわけ昭和の時代に生み出された怪作『ゆきゆきて、神軍』や『全身小説家』はあまりに有名です。僕がこの監督のことを知ったのは学生時代。近所のレンタルビデオ店の棚に『ゆきゆきて』が並んでいるのに気付き、パッケージを裏返して解説を読むと、とにかくすごい衝撃作であることが書かれてある。うーん、見たい!でも、正直言って勇気がない!映画館での集団的体験とは違って、自宅内でのレンタル視聴は一対一でその世界観を受け止めなければならないので、果たしてそれに耐えられるかな、と。そんな揺れ動く感情の狭間で、結局、いったんは借りかけたビデオテープをそのまま棚に戻してしまったのを、その感触を、未だに覚えています。

あれから20数年を経て、やはりサボってきた宿題はいつかツケが回ってくるといいますか、まさか数ヶ月間のうちにこれほど原監督の作品とガッツリと向き合う機会が巡ってこようとは。一つはこのコロナ禍の影響もあるかと思います。ずっと見続けているヒッチコックや、先日初めて観た『ピンク・フラミンゴ』もそうなんですが、この機会にやり残してきたものにガツンと触れておかなければ、次の一周はないな、と考えるわけです。自分の年齢から言っても、もう宿題は残せない。

今回はネットの動画配信サービスに寄せてのレビュー執筆ですから、おのずと学生時代のレンタル屋で最初に原作品を手にした時の「感触」が全く異なる形で蘇ってくるのを感じました。「ゆきゆきて」がネットで見られるなんて、時代はずいぶん変わったな、と。で、映画そのものも面白さは、時代が昭和から平成、令和と移り変わっても一向に色あせてないんですよね。そこがすごい。むしろ時代の経過とともに、そこへ加わる裏話や後日談なども加わって、何度も見ることでどんどん味わいが増していっている。あと、すっかり忘れかけていた昭和の匂いや風景が強烈に思い出されて、例えば「ゆきゆきて」のとあるワンシーンにファンタオレンジの細長い250ml缶が映し出されるんですが、これが懐かしくて「わっ!」と声を上げてしまうほどでした。

Orange

おっと、私が書かせていただいたのは、あくまで「極私的エロス・恋歌1974」だったのでした。こちらも極めて刺激的で面白い作品でした。そんなわけで有料会員向けではございますが、是非作品のご鑑賞に併せてレビューもご覧いただけると嬉しいです。

ちなみに、シネマディスカバリーズでは先週末、原一男監督によるライブコメンタリー配信(本編を流しつつ、原監督が生で解説を加えていく)や、その他シネマスコーレの坪井さんと映画監督の城定さんのアフタートーク付き上映などの数々の企画が展開されていて、個人的に学ぶことが非常に多かったです。おそらくサイトにとっては初めての試みだったかと思いますが、これを試金石としてずっと続けていってほしい。単なるコンテンツの提供にとどまることなく、これを体験にまで引き上げる試行錯誤はこの先もっともっと重要になってくるはず。今後、毎週末、怒涛のタイムテーブルで濃密な企画が開催されているような状況が出来上がってくれば面白いだろうなと、これまた一人のユーザーとして密かに期待しています。

 

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/03

短評『アングスト/不安』

短評に、1983年の映画ながらこのたび日本で初劇場公開を迎える『アングスト/不安』を追加しました。
公開当時、本国オーストリアではあまりに衝撃的な内容として1週間で打ち切りとなったそうです。これに大打撃を受けたのが自ら出資もしていた本作の監督。さすがにこれに懲りたのか、その後は一本も監督していないそうです。ではこの『アングスト』は駄作なのか。いえいえ、これがとんでもない奇妙な映画で、シリアルキラーのお話しながら、どこかグッと惹きつけられてしまうところがある。私の場合、その大部分はカメラワークからくるものでしたが、なんとも言いようのない吸引力があるんですよね。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/02

短評『パブリック 図書館の奇跡』

こっそり書き綴っている短評に、7月公開の新作『パブリック 図書館の奇跡』を追加しました。
俳優としても名高いエミリオ・エステベスが監督を務めるハートフルなヒューマンドラマです。これは本好きの人、図書館好きの人にとってたまらない一作。さらには”公共”とは何かについて考えるきっかけを与えてくれる一作なのではないでしょうか。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

2020/07/01

真利子哲也監督インタビュー

定額制の映画配信サイト「シネマディスカバリーズ」にて真利子哲也監督のインタビュー記事が公開されました。Vol.1からVol.3まで実に1万字を超えるボリュームになっていますが、Vol.1は今のところ会員登録などせずにどなたでもご覧いただけるようです。

私が監督のことを知ったのは真利子さんの藝大大学院の修了作『イエローキッド』が劇場公開される頃のこと。すごい才能がいると耳にしてマスコミ試写で拝見し、その面白さと激しさにぶったまげたのを今も生々しく覚えています。試写会が終わって監督らしき方がいらっしゃるのを見て一瞬勇気を振り絞って声をおかけしてみようかと思いましたが、引っ込み思案な性格が発動してしまい、足を踏み出すことができませんでした。あれから11年。まさかこのような形でお目にかかることが叶うとは。1時間半もの間、実に刺激的で興味深いお話の数々をお聞きすることができて、本当に光栄でした。心より感謝しております。

ただいま「シネマディスカバリーズ」では真利子哲也監督のレアな作品5本を配信中です。ヒリヒリするほどの魂のぶつかり合いが刻まれた長編作『ディストラクション・ベイビーズ』や『宮本から君へ』などに比べると、これらの配信作5本は全くタイプが異なるように思えるのですが、しかし紛れもなく同じ監督の手によってこの世界に生み落とされた作品たち。一本一本がとにかく面白いんです。とくに個人的にはセルフドキュメンタリー作『車のない生活』と『アブコヤワ』の突き抜けた語り口に度肝を抜かれました。加えて、監督ご本人による作品コメントやインタビュー内での言葉を通じて、より様々な視点から真利子哲也ワールドをご堪能頂けるのではないかと思います。是非この機会にご覧ください!

 

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

 

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« 2020年6月 | トップページ | 2020年8月 »