2020/04/23

フィフス・エレメント

『フィフス・エレメント』の公開は97年なので、私が大学1、2年くらいの時の作品ということになります。そのせいか、このタイトルを耳にすると、なんだか当時の新宿東口付近の様子が濃厚なまでに思い出されるんですよね。。。やはり「映画そのもの」と「それを見た場所」というものは、一つのセットで記憶に刻まれているものなんですね。


そんなわけでCINEMOREにてリュック・ベッソン監督作『フィフス・エレメント』について書かせてもらいました。
傑作『レオン』の後、リュック・ベッソンが果たしてどの方向へ向かうのか固唾を飲んで見守っていたら、誕生した映画が殊のほか、真逆の方向性を持ったユニークなものだったので、一緒に見た同級生たちとの間で「ようわからんが、面白い」という合意に達したのを覚えています。


映画の舞台は2263年。どうやら面白おかしい壮大な未来が待ち構えているようなので、2020年あたりでくじけてなどいられないなと思いました。

 

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2020/04/21

シネマディスカバリーズ

4月19日よりサービス開始となった定額制の動画配信サイト「シネマディスカバリーズ」。こちら、昨年の夏頃から色々とお話を伺っていたのですが、立ち上げた方の努力がようやく実ったかと思うと、私もちょっとだけ涙ぐんでしまうものがあります。スタッフの方々もまさか始動時の世の中がこんな状況になっていようとは想像もしてなかったはず。いま、映画の危機が叫ばれていますが、この新たな試みが単なる映画配信にとどまらない力強いムーブメントへと繋がっていくことを願ってやみません。

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動画配信サービスと言えば、NetflixやHuluやAmazonプライムビデオをはじめ、それぞれが異なる特色を持っているもの。その点、シネマディスカバリーズは街の大きな劇場ではあまりかからない、作家性の研ぎ澄まされたインディーズ映画を中心に編成されています。なので、ラインナップを覗いてみると「えっ!何!この映画!?」と驚かれるかもしれません。でもその「えっ!何!?」をぜひ新たな好奇心の入り口とし、独特な雰囲気を持った一本一本の世界観へと思い切り飛び込んでいただければと思います。多分、これまで触れたことのない感触や感情や体験へと連れて行ってくれるはずです。

私もレビュー執筆やインタビューなどでお手伝いしておりますが、執筆させていただくどの作品もびっくりするくらい個性的で面白く、作品の底知れぬパワーや可能性に吹き飛ばされないように、いつも気合を入れて鑑賞しています。レビューというとおこがましいですが、その時感じたこと、気づいたこと、素直な気持ちをできるだけわかりやすい言葉でお伝えできればと思っています。まだまだ走り出したばかりのこのサービス、どうか応援のほど宜しくお願い致します。

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2020/04/14

『ハスラー』(1961)

1961年に公開され、世界中にビリヤードブームを巻き起こしたと言われるこの渋い傑作、『ハスラー』について書かせていただきました。ビリヤード映画、ポール・ニューマンの出演作。そして、言わずと知れた25年後に公開される『ハスラー2』(マーティン・スコセッシ監督、トムー・クルーズ出演)の原点。そんな要素がつきまとう本作ですが、読み解くうえでもう一つ重要なのが「ロバート・ロッセン監督」の存在です。もっといえば、彼が直接的に影響を受けたハリウッドの赤狩りなどのことを踏まえながら見ると、また別の表情が浮かび上がってきます。とっつきにくい作品ではありますが、ご興味ある方は是非お読みいただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。

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2020/04/08

『シザーハンズ』(1990)

新作の劇場公開が軒並み延期されてしまったこともあり、私は過去の名作を鑑賞して紐解く機会が多くなっています。ただ、ずっと座っていると健康にも悪いので、最近は昼間はできるだけ「立ちながら」鑑賞することに努めています。これでいくらか運動不足が解消できるといいのですが。

そんな中、私が中学生の頃に鑑賞した『シザーハンズ』について執筆させていただきました。何かと心が落ち着かない日々ではありますが、もしも読んでやってもいいぜ、という方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧いただけると嬉しいです。世界中で愛され続けている名作なので、何を書いても今更感が強いことはわかっているのですが、今回は随分久しぶりに再見した際にふと気がついた、衣装の色彩と感情とのリンクについて論じています。

ずっとネットやテレビにばかり張り付いていると、どうしても心が疲れてしまいますよね。実は私もそうでして・・・この『シザーハンズ』にちょっとばかし救われました。時に名作は心をふっと軽くしてくれることがあるようです。

 

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2020/03/29

『羅生門』(50)

いくつもの県で外出自粛が言い渡されたこの週末、NHKで『羅生門』が放送された。3月23日で生誕110周年を迎えた黒澤明監督の代表作『羅生門』は、「人によって”事実”の捉え方は全く異なる」という意味合いで、今なお時代や文化を超えて世界中の数多くの映画で応用される。興味深いことに、以前見た印象と、今回改めて見た印象は全く違った。自分の中でさえ、その時々によって別人のように受け止め方が変わるのだから、これが他人どうしなら尚更の事だ。

シンプルな状況数式に次々と変数が加えられ、はじき出される数字がどんどん変わっていく。猛スピードで野山を駆け巡る主人公を照らす木漏れ日がまさにその変数をも思わせ、ある意味、万華鏡的。また、耳を澄ますと聞こえる早坂文雄の「ボレロ」風の音楽が、迫りつつあるも、なかなかやってこない”何か”を示唆しているかのよう。手が届きそうで、その実、なかなか手で触れられない。真実はかくも迷宮のごとし。我々は真の意味では究極の答えにたどり着けないことを知りながら、それでもなお手を伸ばして求め続けねばならない。それが絶望しないということだ。あのひ弱そうな志村喬の最後の表情は、己に圧倒的に欠けたものや矛盾を受け入れながら、それでも未知数を抱きしめて生きようとする姿に見えた。

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2020/03/28

『断崖』(41)

相変わらず、毎晩の精神安定剤のようにヒッチコック映画を摂取している。おかげさまで眠りも深い。特に白黒映画というものは視覚的な刺激を抑え、心を和らげてくれる効果があるのかもしれない。本日は『断崖(原題:Suspicion)』という作品。見るからに思わせぶりなタイトルだが、驚くべきことに序盤はなんともメロドラマ的な展開が続く。列車内での男女の出会い。逢いびき。駆け落ち同然の結婚ーーー。ああ、このまま二人のラブゲームが続くのかと思ったその時、ケイリー・グラント演じる男が放ったセリフがこれまでのどんなサスペンスやミステリーにも増して衝撃的だった。「カネ?俺、全然持ってないよ。無一文なんだ」。

そこからジョーン・フォンテイン演じるヒロインの葛藤の日々が始まる。実は、夫は虚言癖の塊みたいな男で、しかも一つ間違うと何をしでかすかわからない危なっかしさがある。疑心暗鬼にかられた妻は、だんだん夫のことが信じられなくなり・・・というお話。原作ものだが、ヒッチコックは案の定、結末をガラリと変えたそう。このジワジワと絞められていくような展開を、いつの間にかのめり込みながら見ている自分に気づいた。夫婦間のサスペンスは恐ろしい。通常ならグラントはヒッチコック作品でユーモラスな役柄を演じることが多いのに、時にはこんな役もやっちゃうのかとヒリヒリしたものを感じた。その意味ではかなり異色作と言っていい。というわけでおやすみなさい。

 

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2020/03/23

『恐竜が教えてくれたこと』

児童文学が原作とはいえ、この映画は決して侮れない。

むしろ子ども時代を経由していつの間にか大人になってしまった私たちの方こそ、本作の展開に感じ入ってしまう部分が多いのではないか。

 

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2020/03/17

「The Fall 落下の王国」

ターセム・シン監督作『落下の王国』について書かせていただきました。公開時にも、この一筋縄ではいかない語り口に魅了され、「物語の湧き上がってくる場所(本作では、人と人とがふれあう狭間に”物語内物語”が生じていく)が面白い」と知人と語り合っていたのですが、その映画作りの裏側はもっと一筋縄ではいかないものでした。お時間ある方はぜひ、作品鑑賞と合わせてお読みいただければ幸いです。

ところで、本作はターセム監督が「この人と結婚して生涯を共にしたい」と心から願っていた恋人と破局を迎えたのを機に、制作が始まったとのこと。様々な映画の裏話を覗いていると、映画監督の中には自分の強みや長所よりもむしろ「何らかの苦しみや自分の弱さ」をバネにしてとんでもない名作を作り上げる人が多く、これは一体なんなんだろうな、と思わされます。

例えば、スピルバーグは自らの映画作りの原点について「僕はただ怖いと感じてるものを自分から取り出したかっただけだよ。(中略)怖くなくなって正視できるようになるから。そしたらやがて、自分がちょっとモンスターなものだから、みんなにも怖がってもらおうと思い出したんだ」「だから、僕にとっては(映画作りは)一種のセラピーだよ。自分の暮らしから追い出して、あなたがたの真ん中にドカンと置いてみた、みたいなこと」(J.リプトン著「アクターズ・スタジオ・インタビュー」2010/早川書房/酒井洋子訳)と語っています。

自らの感受性をうまく転換させて別次元へと放出する。あるいは、苦しみから少しずつ抜け出していく過程、魂が抜け出すかのように自分をどんどん俯瞰して見つめることで、そこに何らかの”表現すべき世界”が立ち上がっていく・・・そういった幾つかの心理的、精神的な作用すら思い浮かびますが、つまるところ私たちの苦しみや悲しみというものは、常に大きな力にもなりうるということなんじゃないかな、とぼんやり考える午後。

 

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2020/03/11

ヒッチコック『舞台恐怖症』('50)

ヒッチコック作品の中でさほど知名度は高くない。私の中でもなぜかメロドラマ的なイメージがはびこっていて、これまできちんと観たことがなかった。が・・・喰わず嫌いってものは本当に良くない。これ、ものすごく面白い娯楽作で、キャラクターや展開、そして「演じること」を活用した物語構成が実に巧みな点に胸を鷲掴みにされた。

メインとなるのは、愛する人の殺人容疑を晴らそうと「役になりきる」才能を活かして渦中に潜り込む見習い女優。そこで対するは大物女優。舞台では共演することの叶わぬ二人が、舞台外にて虚構性の刃を突きつけ合う。この二重構造がスリリング。また終幕に向けて劇場構造を活かした動線が周到に構築されていくのも面白い。

特筆すべきは、やはり冒頭の回想シーンだろう。公開当時、この使い方が納得いくものかどうか、ヒッチコック自身も思い悩み、世間の評価も割れたそうだ。しかし70年の時を経て初鑑賞した私の目から見ても、思わず「あっ!」と声を上げてしまうほど鮮やかなトリックだった。主演のジェーン・ワイマンが『アメリ』のオドレイ・トトウのようで可愛らしい。この時すでにオスカー女優だったそうだが、その風格を微塵も感じさせないところがまたいい。

Stagefright04

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2020/03/09

『コロンバス』

3月14日より公開を迎える劇映画『コロンバス』にとても心奪われました。

 

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