2019/03/13

山猫

『山猫』について執筆しました。

ヴィスコンティの傑作『山猫』を貫く、並外れた”本物”の精神/CINEMORE

正直言って、これまでヴィスコンティの『山猫』は私にとって大きな大きな山でした。10年前にも、20年前にも観たことはあったものの、今ひとつ理解が深められず、そのままに放置してきた宿題のような作品です。それが40歳を超えた今見直してみると、なんと胸に沁みたことか。映画は過去の一点を記録したものではありません。生き物です。それはなおも生き続け、作品も進化し続けるし、私たちの胸の中へと場所を移してからも、日々、変化を続けます。

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3時間に及ぶ長い旅を終え、バート・ランカスター演じる主人公と共に、万感の思いを込めて「星よ・・・」と口ずさんでしまう自分がいました。

ちなみに私は今回、2016年に発売された『4K修復版』のブルーレイを購入して作品鑑賞しましたが、本作は3月17日から東京都写真美術館を皮切りに全国で順次公開されるそうです。濃密な美しさを取り戻した歴史的名作をスクリーンにて鑑賞できるチャンス。ぜひお見逃しなく。

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2019/01/23

愛と銃弾

この作品は、いわゆる日本人好みのイタリア映画の鋳型には当てはまらないのかもしれない。だがこのノリ、このテンションを享受していると、何やらガイドブックには載っていないディープな名所へと連れてこられたかのような特別感がほとばしってやまなくなる。

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2019/01/10

喜望峰の風に乗せて

『喜望峰の風に乗せて』(原題The Mercy)は、『博士と彼女のセオリー』のジェームズ・マーシュ監督が、オスカー俳優コリン・ファースとレイチェル・ワイズと組んで送るヒューマンドラマだ。60年代の終わりにイギリスで実際に起こった出来事がベースとなっている。

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2019/01/05

search サーチ

2018年に公開された映画の中で、私がこの名前は忘れるまいと心に決めた人物の「もうひとり」、それはインド系アメリカ人監督アニーシュ・チャガンティである。名門大学で映画製作を学びながらも一般的な映画人たちとはやや違うキャリアを積んできた異才だ。そんな彼が手がける映画ゆえ、初長編監督作『search』がただ凡庸な域にととどまるわけがない。

Searching

本作はその視点をPC画面の外へと移すことはない。すべてがこの小さな小箱の中だけで展開する。

それでいて決して発想力、瞬発力のみで突き進むのではなく、しっかりとしたストーリーテリング能力に裏付けられた濃厚な物語がそこに構築されていく。だからこそ、我々は安心してこの映画に浸りきることができるのだろう。そんな傑作『search/サーチ』についての記事。お時間ある方は、ぜひご覧ください。

Google出身の異才に、映画監督の夢を抱かせた一枚の写真とは?『search/サーチ』

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2018/12/25

ラブ・アクチュアリー!!

昨日、前に書いた『グレムリン』の記事を2本ご紹介したが、思いのほか読んでくださった方が多かったようなので、もう一本、クリスマスがらみの作品を。2003年公開のイギリス映画『ラブ・アクチュアリー』です。どうです、クリスマス映画のカップリングとして『グレムリン』と『ラブ・アクチュアリー』は最強だと思いませんか?

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・クリスマス群像劇の傑作の裏で下された、mr.ビーンをめぐる知られざる決断とは?

・『ラブ・アクチュアリー』にジョニ・ミッチェルの名曲"Both Sides Now"がもたらしたもの

そういえば、私個人の2018年最大の事件は、『パディントン2』の取材でヒュー・グラントに直接お会いしたことでした。その瞬間はもうバタバタしているうちにあっという間に過ぎ去っていきましたが、後から冷静になると、『ラブ・アクチュアリー』や『ノッティングヒルの恋人』などの彼の代表作が次から次に思い出され、まったく、俺はすごい人に会ったんだな、と汗が噴き出してくるほどでした。


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2018/12/24

聖夜はやっぱりこの映画!

幼少期に『グレムリン』を観たことは、自分の中のクリスマス観を決定づける大きな転機になったと思っています。

街が、食卓が華やげば華やぐほど、いやいやちょっと待てよ、ここには何か落とし穴があるんじゃないのか・・・・・・と警戒してしまうのです。とりわけこの映画のヒロインの告白は衝撃的でした。クリスマスと聞くだけであれほど胸が引き裂かれるほどの悲しみを感じる人がいるなんて。未だに年末年始に浮かれそうになるたび、心のどこかにあのエピソードが思い出されます。まるで、クリスマスだからこそ、自分とは全く境遇や立場の異なる誰かに思いを馳せよ、と言われているかのような。

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こういった大切な気持ちを教えてくれたジョー・ダンテとスピルバーグとギズモには感謝しています。本来クリスマスは、かくあるべきものだとも思うのです。

そんなわけで、過去に書いた『グレムリン』の原稿をご紹介。

・『グレムリン』 新鋭監督ジョー・ダンテが譲らなかった「ざわつくクリスマス」

・もっと残酷でグロかった!? 学生の脚本をヒット作に昇華させた、スピルバーグのプロデュース術

ヒロインが語る「人生最悪のクリスマス」エピソードを死守すべく、ジョー・ダンテがスタジオ側ととことん闘った舞台裏などについて書いています。ご鑑賞のお供としてぜひご覧くださいませ。メリー・クリスマス!

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2018/10/11

リトル・ミス・サンシャイン

2006年にスクリーンを席巻し、あらゆる世代の心をガッチリと掴んだ傑作、『リトル・ミス・サンシャイン』に関する二つの記事をCINEMOREに書かせていただきました。ご興味ある方はぜひチェックしてみてください。

初脚本でオスカー受賞。脚本家マイケル・アーントが『リトル・ミス・サンシャイン』で魅せた魔法

まるで舞踏団のようにバッチリ息のあった”サンシャイン”家族は、いかにして生まれたのか?

毎回、CINEMORE(シネモア)の記事を執筆する時は、お題となる映画を執念とド根性で掘り起こし、ようやく書き終わった時には、安堵と達成感と疲労が相まって半ば気絶するかのようにベットに倒れこんでおります・・・。もしこの手合いの記事をもっと読みたいと思われた際には、ぜひ芋づる式に他の記事もご覧いただけますと大変嬉しいです(執筆者名をクリックすると執筆記事一覧が表示されるようです)。体力と気力の続く限り、まだまだ頑張ってみようかと思っています。

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2018/09/14

プーと大人になった僕

9月14日(金)より公開を迎えるディズニーの実写映画『プーと大人になった僕』の劇場パンフレットにレビューを寄稿させて頂きました。映画館でのご鑑賞の折にはぜひ手にとってご覧いただけますと幸いです。『ドリーム』のアリソン・シュローダーや『スポットライト』のトム・マッカーシーらも脚本参加した、心がほっこりする秀作です。

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2018/08/29

アントマン&ワスプ

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』でマーベル・ユニバースが大混戦を迎える一方、この世界一ちっちゃな全長1.5センチのヒーローこと”アントマン”が3年ぶりの続編となってお目見えです。

今回は前作以上のアイディアとイマジネーション満載で、大きくなったり、小さくなったりと、見る側も常に自らのサイズ感覚が揺さぶられっぱなし。さらに小ささの壁を超えて量子の領域にまで入り込んでいく世界観は、もはや大きいのだか小さいのだか、一言では言い表せないほどに無限の広がりを見せつけてくれます。

そんな『アントマン&ワスプ』のレビューを映画,comにて書かせていただきました。ご興味ある方は是非ごらんください。

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2018/07/20

パディントン2 プレミアム・エディション

あの超名作が早くもソフト化されて帰ってきました!私にとってもいち早く手にしたかった『パディントン2』。そのプレミアム・エディションに封入されているブックレットに寄稿させていただいておりますので、機会がございましたら是非お読みいただければ幸いです。

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本作に関しては、公開前にプロデューサーのデヴィッド・ハイマンに公式インタビューさせていただくなどご縁があったのですが、その時に彼の口から直接聞いた(完成前の時点での)言葉などを盛り込んだ原稿内容になっております。そんな原稿を掲載してくださったキノ・フィルムズさんにも感謝です。

デヴィッド・ハイマンと言っても「誰だ?」と感じる人も多いかもしれません。が、彼は『ハリー・ポッター』シリーズを映画史に残る大成功に導くなどの偉業を成し遂げたすごい人(現在は『ファンタスティック・ビースト』シリーズの製作に奔走されています)。にもかかわらず、会ってみると全然偉ぶっていないし、とても物腰柔らかく、親密に語りかけてくれる方でした。

これまた公開前に取材したヒュー・ボネヴィル氏も、『パディントン』への出演を決めた理由のひとつとして「デヴィッド・ハイマンが製作している映画だから、きっと大丈夫だろう、と。何しろ『ハリー・ポッター』を成功させた人だからね。『パディントン』も素晴らしい手腕で映画化してくれるものと信じてやまなかった」と語っていました。

原稿は、彼のコメントをピックアップしながら映画全体を俯瞰するような構成になっています。そこでは文脈上、載せられなかったものの、僕の心を捉えてやまなかったハイマン氏の言葉を最後にご紹介しておきたいと思います。

私:最後に聴かせてください。あなたにとって映画とは?

ハイマン:なんてことでしょう、これ一問に答えるだけで2時間はかかりますよ・・・。なんで最初にこの質問をしてくれなかったんですか(笑)。うーん、私にとって映画とは・・・「自伝」のようなもの、と言えるのかもしれません。どういうことかというと、私が手がける映画はすべて、私自身がとても主人公に共感できて、まるで自分の分身のように感じるものばかりなのです。そうやってまるで自分が乗り移ったかのように、自伝を編纂するような気持ちで製作に打ち込んでいるーーーというのが偽らざる本心と言えるでしょう。

そしてここからが重要なのですが、これが完成するとき、私を始めとする作り手だけに特化された「自伝」であってはなりません。これを受け取ってくださる観客の皆さん一人一人にとっても「ああ、この主人公はまるで自分みたいだ」と共感していただきたいのです。つまり、これは皆さんにとっての「自伝」でもある、と。映画とはそのように、「私」と「あなた」の自伝が重なり合った時に生まれてくる結晶のようなものだと考えます。

『パディントン』シリーズも、『ハリー・ポッター』シリーズも、彼が自伝を編纂するかのように大切に生み出してきたからこそ、これほど多くの方々の心を打つ作品に仕上がったのだと思います。そういったパディントン以上に紳士で真摯なクリエイターが背後で支えていることをちょっとだけ意識しつつ、ソフト化された本作を心ゆくまでお楽しみください。

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