2017/02/07

BFF<ベスト・フレンド・フォーエバー>特集

NeoLというウェブサイトでは、先月末からBFF<Best Friends Forever>特集と称して様々なカルチャーを紹介する記事が連続アップされています。

先月末の大統領就任から、ニュースを見るたびに心が折れそうになっている人も多いことでしょう。嫌になってSNSを開くのをやめてしまった、という話もよく耳にします。世界的に排他的な考え方が広がり、なおいっそうの分断が進むかもしれない中、もう一度、人と人とがつながりあうことの意味を考えてみたい。そんな思いを込めて私も、BFFという視点で5本の映画作品を選出してみました。どの作品も、見終わった後にしっかりとした後味が心の中に沁み込んでいくものばかりです。もしご覧になっていない作品があれば、この機会に是非。

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2016/07/21

ロック・ザ・カスバ!

ビル・マーレイ主演の珍作『ロック・ザ・カスバ!』についてレビューしています。

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ビル・マーレイがアフガンでロックを叫ぶ!?異色コメディ『ロック・ザ・カスバ!』の挑戦

ザ・クラッシュの名曲をタイトルにするとは、なんと恐れ知らずで、大胆不適な。。。こんな所業が許されるのも主演がマーレイだからこそ。劇中では彼が上手いのか下手なのかなんとも言いようのない「Smoke on the Water」を熱唱する場面もあります。なにはともあれ、ビル・マーレイを語る上では欠かすことのできない一作かと。

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2016/04/16

グランドフィナーレ

4月16日より公開となる映画『グランドフィナーレ』(原題:Youth)のレビューを執筆しました。引退した作曲家の胸のうちを、様々な思いがよぎっていく物語。

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映像の魔術師が『グランドフィナーレ』で描く、甘く切ない”老い”の境地/リアルサウンド

フェリーニの再来とまで賞賛されるイタリアの名匠パオロ・ソレンティーノ監督の最新作です。御歳82となるマイケル・ケインと、76歳のハーヴェイ・カイテルが織りなす人間模様が本当に味わい深く、その一言一言のセリフや彼らの一挙手一投足にドキリとしたり、クスッと笑わされたり、人生という名の年輪を感じたり。

意外と取っ付きにくいことで知られるソレンティーノですが、今回は『グレート・ビューティー』とは違い、幅広い観客層に受け入れられる作品に仕上がっています。

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2016/02/29

偉大なるマルグリット

音痴な歌姫の物語、『偉大なるマルグリット』について書かせていただきました。

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”音痴な歌姫”はなぜ観客の心を揺さぶるのか セザール賞4部門受賞『偉大なるマルグリット』の魅力

自信満々に愛の歌を奏でる彼女ですが、実はジャイアン顔負けの、すごい音痴。けれど財力だけは多分にあるものだから、誰も「あなた音痴ですよ」とは言い出せない。。。それはそれで「悲劇」ではあるのだけれど、しかしある一点を越えると、なぜだか彼女の歌声が本物の愛の歌に聞こえてくる。そんな不思議な味わいがどうしようもなく胸に迫ってくる作品でした。

先日発表されたフランスのアカデミー賞ことセザール賞では主演女優賞を始め4部門に輝いています。ぜひご覧ください。

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2015/09/05

『ボーイ・ソプラノ』監督インタビュー

リアルサウンドにて、『ボーイ・ソプラノ』(原題 Boychoir)のフランソワ・ジラール監督へのインタビューの模様を執筆しております。

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美声に包まれた音楽映画『ボーイ・ソプラノ』監督が語る、映画作りで才能よりも大切なこと

ジラール監督といえば、映画にとどまらず、演劇やオペラ、そしてシルク・ドゥ・ソレイユの巨大なステージまで演出してしまう底知れぬ才人なのですが、とにかく謙虚な人で、「あなたの才能の源泉は何ですか?」といった質問をしても「いやいや、僕には才能なんてものがあるのかどうか。毎日が自問自答の連続で、ほんとうに嫌になるほどなんだ・・・」と率直に胸のうちを語ってくれたのが印象的でした。

9月11日公開となるこの『ボーイ・ソプラノ』。男子たるもの誰もが“声変わり”の瞬間を経験するわけで、とするとこのボーイ・ソプラノの歌声は、ほんの束の間、神様から許された奇跡の瞬間とも言えるのかもしれません。

きっと誰もがこの歌声のように唯一無二の才能に恵まれているはず。本作を観ながらつくづく「ああ、人生って無駄遣いできないものだなあ」と思い知らされました。

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2015/04/16

セッション/Whiplash

劇薬である。切れ味抜群の鋭利な刃物。かまいたちのようにスパンと切り裂かれる。でも不思議なものだ。痛くても、もっと!!と思う。サディスティックなのかマゾヒスティックなのか、もはや分からない。分かるわけもない。言葉で例えるなら、狂気。いや違うな、もっと鋭い。あわよくば観客と“刺し違える”。それくらいの覚悟で仕掛けてくるフィルムメーカーの気迫と態度が気に入った。

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2013/07/26

【レビュー】サウンド・オブ・ノイズ

 「ノイズ」という言葉を辞書で引くと「雑音、騒音」という意味に辿り着く。でも、だからといってこの映画が「ノイズ」にまみれているかというと、そうではない。観る人、聴く人によっては心地の良いハーモニーにも聴こえてくるだろう。「ノイズ」という概念は受け手の感受性しだいで如何様にも姿を変えるのだ。

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2013/04/05

【レビュー】アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影

つい1ヶ月ほど前に英国を訪れた際に、街角のCDショップでオススメDVDとしてピックアップされていたのがこの作品『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』だった。 このチョイスに、ああ、さすがU2やデペッシュモードのお膝元なだけあって、彼らの伝説造成に大きく寄与した写真家アントン・コービンの存在はこの国で揺るぎないものがあるのだなと感じたものだった。もちろん、コービンといえば『コントロール』や『ラスト・ターゲット』という映画作品でもお馴染み。最近ではジョン・ル・カレ原作の"The Most Wanted Man"の映画化に取り組んでいるとの報も聞かれている。

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本作はひとりのドキュメンタリストがオランダ出身のこの稀代のロック・フォトグラファーとの4年間に渡る交遊のなかで密着して撮り上げたドキュメンタリーだ。84分に及ぶ上映時間にはその関係性の積み重ねを強調するシーンがこれ見よがしに刻まれているわけではなく、冒頭に映し出されるソファに寝転ぶコービンに代表されるように、そのゆったりとした雰囲気の中で醸成されていくアートへ真向かう意識と、一瞬の心の閃光を見逃さずにキャッチしようとする求道精神とを、あくまで自然体で汲み取った作品だった。

U2のボノは語る。

「我々は究極的に同じなんだ。常に“光”を追い求めている。やり方が違うだけだ。僕らは音楽で、アントンは写真で・・・」

光という言葉には宗教的な側面がつきまとう。ボノの一言がまるでコービンの求道者としての側面をフォローアップしていくかのようだった。コービンは一カ所に留まることなく、常に国から国へと移動しつづけ、旅先では写真に最適の構図やすべてが完璧に調和した光を求めて放浪し続ける。基本的に寡黙で、自我を露にすることに何ら興味がなさそうな彼の姿は、巡礼者のようにも思える瞬間がある。

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これまであまり語られなかったコービンの過去が興味深い。彼はオランダの牧師の息子として生まれた。両親は常に世界中のあらゆる隣人たちの不幸を背負い込むかのように多忙に追われていたという。その時の思い出について「嫌だった」と語る彼。それはそうだろう。両親の愛情を独占したい時期に、両親の目には全ての隣人たちが平等だったのだから。しかしそれゆえに、コービンは徐々に自分の世界に閉じこもり、自分なりのやり方で世界を見つめる術を習得していったようだ。それが今の彼の成功を形作る原点となった。

すでに名声を獲得したコービンがかつて亡き父に尋ねた質問が印象的だ。

「父さんは僕の仕事のことをどう思ってる」と訊くと、父は「おまえたちみんなのことを誇りに思っているよ」と答えたという。このエピソードを明かしてコービンはちょっと空を見つめる。

この表情をどう受け取るかはひとによって異なるだろう。 僕は、きっとこのときコービンは、父親に褒めてほしかったんだと思う。「良くやったな」とか「お前を誇りに思うよ」とか、そんな言葉だけで充分だった。自分のことを見て欲しかったんだと思う。けれど父は究極的に「おまえたちみんな」として、決して特別視することはなかったのではないだろうか。

ロックミュージック界において伝説的イコンともされるアントン・コービンの作品群が生み出された裏側には、そのような精神性の遍歴があったのだ。

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U2のボノはこうも語る。

「アントン・コービンによって撮られた自分の写真を見て、アーティストは皆、こんな自分になりたい、と思うんだ」

それはまるで父親がこどもに目指すべき人間像を指し示してくれているかのようでもある。もちろん、コービンにそんな大それた意図などからきし無いのだが、単なる結果論であったとしても、彼の写しとるポートレートにはそんな魔法が、そして光が宿っているのだった。

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なお、本作には、彼が突如すべての仕事をキャンセルして自分だけの時間を持つ(その間の映像が撮られていないので、恐らくカメラも追い出したんだろう)というくだりが添えられている。

その後、撮影を再開したとき、彼は少しだけ変わっている。これまでずっと孤独を抱えてきたが、これからは少しずつ絆を温め、根を張った関係性を構築して行きたいんだと口にする。これまで自分の外側に光を求めていた彼が、いつしか自分の内側にこそ光を見出さねばと、放浪をやめてその場に立とうとしていた

何が彼をそう変えたのかは分からない(このドキュメンタリーの存在はその答えの一片を担うのだろう)。これから彼の新たな人生のチャプターが幕を開ける。そんな予感に満ちた清々しい表情が印象的だった。

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2013/03/28

【レビュー】シュガーマン 奇跡に愛された男

あらゆる時代において人は自分に与えられた使命を精一杯に全うしたいと願う。そしてそれが叶う者もいれば、叶わずシーンから消え去っていく者もいる。ロドリゲスと呼ばれたアーティストは後者の典型だった。

60年代、彼はデトロイトの街角にギターを抱えてフラリと現れた。彼の奏でる鮮烈な音楽はプロデューサーの目と耳に留まる。寂れたバーの、タバコの煙が立ちこめるその向こう側から聞こえてきたのは、心に突き刺さるリリック。そして胸を揺るがすギターの音色。プロデューサーらは「これこそ探し求めてきた音楽だ!」と確信する。しかし現実は厳しいものだった。肝入りで製作されたロドリゲスのアルバム2枚はいずれも鳴かず飛ばず。契約は打ち切りとなり、彼は音楽業界から消えていく。彼を知る者の間では実しやかな伝説だけが伝えられた。ロドリゲス?ああ、どうやら彼は、ライブの途中で拳銃自殺を計ったとかー。

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ドキュメンタリー映画『シュガーマン 奇跡に愛された男』は、原題の"Serching for Sugar Man"そのままに、ロドリゲスの“その後”を辿る旅である。けれど、これは決して敗者の弁を聴きにいく旅ではない。というのも、ロドリゲスが不在のうちに事態は大きく動いていたから。彼は確かにアメリカでは不発だったが、彼の音楽は時代を超え、国境を越え、いつしか南アフリカにてアパルトヘイト撤廃運動の象徴的楽曲として人々の心の中で鳴り響いていたのだ。

後半はそのロドリゲス本人の消息を追い求めて、点と線を繋ぐロードムービーとしてカメラは大陸を果敢に行き来していく。人は「奇跡の映画」と言うかもしれない。だが、この映画は2段構えの驚きで出来ている。

ひとつは我々がまだグローバルという言葉の意味を知らなかった時代、国境がまだまだあまりにも高くて乗り越えられなかった時代に、本国アメリカで苦杯を舐めた楽曲が遠い遠い国を苦しみの過去から解き放ったソウルソングとして絶大なる支持を集めたという事実。筆者はこの顛末に、かつてドラえもんの映画にあったような「畳の向こう側に広がる別の惑星では、のび太も無敵のスーパーマン」といった人生大逆転のカタルシスを彷彿とした。この星のどこかにはきっと自分の才能を理解してくれる人がいる。そうだ、頑張れば報われるのだ。よし、俺もこの奇跡を信じて、精一杯がんばってみようじゃないか!

そんな安直な感慨は、ふたつめの驚きでガツンとやられる。それはロドリゲスの生き方にあった。彼自身はあまり多く物事を語らない。その代わりに彼の音楽が存在し、そしてサングラスをかけた彼はいつも優しく微笑んでいる。クライマックスで明かされる彼の子供達が語るエピソードには胸が震えた。父がどのようにして自分たちを育て、生きてきたのか。決してヨイトマケの歌のように寝食惜しんで働き続けたことを強調するわけでもない。

なんと彼は2枚のアルバムをリリースして撃沈した後も、別段変わりなく穏やかに暮らし続けたというのだ。彼の人生においては絶望も、成功も、挫折も、屈折も存在しない。あともう2年続けていたら、という後悔さえもまるでない。彼には自分の音楽活動のために子供らを犠牲にしようなどといった想いは毛頭なかったのだろう。そして彼にとって音楽とは、別に売れようが売れまいがスタンスに違いのない、日常の中のテラスから注ぎ込む日差し、美しいものに触れたときの微笑みと同意語のような表現手段だったに違いない。しかし逆説的にいうと、だからこそ彼の人生にはクリエイティビティを失う瞬間など一度もなかったのだ。

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そのことは彼の娘たちを見ていてもよくわかる。彼女らは父について「貧乏なはずなのに、必要なことには惜しまずお金を費やしてくれた。時間があれば美術館や博物館につれていってくれた」と語る。彼女たちが楽器を弾けるのか、あるいはソウルフルな歌が歌えるのかについては分からないが、ロドリゲスのアーティスティックな感性は別の形で受け継がれていることが、その表情、発言、服装、自宅の調度品の数々から自ずと伝わってくる。

また、ロドリゲスと一緒に建設現場で働いていたという男は、「彼はいつもジャケットを羽織ってきちんとした身なりで現れた」と語る。まさか隣で汗水垂らして労働していた同僚がそんなに凄いミュージシャンだったなんて、彼は想いもしなかっただろう。けれどそんな事実について同僚は素直に「嬉しかった」と語る。その瞬間に、なぜだか分からないが、筆者の目から涙がこぼれた。

身近なところに神様はいる。そして本当の神様は、自分が神様であることすら気づかずに、いつも笑顔で、苦を語らず、穏やかに笑っている。『シュガーマン 奇跡に愛された男』が示す最も大きな奇跡とは、革命やセンセーションではなく、ロドリゲスがそのようにして生きてきたという人生の証だ。誰もがそう生きたいと願う。しかしそう簡単にはいかない。"Serching for Sugar Man"とはそんな、神をめぐる宗教的な物語のようにさえ思えてくるのだ。

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2012/10/23

【NEWS】ジェームズ・ブラウン伝が映画化

Brown あのジェームズ・ブラウン伝説が映画になる。イマジン・エンタテイメントの大物プロデューサー、ブライアン・グレイザーが長年温めてきたこの企画がいよいよ本格的に動き出しそうだ。Deadlineが伝えるところによると、このたび本作(タイトル未決定)のプロデューサーとして新たにミック・ジャガーが参加することとなり、なおかつ監督としては『ヘルプ』のテート・テイラーが交渉入りしているという。

脚本を手掛けるのはダグ・リーマン監督作『フェア・ゲーム』のジェズ&ジョン=ヘンリー・バターワース。ブラウンが貧困と暴力の世界でたくましく育ち、いつしかソウル界のゴッドファーザーにまで伸し上がっていくまでを描く。肝心のジェームズ・ブラウンを誰が演じるかはまだ決まっていない。

すでにブラウンの遺族のお墨付きも得ているという本作。ブライアン・グレイザーはブラウンが2006年に急逝する以前からこの企画を温めており、当時はブラウン自身も何らかの形で作品に登場する予定だったという。結果的にかなわぬ夢となってしまったが、音楽ファンも映画ファンも納得させるような最高にソウルフルな作品に仕上げてもらいたいものだ。

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