2018/05/29

馬の骨

6月2日より公開を迎える邦画『馬の骨』について書かせていただきました。

カッコ悪いけれど、カッコいい。映画『馬の骨』が描く、『イカ天』魂にあふれた渾身の生き様/リアルサウンド映画部

意表をついた面白さで、すっかりやられてしまいました。かつてTVで「イカ天」を観ていた世代にとっては、昔と今を繋いでくれる”熱い一本”となるはず。是非ご覧ください。

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2018/04/17

レディ・プレイヤー1

スピルバーグのフィルモグラフィを紐解く時、最も重要なのは「『シンドラーのリスト』と『ジュラシック・パーク』をを同一年(1993)に送り出したこと」だと私は思っている。『シンドラー』の撮影があまりに精神的に堪えるものだから、しょっちゅうロビン・ウィリアムズに電話して笑わせてもらっていたというのは有名な話だが、この二作を同時期に撮ったのに、何らかの「振り子作用」があったのは確実である。

ふとそんなことを思い出したのは、『ペンタゴン・ペーパーズ』と『レディ・プレイヤー1』もほぼ同時期に生まれたからだ。片や今の時代に必要な圧倒的なまでのリアリズム映画であり、片や実写撮影のみならずCGを駆使してイマジネーションを炸裂させた映画。実のところ『レディ・プレイヤー1』は2016年に実写部分の撮影が行われ、その後、膨大なCG作業の仕上がりを待つ間、スピルバーグは2017年に驚くようなスピードで『ペンタゴン・ペーパーズ』を撮り上げたのだとか。今のタイミング、この組み合わせでなければ生まれ得なかった正反対の双子、というのは言い過ぎだろうか。

さて、そんな本作を恐る恐る紐解くと・・・冒頭から未来世界なのになぜか80年代の空気が吹き込んでくる。懐かしき「Jump」が流れ、さらにTears For Tearsの「Everybody Wants To Rule The World」のイントロが流れ出した時には、前に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオープニングで10ccの「I’m not in Love」が飛び出した時みたいに驚いて胸の内側がジワッと湿り気を増していくのを感じた。

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2018/03/06

リメンバー・ミー

映画.comにて『リメンバー・ミー』について書かせていただきました。ピクサーが放つ最新作で、アカデミー賞授賞式では見事、長編アニメーション部門のオスカーを獲得した作品です。さすがピクサーというべきか、今回もなんという崇高な題材へと挑んだものかと驚きと興奮を抑えられませんでした。

メキシコの「死者の日」を切り口に、死後の世界へ紛れ込んでしまった男の子の冒険が描かれます。でも死んでしまう映画ではありません。むしろご先祖様とのつながりを謳った映画です。

このテーマ性もさることながら、最後には「えっ!」という爽やかな感動が待っていて、四十路のおじさんもすっかり泣かされました。主役の男の子の歌声(字幕、吹き替え、ともに)も超絶品で素晴らしいです。皆さま、ぜひ。

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2018/02/11

『ヘンリー・フール』3部作

ハル・ハートリーという映画作家がいる。

彼の手がける作品の魅力ついて一言で説明するのは困難だ。いや、どれだけ言葉を尽くしたとしても、最終的には「とりあえず観て。そこから始めよう」とこちらが匙を投げてしまうかもしれない。それほど彼の作品は、ある意味、掴みどころがなく、そうであるがゆえに、公開から20年以上が経った作品たちも今なお抗い難い魅力を放ち続けてやまない。その作品に触れると我々はまるで日向に横たわるみたいな心地よさに包まれる。その光の射す方へ向けた、やわらかないざない。

正直、ストーリーのことはあまり覚えていないのだ。ただ、コミカルな描写に思わず笑みがこぼれたり、繊細な演出に胸打たれたり、唐突もなく出演者たちが踊りだす(『シンプルメン』)可愛らしさにときめいたり、なんだか上映中にいろんな感情が刺激され「ああ、なんだかこの映画が好きだ」と感じてしまう。それくらいの説明が、語彙力の乏しい私には限界だ。

だが、1999年に日本公開を迎えた『ヘンリー・フール』は、これまでの「掴み所のなさ」とはやや違う、ストーリーとしての強度があったように思う。それは、どこからともなく、両手に大きなバックを抱えてやってきた謎めいた男が、ゴミ収集人のサイモンの自宅で暮らし始める物語。名はヘンリー・フール。「告白」と銘打たれた超大作を執筆中の彼は、どうやら自称・作家らしいのだが、どれほど凄い作家なのかは一向に分からない。

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2017/02/07

BFF<ベスト・フレンド・フォーエバー>特集

NeoLというウェブサイトでは、先月末からBFF<Best Friends Forever>特集と称して様々なカルチャーを紹介する記事が連続アップされています。

先月末の大統領就任から、ニュースを見るたびに心が折れそうになっている人も多いことでしょう。嫌になってSNSを開くのをやめてしまった、という話もよく耳にします。世界的に排他的な考え方が広がり、なおいっそうの分断が進むかもしれない中、もう一度、人と人とがつながりあうことの意味を考えてみたい。そんな思いを込めて私も、BFFという視点で5本の映画作品を選出してみました。どの作品も、見終わった後にしっかりとした後味が心の中に沁み込んでいくものばかりです。もしご覧になっていない作品があれば、この機会に是非。

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2016/07/21

ロック・ザ・カスバ!

ビル・マーレイ主演の珍作『ロック・ザ・カスバ!』についてレビューしています。

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ビル・マーレイがアフガンでロックを叫ぶ!?異色コメディ『ロック・ザ・カスバ!』の挑戦

ザ・クラッシュの名曲をタイトルにするとは、なんと恐れ知らずで、大胆不適な。。。こんな所業が許されるのも主演がマーレイだからこそ。劇中では彼が上手いのか下手なのかなんとも言いようのない「Smoke on the Water」を熱唱する場面もあります。なにはともあれ、ビル・マーレイを語る上では欠かすことのできない一作かと。

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2016/04/16

グランドフィナーレ

4月16日より公開となる映画『グランドフィナーレ』(原題:Youth)のレビューを執筆しました。引退した作曲家の胸のうちを、様々な思いがよぎっていく物語。

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映像の魔術師が『グランドフィナーレ』で描く、甘く切ない”老い”の境地/リアルサウンド

フェリーニの再来とまで賞賛されるイタリアの名匠パオロ・ソレンティーノ監督の最新作です。御歳82となるマイケル・ケインと、76歳のハーヴェイ・カイテルが織りなす人間模様が本当に味わい深く、その一言一言のセリフや彼らの一挙手一投足にドキリとしたり、クスッと笑わされたり、人生という名の年輪を感じたり。

意外と取っ付きにくいことで知られるソレンティーノですが、今回は『グレート・ビューティー』とは違い、幅広い観客層に受け入れられる作品に仕上がっています。

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2016/02/29

偉大なるマルグリット

音痴な歌姫の物語、『偉大なるマルグリット』について書かせていただきました。

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”音痴な歌姫”はなぜ観客の心を揺さぶるのか セザール賞4部門受賞『偉大なるマルグリット』の魅力

自信満々に愛の歌を奏でる彼女ですが、実はジャイアン顔負けの、すごい音痴。けれど財力だけは多分にあるものだから、誰も「あなた音痴ですよ」とは言い出せない。。。それはそれで「悲劇」ではあるのだけれど、しかしある一点を越えると、なぜだか彼女の歌声が本物の愛の歌に聞こえてくる。そんな不思議な味わいがどうしようもなく胸に迫ってくる作品でした。

先日発表されたフランスのアカデミー賞ことセザール賞では主演女優賞を始め4部門に輝いています。ぜひご覧ください。

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2015/09/05

『ボーイ・ソプラノ』監督インタビュー

リアルサウンドにて、『ボーイ・ソプラノ』(原題 Boychoir)のフランソワ・ジラール監督へのインタビューの模様を執筆しております。

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美声に包まれた音楽映画『ボーイ・ソプラノ』監督が語る、映画作りで才能よりも大切なこと

ジラール監督といえば、映画にとどまらず、演劇やオペラ、そしてシルク・ドゥ・ソレイユの巨大なステージまで演出してしまう底知れぬ才人なのですが、とにかく謙虚な人で、「あなたの才能の源泉は何ですか?」といった質問をしても「いやいや、僕には才能なんてものがあるのかどうか。毎日が自問自答の連続で、ほんとうに嫌になるほどなんだ・・・」と率直に胸のうちを語ってくれたのが印象的でした。

9月11日公開となるこの『ボーイ・ソプラノ』。男子たるもの誰もが“声変わり”の瞬間を経験するわけで、とするとこのボーイ・ソプラノの歌声は、ほんの束の間、神様から許された奇跡の瞬間とも言えるのかもしれません。

きっと誰もがこの歌声のように唯一無二の才能に恵まれているはず。本作を観ながらつくづく「ああ、人生って無駄遣いできないものだなあ」と思い知らされました。

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2015/04/16

セッション/Whiplash

劇薬である。切れ味抜群の鋭利な刃物。かまいたちのようにスパンと切り裂かれる。でも不思議なものだ。痛くても、もっと!!と思う。サディスティックなのかマゾヒスティックなのか、もはや分からない。分かるわけもない。言葉で例えるなら、狂気。いや違うな、もっと鋭い。あわよくば観客と“刺し違える”。それくらいの覚悟で仕掛けてくるフィルムメーカーの気迫と態度が気に入った。

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