2020/10/21

ブレッソンの『抵抗』

ロベール・ブレッソンの『抵抗』という作品を初めて観た。この贅肉をそぎ落として、極限までストイックに状景描写していくスタイルは衝撃的だ。静謐で淡々としたテンションを維持しながら、それでいて着実に何かが積み上がっていく興奮がある。時折、聞こえてる汽笛の音や、見回りのドイツ軍兵士の足音などが、映画という平面的な情報の中で「近づいたり、遠ざかったりするもの」として非常に重要な感覚要素となって、後からじわじわ効いてくる。あと、壁の向こう側から聞こえるトントンという合図の音や、この極度に制限された映像空間の中で「あえて見せないもの」も特殊な緊張感をもたらしたり、「そうきたか!」と魂をシビれさせてやまない。思えば、主人公がずっと血の付いたシャツを着続けていることも、時間の経過とともに何かズーンと重いものとなって、のしかかってくる。まるで種まきと、成長と、収穫を見ているかのよう。しまったな、鑑賞しながらメモを取っておけばよかった。もう遅い。レンタル返却の時間だ。

 

 

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2020/04/23

フィフス・エレメント

『フィフス・エレメント』の公開は97年なので、私が大学1、2年くらいの時の作品ということになります。そのせいか、このタイトルを耳にすると、なんだか当時の新宿東口付近の様子が濃厚なまでに思い出されるんですよね。。。やはり「映画そのもの」と「それを見た場所」というものは、一つのセットで記憶に刻まれているものなんですね。


そんなわけでCINEMOREにてリュック・ベッソン監督作『フィフス・エレメント』について書かせてもらいました。
傑作『レオン』の後、リュック・ベッソンが果たしてどの方向へ向かうのか固唾を飲んで見守っていたら、誕生した映画が殊のほか、真逆の方向性を持ったユニークなものだったので、一緒に見た同級生たちとの間で「ようわからんが、面白い」という合意に達したのを覚えています。


映画の舞台は2263年。どうやら面白おかしい壮大な未来が待ち構えているようなので、2020年あたりでくじけてなどいられないなと思いました。

 

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2020/02/06

『ムーラン・ルージュ』公開から19年。豪華絢爛たるイマジネーションの世界は今なお色褪せない

ふと気がつくと、この映画の劇場公開から19年もの歳月が過ぎ去っていました。月日の経つ早さに唖然とするのは当然として、もっと驚かされるのは、本作『ムーラン・ルージュ』が今なお、まるで昨日出来上がったほやほやの映画のようにみずみずしく、ノリに乗っていて、最高に活きの良い映画だということ。普通はこれだけCG満載なら少しくらい技術的なほころびのようなものが出てきそうなもの。でもそれが全くと言って良いほど見当たらない。これってかなりの神がかり的なことだと思うのです。

この映画に関してはまず最初に有名アーティストによる名曲にばかりスポットが当たるのですが、今回、もっと硬派なところを切り取って記事を書かせてもらいました。ぜひご覧くださいませ。

 

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2019/09/14

「サムライ」(1967)

アラン・ドロン主演の名作『サムライ』について書かせて頂きました。

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フレンチ・フィルム・ノワールの傑作が描く孤高の生き様/CINEMORE

本作が公開されたのは僕が生まれる10年前なので、当時の日本人がどんな面持ちでこれを受け止めたのか、その確かな情景は想像するしかないのですが、今回はあくまで自分史に忠実に、自身がこの映画に触れるきっかけとなったジム・ジャームッシュの『ゴースト・ドッグ』という映画を導入部に置きながら綴ってみることにしました。お前がメルヴィルを語るなんて100年早い!と言われそうですが、もう恥も外聞もない年頃なので、生きているうちにできるだけ多くの名作世界へ潜り込み、できるだけわかりやすい言葉でお伝えしてければと思います。

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2017/02/07

BFF<ベスト・フレンド・フォーエバー>特集

NeoLというウェブサイトでは、先月末からBFF<Best Friends Forever>特集と称して様々なカルチャーを紹介する記事が連続アップされています。

先月末の大統領就任から、ニュースを見るたびに心が折れそうになっている人も多いことでしょう。嫌になってSNSを開くのをやめてしまった、という話もよく耳にします。世界的に排他的な考え方が広がり、なおいっそうの分断が進むかもしれない中、もう一度、人と人とがつながりあうことの意味を考えてみたい。そんな思いを込めて私も、BFFという視点で5本の映画作品を選出してみました。どの作品も、見終わった後にしっかりとした後味が心の中に沁み込んでいくものばかりです。もしご覧になっていない作品があれば、この機会に是非。

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2016/11/22

世界の果てまでヒャッハー!

フランスで大ヒットを記録した『世界の果てまでヒャッハー!』について書いています。ご覧になった方も、まだご覧になれていない方も是非ご一読のほどを。

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『ブレアウィッチ・プロジェクト』などで用いられた”ファウンド・フッテージ”という手法をコメディの領域で炸裂させるという、題名からは想像もできないくらい画期的なことをやってのけた本作。気を緩めてみていると、中盤から全く目が離せなくなり、長回し、アクション、それにお下劣なギャグを繰り出す様に腹を抱えて笑ってしまいました。

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2016/09/08

アスファルト

先週から公開中のフランス映画『アスファルト』についてレビューしています。

フランスの”団地”を舞台にした、新たな群像劇ーー『アスファルト』が物語る日常の奇跡

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郊外の団地を舞台に、出会うはずもなかった人々が心を通わせていく、不思議な手触りを残す作品でした。こういう映画に出会えると、日常に地学角度から光が差し始めるというか、10個くらい嫌なことがあっても、たった一個うれしいことがあるだけで、ぜんぶ帳消しになるというか。

団地の屋上に宇宙飛行士が降りてくる場面では「な、なに!?」となりましたが。

小さな喜びと発見に満ちた映画でした。機会があれば是非。


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2016/07/28

『めぐりあう日』インタビュー

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あなたが狂おしいほどに愛されることを私は願ってるーー『めぐりあう日』ウニー・ルコント監督インタビュー/NeoL

韓国で生まれ、両親の存在を知らないまま施設で育ち、その後は養子となってフランスへと渡った異色の経歴の持ち主、ウニー・ルコント。この女性監督が紡いだ長編第2作目となる『めぐりあう日』が今週末より順次公開されます。 彼女にしか紡ぐことのできない視線、物語、親子関係、ファッション、風景、息づかい。様々なところに発見のつまった作品でした。そんなルコント監督へのインタビュー、お時間ございましたらご覧ください。

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2016/02/29

偉大なるマルグリット

音痴な歌姫の物語、『偉大なるマルグリット』について書かせていただきました。

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”音痴な歌姫”はなぜ観客の心を揺さぶるのか セザール賞4部門受賞『偉大なるマルグリット』の魅力

自信満々に愛の歌を奏でる彼女ですが、実はジャイアン顔負けの、すごい音痴。けれど財力だけは多分にあるものだから、誰も「あなた音痴ですよ」とは言い出せない。。。それはそれで「悲劇」ではあるのだけれど、しかしある一点を越えると、なぜだか彼女の歌声が本物の愛の歌に聞こえてくる。そんな不思議な味わいがどうしようもなく胸に迫ってくる作品でした。

先日発表されたフランスのアカデミー賞ことセザール賞では主演女優賞を始め4部門に輝いています。ぜひご覧ください。

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2015/11/29

ムーン・ウォーカーズ

『ムーン・ウォーカーズ』のレビューを書きました。『ハリー・ポッター』のロン役ルパート・グリントによる久々の主演作にして、かなり奇妙でおかしな設定の異色作。時は1969年、アポロ11号の月面着陸に伴い、失敗した時のために映像をでっちあげようという密命がCIAから下り、それなら当時『2001年 宇宙の旅』で一世を風靡していたキューブリックに極秘裏に監督を引き受けてもらおうと、ひとりの諜報員が英国に乗り込んでくるわけですが・・・。

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あの巨匠が月面着陸をねつ造!?『ムーン・ウォーカーズ』が紡ぐキューブリック愛(とスウィンギング・ロンドン)/リアルサウンド

月面着陸のねつ造説というのはこれまでにもよく聴かれてきたものですが、これはかなりぶっ飛んでます。振り切れちゃってます。そもそも左の人ときたら、キューブリックと似ても似つかぬ風貌じゃないですか。真面目なキューブリックファンが見ると「冒涜だ!」と怒るかもしれませんが、気楽な感じでみてサクッと楽しめるエンタテインメントに仕上がっています。

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