2011/10/14

【短評】リアル・スティール

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ずっと離れ離れだった父子のきずなの回復に、ちょっとだけ先の未来SF要素を加味。廃棄処分場で見つけたボロボロの旧型ロボットに自分自身を、そして父と子それぞれの大切な存在を重ね合わせて、それがいつの日かロボット・ボクシングの最高峰のリングにまで昇りつめていく過程を描く。『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィによる演出、そしてヒュー・ジャックマン&子役少年の演技は全くもって非の打ちどころがない(ある人はその“非の打ちどころのなさ”を“非”と指摘するかもしれないが)。そしてこのVFXによって創出されたロボットが最後は『ロッキー』顔負けの白熱した臨場感と、拳一発の重みを振り絞っていく様、またそこに声援を送る観客の熱狂ぶりが、映画を観終わってもまだまだ体内に居残り続けている。2時間10分があっという間に過ぎ去っていった。

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2011/10/02

【短評】マネーボール

*試写などでいち早く観た映画を、体裁を整えぬまま、メモ代わりに集約。

マネーボール

Moneyball
ゆっくりとオーソドックス、だが誠実さが積み重なってやがてパワフルさを獲得する。おそらく表向きでホームラン級の大砲を打ち上げたものは誰もいないが、それぞれのキャスト、スタッフらの実の詰まった仕事ぶりがすべて相俟って、3割越えの成果を成し遂げたかのよう。まさにマネーボール理論を実践するかのような映画と言っていい。テーマは「貧乏球団は金持ち球団を凌ぐことはできるのか?」。アスレチックスのGMビリー・ビーンは、名門大学出の若者の力を借り、データに基づく新たな選手獲得をスタートさせるのだが―。データ主義には善し悪しがあるに違いないが、『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキンの脚本はこれを選び取ることで逆境に挑んだビリーの選択を、かつての彼の選手時代の苦い思い出をフラッシュバックさせる手法を用いて丹念に描き切る。またついつい感情的になりがちなビリーにサッと合いの手を入れる補佐役ジョナ・ヒルの絶妙な存在感にも魅せられる。『カポーティ』のベネット・ミラー監督の演出は熱し過ぎず冷めにくい、安定感のあるスイング。そして何よりブラッド・ピットだ。久々の単独主演作として、彼の呼吸が映画全体を成す。はずれのシーンなど無かった。すべてのシーンに魂が宿っていた。凄い役者になったものだと感心した。

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2011/09/30

【短評】ラビット・ホール

*試写などでいち早く観た映画を、体裁を整えぬまま、メモ代わりに集約。

ラビット・ホール

Rabbit_hole
『ヘドウィグ&アングリー・インチ』のジョン・キャメロン・ミッチェルがメガホンを取り、ニコール・キッドマンがアカデミー賞主演女優賞候補にもなった人間ドラマ。トニー賞、ピュリツァー賞に輝いたデヴィッド・リンゼイ・アベアの有名戯曲を作者自らが脚色している。愛する子供を亡くした両親による慟哭の軌跡…と観る前から気分が荒んでいたら、その先入観を鮮やかに裏切る、優しくて穏やかな時間が流れていた。ピアノとギターで綴られたサウンドトラックも水滴のような瑞々しさで観る者を包み込む。これは一生抱えていくであろう心の傷が、ほんの“わずか”癒えるまでの物語なのだ。

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2011/09/28

【短評】三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

*試写などで観たばかりの映画を、体裁を繕わず、メモ代わりに集約。

『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

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デュマの「三銃士」をリサイクル、いや、リ・イマジネーション。歴史劇の重厚さに囚われず、『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督(もちろん妻ジョヴォヴィッチも帯同)らしいアクロバティックな身軽さでファンタジー&アドベンチャー的趣向を貫いている。剣術、乱闘、友情、時々、恋煩い。俳優の知名度は中級なれど、芸達者ばかりを備えているので映画好きには嬉しい。そのすべてが雪崩れ込む空中戦は『パイレーツ』シリーズの海洋を大空へと置き換えたかのよう。 3Dらしからぬ明るめの画面で、兵士、パリ市街、ノートルダム、ベルサイユといった目見麗しい情景の複雑な線と線とが鮮明に交錯している様には視覚的な快感を覚える。

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【短評】50/50 フィフティ・フィフティ

*試写などでいち早く観た映画を、体裁を繕わず、メモ代わりに集約。

50/50 フィフティ・フィフティ

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それは主人公が医師に告げられる生存の可能性。ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の本作は、ガン闘病記にも関わらず、トロントでの高評価が納得できるすごく爽やかな快作だった。脚本家ウィル・レイサーの体験を基にして書かれており、友人セス・ローゲンらが「これは映画にせねば!」と周囲に呼び掛け、実現したそう。実際に病気を乗り切ったこともあり、周囲への感謝の心や慈しみの視点がとても温かい。また主人公がダークサイドに沈みだすとバカ騒ぎの親友役セス・ローゲンが絶妙に中和。カウンセラー役のアナ・ケンドリックの凛とした存在感にも思わずピンと背が伸びる。

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【短評】バイシクル・ロード~7大陸900日~

*試写などでいち早く観た映画を、体裁を繕わず、メモ代わりに集約。

『僕たちのバイシクル・ロード~7大陸900日~』

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とんでもない英国製ドキュメンタリーを観た。仲良しの従兄同士が自転車でユーラシア、アジア、オーストラリア、南極、南米、そしてアフリカへ。カメラ片手に繰り出した旅の記録をこのようなカタチでアプトプットできるDIYな現代性に驚くと共に、彼らの支えとなる無根拠な自信、そしてカメラに刻まれた、これまでに観たこともない名もなき土地の風景、人々の表情に酔いしれる。これは危険だ。若き日の冒険心を掻き立てられる。劇場を後にする時、誰もがこう言うだろう。「ああ、また旅に出たくなった!」と。それも普通の旅じゃなく、無謀な旅の方だ。

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