2016/12/08

五日物語

ダークでグロテスク。しかしその美醜の混ざり合った輝きに魅了され、いつしか完全な虜と化してしまう大人のファンタジー『五日物語』についてレビューを書きました

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イタリアの鬼才マッテオ・ガローネ監督らしい強烈な一手。原作となった「ペンタメローネ」は17世紀に書かれた民話集で、「シンデレラ」や「白雪姫」のベースとなる物語も含んでいるのだとか。後にグリム兄弟などにも大きな影響を与えたと言われます。ファンタジー、おとぎ話と聞くと、過度で分かりやすい演出を含んだ作風がイメージされますが、それとは180度異なるリアリスティックな世界観が展開。リアルなのに、魔術的な力、不気味な登場人物、それに奇妙なクリーチャーまで存在するーーそんな不思議な映像世界をご堪能ください。

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2016/09/21

ある天文学者の恋文

『ニュー・シネマ・パラダイス』のジョゼッペ・トルナトーレ監督による新作『ある天文学者の恋文』についてレビューしています。

名匠トルナトーレが描く、宇宙の深淵にてミステリアスに輝き続ける愛の物語/映画.com

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2016/08/02

ターザンとジャングルブック

TVのCMで壮大な音楽に合わせジャングルが映し出されるたびに、『ターザン』なのか『ジャングル・ブック』なのか分からなくなります。そう、日本ではこれらがほぼ同時に全国公開されるわけです。

実際に観てみるとノリも描き方も全く異なるのだけれど、歴史を紐解いてみると「ターザン」の原作そのものが「ジャングル・ブック」の影響を受けていたりと、その遺伝子を確実に受け継いでいる部分があるようです。そんな野生を目指す今夏のブロックバスター2本について書いています。

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『ターザン:REBORN』と『ジャングル・ブック』を比較/リアルサウンド

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両作品ともに主人公の出生部分の描き方はほぼ同じ。ジャングルで生まれ、野生動物に育てられ・・・そのせいか、既視感を覚えるシーンが度々ありました。どこが似ていて、どこが違うのか。見どころは何なのか。そして両作を鑑賞することで味わえる不可思議な感覚についても書いています。

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2016/05/14

マクベス

今年はシェイクスピア没後400年の節目なのだそうです。シェイクスピアが生きたのは1564年〜1616年で、日本でいうとNHK大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁が生きた1567年〜1615年と微妙に重なるという不思議もあります。ちょうど今、大河では歌舞伎の開祖とされる出雲阿国が舞を披露する場面が出てきていますが、ちょうど同じ頃、海と大陸を隔てた英国ではシェイクスピアの作品群がロンドンをはじめとする市井の人々の心を歓喜させていたんですね。

というわけで、シェイクスピア物の映画の最新版として高い評価を獲得した『マクベス』について書きました。

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マイケル・ファスベンダーが暴君を怪演する『マクベス』、その狂気の裏側にあるものとは?/リアルサウンド

本作は吉本興業が配給することでもニュースになりました。と言っても本作に笑いはありません。むしろ狂気が悲劇を生む壮絶な物語です。

本作に触れると「どうしてこんな狂気が人の心を支配してしまうんだろう?」と誰もが不思議に思うはずなんですが、今回のレビューでは(原作にはない)冒頭シーンからその背景について推察しています。これまで敷居が高すぎてシェイクスピアに関心が持てなかったあなた。大人になってからのシェイクスピアは案外楽しいものですよ。

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2013/06/13

【レビュー】華麗なるギャツビー

古典作品は一概にクラシックと類別されがちだが、実はこの「クラシック」という言葉を紐解くと「傑作」や「最高級品」、そして「歴史に残るもの」という意味が飛び出してくる。つまりこの言葉を付与されたなら、時空を貫き永遠の魂を持つことが約束されるというわけだ。となると、クラシックはもはや堅苦しさの代表格などではなくなる。また我々にとってクラシックは、オリジナルの味わいを堪能できるのと同時に、それらを現代の感覚で翻案、あるいはリミックスして楽しめる、まさにひと粒で二度美味しい食材とも言えるだろう。

リミックスの魔術師といえば、今回の『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督をおいて他に右に出るものはいない。ある人は「ジョー・ライトがいるじゃないか!」と訝るかもしれない。確かに『プライドと偏見』や『つぐない』の彼ならこのフィツジェラルドの物語にまた別の光を照射できたろう。しかし『ギャツビー』にはある種の映像としてのスケール感が不可欠だ。特に1920年代におけるあのジャズ・エイジとも言われた狂騒のアメリカ。そこには戦争から帰還した人たちによる無軌道なまでの生の謳歌があり、なおかつ玉石混合のいかがわしさも漂っていた。誰もが力つきて倒れこむまで踊る。踊り狂う。そして間もなく大恐慌がやってくる。その直前の一瞬の光。

この踊りの熱狂と、息切れ感をアイコンとして刻むにあたっては、『ダンシング・ヒーロー』でその才能を世に知らしめて以来、『ロミオ&ジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』などで独自の演出術を構築してきたバズ・ラーマンに一日の長がある。本作では特にジャジーなサウンドが時に横乗りのスウィングからタテ乗りのジャンプステップへと変わるあたり、それに超満員のダンスホールで相変わらずカメラが頭上を滑空し、俯瞰し、豪速球で人の波を掻き分けて目線を紡いでいくあたりに、ラーマンのお家芸(それが大嫌いと主張する人も多数いるが)が見て取れる。これらが実際にはNYではなくシドニーでセットを組んで撮られているのを差し引いても、充分お釣りがくるくらいだ。

原作に触れたことの無い人のために『ギャツビー』を一言で表すならば、それはディカプリオ演じる“謎の富豪=ジェイ・ギャツビー”の時代遅れともおぼしきイノセントかつピュアな恋心を描いた作品ということになる。そして“語り手”も重要だ。ひょんなことからギャツビーの隣家に越してきて、彼との友情を育むこととなるニック・キャラウェイ役を『スパイダーマン』のトビー・マグワイアが演じている。

実はレオとトビーは昔からの親友でもある。レオが『タイタニック』で来日した折にまだ無名のトビーが同行したこともある(僕が大学生の頃に購入した雑誌「ロードショー」にはそのときのトビーの姿が活写されていた)。ちなみにラーマンは自身のプロジェクトを始動するにあたってまず最初にワークショップを開催することでも知られる。今回もレオとトビーはもちろん、キャリー・マリガンらを含む有名俳優らが招かれ、時おり役をスイッチしながら様々な化学変化が試されたようだ。その甲斐あってか、さすが親友どうしなだけあってふたりのコンビネーションはその阿吽の呼吸が魅せる。

カメラワークの豪速球ぶりはこの時代の象徴とも言える自動車の走行シーンでも応用されていく。そして作品の煌びやかさと共に浮かび上がるのは、ニューヨークとウェストエッグのちょうど中間地点にある「死の谷」。文明の世紀が排便した負の遺産をすべて抱え込んだかのようなこの地で、「エクルバーグ博士の目」の巨大看板だけが、すべてを見通した神の視点のように、はたまた主観と客観の光を反転させる地獄のふたのようにそこに無下に立ち尽くしている。

原作でも不気味な余韻を遺すこのモニュメント的存在。ラーマン作には過去にもリオのキリスト像などの「俯瞰する目」が登場してきたが、今回の看板はかなり意味深かつダイレクトな象徴だ。外見的には単に風化してボロボロになって誰も気にしなくなった遺物。しかしその実、その場でいつも変わらず、時代や文明や人の業を見つめることを宿命とした、ひとつの大きな目線でもある。何が起ころうともそれは揺らがない。しかしこの不動性こそ、すべてが慌ただしく狂騒していく時代においてはより不気味なのだ。そして案の定、世界の墓場のようなこの場所で、目の前で、事件は起こる―。

そこで私たちは改めて気づく。『華麗なるギャツビー』は狂騒の物語でもあり、イノセントやピュアといった絶滅危惧種的な感情を懐かしむノスタルジーであり、またそこに介在する慎ましい目線の物語でもあったのだ、と。

「エクルバーグ博士」と語り手のキャラウェイ、そして我々観客といった3つの神の目線がその像をひとつに結ぶ時、この煌びやかなれど哀しみの物語はしめやかに完結し、ひとつの運命、ひとつの時代を全うしたかのように、ひっそりと幕を閉じるのである。

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2012/10/02

【NEWS】大草原の小さな家が映画化へ

Little_house その原題は"Little House on the Prairie"という。ある一定の年齢以上の人ならあのテーマ曲の響きを耳にしただけで馬車に乗り込んだ家族の笑顔が思い出されることだろう。Deadlineによると、なつかしきドラマシリーズ「大草原の小さな家」が映画化に向けて動き出しているようだ。

ソニー・ピクチャーズの旗印のもと、スコット・ルーディンがプロデューサーを担う。まだ最終的な交渉締結には至っていないものの、"Pinapple Express"や"The Sitter"のデイヴィッド・ゴードン・グリーンが監督を、『マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙』や『Shame』のアビ・モーガンが脚本執筆する方向で進んでいるとのこと。

ローラ・インガルスの半自叙伝的な物語として知られる本シリーズは、19世紀後半の西部開拓時代を舞台に、インガルス一家の面々が互いに力を合わせてたくましくも愛情豊かに生き抜く姿を描いた物語。ドラマ版はNBC製作で1974年から83年まで放送され、以後、2時間ドラマも制作された。

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2012/08/07

【NEWS】グレート・ギャツビーの公開日が来夏に後退

年末に米公開予定だったバズ・ラーマン監督(『ムーラン・ルージュ!』『ロミオ&ジュリエット』)による20世紀を代表する文学の3D映画化『グレート・ギャツビー』が来夏公開へと後退することが米ワーナーブラザーズより発表された。(予告編はこちら

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このところハリウッド映画の公開日変更が尋常ではないほど頻発しているが、そのたびにオフィシャルな建前とその隠された本音とのギャップが注目を集めることも多い。ではこの『グレート・ギャツビー』はどうなのか?

と疑ってかかりたいところだが、これまでのところ否定的な声は聴こえてこないばかりか「スニーク・プレビューの結果を受けてクリスマス映画ではなくもっと多様な観客を呼び込めるサマームービーとして売り出していこうということになった」とのこと。米興行ではクリスマス~ニューイヤーシーズンも映画館の掻き入れ時として知られるが、しかし『アベンジャーズ』や『ダークナイト・ライジング』のような大ヒットが生まれるのはサマーシーズンと相場が決まっている。

ただしこの公開日移動によって『グレート・ギャツビー』が今年度のアカデミー賞に絡んでくる可能性は無くなった。ワーナー関係者にとってはその部分も併せての大きな決断だったものと思われる。

また、今年の12月には『グレート・ギャツビー』の主演レオナルド・ディカプリオが悪役に扮するクエンティン・タランティーノ監督作"Django Unchained"の米公開も控えていることから両作品のバッティングを回避したのではないかと推測することもできる。

F.スコット・フィッツジェラルドが原作に詰め込んだ世界観がエモーショナルな部分も含めて目を見張る3D映像で彩られているという本作。クラシックという概念を打ち破り、どれほどの層の厚い観客に向けて訴求力を高めていけるのか、来夏に向けてのマーケティング手法にも注目していきたいところだ。

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2012/07/05

【画像】OZ公式ポスター登場

人々の関心が『アメイジング・スパイダーマン』へと流れ込む中、旧『スパイダーマン』3部作の功労者サム・ライミは新作ディズニー映画"Oz The Great and Powerful"の製作で大忙しの状況だ。そんな本作からポスタービジュアルが初出し公開された。

誰もが良く知る「オズの魔法使い」の前日譚として創造された本作は、サーカスの奇術師として生計を立てる主人公(ジェームズ・フランコ)がオズの世界を訪れ、3人の魔女(レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ミラ・クニス)が繰り広げる抗争に巻き込まれていく物語。

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本作は来週サンディエゴで開催されるSF界の巨大コンベンション"Comic-Con"でもプレゼンテーションが予定されている。ちなみに米劇場公開は2013年3月8日。

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2012/06/21

【予告編】ジョー・ライト監督作「アンナ・カレーニナ」

『プライドと偏見』や『つぐない』のジョー・ライト監督による最新作『アンナ・カレーニナ』の予告編とポスター画像が公開された。

本作はロシアの文豪レフ・トルストイによる19世紀ロシアを舞台にした文芸大作をイギリスが誇る名戯曲家トム・ストッパード(『恋に落ちたシェイクスピア』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』)の手により脚色。キーラ・ナイトレーがタイトルロールを演じるほか、ジュード・ロウ、アーロン・ジョンソン、ケリー・マクドナルド、マシュー・マクファディン、エミリー・ワトソン、オリヴィア・ウィリアムズなどなどが揃い踏みする。果たして俊英ジョー・ライトはどのような映像スタイルでこの大河ロマンに挑むのか。今回は特に『路上のソリスト』、『ハンナ』と2本の現代作が続いた後の、ライトにとって久々の文芸回帰となるだけに余計に期待が募る。劇場封切は11月9日。

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2012/06/09

【画像】ミシェル・ゴンドリー最新作"Mood Indigo"

『エターナル・サンシャイン』や『僕らのミライへ逆回転』などで知られる奇想天外な映画監督ミシェル・ゴンドリーの最新作"Mood Indigo"の初オフィシャル画像が公開された。その相変わらずの独創性といったら、もうワクワクしてしまうほどだ。

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