2017/05/14

クォーリーと呼ばれた男

5月15日よりスター・チャンネルにて独占日本放送が始まる海外ドラマ「クォーリーと呼ばれた男」についてレビューしています。

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1972年のミシシッピを舞台にしたこのドラマ(全8話)。かなりガツンとくる内容で、アクションもドラマもサスペンスも超ドライ。ベトナム帰りの元兵士が謎の男に誘われて「殺し」の世界に足を踏み入れるのですが・・・・・・全編にわたり不気味な緊張感が漂い、中盤から後半にかけて極度に振り切れたみたいにハードなアクションが挟み込まれるので、もう全くもって気が抜けない。それでいて撮り方がとても巧みでちょっとしたシーンでもアングルやカメラワーク、長回しに、作り手の本気度を突きつけられっぱなしの作品でした。

決して派手ではなくセリフや状況説明も少なめなのですが、点ではなく線としてずーーっと惹きつけられ見入ってしまう。そんな硬派な作り。これまでにあまりない、極めて特殊なスイッチを押されるドラマです。

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2016/07/21

ロック・ザ・カスバ!

ビル・マーレイ主演の珍作『ロック・ザ・カスバ!』についてレビューしています。

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ビル・マーレイがアフガンでロックを叫ぶ!?異色コメディ『ロック・ザ・カスバ!』の挑戦

ザ・クラッシュの名曲をタイトルにするとは、なんと恐れ知らずで、大胆不適な。。。こんな所業が許されるのも主演がマーレイだからこそ。劇中では彼が上手いのか下手なのかなんとも言いようのない「Smoke on the Water」を熱唱する場面もあります。なにはともあれ、ビル・マーレイを語る上では欠かすことのできない一作かと。

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2016/05/14

マクベス

今年はシェイクスピア没後400年の節目なのだそうです。シェイクスピアが生きたのは1564年〜1616年で、日本でいうとNHK大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁が生きた1567年〜1615年と微妙に重なるという不思議もあります。ちょうど今、大河では歌舞伎の開祖とされる出雲阿国が舞を披露する場面が出てきていますが、ちょうど同じ頃、海と大陸を隔てた英国ではシェイクスピアの作品群がロンドンをはじめとする市井の人々の心を歓喜させていたんですね。

というわけで、シェイクスピア物の映画の最新版として高い評価を獲得した『マクベス』について書きました。

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マイケル・ファスベンダーが暴君を怪演する『マクベス』、その狂気の裏側にあるものとは?/リアルサウンド

本作は吉本興業が配給することでもニュースになりました。と言っても本作に笑いはありません。むしろ狂気が悲劇を生む壮絶な物語です。

本作に触れると「どうしてこんな狂気が人の心を支配してしまうんだろう?」と誰もが不思議に思うはずなんですが、今回のレビューでは(原作にはない)冒頭シーンからその背景について推察しています。これまで敷居が高すぎてシェイクスピアに関心が持てなかったあなた。大人になってからのシェイクスピアは案外楽しいものですよ。

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2016/04/27

緑はよみがえる

『緑はよみがえる』という映画のレビューを書かせていただきました。

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巨匠エルマンノ・オルミ監督が伝承する戦争の記憶 80歳を超えて『緑はよみがえる』を手がけた背景/リアルサウンド

イタリアの巨匠、エルマンノ・オルミによる最新作なのですが、80歳を越えたこの伝説的な監督が描く戦争映画(と言っても描かれるのは第一次大戦)は、時に詩的で、荘厳で、そして時に張り裂けそうなほど激しい恐怖と悲しみを胸に去来させるものでした。本国では大戦勃発100周年の節目に公開されたとのこと。

無口な登場人物が最後にこうつぶやきます。

「やがて戦争も終わり、故郷に帰る時が来るだろう。ここ(戦場)には緑がよみがえり、ここで起きたこと、耐え忍んだことなど、何も残らない。信じる者すらいなくなる」

どこの国でも、記憶の風化について同じような問題意識を抱えているのだなと、身につまされる思いがしました。

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2016/04/26

シビル・ウォー キャプテン・アメリカ

マーベル・ユニバースも新たな段階へ。正直、本家『アベンジャーズ』以上に面白い!そんなシリーズ最新作『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』がいよいよ公開です。

レビューを執筆しましたので、ぜひご一読ください。

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息つく暇なく激走するアクションとサスペンスが、シリーズ新局面の始動を高らかに告げる。/映画.com


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2015/12/15

消えた声が、その名を呼ぶ

年末公開となる『消えた声が、その名を呼ぶ』という映画について解説しています。トルコ系ドイツ人、ファティ・アキン監督による最新作にして超大作。彼がこれほどスケールの大きな映画に挑戦するのは初めてのことで、マーティン・スコセッシやロマン・ポランスキー、アトム・エゴヤンといった巨匠たちのアドバイスも受けながら生み出された一作とのこと。

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ドイツの若き名匠が『消えた声が、その名を呼ぶ』で描く、”隠れた歴史”への壮大な旅路/リアルサウンド

声を失った主人公の旅路は一体どこまで続くのか。幾つもの国々でロケーションを敢行し、製作年数はトータルで7年にも及んだ作品です。魂にずっしりと重みを残す、その圧倒的な余韻も見所のひとつ。ぜひ主人公とともに、映画だからこそ可能な果てのない孤独な旅路を、じっくりと体感してほしいです。

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2015/04/14

グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜

数年前、『ぼくたちのムッシュ・ラザール』という映画が公開された。テーマはとても深刻ながら、そのタッチは透明感に満ち、抵抗なくすっと胸の内側に沁み込んでくる作品だった。舞台はカナダ、モントリオール。そこの小学校でひとりの担任教師が命を断つ。静かに動揺する学校、教師、そして子供達。やがて生徒たちの心に再び落ち着きをもたらすべく、ひとりの中年男性が臨時教師として雇われる。傷ついた心に寄り添う彼の姿勢に、少しずつ心を開いていく生徒達。映画には少しずつ安らぎと、優しい笑顔が芽吹き始める。それと並行して物語は、この臨時教師もまた、過去にとてつもない悲劇を経験した人であることを、解き明かしていくーーー。

アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされたこの『ムッシュ・ラザール』だが、手掛けたフィリップ・ファラルドー監督はその次作品として、内容は全く異なるが、あたかも前作と対になるような映画を作り上げた。それが『グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜』だ。

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2013/11/27

キャプテン・フィリップス

映画.comにて『キャプテン・フィリップス』のレビューを執筆しております。お時間ある方はぜひご覧ください。

“ジェイソン・ボーン”シリーズのポール・グリーングラス監督が手掛けた本作は、2009年にソマリア沖で実際に起こった事件をベースに描いたもの。グリーングラス印の手持ちカメラによる臨場感に満ちた構成は相変わらずで、ふたを開けてみれば緊迫感のつるべ打ち状態。そんな中でも彼の演出は、けっして表面的な状況描写にとどまることなく、元ジャーナリストらしく、事件の向こう側にあるものを透視図のごとく浮かび上がらせてくるものでした。

その意味では、上記のレビューには書いておりませんが、ひとつには海という舞台を通じて極めてアナログな形で“グローバル”の世の中を提示してみせたことに衝撃を受けました。我々はグローバルと言う言葉にネットかなにかの極めて電子的な繋がりをイメージしがちですが、この映画ではソマリア沖という舞台を通じて、決して出逢うはずのなかったソマリア海賊と米船舶クルーの両者が激しく魂を衝突させることになります。もはや世界はどんな細部においても繋がっていて、たとえばソマリアの漁村の貧困がやがて若者達の海賊化を引き起こし、それがいつしかフィリップス船長以下クルーの生命を脅かす事態にまでドミノ的に直結してくるのです。

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もうひとつは、上記のレビューでも触れているのですが、冒頭でフィリップス船長が口にする「サバイバル」という言葉がやはりどうしても胸に突き刺さってくるのです。出航前の妻とのひととき、フィリップスは息子らがこれから放り出される激しい競争社会を憂い「サバイバルの時代」と表現します。この一言によって、その先展開していくフィリップス船長自身のサバイバルもまた大きく違った意味合いをの光を放つことになります。『キャスト・アウェイ』(2000)から13年が経過し、トム・ハンクス主演のサバイバル映画という意味では時代がちょうど一周しました。ちょうど同じ時期に同様のサバイバルを主題に掲げた無数の作品が公開ラッシュを迎えていることも、すでに多くの人たちによって指摘されています。

知恵と勇気を振り絞ってなんとか生き抜こうともがくフィリップス船長の姿は、単なるアメリカ的なヒーロー像とは全く異なる、むしろ現代に生きる我々の姿を如実にさらけ出したものなのかもしれません。それゆえ、観賞後もまるでバトンが手渡されたかのように、感動や爽快とはまた違う、深い余韻が身を支配するのではないでしょうか。

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2013/02/15

【レビュー】ゼロ・ダーク・サーティ

これまでの常識で考えれば、この題材、まずはテレビや新聞、ネットメディアの取材班か軍事ジャーナリストなどによる入念なる潜入ルポなどを経て、少しずつ広がり始める運命だったはずだ。しかし今回、何よりも早く真実へと足を踏み出したのは、ほかでもない“映画”だった。それも『ハート・ロッカー』でタッグを組んだ監督キャスリン・ビグローと脚本家マーク・ボールという最強の組み合わせ。

彼らはもともとオサマ・ビンラディン追跡作戦を題材にした作品を構想中だった。その矢先、ご存知のように、オバマ大統領による「ビンラディン殺害」の報が世界中にもたらされた。映画界はすぐさま彼らの動向に注目。ビグロー&ボールはこの機を逃すことなく、2001年9月11日から続いてきた悪夢の終焉を映画としてすべてを描き尽くしたいとして試行錯誤をはじめる。そして『告発のとき』や『ハート・ロッカー』の原作となった雑誌記事で名を馳せたジャーナリストでもあるマーク・ボールが関係者に執念深く取材を重ねたことで、この驚愕のストーリーがその輪郭を現し始めることになった。大統領選の折には共和党陣営から「機密情報のリークが行われたのではないか?」との糾弾の声があがるなど舞台裏でもヒートアップ。

そうしてようやく人前に曝け出された『ゼロ・ダーク・サーティ』は、その硬質な触感と共に、時にヒヤリと鋭利な刃物を突きつけるかのような緊張感を強いる異色作に仕上がった。『ハート・ロッカー』で評価を得た「限定された視座から見つめる戦場」の方程式をここでも大いに応用させ、そこにある“感情”を炎天下のフライパンでカラカラに干からびさせるほどに追い詰め、焦がしていく。

そこで知らされる、この作戦の裏側にひとりの女性分析官の存在があったという事実には衝撃が走る。最初は人権無視の事情聴取に目を背けて頼りなさそうにも見えたヒロインが、やがて仲間を失い、追随するテロを抑えきれず、時間ばかりが無意味に流れ行く中でどんどん焦燥し、目の奥にギラツキを覚え、男社会の中で上司にさえも恫喝しながら、ふいに手にしたほんの一筋の絹糸のごとき覚束ない手がかりを、10年の歳月を重ねながら執念深くたぐり寄せていく。

ヒロインを演じるのは毎年のアカデミー賞の常連と化したジェシカ・チャステイン。彼女と同僚の女性分析官の女の友情がこのミッションに及ぼす精神的な着火の意味合いは非常に大きく、また翻るとこの『ゼロ・ダーク・サーティ』という映画自体が、主演のチャステイン、監督のキャスリン・ビグロー、それに億万長者の娘にして20代にして数々の作家性の強い映画監督たちの作品を支えるパトロン的存在にまでのし上がったミーガン・エリソンといった3人の女性たちによる強力な共闘関係によって織り成された果実であることも忘れてはならない。

また、ヒロインと併走し、バックアップする男優達も巧みな助演ぶりをみせる。その多くは適材適所といった形でチャステインの生息する現場に入れ替わり立ち替わり顔を出しては次にバトンをつなげていく。彼らが入れ替わることによってそれだけの歳月の過ぎ行く早さを表現し、その反面、ずっとそこに生息し続けるヒロインの「変わらなさ」を際立たせる。

サスペンス・アクションだからといって、爽快感などは存在しない。ニュースで聞き慣れた事件や背景であるにもかかわらず、終止何が起こるのか心臓が警戒しっぱなしだった。足が震えた。そしてカメラはラストの不気味な静寂をたたえる真っ白な建物へと、暗視スコープにて足を踏み入れていく。ここに至るまで、執念深く点と線をつないでいった彼女が挑む大博打。映画ゆえの脚色部分が幾らかある可能性を抱えつつも、とにかくニュースが伝えられなかった真実(そうは言っても、本当の意味での客観的な真実に辿り着ける者など誰もいないのだが)に近づける意味において、150分、観て損はないリアル・スリラーとして讃えていいだろう。

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2012/10/03

【NEWS】クルーニー監督最新作にジャン・デュジャルダン?

Dujardin ジョージ・クルーニーが準備を進める監督作"The Monument's Men"に『アーティスト』で主演男優オスカーを獲得したフランス人俳優ジャン・デュジャルダン(『アーティスト』)が出演する可能性が浮上している。

本作は第2次大戦中にナチスによって奪われた数々の歴史的な美術品を奪還すべく美術界のエキスパートらによって編成された特殊部隊が奮闘する姿を描く。The Wrapによるとジョージ・クルーニーが監督、主演を兼任し、デュジャルダンが打診されている役柄は助演級のようだ。なお、キャスティング作業はまだ始まったばかりで、正式決定までにはもう少し時間がかかりそうな見通し。撮影は来春ごろ、ドイツ、オーストリア、パリ、イギリスなどで展開する。本作にはほかにもケイト・ブランシェットやポール・ジアマッティの出演が噂されている。

『アーティスト』で国際的な知名度を増したデュジャルダンは、マーティン・スコセッシ監督作"The Wolf of Wall Street"にも出演する。はたして"Monument's Men"がそれに続くハリウッド作となるか。

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