2020/03/26

「チャンプ」(79)

1979年の映画『チャンプ』について書かせていただきました

この映画との出会いはちょっと衝撃的でした。僕は最初、DVDジャケットにもなっているようなボクシングの映画かと思って見始めたものの、肝心のボクシングがなかなか始まらない。むしろ競走馬がわんさか出てくる。涙無くしては見れない親子ドラマもある。そしてようやくリング上でゴングが鳴るのはラスト20分になってから。これが散々待たせただけあって壮絶でした。当時、ファイトシーンの振り付けを担当したジミー・ガンビノが「これまででベストのファイトシーンに仕上がった」と満足げに語ったとも伝えられていますが、当時人気だった『ロッキー』シリーズにも迫るほどの迫力と執念で圧倒されます。そしてそこから始まる号泣の嵐。本作はこれらのくだりでとにかく「泣かせる」ことでも有名な作品です。

 

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2020/03/24

『フェアウェル』

ゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得した傑作『フェアウェル』についてレビューを書かせていただいております。ご興味ある方はご覧いただければ嬉しいです。

この映画に出会えて本当に良かったと、素直にそう思える一作。優しく、柔らかな気持ちになれて、心の中に栄養がスーッといきわたっていく・・・そう書くとなんだか胃薬の宣伝みたいですが・・・自分の本心は刻一刻とアップデートされる世界ニュースよりも、むしろこのような心の栄養を求めていたんだな、と改めて感じました。

Farewell

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2020/03/17

「The Fall 落下の王国」

ターセム・シン監督作『落下の王国』について書かせていただきました。公開時にも、この一筋縄ではいかない語り口に魅了され、「物語の湧き上がってくる場所(本作では、人と人とがふれあう狭間に”物語内物語”が生じていく)が面白い」と知人と語り合っていたのですが、その映画作りの裏側はもっと一筋縄ではいかないものでした。お時間ある方はぜひ、作品鑑賞と合わせてお読みいただければ幸いです。

ところで、本作はターセム監督が「この人と結婚して生涯を共にしたい」と心から願っていた恋人と破局を迎えたのを機に、制作が始まったとのこと。様々な映画の裏話を覗いていると、映画監督の中には自分の強みや長所よりもむしろ「何らかの苦しみや自分の弱さ」をバネにしてとんでもない名作を作り上げる人が多く、これは一体なんなんだろうな、と思わされます。

例えば、スピルバーグは自らの映画作りの原点について「僕はただ怖いと感じてるものを自分から取り出したかっただけだよ。(中略)怖くなくなって正視できるようになるから。そしたらやがて、自分がちょっとモンスターなものだから、みんなにも怖がってもらおうと思い出したんだ」「だから、僕にとっては(映画作りは)一種のセラピーだよ。自分の暮らしから追い出して、あなたがたの真ん中にドカンと置いてみた、みたいなこと」(J.リプトン著「アクターズ・スタジオ・インタビュー」2010/早川書房/酒井洋子訳)と語っています。

自らの感受性をうまく転換させて別次元へと放出する。あるいは、苦しみから少しずつ抜け出していく過程、魂が抜け出すかのように自分をどんどん俯瞰して見つめることで、そこに何らかの”表現すべき世界”が立ち上がっていく・・・そういった幾つかの心理的、精神的な作用すら思い浮かびますが、つまるところ私たちの苦しみや悲しみというものは、常に大きな力にもなりうるということなんじゃないかな、とぼんやり考える午後。

 

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2020/03/05

アマデウス

今から35年前のオスカーに輝いた傑作『アマデウス』について書きました

『アマデウス』と聞くと、クラシック音楽好きな方以外はどうしても体が膠着してしまうかもしれません。でも、これを「才能に恵まれた者」と「そうでない者」との人間ドラマとして見つめると、我々にとっても身近な物語のように思えてきます。まあ、間違いなくモーツァルトとサリエリの(フィクションをはらんだ)物語なのですが、これをあえてミロス・フォアマン監督の作家性や彼のたどった人生を通じて見つめてみました。そこで何が見えてきたかについてまとめています。

オスカーに輝いた『カッコーの巣の上で』や『アマデウス』を始め、フォアマンの作品はとにかくそのパワフルな人間描写が魅力。コロンビア大学ではジェームズ・マンゴールドの指導教授だったことでも知られる彼ですが、パワフルな人物描写といった部分はマンゴールドにもしっかりと受け継がれているように思えます。

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2020/02/25

野性の呼び声

映画.comにて『野性の呼び声』のレビューを書かせていただきました。ジャック・ロンドンが著した原作小説はアメリカ本国で教科書に載るほど親しまれている作品なのだとか。過去にも何度も映画化、ドラマ化されてきましたが、原作のストーリーを最初から最後までをきちんと映像化するのは珍しいことなのだとか。

Callofwild

確かにこの物語は、穏やかな気候のカリフォルニアから極寒のユーコンへと舞台を様変わりさせ、犬をはじめとする動物たちがメインとなるシーンもてんこ盛り。さらには飼い主がバトンリレーのように変移を遂げていく。これらを全て成立させるのは大変な苦労を伴う仕事です。でも技術と演出力と演技力が3つ揃うことで、難所を見事に乗り越えることができた。ここが何よりも素晴らしい点だと思います。

ハリソン・フォードが人間の言葉を喋り、それに対して犬が咆哮で返すーーーこの言葉を超えた絶妙なやり取りに『スター・ウォーズ』のソロとチューイの姿が思い出されて嬉しくなりました。

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2020/02/15

サム・ロックウェルについて書きました

リアルサウンドにて、大好きな俳優サム・ロックウェルについて書かせてもらいました。ひと昔前はこの人が画面上に現れると体が無条件に警戒してしまっていたのに、今では「今度はどんな役を見せてくれるんだろう」と笑いと興奮がじわじわと込み上げてくるのを感じます。一筋縄ではいかない彼の演技にワクワクしっぱなしです。
昨年は”Fosse/Verdon”というTVシリーズにて、伝説の振付師であり映画監督でもあるボブ・フォッシー役を演じたことも大きな話題となりました。まだ見れていないのですが、こちらもすごく楽しみです。なんせむちゃくちゃダンスが上手いので。

 

 

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2020/02/08

ケン・ローチ監督『家族を想うとき』

リアルサウンドにてケン・ローチ監督についての記事を書きました。正直、ローチという壁があまりに高すぎて、自分の限界を感じました。でもこの機会に自分なりに振り返っておいてよかったと感じています。そして最近の彼の作風は、政治的主張を大上段から振り下ろすというよりも、歳を重ねてますますしなやかになっているとも感じるのです。だからこそ、より胸の芯の部分にまですんとナチュラルに沁み渡っていく。日本では絶版になっている作品も多いですが、これから彼の素晴らしい作品に普通にアクセスできる環境が整っていくことを願うばかりです。

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2020/01/27

フェリーニの『甘い生活』

どうやら私が学生の頃、フェデリコ・フェリーニ作品は映画を愛する者にとって必須の教科書のように言われていたらしい。あえて「らしい」という表現を使ったのは、こと私自身に至っては、誰かにそう言われたわけでも、見ろと強制されたわけでもないからだ。私に映画の師匠はいなかったし、映画研究会に所属して映画の見方を習ったわけでもなかった。ただ、そうはいっても、新宿TSUTAYAで目にするフェリーニ作品は、セルでもレンタルでも圧倒的な存在感があり、私にとってそれは手を出したくても出せない高い壁のようにすら思えた。そこを登らないと次の景色が見えてこないのはわかっているのに・・・。私はその山を迂回して別の景色ばかりを目にして生きてきた。で、結局、いつかは忘れ物を取りに、元の場所まで戻ってくる羽目になるのだ。

La-dolce-vita

そんなわけでフェリーニの『8 1/2』に続いて『甘い生活』を見た。3時間に迫る映画だ。かつての新宿TSUTAYAでもレンタルVHSをよく見かけたが、パッケージの印象からして甘いラブストーリーなんだなと思っていた。もし私に師匠がいれば「ばかやろう、むしろ怪作の部類だよ」と教えてくれたはずだ。

線形のストーリー構成から華麗に逸脱したこの映画は、当時のタブロイド紙を賑わした様々なセンセーショナルなニュースが元になっている。それらをちりばめた7日間が、マルチェロ・マストロヤンニ演じる新聞記者の目を通してタペストリーのごとく綴られていく。

さすがフェリーニ。あっけにとられる描写が多い。特筆すべきは冒頭、ヘリに吊り下げられたキリスト像がローマ上空を滑空するシーン。そして中盤、聖母マリアを見たという少女たちをめぐって人々が大集結する場面。さらにはラスト、海辺に怪魚が打ち上げられるシーン。いずれも幻想性を丁寧かつ繊細に浮かび上がらせ、イマジネーションが炸裂する。

やがて各エピソードの総体から浮かび上がるのは、当時の社会性や時代性だろうか。説教じみたことは一つもない。むしろそうやって様々な日常や事件を投げかけられ、共にその場の空気を吸い、ローマの7日間を共有したかのような余韻がこみ上げる。そんな3時間。もっと若き日に出会いたかった・・・正直、そう思ったが、これはこれで、今しか成し得ない唯一無二の出会いだったようにも思える。早いも遅いもない。最後は巡り巡って、誰もがあるべき場所に立つ。人生とはそういうものだ。

 

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2019/10/22

テリー・ギリアム監督作「バロン」

先日の『バンデットQ』に続き、同じくテリー・ギリアム監督作の『バロン』について書きました

Barron

よく「史上最大の失敗作」的な言われ方をする映画ですが、今改めて鑑賞してみると実に素晴らしい作品です。数々のトラブルに見舞われながら、それでも芸術性をいっさい安売りすることなく、思い切りイマジネーションを爆発させているところが感動的。さらに戦争という圧倒的な現実の中でフィクションというものがいかに機能しうるのか、そんな究極の問いが垣間見えるところにもハッとさせられます。

ちなみにこの作品、制作費が節約できるという理由でローマに拠点を置いたのですが(そもそもこれがトラブルの始まりだったという声も)、この地でテリー・ギリアムは何度かフェデリコ・フェリーニとも会って言葉を交わしたそう。その時、感じたこととして「撮影中のフェリーニは驚くほどエネルギッシュで若々しく、そうでない時の彼は急に歳を取ったみたいに弱々しく見えた。仕事と想像力によってこんなにも人は変わるんだな、と思い知らされた」という風に述べている。

今やギリアムもフェリーニの享年をとうに超えてしまったが、困難にぶつかってもすぐにまた起き上がって猪突猛進を続けるその勢いはまだまだ衰えそうにない。どんなサイズでもいいから、いつまでも若々しく、エネルギッシュに映画を撮り続けて欲しいものだ。

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2019/10/21

バンデットQ

誰にでも何かのタイミングで偶然に見たり聞いたりして、タイトルはわからずとも、その後ずっと気になり続けてきた映画や音楽って一つや二つあると思う。僕の場合、その代表格と言えるのが、小学生の頃にたまたまTVで観て、まるで電流に打たれたかのように衝撃を受けた『バンデットQ』。

Time-bandits

ようやくこの映画の詳細にまでたどり着いたのは大学生の頃で、まずはモンティ・パイソンのファンになって、それからパイソンズのメンバーであるテリー・ギリアムの映画を意識して観るようになり、過去作を遡っていくうちに「あっ、この映画は、小学生の頃に見た・・・」と発見。まさか自分が小学生の頃すでにギリアム作品の洗礼を受けていたなんて、かなりの驚きでした。

今回、改めてきちんと見直してみようと思い、満を持してCINEMOREで『バンデットQ』を選んでみました。何度見ても本当にヘンな映画です。でも今ではある程度歳を重ねたせいか、その「ヘン」の中にギリアムの途方もない情熱を感じることができる。徹底的に、情熱的に「ヘン」をやり通せる大人って本当に素晴らしいし、カッコイイ。

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